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「古代カルタゴとローマ展」記者発表会

2009年10月3日より大丸ミュージアム・東京で開催される
チュニジア世界遺産「古代カルタゴとローマ展〜きらめく地中海文明の至宝〜」の記者発表会に行って来ました。

追記:東京展拝見してきました


「古代カルタゴとローマ展」公式サイト

紀元前9世紀の終わりごろ、北アフリカの地中海沿岸に建設され「地中海の女王」と称された都市国家カルタゴの歴史を、日本では約30年ぶりに本格的に紹介する展覧会」が明後日6月12日、仙台市博物館を皮切りに、全国8か所を巡回。東京展は10月3日から。

チュニジアと聞くと頭角を現しているサッカーの国との印象が、自分にとってはもっとも強いですが、世界史の教科書を開けば、はるか紀元前の昔より古代ローマ帝国と比肩する列強であったと記されています。

ポエニ戦争」や「英雄ハンニバル」など日本史選択だった自分の頭にもしっかり固着。大丸ミュージアムさんと言えば今年初めに開催された「よみがえる黄金文明展〜ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝〜」が、まだまだ記憶に新しいところ。古代ロマン駆り立てられる良い展覧会を開催してくれます。


今回の展覧会を開催するにあたり学術協力を賜った東京大学教授の本村凌二氏より、古代カルタゴとローマについてのスライドトークが。

カルタゴとローマの戦い(ポエニ戦争)は約100年ほど続きました。結局最後はローマに敗れ一旦歴史の表舞台から姿を消すことに。ペンペン草も生えないほどローマ軍により徹底的に破壊されたカルタゴですが、その後およそ1世紀後、再びローマの要衝都市としてよみがえり、ローマ文化が花開きます。

因みに現在のチュニジアの街にもローマ時代の遺跡を目にすることができるそうです。そしてそれらの多くが世界遺産に認定されているそうです。チュニジアという国に抱いていたイメージとは大きく違うのではないでしょうか?

さて、展覧会はカルタゴの歴史を大きく二つに分け構成。

第1章「地中海の女王カルタゴ」
第2章「ローマに生きるカルタゴ」


31年ぶりに東京で開催される古代カルタゴ展。今回の展覧会はその9割以上が日本初公開となるそうです。中には本国でも公開しないようなこんな貴重な秘宝も!


特別出展「」前3−前2世紀 青銅

ミネルバ(アテナ)の意匠が施されている胸当て。カルタゴの名将・ハンニバル軍との関連性が濃厚な作品。チュニジア、バルドー博物館でも普段は展示していないそうです。

この他に、第1章「地中海の女王カルタゴ」には…


「ネックレス」前6世紀 金、紅玉髄、ガラス、ファイアンス、翡翠

女性のお守りとして使用されたとされる「ネックレス」。富の証でもあります。画像ではよく分かりませんがホルスや古代エジプト文字の刻まれたスカラベなどの装飾が施されています。古代エジプトとの密接な関係が見えてきます。尚、カルタゴでは男女ともにこうした装身具を一種の「魔除け」として身に着けたそうです。

第2章「ローマに生きるカルタゴ」に移るとがらりと文化も様変わり。


ヴィーナス像頭部」2〜3世紀 大理石 高27.5cm

見るからにギリシャ、ローマ的な作品。ローマ時代の人気作品。うっすらと色が残っている為、もしかしたら彩色されていたかもしれないとのことでした。


ネレイスと海獣」5世紀前半 大理石、石灰岩 197×152cm

ローマ時代といえば「モザイク
今回の展覧会の大きな見所の一つは日本ではなかなかお目にかかれない、ローマ時代のモザイク作品が、これまでの展覧会にないスケールで登場する点でしょう。

記者発表会の席で、今回の展覧会に出展されるモザイク作品「バラのつぼみを撒く女」が一足早くお披露目になりました。


まず圧倒されるのはその大きさ!縦190cm、横140cmもあります。
数万個のピースを使用し作られたこちらの作品の重量はおよそ300kg!


