2008.11.14 Friday
「レオナール・フジタ展」
上野の森美術館で11月15日より開催される
没後40年「レオナール・フジタ展」のプレスプレビューにお邪魔して来ました。 ![]() 公式サイト 前置き必要なし。展覧会の構成に沿ってご紹介。凄かったです。 第1章 スタイルの確立−「素晴らしき乳白色の地」の誕生 ![]() 左から「家族」「断崖の若いカップル」1917年、「二人の女」1918年 フジタがフランスに向け日本を最初に後にしたのが1913年。「家族」他は、翌年勃発した第一次世界大戦が集結する2年前に描かれた作品。水彩で描かれた「家族」は細い細い線が日本人のアイデンティティーを誇示するかのように丁寧にそしてしっかりと引かれています。 しかし、全くフジタらしからぬ画風にまず最初に驚かされます。フジタの代名詞でもある乳白色の地はまるで無く、なんちゃってモーリス・ドニのような色彩構成とアフリカ彫刻のような横顔。それはまるでモディリアーニが描く縦長の顔のようにも見えます。それもそのはず、当時フジタはモディと交流がありフジタの肖像画などを残しています。(因みに画商さんも一緒だったそうです) ![]() 右:アメデオ・モディリアーニ「フジタの肖像」 また竹橋の東京国立近代美術館他で開催された「生誕120年藤田嗣治展」(2006年3月28日〜5月21日)にも初期の風景画が公開されていました。小品ながらも衝撃を受けたこと覚えています。華やかなパリの街を描かずどうして郊外を敢えて選んだのかと。 ![]() 今回の展覧会でもまた初期に描かれた風景画が数点展示されています。無人のまたは一人だけぽつんと寂しそうに描かれている風景。それぞれ微妙に違った味わいがあります。 静岡県立美術館の「モンルージュ、パリ」はルオーのような佇まい。名古屋市美術館の「風景」はゴッホの「オーヴェールの教会」に通ずる不安げな空模様が描かれています。 もう少し時間をかけて観ていればもしかして東山魁夷の「道」に通ずる何か発見できたかもしれませんが、それはまた次回に。 お待たせ致しました。「すばらしき乳白色の地」の誕生です。 1920年以降画面は白を基調とした我々が知っているフジタに。 ![]() 左から「横たわる裸婦」1927年 「二人の友達」1926年 混雑していないようでしたら、「二人の友達」のキャンバス顔を近づけてご覧になってみて下さい。遠目には真白に見える背景も丁寧に色が塗られていること分かります。そして無数のひび割れも目立つことも。 若い時分はこの乳白色の良さが理解できませんでしたが、年を重ねた今になるとたまらなく美しく、愛おしさまで感じてしまいます。「自画像」を含めた数点の裸婦像を丹念に拝見していると、瞬く間にフジタの世界に没入。 しかしそれも束の間。 夢の世界から身体を90度角度変えた瞬間一気にパラレルワールドへ! どーーん!! ![]() (c)Conseil général de l'Essonne 「幻の連作一挙初公開」と宣伝文句に使われてい1928年にフジタが手がけた超大作の名に相応しい群像大作4点。一枚の大きさが縦横3mもあるそうです。奥に写っている人物と比較してみればその巨大さ一目瞭然。 ![]() 左:「ライオンのいる構図」 右:「犬のいる構図」 (c)Conseil général de l'Essonne 4点共、フランス・エソンヌ県議会が現在の持ち主。 1928年にこの600号というとてつもない巨大な作品を描いた後、フジタは日本に一旦帰国します。詳細は知っていませんが、それが原因で?この作品は久しく行方が分からなくなっていたそうです。 それが発見されたのが1992年のこと。 一体何処にどうやってあったのでしょう??フェルメールの作品くらいならいくらでもしまっておけますが、これだけの大作となると東京都現代美術館並みのスペースを有していないと置いておくことすら出来ません。 ![]() 左:「闘争 I」 右:「闘争 II」 (c)Conseil général de l'Essonne なんと驚くべきことに、キャンバスのままクルクルとまるめられ、倉庫に置かれてあったそうです。素人考えでも分かることですが、油彩を長い間キャンバスごとまるめれば、当然ヒビができ絵具が剥落してしまいます。 1992年に発見された時はそれはそれは酷い状態だったそうです。 それを根気強く6年もの時間をかけ修復し甦った作品が上野に来ているのです。 所蔵先のエソンヌ県がこの作品を常設すべく美術館建設を予定しているそうなので、こうして遠路はるばる日本にやって来るのはこれが最初で最後のことだそうです。見逃すわけにはいきません。 興奮してセクション名書くこと忘れてしまいました。。。 第2章 群像表現への挑戦―幻の大作とその周辺 です。 この大作に隣接する形でフジタが遺したデッサンも数多く展示されています。