青い日記帳 

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「よみがえる黄金文明展」

大丸ミュージアム・東京で開催中の
21世紀の大発見「よみがえる黄金文明展〜ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝〜」に行って来ました。



独立宣言から100周年を迎える「ブルガリア共和国」。古代ギリシア・トロイの遥か昔、この地に独自の文化を開花させた民族「トラキア」。現在もブルガリア各地の遺跡から発見が続く黄金の品々…

ブルガリアを「ヨーグルトの国」と思っていた自分は、今日からそれ改めます。「世界最古の黄金文明の国」に。

世界史の教科書にある、クレタ文明・ミケーネ文明・トロイア文明よりも前の紀元前3000年頃より現在のブルガリアを中心に文明を花開かせたトラキア。

展覧会会場入口から出口まで、狐か狸に騙されているのではないかと我が目を疑いっぱなし。キャプションに当り前のように「前7世紀」などと記された展示品ばかり。しかもそのほとんどが金で作られたもの。


腕輪」前5千年紀後半(ヴァルナ銅石器時代集合墓地出土)

1972年、ブルガリアの東部ヴァルナで発見された約2000点、重量約6kgにもなる黄金の遺品。土木工事中にたまたま発見されたこれらの出土品は、紀元前5000年紀まで遡ることのできるものだそうです。文明発祥の地とされているエジプト王朝が確立したのが紀元前3000年ですので、それよりはるか以前にブルガリアに世界最古の黄金文明が存在していたことになります。

世界史、とりわけ古代史にはとんと疎い自分でも「凄さ」実感。(だってこれまで石器時代とされてきた時代に、既に金製品を用いる文明があったというのですからそりゃー完全に休日モードの頭でも事の重大さ理解可能)あまりにも衝撃大きく、目の前にある展示品がまがいものではないかと疑ってしまいほど。

展示されているもの全て驚嘆しつつ「メインディシュ」へ

トラキア王の黄金のマスク」前5世紀後半

会場内にこんな説明が。
1876年、ギリシア「アガメムノンの黄金のマスク」発見
1922年、エジプト「ツタンカーメン王の黄金のマスク」発見
そして2004年、ブルガリア共和国中央部“バラの谷”と呼ばれるカザンルクの谷で、「トラキア王の黄金のマスク」発見。

まだ発見されてたった5年。勿論日本初公開。

こちらも2005年に見つかったばかり。当然日本初公開。

黄金の花冠」紀元前4世紀中頃

歴史に興味がなくトラキアだろうが、ドラキュラだろうがどうでもいいとお思いの方でも、この「黄金の花冠」を前にしたら絶対言葉失うはず。

これまで「○○文明展」で数多く見てきた出土品、遺品の中でもこれに比肩する美しさ持ち備えているもの他に知りません。またこれでけ豪奢に見えるオリーブの葉と実も同じく知りあわせません。

豪華な花冠や仮面と共にこんなものも。


」前4世紀後半

一枚の青銅から作り出された兜。飾り金具まで付いています。

トラキア人は霊魂の不滅を信じていたそうで、この世で亡くなった後も別の世界で(死後の世界)で楽しく幸せに暮らせると思われていたそうです。生まれてくることよりも、死んでいく方が「幸せ」だったとか。

死後の世界の生活の為にお墓には沢山の副葬品が埋葬されたそうです。また一夫多妻制だったトラキア人社会では夫が亡くなると選ばれた妻が殉死するといった習慣もあったそうです。

複数の奥さんの中から最も愛する女性だけに与えられた特権。死後の世界はバラ色だと信じていた彼らですから選ばれし一人の妻は、喜んで殉死したそうです。

逆に残されたその他の妻たちは屈辱の中生き恥をさらすことに。

うーーん、色んな意味でトラキア人興味津々。


チラシ裏面の中央部にどんと居座る丸い黄金の物体は「フィアラ杯
拡大して見ると…


フィアラ杯」前4世紀末-前3世紀初頭

笑っています。。。怖いくらいの笑顔して。
饗宴用のお皿ということですが、これ一枚に金を850gも使うなんて、一体どれだけ金があったのでしょう。使っても使いきれない感じ。


鹿形リュトン」前4世紀末-前3世紀初頭


山羊形リュトン」前4世紀末-前3世紀初頭

共に「酒杯」。勿論黄金!!もう完全に金に対する閾値麻痺してきます。

それにしても「鹿形リュトン」「山羊形リュトン」こうして並べて見ると、映画やアニメの世界でヒーローが乗るスーパーマシンのように見えてきます。F1の世界でもこれらから発想得てマシン開発するとパソコン上では得られない成果が…なんてね。

それにしてもカッコイイな〜惚れぼれ。


「赤絵式ペリケ」前440-前430年

金製品ばかりでなくこうした陶器も何点か展示されています。

大丸の展示空間がこれまでにない場と変容。
もし仮にこれらが全て「偽物」だったとしても、観に行く価値は十分にあろうかと。古代史オンチの自分でもこれだけ感動できたのですから。

最後に「今日の一品


雄牛形アップリケ」前5千年紀後半

何箇所か空いた穴から糸で縫いつけたのでしょうか。
しっかり留めないと大変!黄金のアップリケです。
でも、いいのか。金は腐るほどあるから。。

それにしても金鉱が何処にあったか分かっていないというのもまだまだこの古代文明が多くの謎に包まれている証。「文明の十字路」バルカン地方に眠っている「驚き」はこんなものではないのかもしれません。

「よみがえる黄金文明展」は2月15日まで。
終了後以下の美術館へ巡回。
広島県立美術館:2/21-3/31
静岡県立美術館:4/11-5/15
福岡市美術館:5/23-7/5


