青い日記帳 

  
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山口晃「すゞしろ日記」
かねてよりこのブログでもお知らせして来た山口晃さん待望の新刊「すゞしろ日記」が、羽鳥書店より発売になりました。拍手



この本が刊行されると伺った時は、てっきり東京大学出版会の「UP」に掲載された「すゞしろ日記」だけをまとめて一冊の本として出されるのかと、思い違いをしていました。

確かに第1回から第50回までの「UP版 すずしろ日記」は全て漏らすことなく収録されていますが、しかしそれだけではありませんでした。

2004年の東京都現代美術館で開催された「MOTアニュアル2004:私はどこからきたのか/そしてどこへ行くのか」に登場した「元祖すゞしろ日記」をはじめ、雑誌「BRUTUS」や「美術手帖」「プリンツ21」等などに掲載された謂わば特別版「すゞしろ日記」も全て余すところなく収録掲載してあります。

まさに、すゞしろ日記クロニクル。


私的ラジオ生活」(雑誌「BRUTUS」2009年3月1日号)

当り前のように、当時雑誌に掲載された時、カラーだったものはそのままカラーで!単なる雑誌からのコピーではなく、今回の出版に当たり、山口さんがお描きになった原画から起こしたものだそうです。

紙質も大変良いものを惜しみなく使用しているので、手にした時のボリューム感&高級感?がペラペラな雑誌の時とは違いますし、実際に色も違って見えるほど。

羽鳥書店は東京大学出版会から独立したての小さな小さな出版社さんです。創業出版記念に当たる大事な作品のひとつが「すゞしろ日記」とあり、とにかく手の込んだ仕事しています。

さて、メインとなる「UP版 すずしろ日記」もまた、全て原画から新たに版を起こし制作。「UP」よりも一回りも二回りも大きなサイズですので、まず第一の特徴として「読み易い!!」


左が今回発売になった「すゞしろ日記」(B5判)。
右下が同じ回の「UP版 すゞしろ日記」。

これまで虫眼鏡が必要だった方もこれだけのサイズがあればok!更に更にやはり紙質の違いがここでも。うーーん、こんなに違うものなのですね〜

そして、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、1回文が、このように見開きで掲載されています。元々「UP版 すゞしろ日記」は片面だけ1ページのみの作品。それが今回は2ページに。

もう1ページには50回分の山口さん書き下ろしのイラストと「活字のテキストは編集のY女史が入れてくれる。」と山口さんも語っている通り、UPに掲載された何年何月号からその月にあった山口晃関連ニュースも掲載。


これが50回分まとめて読めてしまうのです。壮観です。
もう、たまらないでしょ〜これは!!

正直、自分もUPで読み逃した回が何篇もあるので、とても助かります。

また通して読むことで毎月一遍ずつ読むのとはまるで違う感動が(感動は言い過ぎかな)。連載誌で読む漫画と単行本となってから読む漫画では、読み応えが違いますからね。



たっぷり、じっくり暑い夏にセミの鳴き声耳にし、「過去」を振り返りながら読まれるのも乙なものかと。通して読んでみると新たな発見もあります。

例えば「かみさん」(奥様)がかなりの頻度で登場することなど。某回は山口さんではなく、奥様が描いていらっしゃる回もあります!

そしてまた、すゞしろ日記だけではなく、こんなレア作品も掲載!

左はモーニング25周年表紙原画(「週刊モーニング」2006年 第18号)
右は藝術カフェーの圖(「ぴあアートワンダーランド」2004年)

「ぴあアートワンダーランド―よーくわかる簡単アート史3万年60本勝負」は、まだ調べたらAmazonでも購入可能なようです。(残り1冊でしたが…)

この他にも「藝術新潮」「和樂」等に山口さんが描いた作品がカラーでどーーんと!「思い違い」と言う言葉がぴったり。タイトルだけで侮ってはなりません。中身がとんでもなく凄いんです。作品集ここ久しく出されていない山口さんですから、ファンにとっては久々のそして待望の一冊であること間違いありません。

そうそう、大事なことを。
山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈」や「ブルータス若冲特集号」にも掲載され大好評だった「斗米庵双六」 が完全版として「すゞしろ日記」には収録されています。

完全版たるそのわけは…

上部の横長のものが今回「すゞしろ日記」に収録された「斗米庵双六
左下が「ブルータス版」一番小さな右下が「山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈版」

大きさの違いのみならず。これまでは全4ページに掲載されていたものが、今回見開き特別ページに全て収録。めくらずに全ての双六のマス目を観ることが可能に!



