青い日記帳 

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「江戸の幟旗」

渋谷区立松濤美術館で開催中の
「江戸の幟旗(のぼりばた) 庶民の願い・絵師の技」展に行って来ました。



毎年何か「アッと」驚くような展覧会を企画開催してくれる松濤美術館さん。今年の夏もまたまたやってくれました。まだ7月28日から始まったばかりです。すぐスケジュール表に「松濤美術館◎」とメモメモ。そして今週末にでもすぐさま渋谷へ。

何も戸惑うことはありません。見逃すと泣きます。絶対に。
たった300円でこれだけ楽しむことこのご時世そうそうできませんって。

百聞は一見に如かず。この展覧会の凄さ素晴らしさは、百万言尽くすよりも展示風景数枚の写真があれば簡単楽勝。刮目せよ!


地下1階展示室風景

注:画像は美術館の許可を得て撮影したものです。

長さ3m、4mは当たり前。中には10mを越す幟旗まで展示されてます。この展覧会の為に誂えたかのように、松濤美術館の地下1階と地上1階は吹き抜けになっています。

1階バルコニーからの眺めも今回は格別。

花火大会の特等席の如し。

松濤美術館すげーーーと諸手を挙げて絶賛。

そしてそれ以上に江戸時代の貴重な文化の一つである「幟旗」を後世に伝えるべく、蒐集され研究なされてこられた、北村勝史氏、鈴木忠男氏、林直輝氏の御三方に喝采を送らずにはいられません。今回の展覧会に出展されている100点以上の貴重な作品は全てこの御三方のコレクション。

優れた絵師が描いた幟旗であっても、戸外に飾るというその性質上、どうしても痛みます。日差しや風雪に直接晒されるわけです。それをよくぞまぁ平成の世まで。

高さ6mを誇る「海のエジプト展」のファラオも凄いけど、渋谷の閑静な住宅街の一角にひっそり閑と建つ区立美術館の館内にそれをはるかに上回る大きさの「幟旗」がずらり並んでいる姿は圧巻以外の何物でもありません。メモにすぐさま◎せねばならぬ理由もお分かりかと。

拡大
鯉金」(鯉と金太郎)江戸後期 木綿 480×62cm

楽しみに勇んで出かけたのはいいのですが、あまりの大きさに視力の限界が。これから行かれる方、単眼鏡ではなく双眼鏡かオペラグラスを持参することお勧めします。

自分もとにかく先日伺ったものの、ただただ圧倒されてしまい、作品の細かな部分まで全て観られなかったので近いうちに(Bunkamuraだまし絵展の展示替え後)双眼鏡を首から提げてリベンジ!



展示もただ「旗」をだらだらと展示しているわけではなく、以下のように細かく分類しそれぞれまとめて見せてくれています。比較も容易に。体系的な研究とかまだまだなされてないジャンルでしょうから、こうした点でも御苦労はかなりあったのではないでしょうか。

以下メモしてきた展示ジャンルです。
・無地、幾何学文
・登龍門
・波
・動物
・鍾馗(しょうき)
・金太郎と桃太郎
・文字
・武者
・龍
・説話
・福神と風俗人物
・内幟(うちのぼり)


そそっかしい自分のことです。取りこぼしがあると思いますので会場でご確認下さい。尚、きちんとした「出点リスト」も会場内に置いてあります。こういう点もほんとエライところです。入館料300円でこれだけのもの見せて下さって、しかも手抜きをしない。天晴れです。

2階展示室はここの美術館オリジナルな空間。
カフェサロン「ミューゼ」と展示室が一体に。


ゆったりしたソファに腰を下ろし、お茶を飲みながらゆったり鑑賞。

地下1階の展示室で8m〜10mもある巨大な幟旗を目にしてしまったので、第2展示室にある旗がとても小さく見えます。が、しかし、天井高いっぱい(それ以上の)3,4m級のものがずらり。


