青い日記帳 

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「源氏物語千年紀 石山寺の美」

横浜そごう美術館で開催中の
「源氏物語千年紀 石山寺の美−観音・紫式部・源氏物語−」展に行って来ました。



2008年は「源氏物語千年紀」(源氏物語誕生1000年記念)として多くのイベントが京都を中心に開催されましたが、源氏が都落ちした地、須磨とも比較にならないほど鄙びた土地である東国(関東)では中々その恩恵にあずかること出来ません。

昨年9月に発売となった「源氏物語一千年紀記念切手」をおこぼれ程度に有り難がることしか出来ない辛さ。

都内では太田記念美術館(「浮世絵の中の源氏絵」展)や永青文庫(「源氏千年と物語絵」展)などがせいぜい開催されるだけ。

そんな東国の中でもなぜか独り気を吐いているのが「横浜」
昨年も「何故横浜美術館で『源氏』?」「どうして横浜トリエンナーレの開催中にぶつけるの?」などなど多くの疑問を投げつけながらも、すっごい頑張って開催した「源氏物語の1000年」展はまだまだ記憶に新しいところ。

そうしてまた今回も横浜で源氏展開催。

前回ここそごう美術館で開催されていた、破産経営破綻してしまった「ウェッジウッド」の展覧会も気になりましたが、横浜まで行く気にはイマイチなれず。しかし源氏物語となれば話は別です。

それにしても、「ウェッジウッド」アメリカの投資ファンドに売却することで合意したようですが、その売却先の投資ファンドも大丈夫なのかな〜有楽町にあったウェッジウッドの路面店無くなってしまって寂しい…
Sale disappoints Wedgwood cousins

今回横浜に足を運ばせた大きな要因の一つが先月下旬に発売になったこちらの本。表裏表紙共に美しいので両方載せます。(カバー表:宿木、カバー裏:夕顔)

すぐわかる源氏物語の絵画

この本に関しては既にいつもお世話になっているlapisさんが詳しく紹介されています。「美しいもの」に目がないlapisさんの心を捉えた一冊。自分がくだくだ述べるより中身は折り紙付き。源氏イヤーを少々過ぎてから真打登場と言ったところでしょうか。執筆者の中に稲本万里子氏の名前がある時点で買って損なし。

さてさて、いつも以上に前置きが長くなってしまいましたが、簡単に展覧会の様子でもご紹介。サブタイトルに「−観音・紫式部・源氏物語−」とある通り、石山寺に伝来するお宝を大雑把に3つに分け紹介。これが結構いい感じ。あまり展覧会の構成って力入れ考えすぎない方がいいのかも。観るのは作品ですからね。

【観音】


如意輪観世音坐像

入口すぐの場所にどんと据えられている観音像。
石山寺は観音信仰で古来有名なお寺。寺の縁起を記した絵巻も展示されていました。
それにしてもこの観音様座っているにも関わらずかなりの迫力。高さ1mちょっと。
江戸時代に作られた仏像故かまだお身体のかなりの部分に「金」が残っています。

最も驚いたのはガラスケースが一切無いこと。
手を伸ばせば簡単に触れられてしまうほどの距離間。取り敢えずこの観音様を最初に拝見しただけで横浜まで来た甲斐あったと満足。

因みに、石山寺では7年ぶりに「本尊如意輪観世音菩薩」の御開帳があるそうです。

石山寺の本尊は秘仏如意輪観世音半伽像です。平安時代に造立された高さ一丈六尺(5.3メートル)のこのお像は、八葉の蓮の形をした岩の上に半助のお姿で安置されています。通常は天皇御即位の翌春四月か、三十三年目の御開扉の折か、天皇皇后行幸行啓の時以外は、開扉されることがありません。次回の御開扉は2016年となります。縁結び、安産、福徳などに霊験あらたかな仏さまとして信仰を集めています。

2009年3月1日〜5月31日及び2009年9月1日〜12月16日
これを見逃すと次回は2016年までご開帳ないそうです。
まずいことを知ってしまった…久々に石山寺詣ででも。

