2009.03.30 Monday
「国宝 阿修羅展」
東京国立博物館で3月31日より開催される
興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」の報道内覧会に行って来ました。 追記:ベストアングル「阿修羅像」 (こちらにも会場内の写真あります) 阿修羅展公式サイト 奈良時代・天平6年(734)に光明皇后が母橘三千代を追慕して造像させた阿修羅像を含む八部衆像(沙羯羅立像、五部浄像、乾闥婆立像、緊那羅立像、畢婆迦羅立像、鳩槃荼立像、迦楼羅立像)と現存する全ての十大弟子像(6体)計14体がお揃いになって奈良・興福寺をお離れになり、東京国立博物館・平成館へ。 昨年10月に開かれた「国宝 阿修羅展」記者発表会でこの事実を知った時は思わずペットボトルのお茶吹き出しそうになったほど衝撃的なことでした。 季節はめぐり上野公園の桜も五分咲き程度に咲きそろった頃、悪い冗談のようなその計画が現実のものとなって本当に東博平成館に現出されました!昨年同じ時期に同じ場所で開催された「国宝 薬師寺展」に引き続き、頬をを思わずつねりたくなるような仏像たちが、素晴らしい展示空間に揃い踏みしています。 逸る気持ちをおさえてまずは展覧会の構成から。 第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具 第2章 国宝 阿修羅とその世界 第3章 中金堂再建と仏像 第4章 VRシアター「再建中金堂と阿修羅像」 以下、簡単に会場内の様子を交えご紹介。 「展覧会行く前に見ると感動が薄れる」なんてこと全くありません。 自分の拙い写真では感動の百分の一も伝えること出来ませんので ![]() 注:会場内の写真は主催者の許可を得て撮影したものです。 平成館2階会場入口今回はエスカレーター昇って右手の展示室からぐるりと回る動線に。これも「国宝 薬師寺展」と同じパターン。基調となる色も落ち着いた朱色も見覚えが。。。 ![]() 「国宝 阿修羅展」音声ガイド(オーディオツアー)のナレーション担当は女優の黒木瞳さん。「阿修羅展完全ガイド〜そのまなざしにせまる〜」(個人的には仏像好きの、はなちゃんが良かったな〜でもお父さんたちには断然黒木さんですよね、きっと。) 第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具 ![]() 「阿修羅、アシュラ!」と逸る気持ちをおさえ、まずは興福寺創建にかかわる遺物を拝見。669年に山階寺として建立され、厩坂寺と称した後、平城遷都(これは誰でも覚えている710年)に藤原鎌足の子、不比等により現在の春日山の麓に移転し「興福寺」と改名。 春日のお山を削ってあの土地を作り出したというのですから、どれだけ権力があったのか容易に想像できます。 ![]() 「国宝 興福寺中金堂鎮壇具」一括 東京国立博物館 これらの他、中金堂発掘調査で発見された「開元通宝」「和同開珎」や「銀鍍金唐花文鋺」「水晶丸玉・水晶碁石形玉・水晶念珠玉」などこの展示室には奈良時代のお宝47点が展示されています。 因みに、47点中、実に42点が国宝。 第2章の展示室と合わせ国宝指定されていないものはたったの7点のみ。後は全て…平成館の半分は今回に限って特別「国宝展示室」と呼んでも全く過言ではありません。 さて、第2展示室へ。。。とその間にこれまた国宝が、法隆寺からお出ましに。 「阿弥陀三尊像及び厨子(伝橘夫人念持仏)」 今回特別に厨子から三尊像を出して展示してあります。急ぐ気持ちにブレーキかけこちらもじっくりと。だってこんな状態で拝見することまず無いですから。 第2章 国宝 阿修羅とその世界 ![]() 八部衆像と十大弟子像の興福寺に遺存する脱活乾漆像すべてが一堂に! (阿修羅像だけは「特別展示場所」で公開。