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TNM&TOPPANミュージアムシアター「飛鳥の天人」

東京国立博物館で公開中の
TNM&TOPPANミュージアムシアター「法隆寺献納宝物 国宝 金銅灌頂幡 飛鳥の天人」を観に行って来ました。



昨年11月に東京国立博物館と凸版印刷さんが協力し立ち上げられた「ミュージアムシアター」が一周年を迎えたそうです。拍手

TNM&TOPPANミュージアムシアター「国宝 聖徳太子絵伝」
「マヤ文明 コパン遺跡」、「東大時法華堂 国宝 不空羂索観音立像 宝冠」、「江戸城」と昨年立て続けに上映。そして今回、「シアターオープン一周年記念し、法隆寺宝物館に展示される文化財をテーマに初公開のオリジナル作品が登場」

その作品が「国宝 金銅灌頂幡」です。

ところで、そもそも「金銅灌頂幡」って何?
博物館で頂戴してきた解説シートによると…

灌頂幡(かんじょうばん)
 幡(ばん)は仏堂内の天蓋や柱に懸けたり、境内に立てた竿の先に懸けて用いられる荘厳具の一つである。本品のように天蓋(てんがい)を伴うもめを灌頂幡(かんじょうばん)と称するが、この「灌頂」は密教の儀式とは異なり、古代インドで国王等の即位の時に四大海の水を注ぎかけて祝福したという風習が仏教に取り入れられたものという。高く吊るされた幡が人々の頭上に翻ることによって、頭に水を注ぎ、仏弟子となった儀式を受けたのと同じ仏果が得られるという意味もあったものと考えられている。


東京国立博物館 法隆寺宝物館の階段吹き抜け部分にそのレプリカ(模造品)が展示されているので、目にされ覚えていらっしゃる方も多いのでは。

日本金工史上の最高傑作のひとつとまで言われている法隆寺の灌頂幡ですが、銅の上に施された金メッキも時の経過と共に色褪せ、残念ながら現在では飛鳥時代の輝きまでは視ることできません。

それを今回凸版印刷さんの技術により、VR(バーチャルリアリティ)作品として制作当時の眩いばかりの煌びやかな姿をCGで再現し、迫力の大画面で隅々まで「見せて」くれます。


現在の国宝「金銅灌頂幡」とCG再現された国宝「金銅灌頂幡」

ミュージアムシアターに関しては以前こちらの記事でご紹介したので詳細は割愛しますが、定員30人だけの贅沢な空間で、ナビゲーター(今回も武藤さんでした)の生解説付きで映像を堪能。映像はナビゲーターさんが手元のコントローラーで自由自在に操っているので「ありきたりの映像」「ただ見せられるだけの映像」とは一線を画します。ここがミュージアムシアターの最大の売りかも。

飛鳥時代の法隆寺西院伽藍や五重塔、金堂の様子と共に黄金の輝きを見せる眩いばかりの国宝「金銅灌頂幡」を大スクリーンで目にしていると、月並みな表現ですが、まさに飛鳥時代にタイムスリップしたような感覚。


飛鳥時代の制作当時の姿を再現した国宝「金銅灌頂幡」

想像力に乏しい自分にとっては、うってつけのコンテンツ。

映画館のような心地よい椅子にゆったり腰掛けながらスクリーン上に蘇る、日本金工史上の最高傑作を隅の隅まで味わうことできます。VR映像ですから透彫と毛彫により表現された如来三尊像や天人の姿などズームアップし見せてくれます。

また、ナビゲーターの武藤さんの耳に優しい解説も忘れてはいけません。
20分以上に渡る解説を全て、あんちょこなど一切見ることなくすらすらと流麗に語る姿にいつもながら感心。いくらお仕事とはいえ人前であれだけ落ち着いて解説出来るのは凄いことです。

ナビゲーターさんの解説によると国宝「金銅灌頂幡」は聖徳太子の娘にあたる片岡御祖命(かたおかのみおやのみこと)が再建された金堂の落慶供養の際に奉納したものではないかと考えられているそうです。

尤も、あまりにも心地よいのかナビゲーターさんの声を子守唄代りにうとうと舟を漕いでいらっしゃる方も散見。お気持ちとってもよく分かります。はい。

これだけ見応え、聞き応えある「TNM&TOPPANミュージアムシアター」の鑑賞が無料というのですから驚きです。12月23日を除く毎週金・土・日と祝日に上演しています。詳細はこちらのページで。

技術的なことや更に詳しいことお知りになりたい方はこちらで↓


そして、これだけではありません。「大琳派展」「スリランカ展」も終わってしまい、東博しばらく観るものないな〜なんて思うこと勿れ。

単なるミュージアムシアターではありません。東京国立博物館が全面的に協力しているコンテンツです。したがってこんな展示も出来ちゃいます!

TNM&TOPPANミュージアムシアター「飛鳥の天人」公開に合わせ2009年3月22日まで「本物」が法隆寺館で一般公開されています。

こちらはレプリカではなく本物。
国宝 金銅灌頂幡

手前が「本物」
後方に見えるのがレプリカ。

このように保存の関係上ガラスケースに入れられての展示。しかも「長さ」が短いことお分かりになられるかと。「大幡」と呼ばれる本来6枚1連のものが経年劣化により取り外され別々に保管されている為です。


左手前のガラスケースに収められているのが「本体」。奥に陳列されているのが「幡身第3〜6坪と幡頭手・四隅小幡」など。このように分解され展示されています。

ただこの展示方法によってプラスの面もあります。それは「各部に精織な透彫(すかしぼ)りと流麗な毛彫(けぼ)りで如来三尊像や供養菩薩、奏楽天人など」を間近で鑑賞することが可能となっているのです。



遠く天平飛鳥時代の音色が今でも明瞭に聞こえてきそうではありませんか!


