青い日記帳 

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「幻惑の板橋〜近世編〜」

板橋区立美術館で開催中の
開館30周年記念 館蔵品展「幻惑の板橋〜近世編〜」に行って来ました。



連休中も渋滞なしの外環自動車道で板橋美術館まで。電車だと都営三田線・西高島平駅から徒歩13分。東武東上線・成増駅から路線バスも出ていますが1時間に2本。ここの美術館はうちからだと確実に車の方が速くて便利。因みに駐車場は無料。

ついでに今回の展覧会は観覧無料。タダで観られます。
今回の展覧会の展示作品は全てここの美術館所蔵の作品だから無料で見せてくれるそうです。その発想はなかった〜いつもやること斬新過ぎます。

酒井抱一「大文字屋市兵衛像
(カボチャ頭の市兵衛さん)←新タイトル。

「新タイトル」とは板橋区立美術館が独自につけた作品名。
タイトルを見てすぐ作品が連想できるものばかり。
新タイトルと並んで大きな看板のようなキャプションの解説も専門用語を極力使わず平易な親しみやすい文で書かれています。音声ガイドも必要なし。

入場料を取っていないにも関わらず、ポスター、チラシから作品リストに至るまでしっかりと揃えてありますし、鉛筆やメモを取る際に便利なボードの貸し出しも。更にオペラグラスまで無料で貸してくれます。


全てを他の美術館も見習うべきだなんて無理なことは言いませんが、努力すればどれかひとつでも実現は可能なはず。「うちは板橋さんとは違うから〜」とか言わずに。そんなこと言ってるとどんどんアドバンテージ広げられてしまいます。

で、こちらはすっかり板橋区立美術館の名物となった「お座敷コーナー」


美術館のサイトには…
これら従来の江戸絵画観を惑わす作品を多く展示するので、「幻惑の板橋」という展覧会名をつけました。目まいがするようになったら、お座敷コーナーでしばしお休みください。
とありますが、お座敷コーナーでいっそう眩暈が増幅する可能性大。

だって、展示されている作品はどれも本物。(5点の屏風絵全て江戸時代のもの)にもかかわらず毎度のことながらガラスケース無しの露出展示。用意された座布団に座ってのんびり鑑賞したいところですが、落ち着かない落ち着かない。そわそわしちゃいます。


秋草流水図屏風
(秋風が待ちどおしい!)

目と鼻の先まで近寄って拝見することも可能。更に更に、裏側にまわると…

「絶景かな。絶景かな〜」

秋草流水図屏風」(秋風が待ちどおしい!)
大きなキャプションに親切で分かりやすい解説が。↓
屏風のまん中をくり抜いて、シースルーの絹をはめ込んでいるのでとても涼しげ。この絹には「竹屋町」という、金の糸の刺繍がほどこされています。この屏風は、夏の終わり、通りぬける秋風が待ち遠しい季節に飾るのでしょう。ススキや桔梗など秋を感じさせる植物が描かれています。

写真撮影ですか?勿論ok
安村敏信氏(館長さん)自らこちらの本で推奨されています!

美術館商売―美術なんて…と思う前に (智慧の海叢書)
美術館商売―美術なんて…と思う前に (智慧の海叢書)安村 敏信
そもそも、美術館で写真撮影を禁止しているのは不当な複製品制作の防止と著作権の保護のためだろう。著作権は現在、作家没後五十年は保護されるのだが、考えてみれば、古美術の作家は没後百年をはるかに越えていて、保護の対象外である。とすれば、美術館には作品の所有権があるだけで、それを守ればよいではないか。
不当な複製品制作の防止、という点も、展示場に飾った古美術(その多くはガラスケースの中)を素人がカメラで撮っても、好品質の複製品を作るに足る映像など、撮れる訳がない。せいぜいプライベートな思い出づくりの映像ぐらいしか撮れないのであれば、気に入った作品のひとつと出会い、記念撮影するという行為がどれほど教育的効果をもたらすだろうか。
記念撮影してよいとなると、お客様も気に入った作品を探そうと熱心に作品を見始める。ちょっとしたワーク・ショップ以上に、熱心な観察を勧める効果があるのだ。(中略)
展示場で撮った写真が複製されて、何かに使われたとしても、その作品が広く周知されるということだから、宣伝になるではないか。複製を作れば、その数だけ、当館の作品を普及してくれているのである。そう考えれば、益々、展覧会場で写真を撮って頂きたくなるではないか。
板橋区立美術館の凄さは何もこの展覧会に始まったことではありません。以前大反響をよんだこちらの記事で紹介した通り、毎度おなじみのこと。

他の美術館にこれと同じことをしろと言うのも無理あります。
(でも、見習うべき点は見習わないとね)

