青い日記帳 

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「妙心寺展」

東京国立博物館 平成館で開催中の
開山無相大師650年遠諱記念特別展「妙心寺」のプレスプレビューにお邪魔して来ました。


妙心寺展 公式サイト

第1章 臨済禅 ―応燈関の法脈―
第2章 妙心寺の開創 ―花園法皇の帰依―
第3章 妙心寺の中興 ―歴代と外護者―
第4章 禅の空間 1 ―唐絵と中世水墨画―
第6章 妙心寺と大檀越 ―繁栄の礎―
第7章 近世の禅風 ―白隠登場―
第8章 禅の空間 2 ―近世障屏画のかがやき―


巡回先の京都国立博物館の展覧会構成には「第5章 遠諱の風景―荘厳と儀礼―」が含まれているそうです。東京展では展示、構成の都合上「第5章」の作品を1,2,4章に振り分けてそれぞれ展示されているそうです。京博の中央のスペースを使って遠諱法要の様子でも再現するのかな?

展覧会の様子をざっとご紹介。

第1章 臨済禅 ―応燈関の法脈―


まずは「関山慧玄坐像」がお出迎え。奥の展示ケースは「重文 六代祖師像」(右端には初祖達磨の姿が描かれています)信仰心希薄な自分もまずここで「関山慧玄坐像」(初代住持)に手を合わせてからいざ。

写真は全て主催者の許可を得て撮影したものです。


今回のお披露目に際しピカピカに磨かれた「瑠璃天蓋」中国、明で制作された輸入品。スワロフスキーのガラスよりも魅力的な輝きを発するガラス玉にうっとり。後は「国宝 宗峰妙超墨蹟 「関山」道号

第2章 妙心寺の開創 ―花園法皇の帰依―

妙心寺は元々花園天皇の離宮があった場所。そこを自ら禅寺にしたことが始まり。第2章にはその花園天皇関連の品々が展示。宮内庁書陵部所蔵の「花園天皇宸翰誡太子書」など必見の書も。


重文 花園天皇宸翰 置文」1347年
貞和3年(1347)、病床にあった花園法皇(1297〜1348)が開山・関山慧玄に妙心寺の造営を約束した手紙で、「往年の震翰」とよばれる。文面には、法皇晩年の仏法に対する熱い想いとともに、教えを文字にして残さなかった開山の人となりが表れている。


手前「花唐草文様七条袈裟 花唐草文様横被 伝花園法皇料」目を凝らして観ないとその凄さが分からないのが右展示ケース内の「山水楼閣人物図螺鈿引戸」白黒のただの展示品かと思いきや精緻な装飾が施されています。全面にびっしり隙間なく螺鈿が。奥は康知作「花園法皇坐像」こちらでも手を合わせ先に進むことに。

第3章 妙心寺の中興 ―歴代と外護者―

アンテナに引っかかるもの無し。
この展覧会は個人的に観るべき所とスルーする所が明明白白。これほどまでにはっきりしているのも珍しいかも。本当は第3章も見識高い方がご覧になれば、それこそ時間いくらあっても足りないのでしょうが…未熟者は足早に先へ。

第4章 禅の空間 1 ―唐絵と中世水墨画―


第3章を飛ばした分、ここでじっくりと。


伝狩野正信「鍾呂伝道図」横目で指差し確認しながら指南する鐘離権(しょうりけん)葉っぱを寄せ集めてこしらえた蓑が何ともオシャレ。それにしても変わった作品です。気に入りましたこれ。


国宝 梵鐘」こういう場所にあるととても居心地が悪そう。伝相阿弥「重文 瀟湘八景図屏風」ここの展示空間水墨画の世界をたっぷり堪能できる反面、作品の性質上展示替えが多い場所でもあります。因みにどうしても観たい「国宝 瓢鮎図」は後期(2月10日〜)の展示。また来なくちゃ!

同朋舎メディアプラン『趣味の水墨画』
(お世話さまでした!)

