青い日記帳 

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「チャロー!インディア」

森美術館で開催中の
「チャロー!インディア:インド美術の新時代」展に行って来ました。



デル(Dell)のカスタマーセンターが幾つもインドに置かれています。イギリスの植民地だったインドでは英語は半ば公用語のようなものだったのでしょう。現在でも英語を流暢に話せる人の割合は日本の比ではありません。

また欧米の国々が眠りに就く時間にインドには燦々と陽光降り注いでいます。人件費も欧米に比べれば破格。これだけ好条件そろえば、パソコンの「24時間お客さま対応」が出来て当然。

19世紀から20世紀にかけてイギリスに、21世紀はアメリカにとって「都合のいい国」であるインド。同じアジアの国の人間としてその辺をどう捉えこの展覧会を咀嚼すればいいのか、鑑賞してから一週間経った今でも答えは出ません。

そうこうしている間に11月26日にインド・ムンバイで発生した同時テロ事件。

「現代のインドの姿を垣間見ることでき、とっても楽しかったです楽しい
なんてとてもとても書けない状況に。(書くつもりもなかったけど…)

ムンバイの街の変貌をテーマにした作品もこの展覧会にありました。テロ事件が起こる前と起こった後では同じ「作品」でも見え方、捉え方がまるっきり変わってくること必至。Bloomberg(ブルームバーグ)が無償で貸し出している音声ガイドの内容も変えないといけないかも。


プシュパマラ・N「ラクシュミー「先住民の類型」より)

さて、さて展覧会ですが、日本でインドのコンテンポラリー・アートをこれだけの規模で紹介するのは今回が初めてではないでしょうか。2006年に同じく森美術館で開催された「アフリカ・リミックス展」と同じ「臭い」のする展覧会です。

展覧会の構成は以下の通り。

「プロローグ:さまざまな旅へ」
「創造と破壊:都市の風景」
「反射:両極の間で」
「豊穣なカオス」
「エピローグ:個と集団/記憶と未来」


インドの現代アートと言われても何にも頭に浮かんでこない自分にとっては、この5つのセクションに分けられた展示は大変丁寧で親切なものに感じました。

27組のアーティストによる100点以上の作品はまさに多様化するインドの現在を象徴するかのように雑多で混沌としています。各セクションごとに拝見していくことにより、かろうじて作品ひとつひとつと対峙することが出来ました。
(この展覧会のキュレーターは三木あき子氏)

ただし如何せんインドに関する知識が著しく欠如している為、本当の意味で作品と向かい合い、更に理解するまでには到底至らなかったのが正直なところ。

少なくともインドの歴史と共に「インドの経済」についてもある程度頭に入れておいた方が宜しいかと。1990年代よりそれまでの経済政策を転換し、経済自由化に大きく舵を切ったインド。それにより招いた「グローバル化」という美名の元に潜んでいた「蟻地獄」。。。

会場入ってすぐ目の前に横たわるこちらの作品が、現在のインドの現状を作家の意図とは関係なく表現しているのだとすれば、何という皮肉。

バールティ・ケール「その皮膚は己の言語ではない言葉を語る

古い街並みを捨て去り「都市化」を推進し、得意の英語を操り「グローバル化」を国をあげて目指すインド。果たしてそれは「良い」ことなのでしょうか?

確かに欧米化に伴い豊かなアート作品を生み出す水準になったかもしれません。しかし、その土地や国に生まれ育った人間はその土地の古くからの習慣に沿って生活していて初めて、その国独自の芸術が発生するものです。

今回の展覧会で目にした何点かの作品は、まるで「根なし草」のように、言われて観ないとインドの作家さんのものとは思えない国籍不明なものでした。

喩えて言うならインドに行ってマックのハンバーガー食べた気分。

でも、それはひとえに自分がインドに対する「知識」が無い所以。
観る方が観ればそれはそれは大層素晴らしい展覧会なのでしょう。

提案ですけど、現代アート(特に欧米以外の国の作品)扱う展覧会で「グローバル化」や「都市化」「ライフスタイルの変容」等、NGワード設定しません?決まり切った切り口で折角未知の国の芸術作品紹介されてもな〜(ってこの提案自体に矛盾抱えていること承知の上で)