【紫式部】


土佐光起「紫式部図」江戸時代

石山寺に残る最も古い紫式部像は室町時代に描かれた「紫式部聖像」(これも展示されています)ですが、痛みが酷く華やかな王朝文学を書き記した紫式部とは到底思えないお化けのような作品。

状態が良ければそれが紫式部像の「基準」となるのでしょうがあれでは無理。しかも解説によれば近年所在が新たに分かった作品だということ。

そうなると、紫式部像はこれまで通りこの土佐光起の「紫式部図」が「standard」に。アイコンとしても過不足なく十分条件満たす作品です。


土佐光起「紫式部観月図」江戸時代

石山寺に参籠し、湖水に映る月を見て源氏物語の着想を得たという伝説を絵画化した作品。画面上には源氏物語の「須磨」の一節が書かれています。(伝説によれば「須磨」「明石」の巻から書き始めたとか…)

先ほどの「紫式部図」と身につけている物など多くの点が一致。

「紫式部と月」という構成の絵師にも好まれ数多く描かれた作品の、これまたひとつの「基準」となる一枚。こんなバージョンも。


森寛斎「紫式部観月図」1883年

清水寺のように断崖に配置された石山寺。
月は空に描かず湖水に映った様子で表現。

空間が非現実的な場面設定になっても紫式部の姿だけは変化せず。
そのギャップが生み出す可笑しさも魅力。想像性鍛えられます。


勝川春章「見立紫式部図」江戸時代

文机に肘をつき何やら考えごとでもしている風の女性。
月こそ画面に描かれていませんが、源氏物語の着想を煉る紫式部像であること江戸時代の人には分かったのでしょう。共通認識として。たとえ女性が物語作家などでは全くなく、恋文を思案している姿を描いたとしても。

【源氏絵】


伝土佐光芳「源氏物語図屏風」江戸時代

源氏物語54帖の中から幾つかピックアップし屏風の中へまぶすこの手の作品は、正直いまいち苦手。場面場面一枚ずつ見せてもらった方が有難く感じてしまいます。絵を観る立場からすると。尤も大名やお寺など広い畳敷きの部屋の装飾品としてはこの手の屏風絵は喜ばれたのでしょう。

「源氏物語」どこか常に澄ましている感じが漂うのは、自分のような学のない庶民が愉しむにはまだまだ「高嶺の花」だからなのかな〜と屏風絵見ているとついつい。


土佐光吉「源氏物語図色紙」桃山時代

「葵」の巻に登場する有名な「車争い」のシーンを描いた一枚。
葵上と六条御息所の従者たちが入り乱れる「葵」は、源氏絵の中でも最も画面上の「登場人物」が多い場面。庶民向きです。

最後に「今日の一枚


白描源氏物語絵巻断簡 須磨

源氏が須磨へ赴く前日。桐壺帝の御陵へ参る場面。

これ光源氏↓


こちらが桐壺帝の御陵↓


和むわ〜こういうのが一点でもあると。


「石山寺の美」展は3月29日まで
その後以下の会場を巡回。

富山県立水墨美術館 4月4日〜5月17日
浜松市美術館 7月18日〜8月23日
北九州市立美術館 9月12日〜10月18日



そごう美術館
〒220-8510 横浜市西区高島2−18−1 そごう横浜店6階
TEL:045-465-5515

すぐわかる源氏物語の絵画
すぐわかる源氏物語の絵画
田口 榮一,木村 朗子,龍澤 彩,稲本 万里子

先ほどご紹介した「すぐわかる源氏物語の絵画
中身をちょっとだけ。

見開きで一巻を解説とカラー図版で紹介。図版約130点。
場面の約束事や見どころや、どこに誰が描かれているかも逐一解説。

コラムも多数。

須磨巻にみる多様な場面選択

源氏イヤーの最後を締めくくるにふさわしい一冊です。
永久保存版「源氏物語ガイド」としても最適。

【関連エントリー】
- 「源氏物語と和菓子」展 | 弐代目・青い日記帳
- 「源氏物語の1000年」展 | 弐代目・青い日記帳
- 「よみがえる源氏物語絵巻展」 | 弐代目・青い日記帳
- 特別展「源氏物語の1000年」記者発表会 | 弐代目・青い日記帳
- 「源氏物語一千年紀記念切手」発売 | 弐代目・青い日記帳
- 「源氏絵―華やかなる王朝の世界―」展 | 弐代目・青い日記帳
- 「浮世絵の中の源氏絵」展 | 弐代目・青い日記帳


