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「近世初期風俗画 躍動と快楽」

たばこと塩の博物館で開催中の
開館30周年記念特別展「近世初期風俗画 躍動と快楽」に行って来ました。



辻惟雄先生の著書「風俗画入門」によると、所謂洛中洛外図は15世紀後半から16世紀初頭に初めて描かれたものだと記されています。
 三条西実隆の日記『実隆公記』の永正三年(一五〇六)十二月二十二日の条に次のような記事があります。
  甘露寺中納言来ル、越前朝倉屏風ヲ新調ス、一双二京中ヲ画ク、
  土佐刑部大輔、新図ス、尤モ珍重ノ物ナリ、一見興有リ
 
越前の守護大名朝倉義景が、甘露寺中納言の斡旋で、当時の宮廷絵師土作光信に京中図屏風を描かせたことがこれからわかります。この京中図というのは、洛中洛外図屏風のことであとうと推測されており、洛中洛外図の成立が、一五〇〇年前後にさかのぼることを示す貴重な文献とされます。
現存する最古の洛中洛外図屏風」である『歴博甲本』(『町田家本』『三条家本』とも)が今、渋谷公園通り沿いにあるたばこと塩の博物館で僅か300円の入館料を払うだけで堪能出来てしまいます。

期間は今月30日(日)まで。
10月25日から開催されているこの特別展、展示会場こそ決して広くはありませんが、出展されている作品はどこれもこれも超一流の風俗画です。

市井の人々の生活の様子を「絵」にすることは現在では当たり前のことですが、室町時代まで主たる鑑賞者は権力者(貴族、僧侶、高位の武家)たちでした。その枠組みが次第にほぐれていったのが戦国時代、安土桃山時代にかけて。

為政者だけの「絵」に庶民が登場。
俄然活気と生気に満ち溢れた画面へ変容。

西洋で風俗画が描かれるようになったのが17世紀。
それよりも約100年前に既に日本では庶民が絵の中の主役となりつつあったことが「遊楽図」「洛中洛外図」「四条河原図」等から見て取れます。

また、洛中洛外図屏風など京都を描いたものですが、今回の展覧会には江戸の街並みを描いたこんな立派な屏風絵も展示されています。


江戸名所遊楽図屏風

こういった類の屏風絵を目にすると自然に京都の景観を描いたものと早合点しがち。(それだけ洛中洛外図が記号化されている証拠でもあります。)京に比べまだまだ江戸は田舎です。ランドマークの少ないこと。。。金雲様様状態です。

歌舞伎鑑賞している様子の下方では何やら争いごとが。

野蛮なイメージの摺り込み摺り込み。

「洛中洛外図」は随分と拝見する機会もあり少々食傷気味だったのでこの「江戸名所遊楽図屏風」がやたらと新鮮に映りかなり細部まで観てしまいました。

前期に行った際に拝見したこちらを初めて観られたことも満足度高める要因に。
洛中洛外図 歴博D本

お金持ちの町民なども「絵」を描かせ鑑賞するようになると、「歌舞伎図」や「遊楽図」が屏風絵にとって代わります。サントリー美術館や出光美術館、細見美術館、MOA美術館所蔵の優品が揃いも揃ってこの会場にあること自体目を疑いたくなります。


