青い日記帳 

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「平泉展」

世田谷美術館で開催される
特別展「平泉〜みちのくの浄土」の報道内覧会にお邪魔して来ました。


東京展公式サイト

昨年から今年にかけ、仙台市博物館、福岡市博物館を巡回しやっと都内で公開されることになった、みちのくの仏さまたち。よくぞお越し下さいました。お待ち申しあげておりました。首を長くして。

早速展示室へ。
尚、写真は主催者の許可を得て撮影したものです。

プロローグ 浄土空間・平泉

プロローグでいきなりお宝仏像登場。まだ心の準備が…

国宝 中尊寺金色堂西北壇上諸仏」平安時代
後方のケース内には「当麻曼荼羅図」と「阿弥陀浄土曼荼羅図」が展示されています。この世界をまさに具現化したのが中尊寺金色堂の仏像たち。

配置図こしらえてみました。

中央後方に鎮座している「阿弥陀如来坐像」を取り囲むように「観世音菩薩立像」「勢至菩薩立像」それに力強い守り神として「増長天立像」と「持国天立像」が脇を固めます。そしてその周囲に6体の「地蔵菩薩立像」が。

近寄ってアップで撮影した一枚。

国宝 中尊寺金色堂西北壇上諸仏」平安時代

中尊寺の寺外では初公開となる金色堂西北壇上諸仏。中尊寺へは三回伺った記憶ありますが、現地ではこんなに間近に観ること出来ないばかりか、団体のお客さんとかいらっしゃると「立ち止まらずお進みください」と急かされ仏像たちを拝むこともままなりません。

今回、世田谷美術館でこれだけ近くで拝見すること出来るのですから行かない手はありません。またとないチャンスです。またこんな「お宝」も!


金色堂須弥壇内納置棺及び副葬品 
金箔押木棺(中央壇)


昭和25年に実施された金色堂須弥壇内に安置されてきた奥州藤原氏4代の遺体学術調査。何と約900年の歳月を経てミイラ化した遺体の現存が確認されました。数多くの副葬品と共に藤原清衡のミイラ化した遺体が納められていた棺です。中を覗くこともできるようになっていました。。。

因みに『中尊寺と藤原四代』朝日新聞社編(昭和25年8月30日刊行)には多数の写真と共に当時実施された調査の報告がまとめられています。図書館でよく見たものです。

第1章 みちのくの古代・みちのくの仏たち

平泉の中尊寺の仏像たちも目の前で拝見でき素晴らしいのですが、個人的に最も感銘を受けたのはこの第1章に展示された、東北地方土着の神々。


如来立像」「聖観音菩薩立像」「伝吉祥天立像」(岩手・天台寺)

3躯ともカツラの一材製。神木や霊木とされてきた木から造られた仏たちはノミ目がはっきりと残るものも。何でもこれは「鉈彫」(なたぼり)呼ばれる東国に多く見られるものだそうです。

「中央」から伝来してきた仏教と、この地に遥か昔からいた「土着の神」(自然崇拝)との融合。「神でもあり、仏でもある」と書かれた解説に深く頷き頭を垂れる。

「三井寺展」の異形の神「新羅明神坐像」は身体が受け付けませんでしたが、天台寺の神々(仏像たち)は、す〜と自分の中に入ってくる感じを受けました。

何とまた嬉しいことにこの空間は一体を除き全て露出展示。

ガラスケース無しです!身体が痺れてしまうのも納得。仏像ファン垂涎。


四天王立像のうち持国天立像・広目天立像」(福島・勝常寺)
全て平安時代初期に造られた仏像。そしてその隣(手前から3体目)がこちら。


伝吉祥天立像」(岩手・成島毘沙門堂)

仏像名に「伝」と付いていることからも、中央から仏教が伝わってはいたもののまだまだ土着の信仰と深く結び付いていたことを端的に示す好例。こうした謂わば「移行期」の仏像たちをこれほど今回の展覧会で拝見出来るとは思いもしませんでした。

大収穫です!!

