2009.09.02 Wednesday
「ベルギー幻想美術館」
Bunkamuraザ・ミュージアムで9月3日より開催される
「ベルギー幻想美術館 クノップフからデルヴォー、マグリットまで」展のプレス内覧会にお邪魔して来ました。 ![]() 木曜日という中途半端な曜日から始まる展覧会。理由はちゃんとあります。9月3日は、Bunkamuraが20周年の誕生日を迎える記念日 !おめでとうございまーす ![]() そのお目出度い展覧会初日の9月3日(木)に何と!展覧会オリジナルの素敵なミニノートとレオニダスのチョコレートが先着100名様にプレゼントされるそうです。 記憶に間違いなければ、過去20年間にBunkamuraザ・ミュージアムで開催された展覧会全てに足を運んでいるはず。丁度絵画鑑賞に興味を持ち始めた頃でした。つまりBunkamuraさんの歴史は自分の美術鑑賞の歴史でもあります。目出度い!愛でたい!! ![]() レオン・フレデリック「春の寓意」1924-25年 油彩・画布 姫路市立美術館蔵 本来この展覧会期間に開催が予定されていた、「20世紀モダン・アート展」(仮称)が世界的な金融危機の影響で、コレクションを出品する主催者のJPモルガンが開催中止を決めた時(今年の2月)には、一体どうなることやらと気をもみました。 しかし、姫路市立美術館所蔵のべルギー美術コレクションを「幻想」というキーワードでまとめて拝見出来る機会が、代わりにこうして得られたのは不幸中の幸い。 今にして思えば企業が所有する「20世紀モダン・アート展」よりも断然こちらの展覧会の方がBunkamuraの二十歳の誕生日を記念するに相応しい!! ![]() 入口から「ベルギー幻想美術館展」の世界観を演出。 注:館内の写真は主催者の許可を得て撮影したものです。 毎回毎回さりげない演出が光るBunkamuraさん。今回の展覧会会場は全体的にすっきりとした雰囲気。ベルギービールのように個性派揃いで、ひと癖もふた癖もあるような画家の作品を展示するには、開放的でさわやかな展示空間がぴったり。 第1章 世紀末の幻想 省庁主義の画家たち ![]() ジャン・デルヴィル、フェルナン・クノップフ、エミール・ファブリなどの作品がまずお出迎え。幻想美術館の入口付近はまだそれほど強烈な個性を発揮している作品はありません。 っと思って二度三度と見ているうちに、ぐいぐい幻想的で非現実的な世界へ惹き込まれて行きます。口当たりがいいのに実は毒がある。そんな作品が多く展示。 ジャン・デルヴィルはかなりオカルト的な趣味があったそうで、自分の部屋を全部「青」で染めてしまったりもしたそうです。「ジャン・デルヴィル夫人の肖像」も確かに青い…… ![]() フェルナン・クノップフ「ヴェネツィアの思い出」1901年頃 パステル、鉛筆・紙 姫路市立美術館蔵 今回の展覧会のチケットの半券に用いられている作品。 輪郭線がぼやけていながらも、しかと強い眼差しでこちらを見つめる女性像。 顔だけ現実世界の実体で後はどこか別の世界にあるような独特の表現。 因みにBunkamuraさんはかつて「フェルナン・クノップフ展」(1990/6/8〜7/8)を開催しています。これ今やったらきっとうけるでしょうね〜丁度ベルギーが当時置かれた社会状況と今の日本のそれが妙に一致していますので。 第2章 魔性の系譜 フェリシアン・ロップス ![]() フェリシアン・ロップス「スフィンクス」1884年 エリオグラヴュール・紙 姫路市立美術館蔵 ロップスは第1章の画家たちの先駆者的存在。 1860年代から80年代にかけ制作された約20点の版画を一挙公開。 これだけまとめて(マニアックな作家の作品)観ること姫路市立美術館でもまずないことだそうです。どうしてかご覧になれば分かります。 第3章 幻視者の独白 ジェームズ・アンソール ![]() ジェームズ・アンソール「薔薇」1881年 初期の頃の作品。まだ写実性は残しているものの、とろけ出しそうなバラの花など、所謂アンソール的な作品の登場を予感させるに十分。この頃を「暗色の時代」と呼ぶそうです。 因みに9月12日より新宿、損保ジャパン東郷青児美術館で開催される「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ」展のチラシの表紙に、アンソールの「暗色の時代」に描かれた同じような薔薇の絵が抜擢されています。 ![]() 「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ」 2009年9月12日(土)〜11月29日(日) 月曜定休 ただし9月21日、10月12日、11月23日は開館 ブリュッセルにあるベルギー最大の美術館、ベルギー王立美術館コレクションから選りすぐった近代絵画約70点を一同に展示、フランス絵画がベルギー芸術に与えた影響を展観します。 閑話休題。 Bunkamura「ベルギー幻想美術館」展。 今回初めて知ったのですが、アンソールは1886年に突如油絵を描くのをやめ、版画制作に没頭するようになったそうです。理由は定かではありませんが、本人が油彩よりも版画の方が後世に残ると判断したという説があるそうです。まぁとにかく奇妙な人であることに間違いありません。 今回展示されている32組の「キリストの生涯」途中笑うことなく、最後まで観られたらエライ!(TBS「ザ・イロモネア」の最後まで笑わない審査員になれます) ここまでは、ちょっと(かなり)マニアックな作家さんたちの特異な世界を描いたものばかりでしたが、残りの2章はメジャーな二人がいよいよ満を持して登場。