青い日記帳 

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「琳派 RIMPA展」


東京国立近代美術館で開催中の「琳派 RIMPA展」に行って来ました。
公式サイトはこちら

琳派展を何故竹橋(近代美術館)で開催するのか?と思っていましたが
行って、観て納得。納得。
ポスターチラシに『こんどの[琳派]はちがう』と謳ってあるように
確かに「違い」ました。

 「すぐわかる琳派の美術」

琳派の登場 −俵屋宗達とその周辺−
琳派の確立 −尾形光琳とその周辺−
琳派の発見 −酒井抱一とその周辺−
琳派の伝統と再生 −近現代の琳派風作品−

最近出たこの本にも書かれていますが、琳派が明治以降の画壇に
与えた計り知れない影響や、
今回の展覧会にも出品されているクリムトなど幅広い
西洋美術界に及ぼした力の片鱗をこの展覧会で俯瞰する事ができます。

展覧会は大きく以下の5つのセクションに別れていました。
機ジ琳―近代が再発見した日本の美
供ソ|・光悦―芸術における個性と統合
掘ス掌佑ら明治へ―抱一、其一を中心に
検ノ崘匹龍畭紂宿田春草から加山又造まで
. RIMPAの世界―きらめき・型・反覆
単に「琳派」を堪能したいのであれば、機銑靴泙粘僂譴
充分過ぎるほど満足すると思います。
これだけでもきちんとした展覧会として成り立っています。

ところが、先にも書いたようにここは近代美術館。
これだけでは終れません。
検ノ崘匹龍畭
. RIMPAの世界

この二つのセクションがあってこそ「RIMPA」展となり得ます。
(特にセクション后)

ただし、「検ノ崘匹龍畭紂廚海離札ションの作家さんは
自分の知識不足や勉強不足もあるのですが、ちょっと
消化しきれない作品が多くありました。
(一番時間をかけなかったセクションはここでした)
横山大観などメジャーな作家さんの大きな作品も
あったのですが、なんと言ったらいいのか・・・
「秋色」という大作もちょっと描き込みし過ぎです。
前半の「琳派」に圧されてしまい、「良い」とは思えませんでした。

このセクションもある意味、単独の展覧会として
開催した方がもっともっと良く観えるかもしれません。
(本物の琳派との比較は痛いです。。。)

ただ、加山又造の「千羽鶴」は個人的に好きな作品なので
これを今回もまた観られたのは嬉しかったです。

「. RIMPAの世界」は大変興味深く観る事のできるセクションです。
愛知県立美術館所蔵のクリムト「黄金の騎士」
岐阜県立美術館所蔵のルドンの「オリヴィエ・サンモールの屏風」など
日本国内にありながら今まで目にする機会に恵まれなかった作品を
この展覧会で、しかも琳派との結びつきという視点から観ることが
できたのは、大変良かったと思います。

世田谷美術館所蔵の李禹煥「線より」が展示されてあり
これは琳派とどんな関係があるのかな??と思い
キャプションを読んだら『「かきつばた」を思い浮かばせる』と
ありました。うーーーん。まぁ納得かな。
李禹煥好きなのでまぁ観られただけでOKという事で…

一番面白かったのはピエール・ボナールの「兎のいる屏風」
1906年に描かれたこの屏風もちろん初めて観ました。
ボナールがこんなに日本かぶれだったとは全く知りませんでした。
これからボナールを観る見方が変わる事間違いなしです。

このセクション垢魍姐饋佑諒用に解説した英語パンフによると…
V. World Rimpa: Sparklingl Forms, Reiteration
We might ask, what is Rimpa? Is it a school of art that stretches frorm Sotatsu's day to today? Perhaps, and yet it is not a traditionally inherited school of painting; like Japan's Kano school, that was carefully handed on, generation-to-generation, master to disciple. What was inherited, to sum up Rimpa characteristics in one term, was "the decorative," and yet, that leads us to another question What I "the decorative"?
This final section will set aside all previous concepts of what constitutes Rimpa and instead create a new list of Rimpa examples, one drawn from all of the art forms of the modern and contemporary era, from Japan and from other shores.
A powerful Sotatsu-like sense of form, a glittering design sensibility like that of Korin, the unconventional painting compositions of Hoitsu --Rimpa characteristics are many and varied. These examples of World Rimpa all share some of these elements and will surely provide new stimulus to Rimpa-familiar eyes.