と言うことは…

本当にこれで若冲双六遊びが出来てしまうことに!!
これは凄い。素晴らしい〜練馬区立美術館での「山口晃展」以来こうした完全版の形で目にすることありませんでした。羽鳥書店さんやってくれます。分かってらっしゃる。

さ・ら・に・・・これです、これ!

「駒とサイコロ」がカバーの見返し部分に2種類付いてきます。
(勿論今回山口さんが書き下ろしたもの!)


B5判の大きさで、160ページものボリューム。「UP」に掲載された「すゞしろ日記」第1回〜第50回まで全ての他にあんなものやこんなものまで超盛り沢山。

「斗米庵双六」用のオリジナル駒とサイコロ(山口さん書き下ろし)までおまけで付いてきてしまう、テンコ盛り状態の一冊。こんなにサービスして大丈夫?


書店で見かけたら迷わずゲットです。

羽鳥書店のサイトからも発注可能です。

羽鳥書店さんからは、これ以降も2009年9月初旬にこちらが。

鴻池朋子 『インタートラベラー ―死者と遊ぶ人』
B5判・並製・120ページ (カラー)
[寄稿] 高階秀爾、中沢新一
インタートラベラーInter-Traveller; 相互に往還する旅人、境界をまたぐ人。

展覧会「神話と遊ぶ人」から作品集「死者と遊ぶ人」へ――
スケールの大きな表現と技術の高さで、現在もっとも注目されるアーティスト、鴻池朋子の本格的作品集。本年7月より東京オペラシティアートギャラリーにて開催する「鴻池朋子展インタートラベラー」(同年10 月、霧島アートの森[鹿児島]にて共通テーマの個展を開催)にあわせて刊行される本書は、本展に出品される最新作やインスタレーションを中心にこれまでの代表作を網羅的に紹介することで、鴻池朋子の“ 現在” をあますところなく伝える。地中の世界を巡る生と死と再生の神話を、鴻池が言う「遊びとは魂を呼び還す技なり」という言葉のままに、読者は「地球の中心」へ旅をし遊ぶ「インタートラベラー」すなわち「死者と遊ぶ人」として、追体験することになるだろう。


展覧会レビュー:鴻池朋子展「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」

また、 辻惟雄先生の新刊も今年の秋には発売になるそうです。

おまけその1:モーニング25周年表紙原画(「週刊モーニング」2006年 第18号)
この号のモーニング、大切に保存してあります。本棚に。
クリックで拡大。
しかも山口さんのサイン入りだったりします。

おまけその2:槇原敬之のアルバム『LIFE IN DOWNTOWN』CDジャケットも山口晃さん手がけていらっしゃいます。こちらはその初回限定版。
クリックで拡大。
このCDアルバムの歌詞カードにも山口さんのイラストが随所に使用されています。限定版でなければ今でも購入可能です。自分は、たまたま中古CDショップで発見→即購入。

【関連エントリー】
- 「さて、大山崎〜山口晃展」関連企画「山口晃 ソロトーク」
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- 「prints (プリンツ) 21」山口晃特集
- 『山口晃が描く東京風景 本郷東大界隈』刊行記念講演

この記事のURL
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月に1度の楽しみがついにまとめて読める。東京大学出版会PR誌『UP』に好評連載中の「UP版すゞしろ日記」の第1回〜第50回までを収録。元祖すゞしろ日記〈描き下ろし解説付〉をはじめ、各バージョン――美術手帖版・プリンツ21版・OH!ヤマザキ版・さて、大山崎版――のすゞしろ日記が大集合。白州探訪乃記、アトリエ探訪/仕事場リアル探訪、私的ラジオ生活、大相撲観戦乃記、藝術カフェー乃圖、モーニング25周年表紙原画など、カラー作品も多数おさめる。斗米庵双六には、オリジナル駒とサイコロのおまけ付。