遊楽人物図」 

「洛中洛外図」→「歌舞伎図」・「遊楽図」→「遊楽人物図」
時代が下るとともに次第に画面に変化が。

描かれている人物が画面に占める割合が大きくなってきます。
主役であった名所、祭礼に取って代わり人物にスポットライトが。

さぁ、「浮世絵」誕生まであと僅かです。


特別展「近世初期風俗画 躍動と快楽」は11月30日までです。

入館料300円は破格。偉すぎますJT.
因みに↑のDUE(デュエカード)を提示すると半額の150円に。
申し訳ない気分です。

洛中洛外図 舟木本―町のにぎわいが聞こえる (アートセレクション)
洛中洛外図 舟木本―町のにぎわいが聞こえる (アートセレクション)
奥平 俊六

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それでは最後に「今日の美味


ワインバー「CWG」の「野菜のパスタ
やっぱり閉めはタンスイカブツでしょう〜

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おかげさまで、私どもたばこと塩の博物館は、本年 11月3日に開館30周年を迎えます。今回は、30 周年を記念する特別展の第4弾として「近世初期風俗画 躍動と快楽」を開催します。
本展で取りあげる「近世初期」という時代は、中世を脱し近世へと大きく変化した時期(16世紀末〜17世紀中頃・慶長〜寛文頃)のことで、たばこが日本に伝来し、流行・普及していく時期と合致し、当館が常に注目してきた時代でもあります。今回は、その変化の時代を活き活きと描いた近世初期風俗画の名品(屏風)を一堂に集め展示します。作品としては、庶民風俗を主題とした遊楽図(邸内・野外)、洛中洛外図、歌舞伎図、四条河原図などの作品が中心となります。この時代から、絵画の主題に躍り出た名もなき庶民達の躍動と快楽の姿は、等身大の人間美(姿の美しさ)を表現しています。
さらには、時代や風俗の変容、絵画様式の変化といった従来の視点のみならず、背景などから読み取れる情報もお伝えします。また、コンピューターを使用し、展示替えの都合でご覧になれない作品を含めご覧いただいたり、作品の部分拡大などご自身で操作して、楽しみながら鑑賞できる仕掛けも用意いたしました。迫力ある大画面をお楽しみいただくとともに、作品の細部に目を向けていただき、新しい発見をしていただければ幸いです。
展覧会 | permalink | comments(7) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

まさにアート事典ですね。
参考になります。

ご無沙汰してますが、お元気なようで何よりです。
Yass | 2008/11/26 9:04 AM
たばこと塩の博物館って展覧会もやってたんですね。
渋谷に行ったら、
太郎さんの絵を見て
たばこと塩の博物館に寄って
ドゥ マゴ パリでお茶をして帰る。
コースが出来上がりました(^-^)
サッチャン | 2008/11/26 10:57 AM
こんばんは
この展覧会は間違いなく今年のベスト10上位に入るな〜という感じです。
もぉ本当に名品が揃ってましたね。
以前はあまり近世風俗画の展覧会をしてくれなかったのですが、去年からこうして続いてくれて、ただただ嬉しいです。
それにしてもチラシ、素敵でした。
遊行七恵 | 2008/11/26 10:39 PM
風俗画は描き込みが細かいので、
たばこと塩くらいの狭さ&作品展数であれば
じっくり見て疲れないな、と。
そしてココは「たばこと塩」なので、
作品解説で必ず「たばこ」について言及しているのが
面白いなと思うのです。
菊花 | 2008/11/26 11:33 PM
@Yassさん
こんにちは。
コメントありがとう!

そして連絡ありがとう!!
元気ですか?
連絡下さい。久々に飲みましょう。

@サッチャンさん
こんにちは。

完璧なコースですね。
原宿方面からてくてく
歩いて行くのもいいかも。
(坂のぼることないし)

Bunkamuraだけでなく
街中クリスマスの飾りで
普段以上に華やかです。

@遊行七恵さん
こんにちは。

おおーー遊行さんをして
ベスト10と言わしめますか。
もう一度行こうかな。それなら。

チラシやチケットのデザインも
大変お洒落ですよね。
ほんとここの美術館の企画展
毎度毎度驚かされます。
入場料の安さと相俟って。

@菊花さん
こんにちは。

そうですね。
あれくらいの展示量で「丁度いい」
ですよね。一点に費やす時間がどうしても
長くなりますからね。

2階の展示について書くことわすれました。
あそこもまた見逃せない作品がポンと
何気なく展示されていました。
Tak管理人 | 2008/11/27 7:54 AM
こんにちは。
この展覧会、ホントお得ですね。
私は「洛中洛外図」(歴博甲本)をみるため、2回いってしまいました。
自由なランナー | 2008/11/30 12:13 AM
@自由なランナーさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。

自由なランナーさんが太鼓判押されるなら
これで完璧ですね!
たばこと塩、次の展覧会も期待大です。
Tak管理人 | 2008/12/01 7:59 AM
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