青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「アートフェア東京2009」 | main | 「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」 >>

雑誌『Pen』のダ・ヴィンチ特集

阪急コミュニケーションズ発行の雑誌「Pen
現在書店に並んでいる4月15日号(242)の特集はレオナルド・ダ・ヴィンチ。


完全保存版 ルネサンスの天才は何を描いたのか? ダ・ヴィンチ全作品・全解剖。

このブログでも取り上げる率が断然高い雑誌「Pen」
理由は簡単。内容が超充実している割には格安だから。
今回も約100ページ、オールカラーのダ・ヴィンチ特集(しかもレオナルドの全作品を余すところなく紹介)でありながらお値段たったの550円。

現在スタバの季節のおすすめ「ストロベリー クリーム フラペチーノ」のグランデが530円。価値観は人によって様々でしょうが、どう考えても「Pen」お得過ぎ。

買うのに迷う額ではないこと確か。

以前このブログで、池上先生のこちらの本から
ダ・ヴィンチの遺言 (KAWADE夢新書)
ダ・ヴィンチの遺言 (KAWADE夢新書)
ダ・ヴィンチの現存する彩色段階まで至った作品で「ほぼレオナルド単独の真筆」作品と考えられるのは(池上先生のお考えでは)たったの11点しか存在しないとのことをお伝えしました。→「たった11枚の真作

今回の「Pen」でもその意見に基本的に則り全作品を全解剖。


1「受胎告知」ウフィッツィ美術館(フィレンツェ) 1472-75


2「カーネーションの聖母」アルテ・ビナコテーク(ミュンヘン) 1475


3「ブノワの聖母」エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク) 1478-80


4「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」ワシントンナショナル・ギャラリー 1478-80


5「岩窟の聖母」ルーブル美術館 1483-86


6「白貂を抱く貴婦人」チャルトリスキ美術館(クラクフ)1490


7「ラ・ベル・フェロニエール」ルーブル美術館 1490


8「最後の晩餐」サンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ聖堂(ミラノ)1495-98


9「ラ・ジョコンダ(モナ・リザ)」ルーヴル美術館 1503-16


10「聖アンナと聖母子」ルーヴル美術館 1502-16


11「洗礼者ヨハネ」ルーヴル美術館 1513-16

筆の遅かったレオナルドが何とか彩色段階まで至り完成にこぎつけた作品で現存するのが上にあげた11点。誰しもが知る大画家レオナルド・ダ・ヴィンチの作品がたったこれだけしか存在しないといのは驚き。

凝り性なくせに、飽きっぽい性格だったのでしょうか。
ちょっと信じられないほどの少なさです。

尤も、彼の場合単に画家というわけではなく芸術総合プロデューサー的な側面の方が強かったわけで、ひねもす、カンバスに向かい、来る日も来る日も作品と対峙したというわけではなさそうです。それにしても少ない。。。

さて、「Pen」ではこれらの作品一枚一枚を丹念に分析。
最低でも一作品につき2ページを割いて解説しています。

また他の関連図版も豊富。

小学館「レオナルド・ダ・ヴィンチ (西洋絵画の巨匠 8) 」の廉価版と言っても過言ではありません。

またこれまでのレオナルド関連のこうした本には無かった視点でも構成。
例えばこちら。

4番目に挙げたワシントンナショナル・ギャラリー所蔵の「ジネヴラ・デ・ベンチの肖像」の顔のどアップが一頁丸ごと用い掲載。

曰く「どんな“拡大”にも耐える、驚異の描写力。

また、11点の完成画の他にもこちらの2作品を同じように掲載、解説、解剖。


「東方三博士の礼拝」ウフィッツィ美術館(フィレンツェ) 1481-82

伝統的なキリスト教の主題に即して描かれた作品。だだし描かれた人物の誰が誰なのか宗教画がとことん苦手な自分などではぱっと見分かりません。

その辺のフォローもばっちり。

画中のどの人物が誰であるのか、また何をしているのか等1〜9に分類し解説。
まさに痒いところに手が届く編集っぷり。


「聖ヒエロニムス」ヴァチカン美術館 1480-82

この作品に関しては「Pen」もさることながら池上先生のブログでの解説も白眉。
合わせて読みたい。

勿論、この他にも習作や未完の作品も収録。

レオナルドの人となりを8つのエピソードから読み解くコーナーも親しみやすく構成されている割には内容はかなり奥深いものあります。

そして、レオナルドと言えば作品同様「手稿」が有名。
先月のニュースでこんな話題も出たばかり。

ダ・ヴィンチのアトランティコ手稿、一部公開へ
[ミラノ 23日 ロイター] イタリアの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの12巻のアトランティコ手稿の一部が、9月に公開される見通しとなった。ミラノのアンブロジアーナ図書館が23日発表した。同手稿をより良い状態で保存するため、専門家らが作業を開始しているという。
 同手稿は、幾何学、植物学、軍事技術、解剖学などのデッサンなどがまとめられたもの。1119枚の手稿は、1968─72年に保存のために12巻に分けられ、同図書館に収蔵されてきた。
 展示は、ダ・ヴィンチの壁画「最後の晩餐」があるミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会で行われる予定。どのページが展示されるかはまだ決まっていないが、20─40ページほどになるとみられている。また、期間限定で海外での展示が行われる可能性もあるという。


