青い日記帳 

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『大人のなぞなぞ絵本「日本名画」ミステリー310』(講談社)

群馬県立女子大学教授、榊原悟氏が監修された『大人のなぞなぞ絵本「日本名画」ミステリー310』(講談社)を読みました。


大人のなぞなぞ絵本「日本名画」ミステリー310

内容的には大変しっかりしているにも関わらず、タイトルでかなり損をしている一冊。定価2000円はこの本の内容からして決して高くないばかりか、かなりお得な感じさえするのにどうしてもう少しまともなタイトルに出来なかったのかな〜勿体ない。

講談社のサイトでもこの本の良ささっぱり伝わらないので代わりに宣伝。

本の作りは至ってシンプル。
まず日本絵画1点を見開きカラーで大きく掲載。(全部で31点掲載)


重要文化財「泣不動縁起絵巻」室町時代 清浄華院蔵

単行本サイズの見開きページですから絵も細かな部分まで観ること出来ます。右上部分にこの作品の解説を収録。ルビも適度に振ってあり親切。

で、ページをめくると…
次頁からがこの本の大きな特徴である「なぞなぞ」が10題掲載されています。


泣不動縁起絵巻」にまつわる問題が選択形式で10問。

例えばこんな問題が。
Q:絵の中央あたりに、帯状の布のようなものが見えますね。これはなんでしょう?

a 着物の一部
b おしめ
c 着物の帯
d 暖簾


この問題は簡単。
答えは「a 着物の一部」だとすぐ分かります。

何だ子供だましじゃん。と思うのはまだ早い。
この後の解説付き解答のページが凄いんです。



解答解説は約4ページにわたりびっしりとしかも平易な文章で書かれています。
ちょっとしたトリビアも交えながら丁寧に。

先ほどの答え「a 着物の一部」の解説を見てみると…
着物の洗濯方法には二つあったようです。丸洗いと、着物の縫い目をほどいて反物状にしてから洗う洗い張り。絵の右の側の白い着物は丸洗いしたもので、中央の茶色い布は洗い張りです。ここで、洗い張りの洗濯から乾燥までのご紹介。まず、着物は直線裁ちで仕寸てられていますから、着物の縫い目をほどいて反物に戻す。ほどいたら、灰汁か米のとぎ汁で汚れを落とす。洗ったあと、縮んだりしわがよらないように布の端を固定して乾かす。これを、伸子張りといいます。このとき、令体に布糊を塗っておく。そうすると、張りのある新品同様の反物になるのです。また一から縫わなくてはなりませんが、こうしてていねいに洗った着物は、長持ちします。着物を着る機会が減っているので、ほとんど目にしませんが、いまでもこの方法が用いられているのです。むかしの人の知恵なのですね。
ね、いい感じでしょ。
これが31作品にそれぞれ10題。全部で310個編集掲載されています。

読んでいて全く苦にならないどころか、大変楽しく読み進めること出来ます。

こんないい本なのに、もっと上手に宣伝しないと。。。

そうそう、MOA美術館所蔵のこの作品も載っています!

喜多川歌麿「入浴美人図」江戸時代

三井記念美術館で昨年開催された「NIPPONの夏」でこの作品見て頭から離れない方多いのでは…

今夜はバタバタしているのでこの辺で。

大人のなぞなぞ絵本「日本名画」ミステリー310
大人のなぞなぞ絵本「日本名画」ミステリー310
国宝 『粉河寺縁起』『餓鬼草紙』『高雄観楓図屏風』、重要文化財 『松崎天神縁起絵巻』『慕帰絵』『泣不動縁起絵巻』『洛中洛外図屏風』『東照社縁起絵巻』『四条河原遊楽図屏風』など、国宝・重要文化財から浮世絵・風俗画まで、日本の絵画からわかる時代と歴史の「なぞ」

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1704

JUGEMテーマ:アート・デザイン


クイズとアイテム探しで楽しむ絵のトリビア 名画から読み解く、歴史トリビア。江戸時代を中心に、当時の絵画を紹介し、そこに描かれた事象、人物にまつわる薀蓄とエピソードをなぞなぞクイズで解き明かす.
読書 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

久しぶりにコメントさせていただきます。
うわぁ、群馬県立女子大って私の母校です。
榊原教授には教わったことはありませんが(卒業後に就任されたのかもしれません)、たくさん著書のある方なんですね。本屋さんで探してみます!
ふみ | 2009/03/19 9:03 AM
@ふみさん
こんにちは。

おーー母校の先生が監修されたとなると
手に取ってみたくなりますね。よけいに。
これだけのビックネームだと著書もかなりの数に。
この本はどれくらいまで携わったのでしょうね。
Tak管理人 | 2009/03/19 3:10 PM
ふみさん
厳しいご指摘、ありがとうございます。
ひさびさに自分の本を検索してみて、見つけました!
じつは、あの本の企画・構成・文・編集を一手に引き受けた張本人が、このわたくしめです。
しかし、なかなか数字が動かず……。どうしたものかと、思案していたところで。
調べに調べ、計6ヵ月ほどでようやく年末発売にこぎつけたしだい。
タイトルを軽妙にした理由は、くそまじめにしては堅苦しいテーマが多かったためでもあるのです。
これは作り手の言い訳か?
多くのひとに。やさしい言葉で楽しみながら。でいて、深く考えていただきたいの気持ちが、あえてあのようなトーンに落ち着いたのです。
社もなかな動いてくれず、四苦八苦しております。

これからもよろしくお願いいたします!
こすもす | 2009/03/23 12:47 AM
@こすもすさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。
旅行に出ておりお返事遅れてしまいました。
申し訳ないです。

>企画・構成・文・編集を一手に引き受けた張本人が、このわたくしめです。

それはそれは。ご本人からのコメント
誠に有難いこと。
こんな紹介記事でも多少はお役に
立てたなら光栄です。

内容がしっかりしていて
読み応えも十分。
それに素人の自分やかみさんでも
楽しく絵画を通し当時の人々の生活の様子など
知ることが出来た貴重な一冊でした。

こちらこそ今後とも宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2009/03/27 10:15 AM
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