青い日記帳 

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「吉祥文様展」

戸栗美術館で開催中の
「吉祥文様展−祝いのうつわ−」に行って来ました。



元来贈答用であったために、鍋島焼にはおめでたい文様のものが多いとのこと。なるほど〜と自分の手の平で膝をぽんと叩きしげしげと。


色絵 壽字宝尽文 八角皿」(鍋島)

壽(ことぶき)!!と中央に何のためらいもなく表わされるとグウの字も出ません。しかもその「壽」の文字の周りには打出の小槌や宝珠など描かれている物全てがオメデタイモノだそうです。

「壽」以外にも昨年、こちらの美術館で開催した「鍋島展」や出光美術館で開かれた「柿右衛門と鍋島展」等でも目を惹いた「桃」をあしらったお皿や「椿」「牡丹」「松竹」「瓢」等などいづれも言われてみれば確かに縁起の良いものばかり。

丁寧に説明書きがなされている「展示解説シート」が置いてあり、焼き物の見方など全く分からない自分にも「なるほど〜」と唸らせる親切丁寧さはこの美術館の魅力のひとつ。渋谷駅からたった10分程歩いただけでこんな静かな場所があったのかと毎回毎回驚かされます。

「展示解説シート」【桃】
不老不死を望んだ漢の武帝に西王母という仙女が三千年の寿命を延ばす桃の実を与えたという中国の伝説があります。また、六朝時代の詩人、陶淵明(365〜427年)の「桃花源記(とうかげんのき)」は、川上から桃の花が流れてきたのを見て上流へ辿ってみると桃の花が咲く不老長寿で豊かな隠れ里があったという桃源郷の伝説に取材した文学です。日本では、国土を作った神様であるイザナギノミコトが亡くなった妻イザナミノミコトを追って黄泉の国へ行き、妻の変わり果てた姿に驚いて逃げ帰る途中、追ってきた鬼女に桃の実を投げつけると退散したという神話があり、魔除けの霊力を持つ木とみなされていました。


さて、鍋島の端正な美しさから続いて今度は派手派手な「金襴手(きんらんで)」の世界へ。鍋島焼は最初の11点のみで残り約100点は全て伊万里焼がずらりと。


色絵 龍鳳文 鉢」(伊万里)

日本国内の富裕層向けに作られたものが第1展示室に並びます。またそれらに混じり茶道具として用いられた焼き物も併せて展示。「松竹梅文 桃型水指」なんて想像力をかき立てるモノも。


色絵 破魔矢皿」伊万里

これなんか観ると、漠然と抱いているいい加減な伊万里焼きのイメージが音を立てて崩落。色の配色からそのトリッキーな形から何から何まで良く見えてきます。尤も我が家ではこのお皿に盛るような料理が浮かんでこないなどと分不相応な考えまで。まだ頭の中お正月気分のままのようです。

第2展示室では「吉祥文様を読む」と題し、そこに描かれたモチーフ毎に展示。簡単で分かりやすい解説も付いているので、何を観たらいいのか分かる仕組みに。

【植物】…「松竹梅」「菊」「牡丹」「椿」「葡萄」「柘榴」「瓢」
【動物】…「鳳凰」「獅子」「鶴」「兎」「鹿」「龍」(龍の色々)


色絵 松竹梅文 瓶」(伊万里)

「展示解説シート」【松竹梅】
常緑の松と竹、雪の中でも花を咲かせる梅の組み合わせは、厳しい環境に耐えるカ強さと不変の高潔さを愛でて「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼ばれます。日本でも古くから神聖な木として特別視され、不変・永遠をあらわすものとして慶賀の和歌にも多く詠われています。また、松や竹には神が降りる依り代(よりしろ)としての役割があります。正月の門松や七夕の笹竹は、本来は神を迎えてまつる意味をもって立てられたものです。


戸栗美術館はふらりと立ち寄って、ついつい長居してしまうタイプの美術館。今回も松濤美術館の帰り道に寄って気が付けば閉館時間(午後5時30分)まで。今回は特に独り解説シートを読み返しながらあらためて作品を観たりとたっぷり時間をかけて鑑賞。静かで居心地の良い美術館です。

最期の第3展示室では「日常食器にみる吉祥文様」
ここに来てやっと身近な器が登場。ふぐ刺しのお皿に使う「網目文」などもこのセクションに。また「蛸唐草と吉祥文様」といったコーナーも設けられていました。江戸時代に庶民の間で人気を博し現在まで受け継がれている「蛸唐草文」もしかしたらお宅の食器棚にもあるのでは?