バラのつぼみを撒く女」5世紀前半 大理石、石灰石

チュニジアの首都チュニス近郊で発見されたこちらのモザイク作品は、個人の邸宅の浴場床を飾っていたものの一部だそうです。お風呂場にこんな手の込んだ贅沢品が…

実物の近くによって見るとこの状態。

一体全体どれだけの時間と手間かけ作られたことやら。。。
バラのつぼみを撒く女」の右胸付近です。

モザイク作家として活躍されている上哲夫氏がモザイクの魅力や見方についてお話して下さいました。曰く「色が違うということは、石が違うということ。それは産地が違うことであり、これだけの色数を揃えるのは当時としては大変なことであったはず。」

また「石の組み方により遠近感を出すのがモザイク技法の特徴のひとつ。緻密に組まれた身体の部分と若干弛めのその周り。これによりメインの人物像がより立体感を増す」そうです。

大丸ミュージアムに収まりきれるか不安も無くはないですが、とにかく楽しみで待ち遠しい展覧会であることは間違いありません。東京展は会期が一ヶ月弱と短いのでお見逃し無きように。

尚、女性限定で「地中海の女王カルタゴ・トリオチケット」が7月20日海の日より発売になるそうです。女性3名で1800円(一人600円!)販売枚数限定チケットだそうです。男性限定はないの?と一瞬思ったけど男3人で展覧会行くのもね〜



チュニジア世界遺産
「古代カルタゴとローマ展〜きらめく地中海文明の至宝〜」巡回情報

2009年6月12日(金)〜8月16日(日) 仙台市博物館
2009年8月29日(土)〜9月20日(日) 石川県立美術館
2009年10月3日(土)〜10月25日(日) 大丸ミュージアム・東京
2009年10月31日(土)〜12月20日(日) 岡山市デジタルミュージアム
2010年2月11日(木・祝)〜4月4日(日) 京都文化博物館
2010年4月17日(土)〜5月30日(日) 浜松市美術館
2010年7月16日(金)〜9月12日(日) 宮崎県総合博物館
2010年10月23日(土)〜11月21日(日) 松坂屋美術館


「古代カルタゴとローマ展」公式サイト


以下、予習用(山川出版「世界史用語集」より)

カルタゴ Carthago
前9世紀にフェニキア人の都市国家ティルス市が,アフリカ北岸に建設した植民市。西地中海交易を独占し,前6世紀以降はギリシア植民市と対立した。前4世紀に本国が衰退したのちも,商業貴族寡頭書政の海洋国家として繁栄した。

ポエニ戦争 Punic Wars 前264〜前146
3回にわたるローマとカルタゴとの西地中海の覇権覚けをめぐる戦争。ローマ人がフェニキア人をポエニ(Poeni)と呼んだことに由来する。
〔第1回〕前264〜前241ローマが勝ち,シチリア島を獲得した。
〔第2回〕前218〜前201ローマはカルタゴのハンニバルのイタリア侵入を受けたが,スキピオがザマの戦いでハンニバルの軍隊を破り,最終的には勝利した。
〔第3回〕前149〜前146ローマはカルタゴを滅ぼし,西地中海の覇権を握った。

ハンニバル Hannibal 前246頃〜前183
第2回ポエニ戦争を指揮したカルタゴの名将。スペインに渡り軍事力を増強し,前218年,冬のアルプスをこえて北イタリアに侵入し,前216年,カンネーの戦いでローマ軍に大打撃を与えた。追い込まれたローマが逆にカルタゴ本土を攻撃したため召還されたが,前202年,ザマの戦いでローマ軍に大敗した。その後,政敵に追われ,小アジアに亡命,のちに自殺した。第2回ポエニ戦争をハンニバル戦争ともいう。


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地中海沿岸の白い街並みからサハラ砂漠まで多彩な顔を持つチュニジアは、古くから積み重なる歴史と民族、そして文化が溶け合い独自の文化を育んできました。
 今から約2800年前、フェニキア人によってこの地に建国された都市国家カルタゴは、東西地中海の貿易中継地として栄華を極めました。地中海を巡っての宿敵ローマとのポエニ戦争、名将・ハンニバルの活躍、そしてその悲劇的な結末は今日まで伝説として語り継がれています。
 本展では、カルタゴ遺跡群からの出土品と世界一のモザイクコレクションを誇るチュニジア国立博物館群の名品160点余を通して、ギリシア、ローマ、カルタゴによって繰り広げられた古代地中海世界の壮大なドラマとカルタゴで花開いた優美な芸術・モザイクを紹介します。
展覧会 | permalink | comments(11) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

我が家には意外にチュニジアの工芸品が多くあります。
というのも、中高時代の友人がチュニス在住でして、
帰国のたびにおみやげをいただいているからなのです。
そんなわけでチュニジアはわりと身近な存在です。
あとスターウォーズのロケ地としても有名ですよね。
ルークが住んでた設定の砂漠の家は現在ホテルになっています。
…なんて話はもちろんこの会見では出なかったですよね(笑)
この展覧会も楽しみにしています。
さちえ | 2009/06/09 11:42 PM
@さちえさん
こんばんは。

