2009.10.06 Tuesday
「皇室の名宝展」の『動植綵絵』
東京国立博物館で開催中の御即位20年記念 特別展「皇室の名宝―日本美の華」。1期、2期とで全て作品を展示替えするという前代未聞の大展覧会。普段まずお目にかかれない、皇室のお宝を東博平成館にて公開。
→展覧会全体の紹介記事はこちら「皇室の名宝−日本美の華」1期 ![]() 御即位20年記念特別展「皇室の名宝−日本美の華−」展 1期:2009年10月6日(火)〜11月3日(火・祝) 2期:2009年11月12日(木)〜11月29日(日) 開催を知った時から、ワクワク・ドキドキ。 狩野永徳他名だたるスター絵師の極上の作品を目の当たりに出来るのですから気持ち昂らない方が逆に変。そして何よりもさらに血が騒ぎ、奮い立たせる皇室のお宝といえば、伊藤若冲の「動植綵絵」(どうしょくさいえ)。 全30幅からなるこの若冲畢生の作品。全て描き上げるのにおよそ10年もの歳月を費やした、まさに若冲渾身の作品。これを観ずして若冲語ること勿れ。 皇居、三の丸尚蔵館でもハレー彗星の如く滅多にお目にかかれず、また公開されたとしても展示スペースの都合上、全30幅が揃って拝見出来ません。(数点だけでも見られれば十分なんですけどね。一枚一枚がとにかく濃密なので) ![]() 「動植綵絵 老松白鳳図」 伊藤若冲 江戸時代(18世紀) 三の丸尚蔵館 近年では2006年に三の丸尚蔵館で都合5回に分け「動植綵絵」の公開が行われました。「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」 - 「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」第1期 - 「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」第2期 - 「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」第3期 - 「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」第4期 - 「花鳥ー愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」第5期 また翌年には、「若冲」の名を一躍世間に知らしめた、京都、相国寺 承天閣美術館にて2007年に開催された「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」。 この相国寺での「若冲展」には「動植綵絵」30幅が総揃い。こちらに会場の様子を写した画像載せてありますが、勇壮な祭りの中に入り込んでしまったかのような壮観な眺め。 作品一枚一枚を拝見するというよりもどちらかと言えば会場全体の壮麗な景色を楽しむといった趣向が今にして思うと強かったかもしれません。 さて、それでは今回の東京国立博物館での「動植綵絵」の展示はどうでしょう?まず「皇室の名宝展」の会場構成図から。 ![]() ↑クリックで拡大します。 上の会場図の「第1章」と書かれている部分全てが、若冲「動植綵絵」の展示に割り当てられていました。東博、平成館に行かれた方ならお分かりの通り、ここ一部屋でもかなり広大なスペースです。 ![]() 「動植綵絵」展示室の様子。 注:写真は主催者の許可を得て撮影したものです。 ![]() ここでお気づきになられたかもしれませんが、「動植綵絵」の1幅の縦の長さかなりのものがあります。作品だけの縦幅でも約140cmちょい。小学生くらいの背の高さと同じ。 それ故、まず最初に「大きい!」と驚嘆の声をあげます。拝見するのは何度目かになりますが、頭の中ではその大きさ理解していても毎度毎度まず最初に同じ驚きを。 実は今回、東博、平成館の展示とあってその天井高から「動植綵絵」が大きく見えるどころか逆に小粒に見えてしまうのではないかと、上野に向かう電車内で考えめぐらせていました。 つまり、三の丸尚蔵館も相国寺・承天閣美術館も天井高がかなり低かった故、相対的に「動植綵絵」が異様なまでに大きく見えたのではなかろうかと。 しかし、それも平成館で「動植綵絵」を目の当たりにし、全くの杞憂だったことがすぐさま判明。そんな会場の大小に左右される程の「こもの」ではありませんでした。 ジャクチュウ・ごめん。 ![]() さて、大きさ問題?がクリアされると、次に気になるのは並び順です。 相国寺・承天閣美術館では釈迦三尊像象を中心にし左右対称になるよう15幅ずつ仏様の両翼のように配置されていました。 今回はどうでしょう? 会場図作ってみました。 ![]() 1:緑色の部分に「芍薬群蝶図(しゃくやくぐんちょうず)」から「桃花小禽図(とうかしょうきんず)」の16幅がずらりと。 1:芍薬群蝶図(しゃくやくぐんちょうず) 2:梅花小禽図(ばいかしょうきんず) 3:雪中鴛鴦図(せっちゅうえんおうず) 4:秋塘群雀図(しゅうとうぐんじゃくず) 5:向日葵雄鶏図(ひまわりゆうけいず) 6:大鶏雌雄図(たいけいしゆうず) 7:梅花皓月図(ばいかこうげつず) 8:芙蓉双鶏図(ふようそうけいず) 9:老松白鶏図(ろうしょうはっけいず) 10:老松鸚鵡図(ろうしょうおうむず) 11:芦鵞図(ろがず) 12:南天雄鶏図(なんてんゆうけいず) 13:梅花群鶴図(ばいかぐんかくず) 14:棕櫚雄鶏図(しゅろゆうけいず) 15:蓮池遊魚図(れんちゆうぎょず) 16:桃花小禽図(ばいかしょうきんず) 三の丸尚蔵館学芸室主任研究官である太田彩氏に今回の並び順についてお伺いしたところ、ちょっと意外な答えが。「今回は動植綵絵の描かれた順に基本的に展示してあります」とのこと。 