じらすな〜) ガラスケース無しの露出展示!!お背中まで回り込んで勿論観られます。 有り難や、有り難や。それにしても見せ方上手いな〜 この部屋に一歩足を踏み入れた瞬間「はっ」とさせられました。 信仰心の薄いこんな自分でも思わず手を合わせたくなる荘厳な雰囲気。 【国宝 八部衆像】 ![]() 八部衆は仏の眷属(けんぞく)として取り入れられたインドの神々で、6本の腕や鳥の顔といった異形の姿で表されます。これらの像は、異形の中に少年の姿をかさね、清純な表現をつくりだしています。憂いや、瞑想、凝視など目の表現がすばらしい像です。 ![]() 国宝 八部衆像 迦楼羅立像(かるら) 奈良興福寺蔵 頭は鳥、体は人という半人半獣の異形。サンスクリット語のガルダの音訳で、インドネシア航空のシンボルとしても知られている、インド神話に登場する白鳥のこと。金色に輝く姿で竜を好んで食べ、口から火を噴くという。 (脱乾漆像 149.7m) 講談社「日本の仏像」より ![]() 国宝 八部衆像 沙羯羅立像(さから) 奈良興福寺蔵 幼い少年の面立ちながら、とぐろを巻き鎌首をもたげた蛇を上半身から頭に巻きつけている。古代インドでは、竜の化身で雨乞いの神として信仰され、釈迦誕生のときに清浄水を注いで祝ったとされる。 (脱乾漆像 153.6m) 講談社「日本の仏像」より 迦楼羅の「かっと」見開いた眼に真正面から向かい合い、にらめっこできたら幸せ。また、目をいからせる像が多い中、沙羯羅のあどけないお顔とやさしい目は一時心を和ませてくれるはず。頭上の蛇のアンバランスさも見ものです。 【国宝 十大弟子像】 ![]() 釈迦の十人の主だった弟子の像。若年、壮年、老年の相を、顔の鮫、眼や口の形状などによって表現しています。そこには白信や強い意思、落ち着きや、悟りといったそれぞれの経歴に由来する内面性がみごとに表されています。 ![]() 国宝 十大弟子像 富楼那立像(ふるな)奈良興福寺蔵 釈迦の弟子のうちで、最も説法を得意とする。 (脱乾漆像 148.8m) 講談社「日本の仏像」より ![]() 国宝 十大弟子像 須菩提立像(すぼだい)奈良興福寺蔵 「空」の理念を理解し、解空第一と称される。 (脱乾漆像 147.6m) 講談社「日本の仏像」より 十大弟子像の中で最も若い姿で表わされている須菩提。前途洋々な青年のようなお姿。逆に富楼那はかなり年を重ねた相貌。「最も説法を得意と」したことも納得。 第2章「国宝 阿修羅とその世界」だけでも何時間でも居られます。一体一体お顔付きから細部に至るまでそれぞれ違いが。例えば「畢婆迦羅立像」は真正面から見ると少し右に傾いているようでした。脱活乾漆造だからでしょうか1300年の歳月の重みを感じさせます。 尚、八部衆像8躯と十大弟子像6躯についての簡単な説明が、公式サイト内、「展示構成」→「第2章 国宝 阿修羅とその世界」のページに掲載されています。 怒濤の第2章の最後を締めくくるのはやはりこの仏像。「阿修羅立像」! いよいよお出ましです!! 一旦展示室を出た気分にさせ、この「阿修羅像への道」が目の前に。 ![]() 今回も展覧会会場の展示・演出などの空間デザインを担当する木下史青氏をはじめとする東博のデザイン室が練りに練った作りになっていることこの「阿修羅像への道」からも分かります。 伏見稲荷大社の鳥居を想起さえるこの「阿修羅ロード」混雑した時のことも考慮してか途中両脇数か所に「薄さ3mmのソニー製の有機EL」が設置され「阿修羅像」映像が流れています。そしていよいよ「国宝 阿修羅立像」とご対面。 ![]() 「阿修羅像への道」は実はスロープになっていて知らぬまに高い位置に。これまた昨年の「薬師寺展」で培ったノウハウ生かしています(車椅子の方や小さいお子さんの為に低い位置にも「小窓」が。)