ただしやはり世界観はフツーじゃありませんけどね。マグリットが一番素直に見えてしまうから怖い。 第4章 超現実の戯れ ルネ・マグリット ![]() マグリットファンの皆さん!これ全てマグリットです!! 前回のだまし絵展に引き続き同じ場所にマグリットがずらり並んでいます。これを観に行かずしてどうする。総数26点。どれをとってもマグリットマグリットしている作品ばかり。しかもだまし絵展とダブりはありません。 ただ作品がだらだら展示されているだけではありません。 こんな珍しいものも。「マグリットの捨て子たち」(魅せられた領域) 「魅せられた領域」は、1953年、クノックの市営カジノの「シャンデリアの問」の壁画のための8枚の油彩画として描かれた。この部屋の名はカジノの支配人であるグスタフ・ネランによって設置された巨大なシャンデリアに由来する。マグリットの監督の下、この部屋の壁をぐるりと囲む、横幅72メートルにおよぶフレスコ画の壁画が制作された。 ![]() ↑クリックで拡大 この壁画を元にして制作された8枚の版画が横一列にお行儀良く展示されています。連続性のある8枚の作品には、それぞれどこかで観たことのあるマグリットお決まりの図像も。まさに「マグリットの不思議な世界の集大成」と呼べる連作です。必見!! 第5章 優美な白昼夢 ポール・デルヴォー ![]() お待ちかね!のポール・デルヴォー. これまた最多の出展数40数点が一堂に集結。版画の連作あり、汽車の絵あり、古代ギリシャ風の建造物の中に裸体の女性が佇む作品ありともうデルヴォーのエッセンスをぎゅっと最後の章に凝縮。 非常に濃い最後の展示室。窒息しそうなほど。 ![]() 「ささやき」1981年 絹織物(原画デルヴォー) 絵画・版画作品だけでなく、こんなものまであるとは。。。 何でも「サーベル・ビロード」という大変困難な技法を用いて制作された作品だそうです。観る角度によって随分と色目に変化が。だまし絵展のパトリック・ヒューズほどの視覚的驚きこそないものの、初めて体験するデルヴォーのより奇妙な作品の前でかなり時間を要すること必至。 それにしてもデルヴォーの母親が息子にこんなことを言い聞かせていたなんて… 尚、 9/19(土)〜23(水・祝)は“デルヴォーウィーク”Delvaux Weekと称し(ポール・デルヴォーの誕生日が1897年9月23日にちなんで)各日先着100名様に、ベルギーのスイーツを日替わりでプレゼント!さらに先着50名様にはデルヴォー・グッズも!!大盤振る舞いだ〜 「レオニダス」「ロータス」のチョコやカラメルビスケットがプレゼントされるそうです。 最後に「今日の一枚」 ![]() フェルナン・クノップフ「ブリュージュにて 聖ヨハネ施療院」1904年頃 鉛筆、木炭、パステル・紙 姫路市立美術館蔵 クノップフが描く風景画。ただし空は描かれずクローズアップされた運河沿いの建物だけ。でもこれだけでブリュージュの雰囲気見事表しています。一度しかこの街へは行ったことありませんが、一番印象に残っているのは、やはり水の流れのほとんどない運河です。 「ベルギー幻想美術館」展は10月25日まで開催しています。 一度ハマったら病みつきになるべルギーの魅力にこの秋どっぷりと。 【関連エントリー】 - 速報「だまし絵展」 | 弐代目・青い日記帳 - 野菜満載!?見所満載!!「だまし絵展」 | 弐代目・青い日記帳 - 大人買い「エッシャーだまし絵フィギュア」 | 弐代目・青い日記帳 - 「青春のロシア・アヴァンギャルド展」 | 弐代目・青い日記帳 - やるな〜Bunkamura | 弐代目・青い日記帳 - 「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」 | 弐代目・青い日記帳 - 「ピカソとクレーの生きた時代」展 | 弐代目・青い日記帳 - 「アンカー展」 | 弐代目・青い日記帳 - 「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」 | 弐代目・青い日記帳 - 「プラハ国立美術館展」 | 弐代目・青い日記帳 - 「ポーラ美術館の印象派コレクション展」 | 弐代目・青い日記帳 - 「グランマ・モーゼス展」 | 弐代目・青い日記帳 それでは最後に「今日の美味」 ![]() 「Leonidas レオニダス 」の「ナポリタン ミントチョコ」と「ナポリタン シナモンチョコ」 この記事のURL http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1869 JUGEMテーマ:アート・デザイン
近代ヨーロッパの美術界の中で、ベルギーにおいては19世紀後半から20世紀にかけて、心の奥の世界を描き出した象徴主義、夢や無意識の世界を描き出したシュルレアリスムの優れた画家たちが登場し、幻想美術と呼ぶべき系譜を生み出しました。本展覧会は、姫路市立美術館が所蔵する、日本最大級の質と規模のベルギー美術コレクションから、19世紀末のフェルナン・クノップフ、ジャン・デルヴィル、ジェームズ・アンソールらから20世紀のポール・デルヴォー、ルネ・マグリットまでの油彩、素描、版画などにより構成され、まれにみる濃密な展開を示したベルギー近代美術のハイライトを紹介します。
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