青い日記帳 

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「丸紅コレクション展」

損保ジャパン東郷青児美術で開催中の
丸紅創業150周年記念「丸紅コレクション展」〜衣裳から絵画へ美の競演〜に行って来ました。



2007年5月に京都・相国寺へ「若冲展」を観に行った際、京都文化博物館で開催していた丸紅コレクション「絵画と衣裳 美の名品展」に立ち寄り拝見したものと、ほぼ中身は一緒の展覧会。



桃山時代の「鳥取に柳樹文様小袖裂」や小磯良平の「横向裸婦」に熊谷守一の「熱海」、ブラマンクの「冬景色」など、京都展でもいいな〜と思いチェックした作品に今回も同じくリストに印を。一年半では人の好みなんてそう変化しないものだと、変なところに感心を。

丸紅コレクションの不思議な魅力のひとつに、普段は大嫌いな梅原龍三郎やその「師匠」であるルノワールの作品に「おおっ!」と心惹かれるものがあること。


梅原龍三郎「桜島」1937年


オーギュスト・ルノワール「イオカステ(神殿の舞)」1895年

どちらも「らしくない」からこそ惹かれるかもしれませんが、それぞれとても良い作品。ルノワールの作品も「画中画」のように描かれるとその毒が薄まって接しやすくなるようです。何よりも「イオカステ」のオイディプス王との衝撃的な関係をベースに、動きのあるワンシーンを巧みに描き出している点が魅力的。上部のレリーフと身体の動きが左右対称になっているのもナイス。

ブラマンクの「池の端」は大好きなセザンヌの影響をもろに受けた作品で、別な意味で好感持てました。そうそう、ブラマンクの影響を受けた中川一政の「バラ」とドランの影響を受けた児島善三郎の「バラ」が比較できたのも今回の収穫。共に西洋陶磁器に数本の薔薇がさしてある様子を描いたにも関わらず両者の違いは明明白白。

香月泰男の「ラス・パルマス」やジェイムズ・ウェッブの「ハイデルベルク」などなど、京都で急ぎ足で観た時はチェックできなかった作品もあり満足。エドワード・バーン=ジョーンズの「夜明け」は空の風景が描かれたとっても変わった作品。解説によると上中下の縦三連からなる作品の一番上の一枚が「夜明け」という作品なのだとか。他の二枚はどこにあるのでしょう?

取り敢えず「医者」に診てもらったものの未だ本調子には程遠いので、申し訳ないですが、今日はこの辺で。しっかり治します。

最後に「今日の一枚


ボッティチェリ「美しきシネモッタ

【丸紅コレクションについて】
 西欧絵画については次のような経緯があります。弊社は1969年に「丸紅アート・ギャラリー」を開設し、総合商社として初めて本格的に美術品の輸入販売ビジネスを開始しました。そして同年に東京で行われた「英国フェア」の一環として「ヨ−ロッパ巨匠名画展」を開催するため、英国からボッティチェリや、ゲインズボロ、コローなど泰西名画を中心とする美術品を大量に輸入しました。
その後1974年には当時の物資部門がパレス・アート株式会社という美術品を専門に扱う子会社を設立し、取扱い対象を印象派やエコ−ル・ド・パリの作家に絞ることにして作品を買い付けしました。しかし、第二次石油危機の余波を受けて1979年に惜しくも同社を清算することになり、その時点で営業用資産として残っていた絵画を本社資産に移すことにしました。弊社の絵画コレクションの全体像は、その時出来あがったといえます。


今回展示されている絵画作品はすべてではないにせよ、上記のような経緯があり現在、「丸紅コレクション」と称し丸紅が所蔵している作品のようです。日本国内で販売するために商社である丸紅が輸入したにも関わらず、不景気のあおりを受け自社で引き取ることに。

「なんだ売れ残りか〜」と下衆な考え持ってしまいますが、「売れ残り」を二束三文で他の国に売りはたかず、自社のコレクションとして長年持ち続けたのですから立派なことです。きっと保管料や維持費だけでも大変でしょう。