それでは最後に「今日の美味


崎陽軒」の「シウマイまん
シウマイと中華まんがひとつになった、一口サイズのかわいいおまんじゅう。冷めてもおいしいモノ作りへの飽くなき挑戦が結実したシウマイまんは中にシウマイが入った崎陽軒ならではの逸品。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1687

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琵琶湖から流れる瀬田川の右岸に位置する大本山石山寺は、良弁僧正によって747(天平19)年に開創されました。巌の上に安置していた聖武天皇の念持仏・如意輪観音像が不思議とその場を離れなかったため、この地に堂舎を建立したのが石山寺の起こりです。
寺は平安時代中頃になると、観音霊場として、また真言教学の学びの場として、貴族たちの「石山詣」を迎えることとなります。紫式部もそのひとりでした。紫式部は同寺に参籠した際、八月十五夜の名月の晩に「須磨」「明石」の発想を得、やがて『源氏物語』を生み出したのです。
会場では、本尊厨子前に安置されている《如意輪観音坐像》をはじめ、土佐光起らによって精巧に模された《石山寺縁起絵巻》や中世の曼茶羅といった宝物によって、古刹・石山寺の世界をご紹介いたします。続いて、同寺の所蔵する江戸から近代に至る『源氏物語』を主題とした絵画・工芸のきらびやかな世界が広がります。この世界最古の長編小説は、1008(寛弘5)年の完成当時から現在に至るまで、繰り返し図様化・絵画化され、日本人の心に浸透してきました。本展では、室町時代に描かれた最も古様を示す《紫式部聖像》を筆頭に、『源氏物語』を題材とした絵巻や屏風、華やかな装飾がほどこされた工芸品などにより、源氏の世界を展覧いたします。
初春にふさわしく厳かで華麗な宝物約70点で、伝統ある石山寺と雅な源氏物語の世界をお楽しみください。
展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

Takさん、こんばんは
ガラスケースが一切無いとは素晴らしいですね!
「如意輪観世音坐像」を直にご覧なられたとは、うらやましい限りです。
「すぐわかる源氏物語の絵画」は、まさに決定版のガイドブックだと思います。
書店で手にとって、これだけワクワクしたのは久しぶりです。
拙記事を御紹介いただき、ありがとうございました。
lapis | 2009/03/09 9:20 PM
こんばんわ。
月曜の夜は空いててよかったです。

本尊如意輪観世音菩薩は写真パネルを見て、実物が見たくなりました。

しかし、こんなにも紫式部がアイドルだったとは。

日本最古期の女流作家さんはほんとに人気があるなあと実感しました。
あおひー | 2009/03/09 10:59 PM
@lapisさん
こんにちは。

ガラスケースなしには驚きました。
しかも入ってすぐの場所です。
他の仏像たちはケースの中に
鎮座しているのに、このお宝だけ露出展示!
有り難いことです。

「すぐわかる源氏物語」はホントよく
できていますよね。痒いとことに手が届いた一冊です。

@あおひーさん
こんにちは。

先日はどうもありがとうございました。

紫式部人気は異常です。
今、深夜に放送している源氏アニメ
この前ちらりと観たのですが、
それはそれは・・・

石山寺行ってきます!
Tak管理人 | 2009/03/10 7:33 AM
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実は一昨日昨日と訪れていた横浜そごう。 ところが、時間がなかったり調子が悪かったりで、そごう美術館には行けずじまい。 ですが、うれしいことに会期中は無休で20地までの開館です。 ということで、我慢出来ずに本日行ってきちゃいました。 「如意輪観音坐像