第2章 仏都平泉〜みちのくの中央・朝日差し夕日輝く〜

前九年の役、後三年の役を経て奥州の統一を果たした藤原氏に関する資料を紹介するのがこちらの章。仏像たちも次第に「洗練」され中央のそれと大差なくなります。



藤原氏は、初代清衡がみちのくの中央のシンボルとしての中尊寺を、二代基衡は毛越寺を、三代秀衡は平等院鳳凰堂を模した無量光院を次々に建立していきました。

藤原三代画像」(岩手県・毛越寺白王院)

第3章 輝きの浄土〜中尊寺の至宝


金字と銀字で一行おきに書写した「紺紙金銀字一切経(中尊寺経)」(一切経としてはわが国唯一のもので、現存する三千余点の国宝・重要文化財は、質量ともに平安仏教美術を代表するものです。)がこの章でのメイン。



照明が作品にかなり写り込んでしまうのが難点かな〜
ちょっと勿体ない気が。

京都国立博物館が行った学術調査の結果もわせて展示されています。


右:「国宝 金光明最勝王経金字宝塔曼茶羅図

単眼鏡忘れて行ったのですが、花粉症でやられっぱなしの涙目でもしっかり判別可能。それにしても…金字で作られた塔とは!


第4章 祈りとまつり

会場を2階に移し最後の章へ。


現在でも平泉を中心とし広く残る伝承文化を紹介。
川西大念仏剣舞。毛越寺:哭き祭り、修正会で用いる道具や衣装も展示。
柳田國男の世界。

そういえば以前、鹿踊りを観たな〜花巻温泉で。

今日の一枚は決められません。
でもやっぱり岩手県・天台寺蔵の「聖観音菩薩立像」かな。


特別展「平泉 〜みちのくの浄土〜」は4月19日までです。

みちのくの仏(神々)たちに世田谷まで是非!


世田谷美術館
〒157-0075 東京都世田谷区砧公園1-2 TEL:03-3415-6011
東急田園都市線、用賀駅(徒歩17分または駅からバス)

図説 みちのく古仏紀行 (ふくろうの本)
図説 みちのく古仏紀行 (ふくろうの本)
大矢 邦宣

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それでは最後に「今日の美味


「岩手屋」の「南部せんべい
南部鉄器に南部煎餅。それにわんこそば。
また東北旅行行きたいなーー

おまけ:
美術館エントランスに展示されている「金色堂復元模型」はこちらで紹介

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1692

JUGEMテーマ:アート・デザイン


 平泉は、平安時代後期に奥州藤原氏によって独特の景観と高い文化を築き上げた都市です。特に中尊寺金色堂や毛越寺庭園は、藤原氏が理想とした争いのない平和な世界である「平泉浄土景観」の象徴となっています。また平泉とその周辺には、中尊寺と毛越寺のほか、柳之御所遺跡、達谷窟、長者ヶ原廃寺跡、白鳥舘遺跡、骨寺村荘園遺跡などが残されており、これらの文化遺産の2011年の世界遺産登録を目指し、岩手県や平泉町、奥州市、一関市では各種事業を推進しています。

 本展覧会では、「平泉の文化遺産」の名宝や歴史資料、出土資料など国宝・重文98点を含む200件(東京展)を紹介し、藤原氏が遺した名宝のなかから、中尊寺金色堂内の三つの須弥壇の一つ「西北壇」上に安置される仏像11体(国宝)を、堂内の配置そのままに寺外で初めて公開します。このほか、清衡の発願で作られた「紺紙金銀字一切経」(国宝・金剛峯寺所蔵)や、「螺鈿平塵案」、「金銅華鬘」(以上国宝・中尊寺所蔵)など、シルクロードの影響を受けたともいわれる国際色豊かな意匠・技法と、日本の美意識とがみごとに融合した貴重な文化財の数々をご覧いただけます。

 世界に例のない景観と名宝を残した「みちのくの都・平泉」の魅力を余すことなく紹介するこの展覧会は、東京でも開催されます。平安時代から現代まで脈々と受け継がれてきた、悠久の世界をどうぞご堪能ください。


展覧会 | permalink | comments(12) | trackbacks(7)