大丸ミュージアム・東京
千代田区丸の内1-9-1 tel:03-3212-8011
JR東京駅八重洲北口
グランドトウキョウ ノースタワー大丸東京10F

午前10時―午後7時30分(午後8時閉場)
※会期中の木・金曜日は午後8時30分まで(午後9時閉場)
※最終日は午後4時30分まで(午後5時閉場)


シュリーマン・黄金発掘の夢 (「知の再発見」双書)
シュリーマン・黄金発掘の夢 (「知の再発見」双書)
エルヴェ デュシエーヌ,青柳 正規

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それでは最後に「今日の美味


香港スイーツ ZEN 采蝶軒」の「亀苓爽(亀ゼリー)
亀ゼリー、中国では「美人のスイーツ」と親しまれているとか。男性でも注文できるとこのことで食べてみたら苦い。聞けば亀の甲羅の裏側にあるゼラチン質を原料にしたゼリーだとか。亀ゼリーって本当に亀使っていたのね。。。

この記事のURL
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「(トラキア王の)身につけてきた物の具は黄金造りで途方もなく大きく、見ればたまげるばかり。このような物の具は人間が身につけるべきではなく不死なる神々にこそ似つかわしい」 ホメロス『イリアス』松平千秋訳 岩波文庫より

 2004年8月、ブルガリアで発見された「トラキア王の黄金のマスク」は、世界的に有名な「バラの谷」の中心都市カザンルク(周辺は特に「トラキア王の谷」と呼ばれることがある)のスヴェティツァ墳丘墓から出土し、その遺宝は紀元前5世紀後半頃のものと推測されました。重さ672gにも及ぶ金を用いた豪華なマスクは世界でも類をみないもので、驚くべきことに、文明発祥の地といわれるエジプト王朝が確立するよりはるか昔、今からおよそ6000年以上前のヨーロッパ南東部バルカン半島には黄金文明が存在したのことになるのです。この発見は古代トラキア人の世界に、はるかに鮮明な光明をもたらすこととなり、謎に満ちたトラキア文明の名を世界にとどろかせました。

 トラキア(現在のブルガリアの大部分を占める地域)は金採掘・採取とその利用に関して長い歴史を持ちます。1972年土木工事作業をきっかけに出土した金製品は「世界最古の黄金文明」として、トラキア文明以前の先史文化が最も繁栄した紀元前5千年半ばから後半のものであることが判明しています。

トラキア人は古代ギリシア文字を用いて王名や地名を記したごく断片的記録を除いては自らの記録を残しませんでした。彼らは文字を持たなかったゆえ、文献が少なく長い間その実像は謎に包まれてきました。トラキア人の歴史を解明するには、ホメロス(紀元前8世紀ごろの古代ギリシアの詩人)が記した文献資料、出土品などをはじめ、考古学資料などをもとに、その実像を復元しなければならないのです。

副葬品にこれほどまでの黄金を惜しげもなく用いたトラキア人とはいったいどのような民族であったのか。本展では2005年夏に発見された「黄金の花冠」、2004年に発見された「トラキア王の黄金マスク」などソフィア考古学博物館を中心としたブルガリア国立博物館群より出品される、トラキア人が隆盛を誇った紀元前5世紀〜前3世紀初頭の遺宝を中心に、日本初公開作品を含むトラキアの秘宝170点をとおして、その謎に迫っていきます。
展覧会 | permalink | comments(7) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

大変ご無沙汰しております。
やっとこちらにTBさせて頂けるねたの記事が書けました・・・。

この展覧会、よかったですよね。いいもの観せてもらったな、と思いました。
最後の方は時間を気にしながらでしたので出来ればもう1度観たい程ですが、
ご覧になった方は少ないのでしょうか。

m25 | 2009/02/04 4:04 AM
TBさせて頂いたつもりが、失敗していました。
また後程挑戦してみます。失礼しました。
m25 | 2009/02/04 4:10 AM
@m25さん
こんにちは。

あれだけのお宝
本物なのか途中で
正直怪しんでしまうほど。

事実とするなら歴史の教科書の
記載変わりますね。

まだまだ世界のどこかには
未知の文明が眠っているのでしょう。
Tak管理人 | 2009/02/04 7:52 AM
またトラックバックさせていただきますね。
いやあ、僕も驚いたのなんのって!
トラキアなんて世界史でも習わなかったですからね。
死後よりよい世界に行けると信じた彼らは葬式でも大いに食べて飲んで
死んだ人の来世を祝ったのでしょうね。
その光景が浮かんでくるようです。
けどトラキア王の黄金マスクを発掘した考古学者ー名前を忘れたーさんはお亡くなりになったんですよね。
現代の僕らはそれを喜ぶことはもちろんできません。
会場は腰かけるいすもなくかなり疲れました。
oki | 2009/02/05 10:23 PM
@okiさん
こんにちは。

目の前に展示されている品々が
本当にそんなはるか昔のものであるのか
途中から疑いの目で観てしまうほど
驚きの世界が展開されていましたね。

トラキア世界史の資料集にも
載っていません。こういうのって
しばらくすると新たに歴史に加わる
ものなのですよね。

いやーー何はともあれ良い物見せてもらいました。
Tak管理人 | 2009/02/06 8:04 AM
こんばんは。パスするつもりだったのですが、
Takさんのアップをみて、俄然行く気になりました。
これほどすごい黄金のお宝とは思ってもいません
でした。一生の思い出になります。
いづつや | 2009/02/12 11:39 PM
@いづつやさん
こんばんは。

きっといづつやさん行かれたら
もう大興奮だと思いますよ!
ほんと、これがそんなに古いものなのかと
疑ってしまうほどです。
Tak管理人 | 2009/02/13 11:57 PM
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バラの香りにつつまれて | だらだら日記 | 2009/02/05 10:28 PM