トップバッターを飾る「芍薬群蝶図」には、宝歴8年(1758)と制作年が明記されているそうです。因みにこのように制作年が記されているのは30幅中7幅。 「動植綵絵」となるとお寺で実際にどのような順序で配置されていたのかが、どうしても気になってしまう故、並び順に拘泥していたのですが、よくよく考えればここは博物館。作品自体を楽しむところ。 そうだとするなら、制作年代順の展示は大変有難いことになります。約10年の歳月をかけ全30幅完成させた大作ですが、画風や画題も次第に自ずと変わっているはず。要は作品それぞれを鑑賞するのに最良の選択をされたということになります。 ![]() 「動植綵絵 芍薬群蝶図」 伊藤若冲 江戸時代(18世紀) 三の丸尚蔵館 これまで、この作品は「動植綵絵」の中でも随分とさっぱりとした絵柄だな〜と思っていましたが、これが全30幅のスタートに立つ一枚となるとまた違った見方が出来るようになります。やはり若冲も最初は様子見したのでしょうか。 これ以降の余白部分の変化に注目です。 さて、さて「会場図」に戻ると、2:オレンジ色の部分に10幅。ここの右端の作品が最後に描かれた作品である「紅葉小禽図(こうようしょうきんず)」 21:雪中錦鶏図(せっちゅうきんけいず) 22:薔薇小禽図(ばらしょうきんず) 23:牡丹小禽図(ぼたんしょうきんず) 24:池辺群虫図(ちへんぐんちゅうず) 25:貝甲図(ばいこうず) 26:芦雁図(ろがんず) 27:諸魚図(しょぎょず) 28:群魚図(ぐんぎょず) 29:菊花流水図(きっかりゅうすいず) 30:紅葉小禽図(こうようしょうきんず) それと気になる3:青色の部分の4幅ですが、これは30幅の中でもとりわけ人気の高く、太田氏の言葉を借りるなら「見栄えのする」4幅をチョイスしたとのこと。中々面白い! その人気の4幅がこちら。 ![]() 左から「紫陽花双鶏図(あじさいそうけいず)」、「老松白鳳図(ろうしょうはくほうず)」、「老松孔雀図(ろうしょうくじゃくず)」、「群鶏図(ぐんけいず)」 自分が勝手にやっている、伊藤若冲『動植綵絵』人気投票においても、高い人気誇っている作品たちです。 4:紫色の部分には、動植綵絵とは別の若冲作品「旭日鳳凰図」宝暦5年(1755)が鎮座しています。 また、5:の部分には「動植綵絵」の解説パネルが! ![]() 平成11年度から6年間かけて行った「動植綵絵」解体修理で判明した裏彩色の技法や、当時としては極稀なプルシアンブルーの顔料を使用していたことなどが拡大図を用いて丁寧に解説されています。逸る気持ちを抑えてこれもしっかり読まれることお勧めします。 ![]() 「動植綵絵」が東京で総揃えとなったのは、実に83年ぶりのことだそうです。ということは。。。これを見逃すと一生見られないということに。動植綵絵が展示されている1期展示期間は、2009年10月6日(火)〜11月3日(火・祝) 是が非でもお見逃し無きように!! 今回は単眼鏡では鑑賞出来ないかも。次は双眼鏡持参で伺います!! 御即位20年記念 特別展「皇室の名宝―日本美の華」 東京国立博物館 1期:2009年10月6日(火)〜11月3日(火・祝) 2期:2009年11月12日(木)〜11月29日(日) ※展示作品は1期と2期ですべて替わります。 開館時間 9:30〜17:00 (入館は閉館の30分前まで) (ただし会期中の金曜日は20:00まで、土・日・祝日は18:00まで開館) 休館日 1期:月曜日(ただし10月12日(月・祝)・11月2日(月)は開館、10月13日(火)は休館) 2期:無休 展覧会ホームページ http://www.bihana.jp/ 宮内庁ホームページ 御即位20年記念特別展「皇室の名宝−日本美の華」 http://www.kunaicho.go.jp/20years/touhaku/touhaku.html 11月12日(木)は天皇陛下御即位20年を記念して入館無料です。(来場者多数の場合はご入館いただけないことがあります。) 最後となりましたが、今回ブロガープレビューの機会を設けて下さった関係者の方々にこの場を借りて、再度お礼申し上げます。どうもありがとうございました。 展覧会の記事はまた別日に書きます。 最後にこの一枚の「ルリハタ」の青色。お見逃しくなく! ![]() 伊藤若冲 「動植綵絵 群魚図」江戸時代 (18世紀) 全30幅のうち 三の丸尚蔵館蔵 参考:若冲の一幅、「プルシアンブルー」で彩色か 江戸中期の京都の画家、伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716〜1800年)の作品で、宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する「動植綵絵(どうしょくさいえ)」全30幅の一つ「群魚図」の一部に、ドイツで1704年に発見された青色の人工顔料「プルシアンブルー」が使われたとみられることが、同館と東京文化財研究所の共同調査でわかった。(2009年10月5日 読売新聞) この記事のURL http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1902 JUGEMテーマ:アート・デザイン 天皇陛下御即位20年を記念し、皇室ゆかりの名宝を一堂に集めた特別展を開催します。御物および、正倉院や三の丸尚蔵館など宮内庁が所蔵する作品の数々を1期(10/6〜11/3)と2期(11/12〜11/29)に分けて展覧いたします。 |




















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