さて、天覧会の目玉でもあり、丸紅コレクションの最も誇れる一枚がこのボッティチェリ作「美しきシネモッタ

因みに丸紅がこの作品を入手したのは、今から約40年前。
購入価格は1億5000万円。今から考えるととってもお安く思えますが、日本で1点1億円以上の絵画の購入は初めてだったとか。

丸紅が仕入れたこの名画、山種美術館が購入する予定だったそうですが、突然キャンセルになり結局売れず仕舞いで現在「丸紅コレクション」に。。。

そんな余談も頭の片隅に入れておくと次にこのボッティチェリ観るとき観方変わるかもしれませんよ〜実際自分も京都で観たあと、いろいろ調べてこの事知りました。


丸紅創業150周年記念「丸紅コレクション展」〜衣裳から絵画へ美の競演〜は12月28日までです。

図説 ルネサンスに生きた女性たち (ふくろうの本)
図説 ルネサンスに生きた女性たち (ふくろうの本)
佐藤 幸三

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それでは最後に「今日の美味


市川駅前にあるレストラン「いちりん」で頂いた「牡蠣料理

牡蠣は一度あたって死ぬ思いしたけど、それでも大好き。
でも、体調悪い時に食べると…

おまけ:

色付いた銀杏の葉っぱとキスリングの「ミモザ」がとってもいい感じ。

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 総合商社・丸紅のルーツは、江戸時代末期に創業した呉服商にあります。その長い歴史のなかで、伝統に育まれた特色ある美術コレクションができあがりました。呉服の商品開発のために集められた衣裳は、近世の染織技術や流行をたどることのできる貴重な資料です。また、昭和初期にきもののデザインをそうそうたる美術家たちに依頼したことから、彼らとの接点が生まれ、洋画を中心に多くの佳品も集まりました。西洋絵画は、ゲインズバラ、コロー、クールベ、印象派、エコール・ド・パリからビュッフェまで、1970年代に成熟した日本市場を対象に、丸紅が総合商社として初めて本格的に美術品の輸入販売に参入したときの収集品です。なかでも《美しきシモネッタ》は、日本にある唯一のボッティチェリの作品です。
このようにくらしを彩る品々を提供する企業活動を通じて形成された丸紅コレクションは、日本の人々が各時代に胸をときめかせた美しい衣裳や名画をちりばめたアルバムのようなもの。ふだんはなかなか見ることのできない時代衣裳、意匠図案、日本洋画、西洋絵画などの作品群から選りすぐった約80点を展覧します。この機会にぜひご鑑賞ください。


展覧会 | permalink | comments(9) | trackbacks(6)

この記事に対するコメント

シモネッタの美しさに見惚れてしまいました。
レースの部分の繊細さにも。
1991年に世田谷美術館「フィレンツェ・ルネサンス-芸術と修復展」で観たシモネッタは、
論議があるものの同じくボッティチェリまたは工房作とされていたけれど、
図録を見返すと髪の色も褐色で、あんまり美人じゃなかったです。

シモネッタは美人じゃないとですよね。

辻邦生の「春の戴冠」をもう一度読みたくなりました。
なでしこ | 2008/12/22 12:38 AM
2001年1月に同名の展覧会があり、図録を引っ張り出してみたらまったくといっていいほど同じなので、今回はパスすることにしました。
記事のアドレスは↑のURLに↓をつけたものです。
前回長すぎてご迷惑をおかけしたので、そのようにしました。
/Children3.htm#Marubeni
とら | 2008/12/22 9:17 AM
@なでしこさん
こんにちは。

世田谷で出ていた作品は
今回のものとはちがうものだったのでしょうか?
工房作??