その手稿も8つのジャンルに分け解説。当然ながらオールカラーです。


お値段覚えていますか〜
これでたったの550円ですよーー

雑誌は買っておかないと後で必ず後悔します。

それにしてもルネサンス期に活躍した画家にも関わらず、毎年幾つも「新発見」がニュースとして飛び込んでくる作家はこのレオナルド・ダ・ヴィンチくらいではないでしょうか。

「Pen」でも巻頭で「いまも世間を騒がす、ダ・ヴィンチ最新ニュース!」として「ラロックの聖母」や「『聖アンナと聖母子』の裏から、新スケッチが発見」されたことなど取り上げていますが、先月28日、つい一週間前にもこんな衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。

【ローマ28日共同】イタリア中部シエナの宮殿で見つかったキリスト教の聖職者ヒエロニムスの胸像が、同国のルネサンス期の芸術家レオナルド・ダビンチ(1452−1519年)の作品との説が浮上している。今後専門家が鑑定するが、ANSA通信によると事実と確認されれば、絵画に重点を置いたダビンチの現存する唯一の彫像作品になるという。
 胸像は青銅製に似せてつくられた15世紀ごろの素焼き。1990年、シエナの宮殿の屋根裏で偶然に見つかり、当初はダビンチの若いころの師匠で、彫像を得意としたベロッキオの作品とみられていた。
 しかし、詳細に調べた結果、ダビンチが絵画で描いたヒエロニムスの顔と、胸像の顔の特徴が非常によく似ていることが判明。特にほお骨やあご、目の下のしわ、耳の膨らみなどがそっくりだった。ダビンチがヒエロニムスの彫像を手掛けていたことも知られていた。
 専門家は、練習用の作品か絵画を描く際の参考にするためつくられたと推測している。
 ダビンチはベロッキオの下で彫像を学んだが、後に彫像は絵画のような微妙な表現はできないと、絵画を重視。少ないながらも手掛けた騎士像などは未完成に終わった。


そして「Pen」でも最後に池上先生のコメントに「だからダ・ヴィンチは、永遠に輝く。」としてこれまたつい先頃発見されたレオナルドの自画像を解説しつつ特集を終了させています。



これからも美術の世界に様々な話題を提供してゆくであろうレオナルド。

お手頃価格で手元に一冊「完全保存版」置いておきニュースの度毎に、さっと取り出し大きく綺麗な図版で確認してみる。初めて書店で拝見した時は「何で今、ダ・ヴィンチなの?」と少々戸惑いを覚えましたが、今ならその理由も分かります。レオナルドに旬などないのですね。

今までもそしてこれからも美術界の話題の中心にいるのですから。

Pen (ペン) 2009年 4/15号 [雑誌]
Pen (ペン) 2009年 4/15号 [雑誌]

そうそう、フランスにレオナルド・ダ・ヴィンチのテーマパークがオープンしたそうですね。「Leonardo Da Vinci theme park to open in France
こちらの記事ではダ・ヴィンチ、アミューズメントパークとなっています。

【関連エントリー】
- 雑誌「Pen」創刊200号記念:江戸デザイン学。 | 弐代目・青い日記帳
- ピカソ×ピカソ | 弐代目・青い日記帳
- 元気な女性たち | 弐代目・青い日記帳
- 1冊まるごと、現代アート入門! | 弐代目・青い日記帳
- 「アンリ・カルティエ=ブレッソン展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「六本木クロッシング2007」展 | 弐代目・青い日記帳
- 読終『西洋絵画の巨匠 レオナルド・ダ・ヴィンチ』 | 弐代目・青い日記帳
- 特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ—天才の実像」 | 弐代目・青い日記帳
- 「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」記念シンポジウム | 弐代目・青い日記帳
- 『レオナルド・ダ・ヴィンチと受胎告知』 | 弐代目・青い日記帳
- 「迷宮美術館」レオナルド・ダ・ヴィンチの魔力 | 弐代目・青い日記帳
- 「レオナルドのもう一つの遺産展」 | 弐代目・青い日記帳
- 講演会「レオナルドで知るルネサンス—波乱の生涯と、激動の時代の魅力」