お座敷コーナーはあくまでもおまけ。
メインは第1展示室(狩野派)20点、第2展示室(民間絵師)51点
今回は新収蔵品が6点もありました。

その中の数点を。


河鍋暁斎「烏図」(飛んでけカラス)


柴田是真「上代雛図」(ヒミツのお話?おひなさま)


狩野古信「林和靖鶴亀図」(鶴が好きなおじいさん)

これら新たに板橋区立美術館のコレクションに加わった作品以外でもここの美術館の持っているものはそれなりに質が高く興味関心をそそるものばかり。

現在、府中市美術館で開催中の「山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年」にも東博や京博に並んで板橋より作品が出展されています。

この作品などきっと貸し出し依頼あったはずです。

歌川広重「江戸近郊図」(望遠鏡をのぞいてみたら)

こういう作品って絵だけ図録とかで観てもその良さ半分も分からないものです。
こうして表装まで含めて拝見すると遠方に見えたであろう富士の存在が明らかに。

山水画(風景画)以外だったらこれが良かったかな〜


菱川宗里「見立六歌仙図」(美女がいっぱい)

お人形のようにカチっとしている雰囲気が好き。
生気があるようで無さそう。記号化された美女がたまりません。

で、こうしてつらつら書いているとほんときりがないので
この辺でお開きに。連休の最終日気心知れた仲間と飲み過ぎました。。。

第2展示室の様子はこんな感じ。

まだまだお宝作品あるのですけどね…

今日の一枚」に参りましょう。明日からまた仕事だし。


月岡芳年「正月羽子突図」(アイテッ!明治の女は強いなぁ)

今、丁度まさに旬な絵師、月岡芳年(つきおか・よしとし、大蘇芳年とも、1839〜92)。太田記念美術館で開催中の『 芳年 -「風俗三十二相」と「月百姿」-』前後期で「風俗三十二相」と「月百姿」全て観られます。これは行かねば。

時を同じくして平木浮世絵美術館 UKIYO-e TOKYOでも「芳年美人画・風俗三十二相」を開催中。いずれも見逃せない展覧会です。

「幻惑の板橋〜近世編〜」は5月10日まで開催しています。
連休明けにまず真っ先に向かうとしたらここ板橋区立美術館ですね!


板橋区立美術館
〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27 
Tel: 03-3979-3251 

都営地下鉄三田線 西高島平駅下車 徒歩13分
路線バス(1時間に2本程度)
・東武東上線・東京メトロ有楽町線
 成増駅北口2番のりばより
 増17系統 高島平操車場行き「区立美術館」下車
・都営地下鉄三田線 高島平駅西口2番のりばより
 増17系統 成増駅北口行き「区立美術館」下車


江戸の絵師「暮らしと稼ぎ」
江戸の絵師「暮らしと稼ぎ」
安村 敏信

館長さんの新刊です!

次回の展覧会

「開館30周年記念 館蔵品展 幻惑の板橋〜近現代編〜日本のシュルレアリスム」
2009年5月16日(土)〜6月28日(日)
鑑賞料はやはり無料だそうです。

関連講演会の顔ぶれもまた凄い!

「シュルレアリスムを背後から覗く」
とき 4月11日(土) 午後2時〜3時30分
講師 中村 宏 氏(画家)

→「中村宏 | 図画事件 1953-2007展

「シュルレアリスムと危機意識
  〜1930年代の詩について〜」
とき 6月6日(土) 午後2時〜3時30分
講師 鶴岡 善久 氏(詩人)

「日本のシュルレアリスムと瀧口修造」
とき 6月13日(土) 午後2時〜3時30分
講師 田辺 徹 氏(成安造形大学名誉教授)

いずれも先着100名・聴講無料・申込不要だそうです。

【関連エントリー】
- 「戸方庵井上コレクション名品展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「日本美術が笑う展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「狩野派誕生展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「絵師がいっぱい」 | 弐代目・青い日記帳

それでは最後に「今日の美味


スペイン料理「タベルナ・カディス」で今夜頂戴した「魚介類のパエリア」と「マッシュルームのセゴビア風」。一村雨さんお勧めのお店だけあってお酒食事共に大満足。特に「マッシュルームのセゴビア風」はあまりに美味しくておかわり注文してしまった。。。明日からもブログ更新(と仕事)頑張るぞ! 

