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「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」

日本橋高島屋8階ホールで開催中の
「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」に行って来ました。



昨年2008年太田記念美術館で【前期】9月2日〜15日【後期】9月17日〜28日に分け公開されたベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館所蔵の極上の浮世絵。原宿から高島屋京都店(2009年1月7日〜19日)へ巡回し再度東京へ。日本橋高島屋での公開が最後となります。

「浮世絵−ベルギーロイヤルコレクション展」@太田記念美術館

係りの方に伺うと、太田記念美術館で公開された作品(前期・後期)と三分の一ほど作品が同じとのこと。逆に全体の三分の二は初めて目にするベルギーロイヤルコレクションの浮世絵となります。これは行かねばなりません!

何故って、ベルギーロイヤルコレクションの浮世絵、以前もご紹介したように保存状態が抜群に良く、まるで江戸時代にタイムスリップし今まさに摺り上がったばかりの浮世絵が目の前にあるかのような錯覚におちいるほど。

昨年太田記念美術館で拝見し腰抜かしてしまうほど衝撃を受けた「色」にまた出会えるです!最も分かりやすい例では鈴木春信のこの作品。

見立かきつばた
千葉市美術館で開催された「鈴木春信展」(2002年9月14日〜10月20日)に出展された一枚。所蔵先は、かの大英博物館。

『伊勢物語』第9段「東下り」をする途中、三河国八橋に至り。。。

その沢に、かきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人の曰く「かきつばたという五文字を句の上にすえて、旅の心をよめ」と言ひければよめる

らころも つつなれにし ましあれば 
            るばる来ぬる をしぞ思ふ

この『伊勢物語』のワンシーンを仲睦まじい春信らしい男女の姿に置き換えて描いたのが「見立かきつばた」でも、肝心要の「カキツバタ」の花の色がすっかり褪せてしまい、黄色くなってしまっています。

河の水も水流だけ、男女の着物の模様も色も判然としません。
ただこれが平成の世に目にするポピュラーな春信の錦絵であり、1760年代に摺られてからの時の経過を感じさせる一枚でもあります。

ところが、

ベルギー王立美術歴史博物館所蔵の同じ作品は、まさに度肝を抜かれます。

心の準備は宜しいですか?

こちらです。↓


鈴木春信「やつしかきつばた」(←会場内のキャプション)

「何だこれは〜」がまず第一声。
同じ体験去年今年と、太田記念美術館でも江戸博での「ボストン美術館 浮世絵名品展」でも。それにしても今回の「杜若」の衝撃は大き過ぎ。

上下にスクロールして比較するの手間かかるのでまとめてみました。


こうして並べて見ると同じ作品とは思えぬほど。
大英博物館が悪いわけではありません。ベルギーが異常なだけです。これは。

高温多湿に加え浮世絵に価値を見出してこなかった日本に代わって遠く離れた美食の国ベルギーでこんな最高の状態で保存されていたことなんて!奇蹟です。
浮世絵は色が劣化しやすく、江戸時代に摺られた当初の色彩を保つ作品は稀です。しかし両館の所蔵作品は、出版当初の、そして浮世絵本来の豊かな色彩をよく保ち、江戸の人々の感動を鮮やかに伝えてくれます。
この他にも世界でたった一枚しか存在が確認されていないという写楽の「とら屋虎丸」を所蔵していたり(今回展示されています)、喜多川歌麿が吉原での一日を12枚の作品で紹介した「青楼十二時 続」が全揃いでずらりと。



青楼十二時 続」では丑の刻が良かったかな〜夜中の2時頃、遊女たちが何しているか…自分と変わらないとは!あんな色っぽく艶っぽくは全くないけど。(夜中にトイレに行きたくなり暗闇の中を…そんな作品です)

そうそう、歌麿の「母と子」母親の着物の襟にキラが残っていました。上下屈伸運動しながら怪しげな見方をしていたのはキラを堪能していたからです。歌麿美人はベルギー王立図書館所蔵の「高名美人見たて忠臣蔵」で満腹に。

色の美しい作品や美人画だけでなく愉快な作品も多数。

歌川派の絵師たちがこんな七福神を。

七福神

太田記念美術館でも大人気だった歌川国芳の金魚シリーズもまた観られます。

今日の一枚」はその国芳にしましょう。


歌川国芳「年が奇ても若い人だ

「顔」を良く見ると十二支で出来ています!!


皆さんご自身の干支は何処に隠れていますか?