どの部分のデッサンに当たるのか探すだけでも一苦労します。 筋骨隆々の肉体美を描いた背景には、システィーナ礼拝堂で目にしたミケランジェロ作品の影響が指摘されています。それにしても筋肉描き過ぎじゃん。フジタ。 こちらも世界初公開作品! ![]() 「馬とライオン」1928-29年 フランス・エソンヌ県議会蔵 パリ日本館所蔵の「馬の図」の関連作品。こちらも修復を終え初お披露目。 でも、フジタと言えばやっぱり馬やライオンでなく「猫」ですよね。 ![]() 「猫」1936年 ベルナール・ビュフェ美術館蔵 初めて所蔵する美術館以外に貸し出された逸品。 上野会場限定での展示となるそうです。 猫好きの方には何時間観ていても飽きない一枚。 じゃれ合ったり、魚くわえたり、はたまたタコをくわえる輩まで。。。 何匹描かれているのでしょう。数えてくれば良かったな〜 第3章 ラ・メゾン=アトリエ・フジターエソンヌでの晩年 ![]() 君代夫人と晩年を過ごしたフジタの自宅内のアトリエが展覧会会場に再現されています。壁のフレスコ画はエプソンさんの技術により再現されたもの。 このアトリエから誕生した作品もすぐ近くに展示されていました。 ![]() 左から「自画像」「アージュ・メカニック」「フランスの冨」1960年頃 フジタが描く子供の絵、ちょっと不気味で苦手。でもこれだけの数ならok.なければなかったで悲しかったりしますからね。我がまま我がまま。 第4章 シャペル・フジタ―キリスト教への改宗と宗教画 「シャペル・フジタ」を「スペシャル・フジタ」と読み間違えるほど充実したセクション。第2章の大作が目玉として取り上げられていますが、絵画作品をじっくり味わうならここは欠かすこと出来ません。第4章がしっかりしているからこそ、この展覧会が単なるお披露目会に成り下がらずにすんでいます。 ![]() イエス・キリストや聖母マリアから聖書に登場する聖人など、近代美術館の「藤田嗣治展」ではあまり多く観ることが出来なかった、「レオナール・フジタ」による数多くの宗教画を目の当たりにすることができます。 ![]() 前半飛ばし過ぎて観てしまうと、最後のこの貴重な宗教画を観る力無くなってしまいかねません。大味な大作よりもこちらに時間をかければ良かったと後悔。次は第4章中心に観に行きたいと思います。 またここでは、フジタが手がけたランスの「平和の聖母礼拝堂」。この礼拝堂の壁画やステンドグラス制作の為に描き残したデッサンも展示公開されています。 ![]() 教会内部の壁画と同じサイズのデッサンが残されている為、こうして組み上げて実際のランスの礼拝堂と同じ大きさの空間を再現することに成功しています。 いやはや、藤田展と聞いて竹橋に行ったからいいかな〜なんて考えていた自分浅はかでした。これは何としてでも行かねば系の展覧会。上野公園熱過ぎ!「大琳派展」「スリランカ展」「フェルメール展」「ハンマースホイ展」それに「菌類のふしぎ展」 混雑するだろうな〜きっと。 最後に「今日の一枚」 ![]() 「イヴ」1959年 と習作。 藤田嗣治が描いた女性像の中でこれが最も好きかも。 どうしてかって? 観ればわかりますけど「色っぽいんです」とっても。 没後40年「レオナール・フジタ展」は2009年1月18日までです。 年末年始も休まず、会期中無休!! 【公式サイト】 巡回先: 福岡市美術館 2009年2月22日(日)〜4月19日(日) せんだいメディアテーク 2009年4月26日(日)〜6月7日(日) 詳しくはレオナール・フジタ展スペシャルサイトにて。 注:画像は主催者の許可を得てプレビュー時に撮影したものです。 (c)Kimiyo Foujita & SPDA, Tokyo, 2008 ![]() 猫の本―藤田嗣治画文集 藤田 嗣治 【関連エントリー】 - 弐代目・青い日記帳 | 「藤田嗣治展」 - 弐代目・青い日記帳 | 雑誌「サライ」:藤田嗣治レオナール・フジタの素顔 - 弐代目・青い日記帳 | 竹橋駅ホームにて - 弐代目・青い日記帳 | 光文社新書の問題提起 - 弐代目・青い日記帳 | ラジオ番組「絵画の向こう側」 - 弐代目・青い日記帳 | 「マルク・シャガール展」&長谷川等誉「涅槃図」 - 弐代目・青い日記帳 | 「海に生きる・海を描く展」 この記事のURL http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1573 JUGEMテーマ:アート・デザイン エコール・ド・パリの寵児として活躍した世界的画家、藤田嗣治(1886〜1968)の幻の群像大作4点すべてが日本で初めて一堂に会する「レオナール・フジタ展」が開催されます。 |























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