おめでたい文様で彩られた焼き物に囲まれ、幸せ気分をおすそわけしてもらえる展覧会。焼き物に暗い自分でもこれだけ楽しめたのですから行かない手はありません。

「吉祥文様展」は3月29日までです。


財団法人 戸栗美術館
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-11-3 tel 03-3465-0070
京王井の頭線 神泉駅より徒歩5分
渋谷駅より徒歩10分で行けるかな〜
渋谷駅から出ている東急本店行きの無料送迎バスに乗ると便利。
観世能楽堂の近くです。

そうそう、戸栗美術館のドアにも注目!


帰りにこれまたすぐ近くの鍋島松濤公園に立ち寄るのもお勧め。

最後に「今日の一品


染付 菊亀甲文 皿」(伊万里)

雪輪文ではなくこれ菊の花を六角形の中にはめ込んだ絵柄。
丸い菊の花と角の多い六角形の取り合わせが意外や意外合うもんですね。

口縁が雪輪形をしていた鉢も良かったな〜

よくわかるやきもの大事典
よくわかるやきもの大事典

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それでは最後に「今日の美味


鈴懸(すずかけ)」の「鈴乃○餅(すずのえんもち)」
以前ともりんさんが出張へ行かれた際に買ってきて下ってから我が家では新宿伊勢丹に行くとまずこれを買わないことはないくらい好物。小さいどら焼きのように見えますが食感はもっちりしてます!

おまけ:
畠山記念館 平成21年冬季展

日本の春−華やぎと侘び−
2009年1月24日(土)〜3月22日(日)
前期:1月24日(土)〜2月19日(木)
後期:2月21日(土)〜3月22日(日)

野々村仁清の「銹絵富士山香炉
富士山の朝・昼・暮それぞれの様子を表現した連作「銹絵富士山香炉」(野々村仁清作)三態が15年ぶりに公開!!!
本阿弥光悦の「重要文化財 赤楽茶碗 銘 雪峯

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《展覧会の概要》
 おめでたい文様としてなじみのある松竹梅、長寿を象徴する桃や、宝尽くし。やきものには繁栄や富貴の意味を込めた様々な吉祥文様が描かれています。今展示では、明確に祝いの意味を込めて描かれた吉祥文様から、日常食器の中にデザインとして取り入れられた吉祥文様まで、17世紀から18世紀の伊万里焼を中心にご紹介いたします。

《展示詳細》
【伊万里焼について】
 17世紀初期に、現在の佐賀県有田町周辺で、朝鮮半島の技術をもとに日本初の磁器が焼成されました。伊万里の港から出荷されたために伊万里焼と呼ばれるようになったこの磁器は、草創期には白磁や、コバルト顔料で文様を描いた染付磁器が主に作られていました。17世紀の半ばになると赤・黄・緑などの上絵具を使った色絵の技術が導入され、海外への輸出も始まります。17世紀末には色絵に金彩をふんだんに使った華やかな金襴手(きんらんで)が作られるようになりました。

【やきものにみる吉祥文様】
 元禄時代(17世紀末〜18世紀初期)に作られるようになった金襴手のうつわは「献上手」とも呼ばれ、贈答品として使われました。また、鍋島焼は佐賀藩(鍋島藩)の直轄の窯で焼かれ、将軍家などへ献上された特別なやきものです。献上・贈答に使われたやきものには、祝いの意味を込めて、龍や鳳凰、宝尽くしなど、さまざまな吉祥文様が描かれています。
 冬の寒さに耐えることから忍耐や清廉を表わす松竹梅、千年・万年の長寿を表わす鶴や亀はよく知られていますが、その他にも果実を多くつける葡萄や柘榴(ざくろ)は子孫繁栄、花の豪華さから富貴を表わす牡丹など、草花や動物の文様が実は吉祥を意味しているということもあります。今展示では、文様ごとに、それらが持つ意味とさまざまな表現をご紹介します。
さらに吉祥文様は、環状にパターン化された松竹梅など、祝いの意味から離れたデザインとしても描かれていきます。庶民にも普及していった伊万里染付の皿や向付の中に吉祥文様を探ります。
展覧会 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

私もこの美術館にはよく行きます。
ミュージアムショップで売られている器などが、意外に安くて心惹かれますが、いまだに買ったことはありません^^;
今回の展覧会は祝いの器というだけあって、豪華ですね!
観に行ってみようかな。
えび | 2009/01/19 10:21 PM
@えびさん
こんばんは。

もうすこし、書籍が安ければ
買って勉強でもしようかな〜
とおもうのですが、なかなか。

かなり見ごたえありましたよ。
損はないと思います。
Tak管理人 | 2009/01/21 9:40 PM
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