法隆寺館で「本物」観てからミュージアムシアターご覧になるのも好し。またその逆も好し。何て贅沢なのでしょう。これだから東博通いやめられません。

・法隆寺宝物館第1室 平常展示「国宝 金銅灌頂幡」は2009年3月22日まで。
・TNM&TOPPANミュージアムシアター「法隆寺献納宝物 国宝 金銅灌頂幡 飛鳥の天人」は2009年3月29日までです。

「妙心寺」展(2009年1月20日〜3月1日)でまた東博が人で溢れかえる前に是非。あっ!その前に毎年恒例の「博物館に初もうで」もありましたね…


灌頂幡(かんじょうばん)
法隆寺献納宝物には数多くの染織製や金銅製の幡が含まれている。なかでも灌頂幡(かんじょうばん)は法隆寺献納宝物を代表する名品で、天平19年(747)の『法隆寺伽藍縁起幷流記資財帳(ほうりゅうじがらんえんぎならびにるきしざいちょう)』に「金泥銅灌頂壱具(こんでいどうかんじょういちぐ)」と記されるものにあたり、その名もこれに由来する。四角い傘形の天蓋から6枚1連の大幡と小幡4組をつり下げ、各部に精織な透彫(すかしぼ)りと流麗な毛彫(けぼ)りで如来三尊像や供養菩薩、奏楽天人などを表している。
当初は幡身の下端に染織幡と同じく布製の幡足が垂れていたと推定され、その全長は10mにもおよんだ。天保13年(1842)の『御宝物図絵(ごほうもつずえ)』に「黄金御長幡(こがねのおんながばん)」として2条の垂飾と幡足がつけられた図が描かれている。縦長の坪の形や紬部の意匠の特色からみて、7世紀後半に制作された可能性が高い。
ここには献納宝物中のもう1つの金属製幡である金銅小幡をあわせて展示し、また階段室につり下げた模造の灌頂幡によって、制作当初の姿の参考とした。


隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)
「隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)」 梅原 猛

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おまけ:先日、芸術院新会員の発表がり選出された15名の中に法隆寺館の設計を手がけた谷口氏のお名前もありました。

谷口吉生 建築。芸術性の高い建築設計で国際的な評価を受ける。谷口建築設計研究所所長。87年に土門拳記念館(山形県酒田市)の設計で日本芸術院賞。東京都出身、在住。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1590

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東京国立博物館が所蔵する、価値ある文化財の数々。その魅力を引き出す新しい鑑賞方法を実現したのがTNM&TOPPANミュージアムシアターです。11月2日に1周年を迎えました。

11月28日(金)からは、シアター開設1周年を記念し、新作・VR作品「法隆寺献納宝物 国宝 金銅灌頂幡 飛鳥の天人」を上演します。法隆寺に伝わる国宝「灌頂幡」は、精緻な透彫りを施した日本金工史上の最高傑作といわれています。本作品では、現在の姿とともに飛鳥時代の制作当時の金色に輝く姿を再現し、1300年前の法隆寺に蘇らせました。

ミュージアムシアターでは、国宝「灌頂幡」の世界を、各ナビゲータがわかりやすくご案内します。金色の輝きに込められた悠久のストーリーをご堪能ください。

展覧会 | permalink | comments(9) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

法隆寺館の階段のところのものはレプリカでしたか。
本物とシアターは一見の価値がありそうですね。
とら | 2008/12/02 7:39 PM
@とらさん
こんばんは。

いつもは、とらさんが先陣切って下さるのですが
今回はたまたま初日に伺えました。
本物とシアター両方必見です!
Tak管理人 | 2008/12/02 11:17 PM
ミュージアムシアター、続行中なんですね。
何故か先日、東博のサイトで情報を見つけられず、
もうやってないのだろうかと首を傾げてたので助かりました。
予約が大変ですけど、普段間近で観れないものを
隅々まで解説つきで観られるのがいいです。
今回は本物と揃い踏みなんて粋なことやってくれますね。
m25 | 2008/12/03 9:43 AM
こんにちは。
法隆寺好きには今回の映像は必見ですね。
実は「江戸城」はあまりの心地良さに寝てしまったので、気をつけないと。
mizdesign | 2008/12/04 5:54 AM
@m25さん
こんにちは。

続行していますよーー
確かにサイトのトップには
これといった案内ありませんね。。。
バナー一つでも作ればいいのに。
もったいないです。

本物とセットでの公開。
自信の表れかと思います。

@mizdesignさん
こんにちは。

私も以前実はうとうとと・・・
ナビゲーターさんの声と
薄暗い館内が睡眠にピッタリ?!
Tak管理人 | 2008/12/04 7:50 AM
見てきました。VRの威力は絶大ですね。
暗い中でメモを取るのは大変でしたが・・・
TBします。
とら | 2008/12/05 11:49 PM
@とらさん
こんばんは。

記事拝読しました。
あの中でのメモ至難の技かと。
慣れていらっしゃるとらさん
だからこそ出来る神業です。
Tak管理人 | 2008/12/07 12:19 AM
こんにちは。
今回は寝ずに鑑賞しました。
ここまで来ると、CGなのか実写なのか分からないですね。
今年は何が再現されるのか楽しみです。
mizdesign | 2009/01/07 7:53 AM
@mizdesignさん
こんばんは。

おおーー寝なかったのは凄い!
お隣は…
実写途中で入れていたりして。
和物がやっぱりいいですね。
Tak管理人 | 2009/01/07 10:44 PM
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