周りを敵に取り囲まれたような気持ちに。まさに四面楚歌状態。普段ならのんびりゆったりできるカフェスペースもどうも居心地が。。。そわそわしてしまいます。

幟旗の他にも参考展示作品として歌川国貞や国芳らの浮世絵も展示。
もう至れり尽くせり。この展覧会観ずして江戸時代語ること勿れ。

とにかくダントツにお勧めの展覧会です。

最後に「今日の一枚

拡大
桐に鳳凰」江戸時代 253×39cm 手描き

ちょっと考えれば分かることですが、こうした幟旗って今思うととっても「贅沢」ですよね。絵師に一枚一枚描いてもらい、わが子の成長を祈ったり、商売繁盛願ったりと。そしてお祭りには村中総出で競うようにこうした幟旗を上げるなんて。

こんな「贅沢」が日常であった江戸時代ってやっぱり精神的に相当豊かな時代であったこと間違いありません。展覧会会場でその異様さに圧倒されただけでなく、精神性の貧しさまで突かれてしまった感あります。

「江戸の幟旗展」
会期:平成21年7月28日(火)〜9月13日(日)
開館時間:10時〜18時(入館は閉館30分前まで)金曜日は19時まで。

座談会「幟旗を語る」
日時:平成21年8月22日(土) 14時から
講師:北村勝史氏(幟研究家)、鈴木忠男氏(美術コレクター)、林直輝氏(吉資料室学芸員)、矢島新氏(跡見学園女子大学教授)


渋谷区立松濤美術館
〒150-0046 東京都渋谷区松濤2-14-14
TEL:03-3465-9421

おまけ:

ロイヤルアカデミーオブアート(Royal Academy of Arts)にて今年3月21日〜6月7日まで開催されていた「Kuniyoshi From the Arthur R. Miller Collection」(歌川国芳展」)の図録。ロンドン在住の友人Sさんに頼んでおいたものを先日帰国した際にしかと受け取りました。


300ページフルカラー
良く知るところの国芳から、はじめて観るものまで。
お盆で実家に帰省する時、持って帰ろうっと。

Sさんホントありがとう。またロンドンで!

【関連エントリー】
- 松濤美術館での若冲展
- 渋谷・松濤の美術館スタンプラリー
- 「迷宮+美術館展」
- 「素朴美の系譜」
- 「上海近代の美術」展
- プロが選ぶ「2008年 ベスト展覧会」


それでは最後に「今日の美味


大阪在住のYさんから頂戴した「福寿園」の「水出し煎茶 祇園
「祇園祭祭礼図屏風」を用いたパッケージからして美味しそう。「水出し茶のおいしいいれ方」をよく読んで作ってみます。ありがとうございました〜

http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1836

JUGEMテーマ:アート・デザイン




端午の節句や神社の春秋の祭りの際に飾りとして立てられた幟旗は、浮世絵や絵馬などと並んで、江戸時代の庶民的な絵画の代表格でした。江戸時代の庶民にとって、子供の健やかな成長への願いを込めて、端午の節句に幟旗を立てることは重要な年中行事であり、村の鎮守の祭りに立派な幟旗を立てることは、地域の誇りだったと思われます。幟旗には確かな腕を持った絵師によって勇壮な武者などを主題とする豪華な絵が描かれ、時には有名な書家に頼んだ立派な書が染め出されました。人々の素朴な願いの結晶である幟旗は、江戸時代の庶民文化の豊かさを体現するものだったのです。
 本展は北村勝史、鈴木忠男、林直輝の三人のコレクターのご協力により、三コレクションあわせて500点近い幟旗から約100点を厳選して、その絵画表現の質の高さを提示しようとするものです。近世の幟旗の豊かな世界をご堪能ください。
展覧会 | permalink | comments(20) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

おお!これは行かなくてはいけませんね。
歌舞伎好きの息子にはストライクの展示です。
こんな作品達に囲まれてお茶したい。。。
今すぐ手帳と日程を相談しなければ!
せいな | 2009/08/03 10:39 PM
こんばんは。

渋谷に行く日が決まらないまま、だましが待っている・・・
と思う日々、松濤、いいですね!!
戸栗、たばこがらみでガッツリ行きたくなりました。
嬉しい情報ありがとうございます!
あべまつ | 2009/08/03 10:59 PM
こういうコレクションがあって、
コレクターがいるということ自体とても驚きましたし
本当に見ごたえがありそうですね。