第6章 妙心寺と大檀越 ―繁栄の礎―


重文 玩具船」(豊臣棄丸所用)
ここもスルー系かな〜

でもこれだけは第1章の「瑠璃天蓋」同様しっかりと観てしまった。

瑠璃天蓋」こちらも明時代のもの。
およそ500年経過してもこの美しさ!禅というとモノトーンなイメージありますが、時にはこんな艶やかな色どりのものも。これは必見。

第7章 近世の禅風 ―白隠登場―

白隠とは意外と縁のない自分。

白隠慧鶴「達磨像」達磨像を多く描いた白隠。その中でも最も大きな作品だそうです。確かに言われてみるとでかい!狩野探幽作「龍雲図」にも引けを取らない迫力。

この他にもお亡くなりになる前年に描かれたとは思えないしっかりとした筆致の「自画像」等など。

これだけまとめて観る機会に恵まれるとは、よもや思いもしませんでした。
「妙心寺展で白隠」これは嬉しい誤算。

第8章 禅の空間 2 ―近世障屏画のかがやき―

正直、この展覧会この第8章だけ観に来てもお金十分元取れます。


長谷川等伯の「重文 枯木猿猴図」「豊干・寒山拾得図衝立」はほんの挨拶がわりの軽いジャブ。奥には海北友松「重文 琴棋書画図屏風」がそびえているのが目に入ります。

敢えて「そびえる」という表現を使ったのは、妙心寺に残る屏風絵はみなどれも他の一般のそれと比べ背が高いことにすぐ気が付きます。約25cmほどでしょうか。かなり高く感じます。これを「妙心寺屏風」と呼んでいるそうです。


狩野山楽「重文 龍虎図屏風」、「重文 文王呂尚・商山四皓図屏風」一緒に写っている人物と高さ比べてみても容易にその大きさ理解できるかと。


狩野山楽「重文 龍虎図屏風

たかだか20,30cmでそんなに…と思うかもしれませんが、実際会場で向かい合い、ブラウン管テレビとフルハイビジョンテレビほどの差が感じられたのは事実。

2mの高さを誇る「妙心寺屏風」の圧倒的な迫力。
未体験の驚きが最後の最後に待ち受けています。

名称は地味だけど迫力満点の「妙心寺展」は3月1日まで。
その後、京都国立博物館へ巡回。3月24日(火)〜5月10日(日)

最後に「今日の一枚


狩野山雪「老梅図襖 旧天祥院障壁画」(左)
(右の屏風絵は狩野山楽「松図 旧天球院方丈仏壇壁貼付」)

狩野山雪の「老梅図襖」は現在、アメリカ、メトロポリタン美術館に所蔵されている所謂里帰り品。元々妙心寺天祥院の襖絵であったが、明治19年の火災で建物などの一部を焼失した際に日本人の手に渡り気が付けば海を渡りアメリカの美術館へ。

同じくアメリカ、ミネアポリス美術館所蔵の「群仙図襖」と表裏をなしていたものだそうです。(こちらも観たかった!)奇想の画家のひとりに数えられる狩野山雪が作りだした太い曲線と所々に散見する細い直線の織りなす空間美にただただ唖然。

身悶えているかのような梅の古木、まだまだ精力は衰えていないようです。

↓メトロポリタン美術館のこちらのページに画像&解説があります。
The Old Plum, Edo period (1615–1868), ca. 1645
Attributed to Kano Sansetsu (Japanese, ca. 1589–1651)
Four sliding door panels (fusuma); ink, color, gold leaf on paper; H. 68 3/4 in. (174.6 cm)


すぐわかる寺院別障壁画の見かた
「すぐわかる寺院別障壁画の見かた」 宮元 健次
妙心寺もこちらの本に掲載されています!

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それでは最後に「今日の美味


ミュージアムショップで販売していた「落雁 花園
子どもの頃、落雁もらってもちっとも嬉しくなかったけど、今は自ら積極的に買う側に。年取ったな〜さて、お茶でも。

この記事のURL
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妙心寺は建武4年(1337)、花園法皇が自らの離宮を禅寺としたことに始まります。そして、開山(初代住持)として花園法皇によって迎え入れられたのが関山慧玄(かんざんえげん)(諡号(しごう)「無相大師(むそうだいし)」)でした。
 関山慧玄やその師、宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)をはじめとする名僧たちの墨蹟(ぼくせき)や頂相(ちんそう)、妙心寺を支援した細川家など諸大名に関する作品、中世以来妙心寺に伝わる唐物・唐絵、室町時代から江戸時代にいたる多様かつ華麗な屏風や襖絵、白隠慧鶴(はくいんえかく)ら近世の高僧の活動を伝える墨蹟・禅画など、妙心寺の禅文化を彩る貴重な文化財は、禅宗史にとどまらず、わが国の歴史や文化を物語るうえで重要な位置を占めています。
 本展は、無相大師の650年遠諱を記念して開催されるもので、六世紀半にわたる妙心寺の歴史の中で花開いた禅の文化を、国宝4件、重要文化財およそ40件をはじめ、妙心寺本山ならびに塔頭の所蔵品を中心にご紹介します。