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1716

JUGEMテーマ:アート・デザイン


芸術、医学、科学、天文学、地質学、航空学……
あらゆる分野に精通した、
ルネサンスの万能人、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
いまも我々を刺激してやまない巨人の探求心は、
わずか十数点の絵画作品に集約された。
「受胎告知」「モナ・リザ」をはじめ、
500年の時を経てもなお新たな発見に満ちた絵画たち。
「絵画こそが、すべての学問を総括する代名詞」だと
確信していたダ・ヴィンチの、
現存する作品をさまざまな角度から“全解剖”。
さらに、彼の頭脳にも等しい膨大なメモ“手稿”を辿り、
その驚くべき思考を完全解説する。
読書 | permalink | comments(9) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

昨日はありがとうございました。

昨日、頭書の『Pen (ペン) 2009年 4/15号』を買って帰ってきたところです。

Takeさんの記事を読ませていただいたので、

より興味がわいてきました。

保存版にもう1冊買って来ます。

何しろこれはお買い得ですからね \(~o~)/
わん太夫 | 2009/04/05 11:03 AM
Takさま、こんばんは!
「BRUTUS」を買いに行って、
思わず「PEN」も買ってしまいました。
とてもとても見過ごすことができなくて。
どちらの雑誌も充実してますね!

ダ・ヴィンチの新作がたったの11点なんて信じられませんでした。
膨大な作品を残しているような印象があったので、
「PEN」に「全作品」と書いてあって、
この一冊の中に全作品が掲載されているとは思えなかったくらいです。
沙羅茶 | 2009/04/05 9:21 PM
こんばんは。ご紹介ありがとうございます。
レオナルド特集、圧巻でしたね。
偶然にも仏像のブルータスとの対決になっていましたが、今回はpenに軍配があがったのではないでしょうか。今までにない充実ぶりでした。

永久保存版にします!
はろるど | 2009/04/05 9:30 PM
こんばんは。

はろるどさんが仰っているように、
今回は「pen」が勝ち〜と思いました。
ブルータスは今回パスしてしまいました。
カード好きの人ならブルータスも美味しいですが。

いきなりダヴィンチ、これがまた受けたのかも。
見ているだけで、充実感溢れ、
嬉しい気持ちになります。
お買い得、でした!!
あべまつ | 2009/04/05 10:23 PM
@わん太夫さん
こんばんは。

こちらこそありがとうございました。
まさかお会いできるとは思いもしませんでした。

保存版確かに必要ですね。
Penは紙質もいいので
その点でもお得感ありますよね。

@沙羅茶さん
こんばんは。

表紙がいけてますよねーー
どちらも。
本屋さんでぱっと目に留まります。

レオナルドは筆が極端に遅かったそうですし
飽きっぽい性格でもあったようで
完全に仕上げることが出来た作品は
かなり少なかったようです。

タッシェン出版から出ている一万円近くする
ぶ厚い一冊の代わりにこれで我慢我慢。

@はろるどさん
こんばんは。

>今回はpenに軍配があがったのではないでしょうか。
何やら力の入れ具合違いましたよね。
ブルータスは山口さんが絵をお描きになられているので
それがかなりアドバンテージかな〜

レオナルドに関する絵も描いてもらいたいものです。

今後お願いしてみましょうか。

@あべまつさん
こんばんは。

Pen圧勝といったところでしょうか。

レオナルドは展覧会とかなくても
常に美術界の話題の中心にいますね。
次から次へと新発見、新事実が。。。

ダ・ヴィンチ・コードの続編も
映画化されたらまたそれはそれで
盛り上がることでしょうね。
Tak管理人 | 2009/04/06 8:47 PM
とりあげていただいてありがとうございます。

小学館の画集を除けば、今回のPENほど、私の見方や意見をそのままストレートにぶつけることができたケースは今までにありませんでした。

というぐらい、自分の意見で真贋・帰属などかなり断定しています。新しいニュースに関しても。

楽しかったです。
ike | 2009/04/07 1:51 AM
@ikeさん
こんばんは。

皆さん仰っていらっしゃる通り
これは永久保存版の価値十分にある一冊です。

池上先生のスライドトークを紙上で
拝見しているような気にさえなります。

>楽しかったです。

仕事を楽しめるなんて最高の幸せです!
今後ともご活躍期待しています。
Tak管理人 | 2009/04/07 8:42 PM
こんばんは!
私は漫画を買いに行って、偶然本屋さんの棚に並んでいたpenとBRUTUSを見かけ、そのどちらの特集も充実していることと、その値段に欣喜雀躍して衝動買いしました。

>雑誌は買っておかないと後で必ず後悔します。
ほんとです!!実感してます。
rubicone | 2009/04/11 8:43 PM
@rubiconeさん
こんにちは。

一時の熱は冷めたものの
それでも雑誌や本は目につくと
スグに欲しくなってしまいます。
何度か痛い目に遭ったので…

ブルータスもPenも迷わずゲットですね!
Tak管理人 | 2009/04/12 4:07 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1716
この記事に対するトラックバック