青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「よみがえる浮世絵−うるわしき大正新版画」 展チケットプレゼント | main | シカン展「1日ブログ記者」募集中です!! >>

「エコ&アート」

群馬県立館林美術館で開催中の
「エコ&アート−アートを通して地球環境を考える−近くから遠くへ」展に行って来ました。



板橋区立美術館で「英一蝶展」を堪能し、我が家のオカメインコの餌を買い求めに、さいたま市にあるコンパニオンバードの専門店「パパガロ パパトーポ(Papagallo e Topo)」へ。


ところが、朝一で「英一蝶展」を観に行った為、また時間はお昼前。このお店の営業時間は13:00から。お店まで辿り着いたものの当然人気は無し。店内から元気なオカメインコの声だけが聞こえてくるだけ。。。無念。

「まぁ仕方ない」とすぐ諦められるのがO型。このオカメインコショップが東北自動車道浦和インターすぐ近くだったのが幸い?そのまま都内に背を向け東北道を北に。

館林もしくは足利の美術館で展覧会を観て、佐野のアウトレットに立ち寄れば、かみさんも大満足の有意義な日曜日に。出来れば羽生の「モア松屋」で極上ソフトクリームが食べられれば言うことなし。

結構(かなり)行き当たりばったりで、尚且つ物欲食欲に左右つつこうして展覧会観てます。。。でも得てしてたまたま出かけた展覧会の方が面白かったりするもの。今回の館林美術館の「エコ&アート展」もその典型。


群馬県立館林美術館

最寄駅から徒歩20分。東武伊勢崎線館林駅からタクシーで10分という、美術館としては致命的なほどロケーションは悪いのですが、それを犠牲にしてまでここに美術館を建てた理由はずばり「自然」。(Wiki:自然と人との共生を示す作品の展示・教育普及事業を行っている。)

東北道にさえ乗ってしまえば、1時間もかからずに美術館まで行けるので、これまでも何度か訪れています。

館林美術館関連エントリ
「ハンス・アルプ展」
「鵜飼美紀+辻和美ー光のかけらー展」
「1950年代(昭和25−34年)の美術」他
「ウィリアム・モリス展」
「ロセッティとバーンジョーンズ―モリスをめぐる作家たち―」
「土−大地のちから」



今回の展覧会名はずばり「エコ&アート」

偽善的な「エコ」という言葉の押し売りにはうんざりしているので、ちょっとタイトルは腑に落ちない、何とも言えない不信感を抱かされますが、展示内容はそんな虚飾の「エコ」とは全く違い実に真剣なアプローチから成る展覧会でした。

以下、展覧会の構成です。

第1章「館林−群馬…世界を歩く」
第2章「地球の時空間」
第3章「未来の地球へ」


気になった作品をご紹介。

・篠原誠司 「谷中の葦・考える葦」2009年
いきなり重たいテーマの写真作品です。谷中村は日本で最初に所謂公害の犠牲になった村。田中正造で有名な足尾銅山鉱毒の被害を収めるために谷中村は水没させられ、現在葦の生える渡良瀬遊水地となっています。

性急な近代化によって消えたひとつの村の記憶。篠原のモノクロ写真と川島健二の文章「歩行する葦」とのコラボ作品。また、館林美術館のすぐ近くにある多々良沼を写した「多々良を踏む」2008年も併せて展示。

・石川直樹「THE VOID」 2005年


「冒険アーティスト」石川の作品がまさかあるなんて!
今回展示されている作品はニュージランドのマオリ族を石川が訪ねた際に撮影したもの。既にこの段階でエコロジーとは何て振れ幅の広い言葉なのだろうと認識を新たに。

・リチャード・ミズラック「動物の死体」1987年


タイトル通りの写真。アメリカ、ネヴァダ砂漠で撮影した動物たちの死体。展示室には理路整然と15枚のこうした作品が展示されています。一見何が写っているのだか最初は分かりません。「エコ」を美名でしか捉えられないとするなら、ミズラックの作品は非エコとはじかれてしまうのでしょうか?

Richard Misrach「Dead Animals」で検索かければ他の作品も。

緑を増やすことだけが「エコ」ではありません。こうした現実こそエコロジーを唱える上では大切な観点。負の側面から目をそむけてはいけません。もっと言うなら死は決して負ではないことも。

率直に言ってリチャード・ミズラック「動物の死体」を観られただけでも、ここまで来た甲斐ありました。そして何より「エコ&アート展」においてこの写真を展示することにした学芸員さんに脱帽。安っぽく感じてしまうタイトルとは正反対に実に骨のある筋の通った展覧会となっています。

ミズラック作品の近くに展示されていた、リチャード・ロングの作品も「動物の死体」のせいで、かなり影が薄くなっていました。。。

日本字アーティストの作品(平田五郎、野村仁、高谷史郎ら)が、「エコ」の有無に関わらず楽しめたのは収穫。とりわけ平田五郎の作品は発想が日本人的ではないところに惹かれます。

さて、展覧会も半ばを過ぎた辺りに、懐かしい名前の作家さんが登場。
ヨーゼフ・ボイス!

ボイスがどうして…しかも何故にエコ??と思いきや、ボイスはかなり早い段階からエコロジーを唱えてきた作家さんだったのです!!