勿論、インドという国に深く根を下ろした作家さんの作品もあります。
時間とお金かけて観に行く価値は十分ある展覧会です。



チャロー!インディア:インド美術の新時代」展は3月15日までです。
2009年に入ってから、今一度必ず観に行きたいと考えています。

最後に「今日の一枚


シルパ・グプタ「無題

映像作品です。巨大スクリーンの前に立つと自分のシルエットが映ります。間もなく上方からスクラップが自分の影めがけて落ちてきます。落下した鉄くずは自分の影と合体。左右に移動してもスクラップは離れてくれません。しまいには「ごみ人間」に。そして結末や如何に……

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ル・コルビュジエのインド (建築文化シナジー)
ル・コルビュジエのインド (建築文化シナジー)
北田 英治

おまけ:
天空のクリスマス「スカイ・イルミネーション2008」

以前ご紹介したカサブランカの生花を用いて作った高さ5mのツリー。他にも一億円の「ゴールド・ツリー」やこんなものも↓


Special Exhibitionmade in Cassina"(特別展:メイド・イン・カッシーナ 2009年4月24日(金)〜6月7日開催予定)の紹介スペースには、展覧会予告カードや、カッシーナのプロダクトによるシャンパンバーラウンジが設置されています。

それでは最後に「今日の美味


ワインバー「いちごや」さんで頂戴した「チーズフォンデュ
お代りはしませんでしたよ。(→さちえさん

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1592

JUGEMテーマ:アート・デザイン


“チャロー”はヒンディー語で“行こう”を表す言葉です。チャロー!インディア(行こうよ!インドへ)を合言葉に、あなたもインド現代美術の新たな創造性と活力に出会う旅へ出かけてみませんか。本展は、インド各地を拠点に活躍する27組のアーティストによる絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどさまざまな作品を通して、国際的に大きな注目を集めるインド現代美術の「今」の姿を浮き彫りにする展覧会です。

アジアの大国インドは1947年の独立の後、欧米から移入された近代的な美術と独自の文化に基づいた表現の探求が続けられてきました。この60年間で、徐々に政治的・社会的な批判を体現した新しいタイプの作品も生まれてくるようになり、90年代以降は急速な経済発展とグローバル化、さらには都市化や変容する現代のライフスタイルを反映した作品が登場し始めました。現在では、美術の市場拡大もあいまって、活発なアートシーンがインドの国内外に展開されています。

「チャロー!インディア」展では建築家や知識人を巻き込んだ社会学的なプロジェクトや、IT大国ならではの先端技術を駆使した体験型作品など、100点以上の作品が登場します。悠久の歴史や神々と信仰、歌って踊るボリウッド映画、目覚めた経済大国といった言葉では語り尽くせないインドの魅力。本展では、インド現代社会が抱えるさまざまな矛盾、彼らの抱く夢や希望、未来へ向かうエネルギーと向き合い、その実像と新たな魅力に迫ります。
展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんにちは。
わたしもこの展覧会に行ってきました。
「アフリカ・リミックス」と比べると、かなり大人しい印象を受けました。
わたしも記事にしましたので、トラバさせてくださいね。
遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたしますm(__)m
les fleurs | 2009/01/17 4:24 PM
@les fleursさん
こんばんは。
TBありがとうございます!

ブログ拝読しましたが、
巧いここ、他の展覧会も
まとめていらっしゃいますね〜
参考になります。
ついだらだらと書いてしまうので。

今年も宜しくです!
Tak管理人 | 2009/01/17 5:33 PM
こんばんは。昨日の夜に駆け足で見てきました。構成も丁寧で企画側の意欲も伝わる展示でしたね。ゴミ人間は何度も試してしまいました。一人になるとゴミが全部くっついてしまいます。

TBがうまく飛ばないようです。他記事を含め、コメントだけで失礼させていただきます。すみません…。
はろるど | 2009/03/09 10:50 PM
@はろるどさん
こんにちは。

TB飛ばないとは一大事!!
再チャレンジしてまだダメなようでしたら
ご連絡下さい。おかしいな〜

ゴミを他人(かみさん)に
押し付けちゃうなんてことも。
まだまだインドは未知の国でした。
Tak管理人 | 2009/03/10 7:42 AM
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「チャロー!インディア」展 森美術館 | My Art Literacy | 2009/01/17 4:26 PM
森美術館(港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階) 「チャロー!インディア - インド美術の新時代 - 」 2008/11/22-2009/3/15 インドを舞台に活躍する27組のアーティストを紹介します。森美術館で開催中の「チャロー!インディア - インド美術の新時代 - 」へ