ボッティチェリやレオナルドの頃の
作品の真贋(公房作もふくめ)
見極めることは専門家でも
意見が分かれるところ。
難しいものありますよね〜

@とらさん
こんばんは。

同じ展覧会ありましたか!
うーーん。儲けているな〜

URLお気遣いありがとうございます。
コンパクトにまとめられていらっしいますね。
すぐ下にあった「フォーゲラー展」に
反応してしまいました。
Tak管理人 | 2008/12/22 1:09 PM
こんばんは
去年今年と楽しくご対面でしたね。
前回楽しみ損ねたものを今回じっくり・・・
そういうのもいいなーと思います。
お体も復調の兆しが見えてよかったです♪

それととらさんの仰る2001年の展覧会は、高島屋系のもので、2000年から始まった巡回ものでした。
淀殿の小袖復元から始まった企画だったようです。
そのとき会場では復元作業の工程とか展示してはりました。

>牡蠣は一度あたって死ぬ思いしたけど、それでも大好き。
でも、体調悪い時に食べると…

わたし、五年ぶりに牡蠣復帰しました。
だからお写真みてヨダレたらしてます。
ううおいしそう・・・
遊行七恵 | 2008/12/22 9:58 PM
図録には、
「サンドロ・ボッティチェリまたはその工房」作で、
「若い女性の肖像(美しきシモネッタ)」とあります。
(フィレンツェ ピッティ宮・パラティーナ美術館所蔵)

真贋の見極め、難しそうですよね。
チマブーエ〜ジョット〜ロレンツェッティの頃の代表作について、
基本的な様式分析をして、作者・製作年代をいえるようになる
なんていう講座があって面白かったんですけど、
ボッティチェリの場合は、フィギュアタイプの他に、
どのようなところに注目するんでしょう。
なでしこ | 2008/12/23 12:49 AM
香月泰男のラス・パルマス、鮮やかな色彩で
また香月のイメージが改まりました。
シモネッタは、典型的なイタリア美人。
和風美人好きの私としては、いまひとつです。
一村雨 | 2008/12/23 7:46 AM
@遊行七恵さん
こんにちは。

まさか、昨年に引き続き
拝見できるとは思ってもいませんでした。
ラッキーです。
美術館を作らずともこうして
巡業してくれるだけでいいかも。

体調はほぼ完璧なのですが
咳がまだとまりません。
それなのに、予定が……

今週末までには何とか
退治したいと思っていますが
果たして、どうなることやら。

牡蠣で栄養補給!しなくちゃ。

@なでしこさん
こんにちは。

図録のフォローありがとうございました!

専門家の間でも意見が分かれ
ましてや公房まで含めると
もう何が何だか素人にはさっぱり。

一度「専門家」(池上先生ではありません)と
某展覧会をご一緒させて頂いた時
的確に部分部分を指しながらここは公房
ここは真筆かなーと指摘されていて
驚いたこと覚えています。

@一村雨さん
こんにちは。

シモネッタが和服でも
羽織っていたらまた別かも。
丸紅コレクションの小袖でも。
小磯、香月など観るべき作品
多くありました。
Tak管理人 | 2008/12/25 10:26 AM
こんにちは。私も先週行ってきました。最終日は大行列だったそうですね。数十分待ちだったとか…。

>普段は大嫌いな梅原龍三郎やその「師匠」であるルノワールの作品に「おおっ!」と心惹かれる

同感です。今回の展示で梅原を見直したような気がします。

>山種美術館が購入する予定

そうだったのですか。何故にキャンセルとなったのでしょうね。
とは言え、今の山種にこの作品を展示するスペースなどありませんが…。
はろるど | 2008/12/29 10:21 AM
@はろるどさん
こんにちは。

先日お見せした本にあった通りの
いきさつで山種はキャンセルしたようです。
もし購入していても「異種」ですよね。。。

28日の最終日、他の美術館ほとんど
やっていませんからここへ集中したのでしょうか。
随分招待券もバラまいていたようですしね。
Tak管理人 | 2008/12/30 2:11 PM
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