「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」は5月11日までです。
入場時間:午前10時〜午後7時30分(8時閉会)
※最終日5月11日(月)は午後5時30分まで(6時閉会)

蛇足:
ベルギーの美術館サイドから展示室内の湿度を50%以上に保つようにとのお達しがあり、会場内の至る所に加湿器が設置され稼働しています。高島屋の辛い点。所詮催事場。また温度を23度に設定するようにとも指示があるそうで、会場内はひんやりと。

湿度、温度は大事な大事な作品の為ですからやって当然。
しかし、しかし、とらさんもお書きになっていますが、これだけの展覧会を開催するにも関わらず作品リストが無いというのは解せません。伺っても「作っておりません」の一点張り。

細見美術館コレクション展では絶対にリスト作って下さいね。

図説 浮世絵に見る江戸の一日 (ふくろうの本/日本の文化) (ふくろうの本)
図説 浮世絵に見る江戸の一日 (ふくろうの本/日本の文化)

【関連エントリー】
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それでは最後に「今日の美味


LU Time Out Granenbiscuits 」春先にパリ、ベルギー、オランダを旅して来た際に現地で買ったお菓子。海外で買うと「ハズレ」多い中、これはスマッシュヒット!日本で売ってないかな〜


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1743

JUGEMテーマ:アート・デザイン


江戸時代の感動が、ベルギーから里帰り。

遙かベルギーの地から、浮世絵が帰ってきました。
江戸時代、大衆に愛され盛んになった浮世絵。19世紀後半、西洋ではジャポニスムがピークを迎え、多くの浮世絵が海を渡りました。
本展でご紹介するベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館のコレクションは、世界屈指の保存状態といわれ、出版当初の色彩を保ち、浮世絵本来の豊かな色を鮮やかに伝えます。
その8,000点のコレクションから特別に選んだ写楽、歌麿、春信、北斎、広重、国貞、国芳ら、江戸を代表する数多くの絵師による、日本初公開作品を含む150余点を一堂に展観。
浮世絵本来の美と出会える貴重な機会を、どうぞお見逃しなく。
展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

こうやって、並べてみると、本当に
はっきりとわかりますよね。
こういう美しい絵を見慣れてしまうと
もう東博に出る春信も見劣りがしてしまいます。
スポルディングコレクションもいつか見たいものです。
一村雨 | 2009/05/03 5:31 AM
こんばんは。
ベルギーの春信は特別ですね。
今日、東博の浮世絵室に行ってきました。
春信で一番良い《見立て山吹の里》が出てましたが、
とてもベルギーの紫にはかないません。
もう一度高島屋へ行ってきたいと思ってます。
とら | 2009/05/03 11:11 PM
@一村雨さん
こんばんは。

現存しているだけでも
本当はよしとしなければ
いけないのでしょうが
こんな発色の良い作品
見せられてしまうと
目が贅沢になってしまいます。
困るな〜

@とらさん
こんばんは。

東博私も昨日伺い
浮世絵コーナーを。
どうしても比べてしまいますね。
色が違うと同じ花には思えませんし
ストーリーも変わってきてしまいます。

リスト要望書でもだそうかなー
Tak管理人 | 2009/05/03 11:50 PM
心地よい綺麗な音楽を聞きながら夜更かしをしております。
浮世展知りませんでした。浮世絵をみると 先人たちのセンスのよさに感心することがありますね。
カルチェ展も行きました。
本当によい宝石とは 自然の美しさに似てると思い それが不変な光り方により 人々の心をとりこにするのでしょう。
庭園美術館のエカテリーナ2世の四大デイナーセット展も観てきました。
こちらの陶器をみていたら なぜか 心を豊かに過ごすこととは
なんて 心に浮かびました。


hidamari | 2009/05/04 1:43 AM
今日行って来ました。アダチ版画で復刻しているのと殆ど変わらない色にびっくり!今まで、書籍や資料でしか見た事が無い実物を沢山見られたこともすこぶる嬉しい事でした。
それにしても、客は殆どがシニアで、携帯をオフにするどころかバイブにもしないじいさん、絵の前にべったり張り付き関係ないお喋りをしているばあさんの二人組、恥知らずなじいさんばあさんに・・・唖然。
inoten | 2009/05/04 7:34 PM
@hidamariさん
こんにちは。

経過褪色は高温多湿の日本では
仕方のないことですし、元より
浮世絵を今のように芸術品として
扱っていなかったわけですから
嘆くことでもないのかもしれません。
ただこれだけのものを見せられると
一村雨さんも仰る通り他のモノを
どう観たらよいものか迷ってしまいます。

@inotenさん
こんにちは。

定期的に公開して欲しいと
見せて欲しいという願いは
コレクションの現状維持と
相反する気持ちであること
重々承知しながらもやはり。

デパート展の辛いところですね。
展示品以外で気分害されるの困ります。
Tak管理人 | 2009/05/05 12:20 PM
こんにちは。こうして見比べると一目瞭然ですね!版画と言うより水彩画を見ているような気分になるほど鮮やかでした。本当にうっとりします。

>伺っても「作っておりません」の一点張り。

ないだろうなと思いつつ私も聞いて同じ答えをいただきました。
実費を負担してでも何とかお願いしたいですね。(一部100円とか…。)

p.s mixiの件了解しました!
はろるど | 2009/05/05 12:52 PM
@はろるどさん
こんにちは。

ほんと、水彩画のようですよね。
今目の前で色を塗りたての。

そうそう、実費負担でも構わないので
リスト作ってほしいですよね〜
百貨店さんそれくらいサービスしないと。
Tak管理人 | 2009/05/06 1:29 PM
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