山口 晃(やまぐち あきら)
画家。1969年東京都生まれ、群馬県桐生市育ち。1996年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。2007年、会田誠との二人展「アートで候。 会田誠 山口晃展」(上野の森美術館)、個展「山口晃展 今度は武者絵だ!」(練馬区立美術館)。2008年12月から2009年3月にかけては、関西初となる個展「さて、大山崎 山口晃展」(アサヒビール大山崎山荘美術館)を開催。近年、活動の幅は多岐にわたり、公共広告機構マナー広告「江戸しぐさ」、成田国際空港や東京メトロ副都心線「西早稲田駅」のパブリックアートや、読売新聞ドナルド・キーン著「私と20世紀のクロニクル」の挿絵、三浦しをん著『風が強く吹いている』の装画(単行本・文庫)につづき、2008年9月から始まった五木寛之氏による新聞小説「親鸞」(東京新聞、中日新聞、京都新聞など全国の主要26紙にて連載)でも挿画を担当するなど、幅広い制作活動を展開中。
| 読書 | 23:53 | comments(5) | trackbacks(3) |
少しずつ読もう!と思ってたのに、結局一気に読んでしまいました。
「UP」は定期購読してますが、けっこう拾えてない回があったので助かりました。
カラー版はやっぱり大きい絵で見るのがいいですよね。
大満足な1冊でした。
| さちえ | 2009/07/29 12:05 AM |

ご紹介ありがとうございます。
Takさんから山口感染症をもらって、すっかり罹患者の
ワタクシ。秋に買うぞ〜っ!
展覧会が観られれば言うことなし、なんですけどねえ・・・
| OZ | 2009/07/29 5:48 PM |

@さちえさん
こんばんは。

自分は出来るだけゆっくりと。。。
でも中々やめられないですよね中途では。
こんなに中身充実しているとは
想いもしませんでした。

@OZさん
こんばんは。

山口さんの展覧会もそろそろ
行ってもよさそうですけどね。
ミズマアートギャラリーのブログが
小ネタを提供してくれています。是非。
| Tak管理人 | 2009/07/29 11:52 PM |

ようやくアマゾンでも購入(予約)できるようになったみたいです。
大山崎には行けなかったから、関東圏での個展を待ちわびています。
| よめこ | 2009/08/11 6:17 PM |

@よめこさん
こんばんは。

丸善のトークショーに参加します!
まずはそこからそこから。
| Tak管理人 | 2009/08/13 11:06 PM |










http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1830
山口晃「すゞしろ日記」
来週の発売日より一足早く羽鳥書店さんから「すゞしろ日記」の献本が届きました。羽鳥さん、ありがとうございました!「UP」でほとんど読んでいたつもりでしたが、初期の頃のはけっこう見逃していたことが判明。書籍化されて本当に良かった。マンガの隣には当時の山口さ
| What's up, Luke ? | 2009/07/29 12:06 AM |
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すゞしろ日記(山口晃) 面白い :☆☆☆☆ 感動した:☆ 役に立つ: 薦めたい:
| よめことここの日記 | 2009/08/11 6:12 PM |
[日記]オール・ザット・すずしろ日記!!!!!!
 遂に、遂に、遂に、山口晃さんの「すずしろ日記」が単行本になりました!!!!!  画集も持っているけど、今までで一番嬉しいな(笑)  今月出ました。羽鳥書房より、税抜2,500円。  何と言っても、『UP』版「すずしろ日記」が、私と山口さんの出会い。職場で取
| どうにもこうにも:t_masamuneの日記 | 2009/08/15 2:13 PM |
【お知らせ】

↑単眼鏡紹介記事書きました。

おかげさまで重版となりました!


いちばんやさしい美術鑑賞』 (ちくま新書)


編集・執筆を務めた『カフェのある美術館 感動の余韻を味わう』(世界文化社)12月に発売となりました。


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青い日記帳(編集)『美術展の手帖』小学館より発売中です。


青い日記帳「出前ブログ」


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朝日マリオン・コム「ぶらり、ミュージアム」

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「展覧会に出かける前に準備しておきたい5つのこと。」

「展覧会を何十倍も楽しむために心がけたい5つの秘訣。」

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オランダ行って来ました
 

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『AERA』に載りました。

「マウリッツハイス美術館展公式ガイドブック」編集・一部執筆しました

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朝日新聞に掲載されました

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「美連協ニュース」寄稿

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