松涛美術館は、Bunkamuraに近いのに
なかなか行くチャンスがないので、
こんな貴重でお得な?コレクションを是非見に行かなくちゃ!
emicy | 2009/08/03 11:44 PM
北村さんの旗の展示を2度ほど拝見したことがありました。
ICUの美術館と房総で行われた展示会、圧倒的で素晴らしかったです。
彼は趣味が高じて、確か東郷神社の骨董市に出てたと思います。
最近は行ってないからわからないけど。
これはぜひ見に行かなければ、、
きじたま | 2009/08/04 9:41 AM
@せいなさん
こんばんは。

是が非でも!
Bunkamuraやガレット屋さんも近いし
松濤美術館色々楽しめます。
しかし吹き抜けがこんな役立つなんて!

@あべまつさん
こんばんは。

戸栗、たばこ、Bunkamuraそしてここですか。
それはかなり内容的にハードですね。
でも、暑い夏だからこそそれくらい
ほんとがっつりいきたものです。

@emicyさん
こんばんは。

幟旗って今の世でも、ラーメン屋さんや
その他色々と街中にたてられていますよね。
それを、大事にとっておいたのですから。。。

Bunkamuraから松濤美術館へ行く途中に
美味しいガレット屋さんがあります。
長居のできるお店です。

@きたじまさん
こんばんは。

自分は初めてでしたので
とにかく興奮してしまいました。
他の美術館では展示きつそうですから
松濤美術館にぴったりの企画展ですよね。
もーワクワクしてしまいます。
会場内にいるだけで!
Tak管理人 | 2009/08/04 7:28 PM
行ってきました〜圧巻でしたね!
グッズ好きとしてはミニ幟とか作ってくれればいいのに〜なんて思ってしまいましたが(笑)、あの大きさならではの迫力なのかもしれませんね。
noel | 2009/08/06 2:51 AM
@noelさん
こんばんは。

記事拝読しました。
満足されたようで
良かったです。
凄かったですよね〜
Tak管理人 | 2009/08/06 11:11 PM
こんにちは。
東京の天気も暑いけど、松涛も熱いですね!
お盆期間の東京(しかも渋谷・松涛)
夕方5時以降、ということも手伝って、
館内ほぼ独占状態。
地下1階の展示室に入って「ぐわっ」などと
みっともない驚嘆の声をあげてしまいました。
地下1階から首が痛くなるくらい見上げて、
1階バルコニーから呆然と見とれて、
2階ではその迫力にソファーに崩れ落ち。
堪能、堪能。あれで300円は凄い。
菊花 | 2009/08/15 6:47 PM
こんばんは。

金曜日に行ってきました。
めちゃくちゃ凄かったです。
うぉ〜と見上げ、首が痛くなりました。
久々に騒ぎたくなった展覧会でした。
松濤、やりますなぁ。なのでした。
ご紹介、ありがとうございました。
Takさんのご紹介画像も、素晴らしく、
松濤サイトもこの位充実したらいいのに。
とつぶやくあべまつでした。


あべまつ | 2009/08/15 11:49 PM
@菊花さん
こんにちは。

そんなに空いていましたか!
一度目に行った時は同じく
ほぼ独占状態でしたが
二度目は結構混雑していました。
2階ソファー席も。

しかしあれで300円は信じられませんよね。
いくら区営とはいえ。
松濤美術館に拍手です!

