青い日記帳 

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「房総の広重展」

菱川師宣記念館で開催中の
特別展「―描かれた房総の風景―房総の広重」に行って来ました。



朝から澄み渡った青空の日曜。
都内の美術館にでかけるのにはもったいない天気。

たまには遠出でも。と、いつものように朝起きてから急に思い立ち、出かけた先は内房。館山自動車道の開通によってぐーんと近くなった菱川師宣生誕の地へ。


浮世絵の祖出生の地、南房総鋸南町にある菱川師宣記念館

浮世絵どころか美術館通いも今ほどバカみたいにしていなかった頃、鋸山近くにあったマリーナでよく「船遊び」をするのに通った隣町が鋸南。館山自動車道が開通する前はとにかく渋滞が酷かったこの地域も今ではうちから車で約1時間圏内に。

菱川師宣記念館へは鋸南保田ICが最も近いのですが、得てして新しく出来た高速道路はトンネルだらけ。潮の香りや波の音すら感じられない殺風景で無機質な道は出来るだけ早くおり、海沿いの国道127号線へ。

二つ手前の富津竹岡ICから一般道へ。
高速を降りたとたんにこの景色が!



「富士山:世界文化遺産登録 手続き延期へ」なんてニュース昨日あったばかりですが、要らないってそんな登録。そこにあるだけで十分。富士山は富士山。登録されようがされまいが、この美しさは変わりません。

広重も描いた奇山、鋸山(のこぎりやま)や東京湾フェリーが発着する金谷港に寄り道しながら、うららかな春のような陽気の南房総を満喫。

このまま帰っても文句ないほど楽しんだけど、やっぱり目的地に行かないと!菱川師宣記念館はもうすぐ先。師宣のお墓のある別願院の脇を走り抜け、「道の駅きょなん」と同じ敷地内にある記念館へ無事到着。

平屋建ての資料館には3つの展示室が。
こちらは第二展示室。主に菱川師宣関連の作品を展示。


館内の写真は許可を頂き撮影したものです。

菱川派による作品や師宣の「和国名所鏡」や「美人絵づくし」など、年に数回の展示替えを行い公開しているそうです。


秋草美人図


行楽美人図

1月14日〜3月8日の間、特別展「―描かれた房総の風景―房総の広重」を第一展示室と第二展示室の一部を使い開催。広重と千葉県あまり馴染みなさそうな気もしますが、何と二度も訪れていたそうです。

以下チラシの裏面にあった解説文。
房総半島(千葉県)は、江戸に近い風光明媚な土地として、名所旧跡も点在し、浮世絵風景画の好画題ともなりました。風景画の名手として名をはせた浮世絵師・歌川広重は、房総へは二度ほど訪れています。一度目は天保15年(1844)48歳の時。江戸から木更津に船で着き、上総鹿野山(かのうざん)参詣を目的とする小旅行。二度目は嘉永5年(1852)56歳の時。同じく木更津から鹿野山を経て、外房の小湊、清澄山、そして那古から内房を回って保田、鋸山を巡り、木更津へ戻る旅でした。この時の旅日記を見ると、広重はかなりの珍道中をくり広げています。その後の広重の人気シリーズ「富士三十六景」「不二三十六景」「山海見立相撲」などの上総、安房に関する風景は、実際にこの旅で広重が目にし、描いたものと考えられ、特に保田海岸(鋸南町)は昔から富士の見える絶好のポイントとして有名で、広重も描いています。

歌川広重「富士三十六景 房州保田ノ海岸」1658年

工場の煙突や東京湾を行き交う貨物船の姿こそ見えませんが、確かにここ保田(鋸南町)からの眺めた富士山の姿に間違いありません。


こちらは今日撮影したもの。
広重が訪れた時からおよそ350年経過した平成の世でも富士山は観る者の心揺さぶり、思わずカメラ向けたくなります。カメラや携帯で撮影している人の多いこと多いこと。下手な芸能人より「人気者」です。