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1747

JUGEMテーマ:アート・デザイン


1979(昭和54)年に開館して以来、当館は江戸の美術と戦前・戦後の前衛派を中心に作品収集を続けてまいりました。本年、開館30周年にあたり、館蔵品の中より名品や当館ならではの作品を選りすぐって展示いたします。第1期は近世編、第2期が近・現代編です。
 近世編の本展では、”ダンシング・ホテイ”として親しまれている雪村の《布袋図》や、法華経の文字で羅漢を描いた大珍品の加藤信清作品、酒井抱一が描いた太っちょで可愛らしい当館のマスコット的存在のイチベエくん(大文字屋市兵衛)などの民間画壇の作品と、幕府御用絵師狩野派作品の中より浮世絵美人を描いた狩野章信筆《美人図》、初期風俗画を写した狩野探信守道の作品などを展示いたします。
 これら従来の江戸絵画観を惑わす作品を多く展示するので、「幻惑の板橋」という展覧会名をつけました。目まいがするようになったら、お座敷コーナーでしばしお休みください。また、昨年度新たに当館のコレクションに加わった作品もご紹介いたします。併せてお楽しみいただければ幸いです。

展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんばんは☆

連休明けの今日、真っ先に阿修羅に会いに行こうと思っていたのですが、Takさんの日記を見て、板橋区立美術館に向かうことにしました!

お恥ずかしいのですが、自転車でも行ける距離に住んでいながら、この展覧会知りませんでした・・
ほんとうにトホホ、反省です。
でも、「ドレミはにわ」と阿修羅にも必ずまた会いにいきます。
「マル」ちゃんの写真ありがとうございました。
かわいいですね〜♪
小太郎 | 2009/05/07 1:03 AM
@小太郎さん
こんばんは。

板橋区立美術館までそんなに近いのですか!
それは羨ましい〜
ここは素晴らしい美術館です。
目立たないところにありますが
サービスから作品展示等など超一級品です。

東京大仏も近くですよね〜

東博のショップは要注意です。
Tak管理人 | 2009/05/07 6:38 PM
公立のこんな素敵な美術館があるんですね。
こちらとかで紹介してあるのをみて、世界が広がりました。
(ま、バーチャルってのがほとんどなのが悲しいけれど)
板橋は我が家(実家)からはかなり遠くて、機会が訪れる
かどうか・・・・次のシュールレアリズムも面白そうですね。
OZ | 2009/05/07 6:51 PM
こんばんは。今回も板橋節全開のキャプションなどで楽しめましたね。
私はいつも西高島平からてくてく歩きますが、
本当に毎度通いたくなるような良い美術館だと思います。
全ては館長様以下、スタッフの方々のお力なのでしょうね。

>関連講演会の顔ぶれ

これがまた無料というのが凄いです…。
はろるど | 2009/05/07 9:49 PM
板橋区美術館がこれほど力の入った展示を行うところだとは全く知りませんでした。
まさしく美術館界の旭山動物園といっても過言ではないでしょう(笑
いくら金を掛けた展覧会でもコンセプトが不明瞭で心がこもっていなければ満足度は低いものです。
こういう創意工夫が凝らされた展覧会は是非行ってみたいですね。
たかぴー | 2009/05/07 10:13 PM
@OZさん
こんばんは。

公立でも国立でも美術館が
やる気さえあれば「革命」は起こせます。
板橋はその好例。
ここはトイ レから何から楽しめますよ!
ごく普通の飾り気ない美術館です。

@はろるどさん
こんばんは。

まだ電車では行ったことありません。
次回天気の良い日を狙ってトライしてみます。

>全ては館長様以下、スタッフの方々のお力なのでしょうね。
全くもってその通りだと思います。
皆親切丁寧。いつも感心させられます。

@たかぴーさん
こんばんは。

多分、美術館自体は肩の力抜いて
フツーに展示行っているのだと思います。
記事では書きませんでしたが開放的な雰囲気も魅力です。

全部見習えなんて無理なこと言いませんけど
学び生かせるところはどんどん取り入れてもらいたいものです。
Tak管理人 | 2009/05/08 5:30 PM
最終日に行ってきました。
驚きの美術館の泣かせる展覧会でした。
とら | 2009/05/10 10:21 PM
@とらさん
こんばんは。

いやーー泣かせてくれますよね。ほんとに。
館長さん他この美術館の職員に敬意を表します。
Tak管理人 | 2009/05/11 11:16 PM
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板橋区立美術館(板橋区赤塚5-34-27) 「開館30周年記念 館蔵品展 幻惑の板橋・近世編」 4/4-5/10 開館30周年を祝して館蔵の近世絵画を公開します。板橋区立美術館で開催中の「幻惑の板橋・近世編」を見てきました。 近世とのことで、メインは言うまでもなく板
「幻惑の板橋・近世編」 板橋区立美術館 | はろるど・わーど | 2009/05/07 9:51 PM
 開館30周年記念の館蔵品展。入場無料。写真撮影OKとなると、行かないわけにはいかない。最終日に滑り込んだ。 入ると、お座敷コーナーが待っている。真ん中に座布団が敷かれ、ユックリと屏風を眺めることができるようになっている。 面白かったのは、狩野寿信の《
幻想の板橋ー近世編 @板橋区立美術館 | Art & Bell by Tora | 2009/05/10 10:21 PM