@あべまつさん
こんにちは。

同じ金曜日に自分も行きました!
本物を前にするとほんと唸り声
あげてしまいますよね。
子供の健康を祈ってのものや
豊作を祈願してのものなど
江戸時代の人々の熱い思いが
そのまま伝わってくるかのようでした。

サイトは…ご愛敬で。
Tak管理人 | 2009/08/17 7:33 AM
江戸の幟旗展を、ご親切にPRしていただき感謝しております。
ひとつお願いですが、あなたの写された写真を、少々大きく
伸ばしたいのですが、MAILしていただけませんでしょうか?
お手数掛けるようでしたら、結構ですが。。。

有難う。

北村勝史
y.kitamura | 2009/08/17 11:03 PM
@y.kitamuraさん
こんばんは。はじめまして。

ご連絡ありがとうございます。
展覧会堪能させて頂きました。
既に2度も松濤美術館足運びました。
すっかり幟旗の世界にはまっております。

写真お送りいたします。
ご面倒でもメールアドレス等
お教え願えれば幸いです。

take アットマーク icnet.ne.jp
(アットマークを@に変えて)
Tak管理人 | 2009/08/17 11:08 PM
こんばんは。

おお!北村さんご本人がいらしていたのですね。

8月22日の座談会を聞いてきました。北村勝史さん、鈴木忠男さん、林直輝さん、皆さん個性的なコレクターの方で、今後のご活躍が一層楽しみになりました。
jchz | 2009/08/26 11:30 PM
@jchzさん
こんにちは。

北村氏とはメールでやりとりしただけです。
是非機会があればご本人からお話を
伺ってみたいです。

座談会のレポート大変興味深く
拝読させてもらいました。
ありがとうございます!!
Tak管理人 | 2009/08/27 4:34 PM
TBありがとうございました。

この会場写真は素晴らしいですね、この展覧会がどういうものだったかを、図録や解説よりもよほどvividに思い出させてくれます。

確かに天晴れの展覧会、まだ記事も途中だし、会期末までにもう一度行っておかねばという気になってきました。
hokuto77 | 2009/08/27 9:24 PM
@hokuto77さん
こんばんは。

作品が素晴らしいからこそ
素人がこうして撮影しても
美しく観たい!と思う
ように撮れるのだと思います。

2回ほど伺いましたが
図録をしかと読んで
最後の方に今一度!!
Tak管理人 | 2009/08/28 11:05 PM
  ↑
「図録」?!
すぐに問い合わせて、送っていただきました。
想像していたものと全然違って、幸せ度No.1の図録でした!
記事、コメントのおかけです。ありがとうございました。
| 2009/09/04 11:01 AM
@2009/09/04 11:01 AM さん
こんばんは。

何気ないコメントが
お役に立てたようで光栄です。
まとまりのあるカタログですよね。
ぱらぱらめくるだけでもいい感じですし。
Tak管理人 | 2009/09/04 8:17 PM
Takさんこんばんは。
大当たり展覧会に導いて下さってありがとうございます。
旗の展示かと高をくくっていた私は大バカものでした。
美術館に幾ら拍手しても足りません。これはきっと語り草になるでしょうね。

それにしても作品が美術館のサイズにピッタリでした。
奇遇にもほどがあります。驚きです。
はろるど | 2009/09/08 10:18 PM
@はろるどさん
こんばんは。

ご一緒した時は
二度目の訪館にも関わらず
また新鮮な驚きをもって
鑑賞することできました。

江戸文化畏るべしです。

松濤美術館の設計者
これでほっと胸なでおろしていることでしょう。
Tak管理人 | 2009/09/08 10:32 PM
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江戸の幟旗@渋谷区松涛美術館 町内の掲示板や子供の学校にもこのチラシが貼ってあり、早く行かねば!と思っていたら早速Takさんが記事をアップされていてhttp://bluediary2.jugem.jp/?eid=1836  ますます焦る(笑) だまし絵展2回目の後にようやく
江戸の幟旗 | Art and The City | 2009/08/06 2:48 AM
○松濤美術館 座談会『幟旗を語る』 講師:北村勝史(幟研究家)、鈴木忠男(美術コレクター)、林直輝(吉?資料室学芸員)、矢島新(跡見学園女子大学教授)  『江戸の幟旗(のぼりばた)』は、まれに見る魅力的な展覧会である、というレポートは既に書いたが、先
アートブロガー諸先輩方が絶賛されている、今東京で一番お薦めの展覧会「江戸の幟旗」を松濤美術館で見て来ました。 まさか設計者の白井...
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