えーーそうなのですか。
チェニジア行ってみたい国のひとつです。
フェルメールも全部観たので
次はこうした国へ。

スターウォーズ確かに
ここの砂漠とかでロケしたのですよね。

会見でのお話は真面目なものでした。
先生方皆さんとも。
Tak管理人 | 2009/06/09 11:59 PM
> 東京大学教授の本村凌二氏...
放送大学でも「地中海世界の歴史('09)」を担当していますね。
放送大学では、淡々と読み上げている感じですが、講演はどんな感じなんでしょうね。

> ポエニ戦争、ハンイバル、大スキピオ、小スキピオ
なつかしいです。
鼎 | 2009/06/09 11:59 PM
私もちょうど昨日知ったばかりで、今からとても楽しみです。
塩野七生氏の「ローマ人の物語」第2巻はローマ対カルタゴ(というかハンニバル)のとてもスリリングで面白い本ですので、ご存知なければぜひとも読んでみてください。
飛嶋千尋 | 2009/06/10 6:57 AM
カルタゴ!
実は数年前『世界遺産検定』なるものにチャレンジしてました☆
もう、興味津津です!
秋に大丸東京でやるのですね。
仕事帰りにちょっと寄ってみよかな。
サッチャン | 2009/06/10 9:30 PM
こんばんは。
古代ローマ遺跡が大好きな私としては、観に行きたくなりました。以前行った時のバルドー美術館のモザイクの感動が思い起こされます!大変楽しみです♪ 
以前、カルタゴに行った時の記事をTBさせて頂きました。
alice-room | 2009/06/10 10:04 PM
@鼎さん
こんばんは。

木村先生のお話はとても
フランクで分かりやすいものでした。
極極基本的なことが大半でしたので。

チュニジア大使などとも
レセプションで笑顔で会話なされていました。

@飛嶋千尋さん
こんばんは。

塩野さんの著書はかみさんが
大ファンでかなりの冊数家にあります。
探してみますね!!

@サッチャンさん
こんばんは。

秋に開催される展覧会なので
忘れないようにしないと!!
しかも会期が短いので。
今からカレンダーや手帳に
○付けておきませう。

@alice-roomさん
こんばんは。

記事拝見しました。
チュニジアに行かれたのですね!
お写真とっても綺麗です。
悠久の歴史に思いを馳せる。
そんなゆったりした時間が欲しいものです。
Tak管理人 | 2009/06/10 11:32 PM
ご無沙汰しています。関西は来年の京都ですね。覚えておかなければ。

奥様が塩野さんのファンならば何をかいわんやですが、「ローマから日本が見える」または「ローマ人への20の質問」あたりがカルタゴ関係を知るには手軽だと思います。
taki | 2009/06/10 11:47 PM
@takiさん
こんばんは。

塩野さんの著書のご紹介
ありがとうございます。
「ローマから日本が見える」を
読んでみたいと思います!
Tak管理人 | 2009/06/12 11:45 PM
はじめまして。

東京で11月くらいまでやっているかと思っていたら……行きそびれてしまったハイルです。

(私が思うに)世界最強のカリスマ的軍事指導者ハンニバルの生まれた国の文化を見られると思っていたのに( ̄□ ̄;)!!
ショック大きいです……自分のふがいなさに対して

楽しかったですか?聞くまでもなさそうですが(笑)
ハイル | 2009/10/27 7:56 PM
@ハイルさん
こんにちは。はじめまして。

行きそびれてしまう展覧会
多くあります。身体がいくつあっても足りません。

カルタゴ展は楽しかったですよ〜勿論。
それと共に様々な興味が湧いてきました。
日本史専攻だった自分でもこれだけ
引き付ける魅力があるのですから
お好きな方にとってはもうたまらなかったかと。
Tak管理人 | 2009/10/29 2:04 PM
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塩野ファン必見! | 千尋の美術散歩 | 2009/06/10 7:02 AM
で、いよいよカルタゴ博物館なのだが、前庭に広がるピュルサの丘に向かう。フェニキア人の王女が王位争いでの殺害を逃れる為に、初めてこの地に辿り着いた時に、牛の皮一枚の土地なら与えると言われ、皮でヒモを作り、そのヒモで囲った広大な土地をせしめたという伝承の
カルタゴ、其の二 〜チュニジア(6月29日)〜 | 叡智の禁書図書館<情報と書評> | 2009/06/10 10:01 PM
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無料講演会「カルタゴの名将ハンニバルの生きた時代」 | hamletopの平成よれよれ草 | 2009/10/03 10:10 PM
    前回もちらっと触れましたが、3日(土)に東京大丸ミュージアムで始まったばかりの「古代カルタゴとローマ展」(10/3-10/25)へ行ってきまし...
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