まずは高い位置からご尊顔を拝見。 ![]() スロープを下り360度自由な角度から3つのお顔と6本の腕を持つ不思議な闘いの神さまの姿を余すところなく拝見。 これは奈良、興福寺の国宝館では絶対出来ないこと。かつて昭和27年に日本橋三越で一度だけ公開された時も勿論ガラスケースに入れての展示でした。 それにしてもこの美しさは何なのでしょう、もう言葉失います。 ![]() イチロー選手じゃないけど「ほぼイキかけ」てもおかしくないです。 阿修羅って勇猛な(でも勝てない)闘いの神様なのに、この神々しさは何故?どこから来るの、いったいぜんたい。 いやーー凄いや。言葉失うとはこのこと。 一周目はただただ呆然としてしまいましたが、二周目は多少落ち着いて拝見できました。見所沢山ありますね。3つ顔があるのにヘアースタイルは不自然でなかったり。アクセサリーを身につけていたり、真横から見ると少し傾いていたり、サンダル履いていたりと。もう「新発見」の嵐。 ![]() 「国宝 阿修羅像」奈良時代・734年 奈良・興福寺蔵 しかし、スマートというより「細い」なー阿修羅。腕なんてすぐに折れてしまいそう。(実際過去に折れたらしいけど)背中などまだ成長段階の少年のよう。間近で拝見できるけど、双眼鏡とかあった方がいいかも。次行く時は持参しよう。 で、この展覧会の凄いところはこれでまだ半分しか会場観てないということ。時間がないので急いで次の章へ。 第3章 中金堂再建と仏像 こちらには時代が変わり鎌倉期に作られてた仏像たちが。 ![]() 康慶作「四天王立像」(重要文化財)がジグザグに展示され、その合間を縫うように見上げながら拝見。その奥に「薬王・薬上菩薩立像」(重要文化財)が鎮座しています。 ↑の画像ではちょっと暗くて鑑賞者がよく見えず、仏像自体の大きさ分かりにくいですので、参考までにこちらの画像も。 ![]() 四天王像、像高だけでも2mもあります。まさに見上げて拝見することに。 ましてや「薬王・薬上菩薩立像」ともなるとその大きさは3m60cmにも! 繊細な阿修羅像の印象が部屋をひとつ隔てただけで下手すると四天王像や薬王・薬上菩薩立像の圧倒的な迫力の前でけし飛んでしまうかもしれません。要注意です。間にある休憩所で庭園でものんびり眺めながら阿修羅像への想いをしっかり反芻してから、気分変えて第3章へ向かわれるのが宜しいかと。 ![]() 運慶作「釈迦如来像頭部」他全てこの展示室にあるもの重要文化財です。 第4章 VRシアター「再建中金堂と阿修羅像」 約100人が座って観られる大スクリーンに映し出されるVR(バーチャルリアリティ)映像も必見。凸版印刷さんの技術凄い。TNM&TOPPANミュージアムシアターのようにガイドのお姉さんこそ出て来ませんが、眠くなること皆無。 展覧会であまり映像とかちゃんと観ない自分でも今回だけはしっかりと。 特に阿修羅像の細部に渡る映像は必見! 以上簡単に。全然展覧会の良さ伝えられていないのであとは是非会場で。 注:会場内の写真は主催者の許可を得て撮影したものです。 興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」 2009年3月31日(火)〜6月7日(日) 東京国立博物館 平成館(上野公園) 開演時間:午前9時30分〜午後6時 ※ただし金曜・土曜・日曜・祝・休日は午後8時まで ※月曜・休館。ただし5月4日(月・祝)は開館、5月7日(木)休館。 ※入場は閉館の30分前まで。 詳しくは東京国立博物館のサイト もしくは阿修羅展公式サイトで。 表慶館で開催中のこちらの展覧会も必見! 