↑の写真は「7000本の樫の木」プロジェクトに自ら参加しているボイス。
今日、一般にエコロジーが意味する「環境保全」に対して社会の関心が高まるのは、1960年代になってからのことです。 美術の分野では、60年代の終わりから、自然のなかへと制作活動の領域を広げる「アースワーク」の動きが欧米を中心に起こります。学生運動や市民運動が盛んになった70年代には、ドイツのアーティスト、ヨーゼフ・ボイスが「緑の党」の創設に関わり、7000本の樫の木を植えるプロジェクトを行うなど、政治、経済を含めた視野から人間の自由と創造の営みのためのエコロジーを訴えました。
30年も40年も前からエコロジーを提唱。日本のテレビ局のなんちゃってエコとは段違い。比べたら失礼か。。。

この他にも、國府理(こくふ・おさむ)の「typical biosphere」2009年

美術館展示室内に「本物の木が、心地よく生きられるような空間」を作ってしまいました。人工の光を照射され管理されたドーム内で生き続ける木。アリゾナに作られた「バイオスフィア2(Biosphere2)」を連想されます。冷笑と共に。

・三分一博志「犬島アートプロジェクト「精錬所」」 2008年

この映像作品は「面白かった」

15人のアーティトによる、愚直なまでにエコに対しアートという切り口から取り組んだ展覧会。自然に対する取り組みとは、何が正しくて何が間違いだなんて線引きすることなど不可能でありナンセンスだということを思い知らされる「大人向けの展覧会」

タイトルと夏休み期間中から開催していたので、もしかして小中学生が自由研究か何かでこの展覧会観に来たかもしれませんが、ちょっと刺激が強すぎたかもしれません。世間一般で連呼されている似非エコロジーとあまりにも遊離しているので。。。

最後に「今日の一点


日比野克彦「DNA PLAIN」2009年 段ボール、紙
POSITION」2009年 テント
(壁面は岐阜県の長良川でのワークショップで制作された「DNA RIVER」2006年)

この日比野さんの作品は、館林美術館の名物展示室である「展示室1」全体を覆うように展示されています。他の展示室は普段は撮影不可ですが、今回はここだけはokとのこと。ラッキー!!


展示室1外観。


展示室1内部からの眺め。

場の力も作用してか珍しく日比野作品を良いと感じた。


エコ&アート−アートを通して地球環境を考える−近くから遠くへ」展は9月23日まで開催しています。無料で配布されている15名の作家のカラー作品と解説が書かれた「展覧会ガイド」がとても便利!

そうそう、それと受付のお姉さんの対応が最高に良かった。この場を借りて再度お礼を。ありがとうございました!!


群馬県立館林美術館
住所:〒374-0076 群馬県館林市日向町2003
tel:0276-72-8188(代表)
交通案内、アクセスはこちら

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1873

JUGEMテーマ:アート・デザイン


現代社会が直面する大きな課題であるエコロジー。現在、私たちは日々「エコ」という言葉を耳にし、「環境に配慮していること」が当然のように求められる社会に生きています。
しかし歴史を振り返ると、「エコロジー」とは、人間を含む全ての生物をひとつの大きなシステムのなかに位置づける「生態学」を指す言葉として、19世紀後半に誕生したものです。この頃すでに酸性雨など工業化による環境への影響が指摘されていたものの、今日、一般にエコロジーが意味する「環境保全」に対して社会の関心が高まるのは、1960年代になってからのことです。
美術の分野では、60年代の終わりから、自然のなかへと制作活動の領域を広げる「アースワーク」の動きが欧米を中心に起こります。学生運動や市民運動が盛んになった70年代には、ドイツのアーティスト、ヨーゼフ・ボイスが「緑の党」の創設に関わり、7000本の樫の木を植えるプロジェクトを行うなど、政治、経済を含めた視野から人間の自由と創造の営みのためのエコロジーを訴えました。80〜90年代には、経済のグローバリゼーションが進むなか、環境問題への世界的な取り組みがはじまり、美術においても、自然と人間を取り巻くあらゆる環境について、21世紀を見据えた様々な考察が重ねられます。
2001年に開館した当館は、この今世紀的な課題につながる「自然と人間」をテーマとして活動を行っています。また例年、夏の国内最高気温を競う館林において、気候変動は身近に迫る問題となっています。当館を会場とする本展は、アートを通して多角的に地球環境について考えようとする試みです。大地を自らの足で歩むアーティスト、地球の時空間の様相をとらえるアーティスト、そして比類なき想像力によって未来の地球像をイメージするアーティストなど、15人のアーティストをとりあげ、地球環境に向き合う上で多様な示唆を与えてくれるその表現を、第1章「館林−群馬…世界を歩く」、第2章「地球の時空間」、第3章「未来の地球へ」という構成によりご紹介します。
さらに本展は、「近くから遠くへ」と視界を広げることをサブテーマとしています。アーティストたちの作品を通して、館林という場所から世界へ、身近な自然から地球上の遠くの自然あるいは人間という存在へ、そして過去の地球の姿から未来へと想像力を働かせることは、エコロジーについて考える一つのきっかけとなることでしょう。
展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

Richard Misrachさんに興味がわいて検索かけたら・・・
すごい!衝撃。
好きな感じでした。知れてよかったー。。。
教えていただいて有難うございます。
ai | 2009/09/08 1:16 AM
とても行きたくなりました。
私の中でも日々模索するテーマです。
何でもかんでも「エコ」という言葉に踊らされているかのような今、自分も含めてもう一度足元を確かめたくなっています。
たろう | 2009/09/08 1:33 AM
@aiさん
こんばんは。

Richard Misrachにガツンと
頭殴られた来ました。
群馬まで行った甲斐ありありです。
展覧会は出逢いの場でもありますね〜

@たろうさん
こんばんは。

エコエコエコエコと
ただ唱えればいいってものではありませんよね。
「エコ」もまた西洋の真似ごとだと
この展覧会で分かりました。
Tak管理人 | 2009/09/08 10:31 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック