青い日記帳 

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琳派展XI「花の協奏曲」

細見美術館で開催中の
琳派展XI「花の協奏曲「花の協奏曲(コンチェルト)」に行って来ました。



昨年暮れ、アサヒビール大山崎山荘美術館へ「さて、 大山崎 〜山口晃展」を観に行く前に立ち寄った展覧会。記事を書くのをすっかり失念していたのですが、まだ会期中なので薄れた記憶を頼りに簡単に。(「山口晃 ソロトーク」)

12月に入ると紅葉シーズンも終わり、京都の街中も移動がとても楽になります。普段は京都駅から市バスでかなり時間を要する平安神宮近くにある細見美術館へも、今回は楽々到着。早く着いた分、友人とのランチの約束の時間までここでたっぷりと過ごすことが出来ました。

CAFE CUBE
開館直後だったのでカフェもまだ開店準備に追われている最中。
「五層吹き抜けの地下庭園に面した半オープンスタイルのカフェ・ レストラン。カフェ キューブ」一度ここでゆっくりお茶でもと毎回思いはすれども中々…欲張りなものでどうしても絵の前にいる時間を優先してしまいます。

さて、今回の細見美術館所蔵の琳派展ですが、琳派の作家別に見せるのではなく、春夏秋冬季節ごとに作品をまとめて展示。宗達、抱一、其一、芳中らが同じ場所に並べて展示されているのは「大琳派展」には無かった新鮮さ。

最初に、「1:四季草花図の世界」と題し、四季折々の草花が一枚の作品の中に描かれた屏風絵などを展示。まずはまとめて観てみよう!との趣旨。


池田孤邨「四季草花流水図屏風」 江戸後期

池田孤邨(こそん)は鈴木其一と並ぶ酒井抱一のお弟子さん。右隻に抱一もビックリの大胆な水流が配され反対側に四季の草花を追いやっているようにも見えます。または逆に左隻の草花たちが窮屈な場所から新天地を求め移動をまさに開始したようにも見えます。

このセクションには他にも4作品ほどが展示。全体を観た後は四季それぞれを個別に観ていこうということで「2:春夏の花の章」へ。

まずは

左:本阿弥光甫「梅に鶯図」 江戸前期
右:酒井抱一「紅梅図」 1810年

梅に鶯図」は元々縦長の作品なのに加えて梅の枝が垂直にしかも二本ぴーんと天に向い伸びているので余計に縦長に見えます。



抱一の「紅梅図」は新年の新しい門出を祝い描いた一枚だそうです。
年末の忙しい時期でなく、お正月を迎えた今が観るのが旬な一枚。


中村芳中「白梅小禽図屏風」 江戸後期

芳中ラブハート大小
今最も開催して欲しい作家さんナンバー1

ぎすぎすした今のこのご時世に、芳中の肩の力抜きに抜いたゆるい作品はもってこいかと。どなたか企画してくれませんでしょうか。「中村芳中展

この展覧会では「梅」や「朝顔」をそれぞれの作家がどのように描いたかを「梅くらべ」などと称しパネルで解説。その中でも他の追随を全く寄せ付けないダントツに和やかな白梅を描いていたのが芳中その人。

無敵だ!!

続いて

深江芦舟「立葵図」 江戸中期

深江芦舟は尾形光琳のお弟子さん。
全て垂らし込みで立葵を描いています。
ぼんやりと靄がかかっているように見えるのはそのため。

インパクトは弱くとも一度拝見すると、やみつきになるそんな作品。


守邨桃磯「向日葵図」 江戸後期

守邨桃磯は初めて知った作家さん。もしかして他の展覧会で他の作品観たことあるかなーーと考えてながらキャプションに目を落とすと「守邨桃磯、唯一の作品」とあります。どんな人物だったかまだ解明されていないそうです。。。

グーグルやヤフーで「守邨桃磯」検索してみて下さい。確かに謎。


鈴木其一「糸瓜に朝顔図」 江戸後期

流麗なS字曲線を描く蔓。画面真ん中にでんと居座る垂らし込みヘチマ。
ただやっぱり其一らしさは左下に描かれた朝顔の花。スタンプでまさに「判を押した」かのようにきっちりと描いています。ブルーと相俟って清涼感を観る者に与えます。

でも、やっぱり芳中なか〜

中村芳中「朝顔図」 江戸後期

先ほどの其一の朝顔と芳中の朝顔を並べてみると…

もう全く別物ですね。片や立体。片や図案。花だけでなく、葉っぱも芳中の手にかかると弛緩してしまうようです。いい感じに。でも垂らし込みは、忘れていないのが流石琳派。ひつこいけど芳中展希望!

季節はへ。

渡辺始興「簾に秋月図」 江戸中期

簾越しに見る中秋の名月。大事な月さんが三分の二も隠れてしまっているのも大胆ですが、簾で画面の半分を分割してしまう手法もこれまた驚き。

ススキが男性。キキョウが女性と擬人化され見えてしまうのも不思議。
鑑賞者は男女の秘め事をそっと垣間見ている算段でしょうか。巧いな〜


酒井道一「菊花成果図」 明治期

道一(1845〜1913)は酒井抱一の門人。詳しくはこちらで。

下方の籠の中に入った果物だけ部分的に観ると、まるで西洋の静物画のよう。
葉はたらし込みをふんだんに用いながらも菊花は力強い線でしっかりと対照的に描いている画風に惹かれました。実物はかなり良いです。

最後に

酒井抱一「雪中檜小禽図」 江戸後期

冬は展示作品が少なくこれと、中野其明の「白菊に水仙図」のみ。

たった2枚でも、そのうち抱一のこの作品があれば十分。
いづつやさんも絶賛する抱一の雪の表現、思う存分堪能できます。
抱一最晩年の作品だそうです。

これで、四季の草花を描いた琳派作品の展示はひとまず終了。
最期に「4:草花小曲集」とし枠に括りきれなかった作品を紹介。尾形光琳「柳図香包」や鈴木其一の「月次花鳥画帖」等など、ここはここで時間をたっぷり使って鑑賞できるセクション。

とりわけ神坂雪佳の「十二ヶ月草花図」など何度拝見してもいい!!

そして今日の「最後の一枚」はやはりこちら。


中村芳中「花卉図画帖」(12図より2図)

トリミングを失敗したような大輪の菊といささか元気のない蕨。画面上で面白い組み合わせないかとあれこれ試してみましたがこれが一番気に入りました。


秋季特別展「琳派展XI「花の協奏曲 花の協奏曲」は
京都・細見美術館にて2月8日まで開催中です。

細見美術館が誇る琳派コレクションがオールカラーで紹介されている本がAmazonにもありました。「この一冊で琳派がわかる!」と帯に書かれてます。
琳派を愉しむ―細見コレクションの名品を通して
琳派を愉しむ―細見コレクションの名品を通して
細見美術館

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それでは最後に「今日の美味


京都の和菓子/あずき処「宝泉堂」の「賀茂栗
栗と羊羹最高コンビ!!

おまけ
まだ紅葉が綺麗なところないかな〜町中ぶらぶらしていたらありました!

六波羅蜜寺

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1628

JUGEMテーマ:アート・デザイン


11回目を迎える毎秋恒例の琳派展。本年は300年以上に及ぶ琳派の歴史において、常に描き続けられてきた草花図に焦点を当てます。
 四季の移ろいに伴い豊かに花が咲き巡る日本、文学の世界では古くからさまざまな草花を選び、季節を示す象徴と位置づけ親しんできました。一方絵画においては中世以降、四季花鳥図や月次花鳥図などで草花を描いてきましたが、多様な植物を積極的に取り上げ、その特性を存分に描き表わしたのは、近世の俵屋宗達を基点とする琳派の画家たちです。 本展では宗達派の金銀泥絵をはじめ、「伊年」印の草花図、光琳派の華麗な作品、芳中や江戸琳派など後期琳派の花鳥図等、多数の作品を展示。琳派の花々が奏でる美しい旋律により、新たな琳派の魅力を紹介します。
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