  

さてさて、お待たせ?!なんだかんだ言っても主役は「琳派」
始めの機銑靴離札ションは圧巻です。
ここだけでお腹いっぱいになります。
「.尾形光琳」
「夏草図屏風」が何故凄いか、素晴らしいか今回よーーく分かりました。
構図です、構図。これ当たり前ですが考えぬかれています。
長方形の屏風全体を左下から右上にかけて「夏草」が描かれています。
この斜め具合が見事です。感動!!

「流水図乱箱」はっきり言って欲しい。
一日中眺めていても飽きない「箱」です。
「松島図屏風」の松に描かれている淡い緑の苔と共通する
流水の意匠。匠の技です。まさに。
あ〜これこそ「行雲流水」なり。

「供ソ|・光悦」
俵屋宗達の「牛図」と「鳥窠図」。たらしこみの技法で
描かれたこの作品。金色を用いた派手さとは真逆の
墨の濃淡だけのシンプルな作品。これもある意味「行雲流水」。

ここのセクションで断トツの作品(というより個人的に
今回の展覧会でも1,2を競う素晴らしい作品)
それが俵屋宗達の「槇檜図屏風」
(石川県立美術館所蔵のこの作品は9/12(前期)までの展示。)
影法師を描く画家俵屋宗達の真骨頂。
墨でなく敢えて濃い藍を用いて描かれた作品。
インタネでも観られます→こちら

「掘ス掌佑ら明治へ」
尾形乾山の「色絵紅葉文壺」必見です。流石乾山!
17世紀の作品とは思えないカラフルでポップな作品。

鈴木其一の「朝顔図屏風」はMETで青く塗り直されてしまったのかと
思わんばかりの鮮やかな青い朝顔満開!
「萩月図襖」は光琳の「夏草図屏風」と同じ構図。
しかし、余白にあたる左上にお月様を控え目に描いてあるのがポイント。

ここでの一番は細見美術館所蔵、鈴木守一の「楓桜紅葉図」
「楓」の紅葉はさて置いて、「桜」の葉っぱの紅葉を
大変見事に描いてありました。これは秀作!!背景に
薄っすらと浮かぶ墨で描かれた竹が紅葉の色を際立たせていました。


だらだらと書いてしまいましたが、
はっきり言って観に行く価値大ありの展覧会。
入場料十分にペイできます。

会期は2004年8月21日(土)−10月3日(日)
ただし前期後期でかなりの展示替えがあるので
観に行かれる時は注意が必要かもしれません。
展示替え・及び展示期間についてはこちら

以下プレスリリース
近代美術館が近世琳派の名品を展示することはとても重要です。桃山時代(16世紀初頭)に俵屋宗達が斬新なデザイン感覚 の造形芸術を起こし、次に元禄時代(17世紀末)に尾形光琳が宗達を継承した意匠美を完成させ、化政期(19世紀初頭)に酒井抱一が 情緒豊かな江戸琳派を拓いた・・・。このような琳派の系譜も、近代日本の文脈に照らして見ると、はじめから「歴史」としてあったのではないことが解ります。明治30年代(20世紀初頭)に光琳が見直された時点では、近代人は宗達について何ら知るところがありませんでした。大正期以降は宗達の大らかな芸術が高く評価されるようになりましたが、抱一やその他の琳派作家についての研究や評価はごく最近になって行われるようになったのです。これは近代日本人の美意識の反映ととらえるならば、琳派は近代の産物であったと言えます。
 近代美術館の琳派展として、今回の企画では明治・大正・昭和戦前期に繰り返し起こった近代日本画の琳派ブームを検証していきます。これまで真正面から取り上げられることの少なかった近代の琳派について出来るだけ詳しく紹介する試みです。菱田春草、横山大観、前田青邨らは新しい日本画を模索していく中である時代琳派的な作風に近づきます。そうした彼らの作品に近代琳派の精華を見ることができます。
 そして、この展覧会の最大の特徴は、琳派の普遍性、世界性を問うRIMPA展の試みです。日本画というジャンルを超えて、クリムトやルドンなどの西洋絵画をはじめ、近代洋画、現代美術など20世紀に現れた様々な形態の作品を幅広く視野に入れながら、いわゆる琳派的なるものは何かを探ってみたいと考えています。



展覧会 | permalink | comments(11) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