この記事に対するコメント

早速行ってきました。ありがとうございます。
ガラスケース無しの仏像様達、思いっきり和ませていただきました。ケース無しだと迫力ありますね。

みちのく旅、行ったことないので、行ってみたくなりました。
朱奈 | 2009/03/16 12:03 AM
ありがとうございました。
伝吉祥天立像のゾウの宝冠?にびっくりしましたが、
あの丸くモチモチのお顔が気に入りました。
東北の仏像巡りも魅力的ですが、車でないと行けない
場所が多いので困ってしまいます。
一村雨 | 2009/03/16 4:41 AM
@朱奈さん
こんばんは。

いえいえ、楽しんで頂ければ。
あのガラスなしの展示空間
一見、殺風景に見えますが
目の前に並ぶ原始的な仏像たちと
同じ空気を吸っていると思うと
少したじろいでしまいますよね。

東北いいですよーー

@一村雨さん
こんばんは。

無事届いたようで良かったです。
平泉から全部来ている仏像かと
思いきや全く違いましたね。
東北各地からやってこられているとは
会場へ行って初めてしりました。

ETC付けて春になったら東北へ!
その前に東博ですね。阿修羅。
Tak管理人 | 2009/03/16 10:14 PM
こんばんは。

これら東北の仏像を巡ったことがありますが、
あまり観光化されていないお寺や、
無住のお堂を管理している近隣の方など、
保存の努力をなさっている方々に
頭が下がりました。
成島毘沙門堂の巨大毘沙門天とか、
(これは絶対持ち出せないでしょうw)
また見に行きたいと思いました。
jchz | 2009/03/23 12:08 AM
こちらの展覧会素晴らしいですね。11体の仏様が何とも神々しかったです。
平等院を上回る建物もあったらしいので、戦乱に巻き込まれなかったら。。。とただ惜しいばかりです。

トラックバックさせていただきました。よろしくお願いします。
21世紀のxxx者 | 2009/03/27 12:36 AM
@jchzさん
こんにちは。

この展覧会を拝見して
東北のお寺にある仏像たちを
観てまわりたいという気持ちに駆られました。

jchzさんお勧めのお寺とかありますか。
奈良や京都とは一味も二味も違った
仏像たちに出会える東北の旅
大変魅力を感じます。

@21世紀のxxx者さん
こんにちは。
TBありがとうございます。

今では平泉へ出向いても
栄華を極めた当時の面影
なかなか感じ取ることできません。
確かに今もしその半分でも残っていたら
どうなっていたでしょうね。
Tak管理人 | 2009/03/27 10:05 AM
こんにちは。
「神でもあり、仏でもある」は本当にその通りと思いました。
みちのく仏の魅力が伝わる展示でした。
mizdesign | 2009/04/08 6:30 AM
@mizdesignさん
こんばんは。

区別なんてないのですよね。
純粋なる信仰の対象としての「物体」
東京までお越し頂き涙出るほど有り難かったです。
Tak管理人 | 2009/04/08 11:46 PM
こんばんは。
桜散りぬる砧公園に行って参りました。

ボクも土着の神々に感銘を受けました。
「金箔押木棺」にはビックリです。
「すごいモノを見た!」と思いました。
ケン | 2009/04/12 6:49 PM
@ケンさん
こんばんは。

桜も終わりですね〜
今年はわっと咲いてパッと散った感じです。

土着の神々の神々しさというか
気持ちを素直にさせる何か。あれは一体…
平泉久々に訪ねたくなりました。
Tak管理人 | 2009/04/13 6:39 PM
こんばんは。
平泉をはじめ、みちのくの魅力が十分に伝わってくる内容で、すっかり歴史の勉強になりました。
時期をずらし、会場を東博にして大規模に開催されていたら、もっと盛り上がったかもしれませんね。
今度は平泉にも行きたくなりました。
Minnet | 2009/04/23 1:21 AM
@Minnetさん
こんばんは。

平泉はいいところです。
無理して世界遺産とかに
登録されなくてもいいのにと
思いながら観てきました。

芭蕉も涙した土地。
行く価値ありありです。
Tak管理人 | 2009/04/23 10:48 PM
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