「Story of …」カルティエ クリエイション 東京展終了後、九州国立博物館へ巡回 2009年7月14日(火)〜9月27日(日) ![]() 「国宝阿修羅展」のすべてを楽しむ公式ガイドブック (ぴあMOOK) (ぴあMOOK) 「国宝 阿修羅展」東京、福岡と無事終了した後、興福寺へお帰りになりこんな企画も ![]() 「お堂でみる阿修羅」 八部衆・十大弟子像、堂内一挙公開 東京、福岡での「国宝阿修羅展」からの帰山記念として、興福寺仮金堂において「お堂でみる阿修羅」を開催いたします。通常は国宝館に展示される阿修羅像をはじめとする八部衆・十大弟子像の現存する天平乾漆像14躰すべてを仮金堂に安置。古の時代に思いをはせながら、天平の仏像と対時できるまたとない機会となります。堂内では、江戸時代に造られた本尊釈迦如来坐像、鎌倉時代の薬王・薬上菩薩立像と四天王立像も安置され、各時代を代表する珠玉の仏像の美を堪能いただけます。 北円堂内陣、特別照明により公開 さらに、運慶による本尊の弥勒如来坐像や無著・世親立像など鎌倉彫刻最高峰がそろう国宝・北円堂内陣を、初の本格的な照明デザインで荘厳。静寂の仏教空間をいっそう際立たせます。ご期待ください。 展覧会ミュージアムショップでは海洋堂ファン、仏像ファン垂涎の興福寺公認阿修羅像フィギュアも販売していました! ![]() 阿修羅フィギュア(原型を作った造形師は、海洋堂の木下隆志氏) 実物の12分の1。今日は1人2個まで購入可能でした。お値段2980円。 東京都美術館では4月25日から「日本の美術館名品展」 ↑この展覧会の公式サイトにブログパーツがあります。 藝大美術館では4月14日から「尼門跡寺院の世界展」 西洋美術館では「ルーヴル美術館展」 7月14日からは「特別展:インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」も! 【関連エントリー】 - 「国宝 阿修羅展」記者発表会 | 弐代目・青い日記帳 - 「阿修羅展」チケットプレゼント | 弐代目・青い日記帳 - 阿修羅展「八部衆像」「十大弟子像」 | 弐代目・青い日記帳 - 「ザ・仏像」展 | 弐代目・青い日記帳 - 「平泉展」 | 弐代目・青い日記帳 - 「尼門跡寺院の世界」展開催。| 弐代目・青い日記帳 - 「阿修羅展」(2回目) | 弐代目・青い日記帳 - ベストアングル「阿修羅像」| 弐代目・青い日記帳 それでは最後に「今日の美味」 ![]() ![]() 会場限定「鹿サブレ」 奈良「くるみの木」の鹿サブレ。阿修羅展会場限定パッケージがとってもカワイイ!すでに一匹食べてしまいました。 興福寺の仏像関連の本、一冊買うなら迷わず以前ご紹介したこれでしょう。 ![]() もっと知りたい興福寺の仏たち (アート・ビギナーズ・コレクション) この記事のURL http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1710 ↑ リンク大歓迎です! JUGEMテーマ:アート・デザイン 奈良・興福寺の中金堂再建事業の一環として計画されたこの展覧会では、天平伽藍(てんぴょうがらん)の復興を目指す興福寺の貴重な文化財の中から、阿修羅像(あしゅらぞう)をはじめとする八部衆像(国宝)、十大弟子像(国宝)、中金堂基壇から発見された1400点をこえる鎮壇具(国宝)や、再建される中金堂に安置される薬王・薬上菩薩立像(重要文化財)、四天王立像(重要文化財)など、約70件を展示いたします。特に、八部衆像(8体)と十大弟子像(現存6体)の全14体が揃って寺外で公開されるのは、史上初めてのことです。 |

平成館2階会場入口





























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