さて、さて今回の特別展の目玉は新たに発見された広重の肉筆画。


右:「宝珠と熨斗」1655年
下:「花鳥人物画帳」1841年
左:歌川豊広「宮詣り美人図

お正月に描かれた大変お目出度い「宝珠と熨斗」だけでもここまで観に来た甲斐があるものですが、とりわけ「花鳥人物画帳」はガソリン代、高速代も惜しくないほどの逸品。



初めて目にする作品ですが、最近どこかで見たことあるような…そうそう、平成19年に栃木市内で発見され、とちぎ蔵の街美術館の収蔵品となった喜多川歌麿の「女達磨図」にそっくり!


喜多川歌麿「女達磨図

この作品丁度今開催中の「収蔵品展 絵画を謳う・工芸に憩う」の後期(2月3日〜28日)にとちぎ蔵の街美術館で公開が予定されています。と言うことは…再来週は栃木へ行けと。。。参ったな〜(ニコリ)

この他にも、現在の千葉県の各地の様子を、初代広重の弟子、重信(二代広重)や重政(三代広重)らが描いた作品も数多く展示。


特別展だけでも60点。これに菱川派の作品も加わるのですから、立派な展覧会です。出品目録や丁寧な解説シート(「広重の房州旅行−旅日記に見る広重先生珍道中−」)なども置いてありどこかの高飛車な美術館に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらい丁寧、そして親切。


二代広重「諸国名所百景 房州鋸山日本寺

特別展「―描かれた房総の風景―房総の広重」は3月8日までですが、内房にお出かけの際は菱川師宣記念館(鋸南町歴史民俗資料館)立ち寄って損はないかと。隣接する「道の駅きょなん」も超お勧め!朝獲ったばかりの魚を天日干しにしたものなど驚くほど安い!

いちご狩りやサーフィンもいいけど、浮世絵もね。

最後に「今日の一枚


三代広重「大日本物産図会 安房国水仙花

ここ鋸南町は水仙の町としても有名。江戸時代から既に名が知れていたそうです。丁度今頃が見ごろとあって「水仙ロード」「をくずれ水仙郷」へ向かう車で山方面は渋滞。途中にある菱川師宣の戒名が昭和56年に発見されたという昌龍寺へ行きたかったけど断念。まぁ、また今度で。


資料館敷地内に咲いていた水仙。「見返り美人」ならぬ「見返り水仙」っぽく撮ったつもりが上手く撮れてないや……


菱川師宣記念館
〒299-1908 安房郡鋸南町吉浜516 tel:0470-55-4061
JR内房線保田駅または、安房勝山駅下車徒歩20分.
国道127号線沿(無料駐車場完備)
入館料500円.

菱川師宣と浮世絵の黎明
菱川師宣と浮世絵の黎明
浅野 秀剛

おまけ
きょなんのむかしばなし
↑読むべし!夏目漱石も登場!!

「東海道五十三次」で有名な風景画の浮世絵師、歌川広重は、房総旅行をしています。江戸から木更津に船で行き、鹿野山などの神社や名所を見物しました。外房の清澄山や誕生寺を見て内房に回った広重は、勝山、保田を通り、その景色のすばらしさに感動しています。富士山の見える名所として有名な保田海岸を、後に浮世絵として描いています。日記によると道を間違えたり、酔って川に落ちたりと、少しおっちょこちょいな面も見せています。

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それでは最後に「今日の美味


漁師料理 かなや」で食べた「メバルの唐揚
美味しくないはずがない。目の前に東京湾。その先に富士山見ながらバリバリと。

カラー版 浮世絵 (岩波新書)
「カラー版 浮世絵」(岩波新書)
【レビュー】
- 弐代目・青い日記帳 | 『カラー版 浮世絵』 (岩波新書)