はじめまして。トラックバックありがとうございます。
おもしろい「琳派」展でしたね〜。展示替え後もぜひ行かねば!ですね。
kiri_co24 | 2004/09/01 8:59 PM
Takさ〜〜〜ん☆
大絶賛〜〜〜(笑)伝わりました☆よかったね☆
rossaも楽しみにしてるね☆
rossa | 2004/09/02 3:25 PM
こんにちわ、はじめまして。
トラックバックありがとうございます。とても参考になる展覧会評でした。改めて図版を見て、作品を心に思い浮かべていました。
後期も楽しみですね。
こちらのブログは読み応えがあって楽しいですし、本館のHPも素敵ですね。これからも時々訪問したいと思っています。
きのこ | 2004/09/02 5:25 PM
@kiri_co24さん
こんばんは、コメントありがとうございます。
展示替えがある展覧会は多いですがこの展覧会ほど
行かなくては!と思わせるものも多くありません。
宗達の舞楽図が観たいです。

@rossaさん
こんばんは〜
行ってきました、観て来ました!!
早くrossaさんも来て観ないと!!
これはもう絶対絶対絶対おすすめ
(rossaさんのおっしゃる通りでした!(^^)!)

@きのこさん
こんばんは、コメントありがとうございます。
調子にのって先ほど新しく記事加えました。
外国人さん向けの解説書です。(ピンク色の部分)

本館の方もご来館下さいましてありがとうございます。
ごちゃ混ぜのページですが・・・
今後とも宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2004/09/02 9:10 PM
Takさん、コメント&トラックバックありがとうございました。
今回、近代美術館で、というのがミソなんでしょうね。
2000年代になってから、歴史を俯瞰的に眺める展覧会が多いですね。
後期も楽しみです。
あと、リンクご自由にお貼りください。
d | 2004/09/05 4:47 PM
@dさん
コメントありがとうございます。
近代美術館でどうして琳派展??と始め疑問に思ったのですが
今回の展覧会を観て一応?納得できました。
琳派が与えた影響を考えるとセクション検↓垢覆匹
これからもシリーズ展として開催できそうに思えました。

リンクさせて頂きます。<m(__)m>
Tak管理人 | 2004/09/05 7:56 PM
やっぱり観てましたね〜(笑
早いな〜、やっぱりTakさんは・・・

ここは気がつきませんでした。
私も・・・尾形光琳、酒井抱一などの琳派だけで
良かったと思った展示でした。
でも、きれいでお見事でした。

TBお返ししておきます!
Moebon | 2004/09/21 2:47 AM
Takさん、こんにちは。はじめまして。
Lunaria(るなりあ)と申します。

RIMPA展の記事、興味深く拝見させていただきました。
私は後期の展示に行ったのですが、前期にも行きたかった〜とつくづく思います。
特に光琳の「夏草図屏風」。見たかったです。

他の展覧会記事や本館にも、またお邪魔させてくださいね。
るなりあ | 2004/09/24 4:48 PM
@Moebonさん
コメントありがとうございます。
いつも行くの遅いのですが、これだけは観たくて!!
しかも近美はレストランが充実してるので
平日の昼間行けるチャンスがあればgo!!

後期も始まっているので行ってこないと・・・
待っていてね、宗達!

@るなりあさん
初めまして。コメントありがとうございます。
お月様と関係あるお名前ですか。
私はベタなハンドルで・・・

前期後期って分ける展覧会多いですけど
中々全ていけませんからね。困ってしまいます。
図録で観ても中々色合いとか伝わってこないし。

どうぞ、またいらして下さい。
本館へも是非。お待ちしてます!!
Tak管理人 | 2004/09/25 8:52 PM
先日は、コメントとトラックバックありがとうございました。メカパンダです。
Takさんの琳派の記事を興味深く拝見しました。
本当にいろいろな感じ方がありますね。
そういえば、コメントにかかれてますが、前期と後期で違う展示って本当に困りますよね。
でも貧乏ヒマなし道まっしぐらの私へ、そのくらい何度も足を運べるくらいゆとりを持って生活しろということかも。(苦笑)

こちらからも遅ればせながらトラックバックさせていただきました。また遊びにこさせていただきます。では!
メカパンダ | 2004/10/01 9:42 PM
@メカパンダさん
コメントありがとうございます。
実は今夜また行ってきました。
どうしても後期の作品で観たいものがあったので、、、
出費は痛いですが、現地まで行って観ること考えたら
やっぱり行かねば。です。

しかし、前期と後期数点の展示替えでしたが
随分と雰囲気変わったように思えました。
詳しくは明日以降このブログに書きます。

今後ともどうぞ宜しくです。
Tak管理人 | 2004/10/01 10:06 PM
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琳派 RIMPA展 | メカパンダマニュアル | 2004/10/01 9:33 PM