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この記事に対するコメント

先日はお世話になりました。
観るべきものとパスしても良いものが分別されているのは、「潔い」展示?
わたしのランクは山楽>等伯>白隠でした。

とら | 2009/01/21 10:43 PM
こんばんは。

明日の予定にこれを入れなくては
イケナイ!と思いました。
山楽、いよいよ対面できるかと、
ワクワクします。
あべまつ | 2009/01/22 9:41 PM
こんばんは。先日はどうもありがとうございました。
仰るようにスルー系の部分もありましたが、
後半部は単独でも成り立ち得るほど充実していましたね。
山雪や山楽あたりは、また某下先生あたりが何かしかけようとなさっているのかもしれません…。

とりあえず後期ももう一度いくつもりです。
はろるど | 2009/01/22 10:24 PM
@とらさん
こんばんは。

こちらこそ。
ビール美味しかったですね。
等伯も山楽には確かに
勝ち目ないですね。

@あべまつさん
こんばんは。

山楽想像以上です!
いやーー参りました。
個人の手により海外に
渡ってしまったそうです。
勿体無い。。。

@はろるどさん
こんばんは。

お世話さまでした。
楽しかったですねーー
堪能しましたね。夜まで。

山下先生またまた大胆な
解釈なさっていましたね。
想定内ではありますが。。。

前後期行かないと勿体ない展覧会ですよね。
私も勿論出かけますよ〜
Tak管理人 | 2009/01/22 11:02 PM
ご無沙汰しております〜。私もその日行ってました。
お逢いできたら嬉しかったのに残念です!
山雪素晴らしいですねぇ。。。是非とも妙心寺内で拝見してみたいものです。
等伯のお猿さんはけっこう好きですよ♪
落雁は見落としました(><)。美味しそう〜。
nao | 2009/01/23 2:12 AM
@naoさん
こんにちは。

おおーーいらしていたのですね!
私は内覧会始まる前に帰ってしまいました。
残念!また別の機会に。是非。

妙心寺、実際に行くと広くて大変!
しかも観られない塔頭おおいし。
こうして展覧会会場で拝見でき
満足満足。でも、観たいですね。
Tak管理人 | 2009/01/24 12:32 PM
こんばんは。

早速いって参りました!
良かったですね、最終章。
老梅図は、異界の生き物のようでした。
海北友松もなかなかいい線いってました。
また、後期行かねば、落ち着きませんね。
あべまつ | 2009/01/25 9:17 PM
@あべまつさん
こんばんは。

友松最近自分の中で
かなりお気に入りの絵師です。
後期必ず行きます。
今回の東博は都合2回行けば
ほとんど観られるのがよろし。
こうでなくちゃ!
Tak管理人 | 2009/01/26 7:22 PM
狩野山楽「重文 龍虎図屏風」に惚れました!
凄い迫力だと思ったら、25cmも大きいのですねぇ
つい「もっと知りたい 狩野派」を購入しちゃいました。
後期に向けて勉強です♪
ruru | 2009/02/02 11:09 PM
@ruruさん
こんにちは。

そうなんですよ〜
もともとあの屏風自体が
普通の物よりも大きいそうなんです。
それに加えあの描写。
一層迫力増しますよね。
Tak管理人 | 2009/02/03 7:46 AM
こんにちは。妙心寺展行ってきました。東博の展示楽しんできました。後期でしたので、『瓢鮎図』が存在感もあり、解説も写真つきで丁寧でしたね。残念なのは7章の近世障屏画にガラスの太い枠があり残念でした。仮設なのでしょうね。1〜6章までは、ガラスの継ぎ目が少なかったのに比べて・・残念でした。
KAZUPON | 2009/02/18 11:16 PM
@KAZUPONさん
こんばんは。

ブログ拝見しました。
もう後期始っていますね。
私も行かねば!
とりわけ、ナマズを観なくては
この展覧会観たことになりませんからね。

ガラスの継ぎ目確かに目立つかも。
Tak管理人 | 2009/02/19 7:22 PM
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