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 この展覧会は、広重の描いた房総の風景版画を軸に、名跡を継いだ二代、三代広重の風景版画を織り交ぜ、失われつつある江戸時代の房総の原風景を浮世絵で紹介します。
 また今回、新たに九州で発見された肉筆画「宝珠と熨斗」と千葉県内で発見された「花鳥人物画帖」など貴重な新資料を初公開いたします。「宝珠と熨斗」は、広重の亡くなる3年前の安政2年(1855)正月に描いた吉祥の画題で、同様の宝珠の図がある「花鳥人物画帖」と合わせて、広重の画歴を知る上で、貴重な作品として注目されています。この2作品がそろって展示されることは今後ないかも知れません。
 風景版画と旅日記でたどる広重の房総の旅を紹介し、また初公開の新資料で広重の画業を紹介する特別展。広重と共にたどる風光明媚な房総の旅をお楽しみ下さい。
展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんにちは。
海と富士山の写真、カッコイイです!
松竹映画の冒頭みたいです。
mizdesign | 2009/01/26 8:09 AM
昨年秋に菱川師宣の記念館にいったのですが しずかだしほとんど誰もこないし 結構いいところですね。

保田のあたりで高速をおりたら目と鼻のさきだし・・

その隣に元小学校みたいな建物があって そこは泊まることができます。 わるくない場所です。
うずしお | 2009/01/26 7:20 PM
@mizdesignさん
こんばんは。

いいでしょう〜
この目でばっちり!
砂浜にまで下りました。
海はいいなーー

@うずしおさん
こんばんは。

初めて伺いました。
ほんと良いところですね。
資料館の方も親切丁寧。
美味しいものも隣で販売しているし
もう言うことなしです。

楽しい日曜日過ごすことできました。
Tak管理人 | 2009/01/26 7:25 PM
こんばんは。写真お見事ですね!青々とした海に富士山に、本当に気持ちが晴れ渡りそうです。

それにしても広重が二度も房総を訪れていたとは知りませんでした。
富士山のビューポイントを探して歩いていたのでしょうか。

鋸山の近くなのですね。
県民にも関わらず房総とは縁がありませんが、
一度半島をぐるっと廻る旅もしてみたいです。
はろるど | 2009/01/26 10:38 PM
師宣に里見八犬伝、我が千葉県も
捨てたもんじゃないですね〜
一村雨 | 2009/01/26 11:03 PM
こんばんわ
浮世絵の祖、
高額切手NO.1、の
菱川師宣は、江戸生まれの江戸育ちと思ってました。
ブログで、いろいろ学べます。
Baroque | 2009/01/26 11:32 PM
こんにちは
>師宣に里見八犬伝、
一村雨さんのおっしゃるとおりです。
わたしもそのあたり、ツボです♪

房総と言えばフラワーラインもあるそうで、
なかなか一日楽しく遊べるようですね。
メバルも食べたいしナメロウも食べたいし・・・
ちょっとがんばって房総ツアーも考えよう。
でもわたしの場合、暴走ツアーになりそうですが。
遊行七恵 | 2009/01/27 12:55 PM
@はろるどさん
こんばんは。

ありがとうございます!
海岸までおりて撮影した甲斐あります。

そうなんです。
広重二度も「千葉」へ来ているんです。
しかもかなりの珍道中だったようで
その辺も調べたら面白そうです。

車があれば楽ですね。
電車でのんびりというのも手かも。
それと金谷フェリー使うと神奈川からも近い!

@一村雨さん
こんばんは。

ですよね。
ここ想像していた以上に良かったです。
まぁ複製などもありましたが
やる気や誇りが感じられます。

@Baroqueさん
こんばんは。

そうなんですよ〜
意外かもしれませんが
千葉出身なんです。
江戸時代の人、健脚でしたでしょうから
これくらいの距離は難なく行き来できたのでしょうね。

@遊行七恵さん
こんばんは。

そうでしょう、そうでしょう。

暴飲暴食ツアーになりかねないほど
美味い物多いです。
危うく?貝でも焼いて食べようか
などと路線変更まで頭に浮かぶ始末。
目的意識だけははっきりとしないと
海に落ちる前に食に…

また行きたい場所です。
Tak管理人 | 2009/01/28 12:09 AM
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