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新・根津美術館オープン

2006年5月8日から改築工事のために閉館していた根津美術館が、3年半に及ぶ改築を経て、いよいよ本日10月7日にオープンしました。拍手


根津美術館
〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1 

オープンに先立って新根津美術館のお披露目会と、最初の展覧会である「新創記念特別展 国宝那智瀧図と自然の造形」展の内覧会にお邪魔して来ました。(因みに平成3年、1991年の開館50周年記念展も「那智の瀧展」でした)

これまで、茶道具や青銅器が展示されていた本館があった場所に、地下1階地上2階建ての新しい美術館を創設。新美術館の設計を担当されたのは、建築家の隈研吾氏。

直線とガラスを多用した新しい「和の空間」を見事造り出しています。資料写真で拝見していたイメージの遥か上をいく完成度の高さ。建築に疎い自分でもおもわずうっとり。長居したくなるそんな美術館となっています。(隈健吾氏はサントリー美術館も手掛けていらっしゃいますので、随所にサントリーに通づる所もあります。)


新しく出来たアプローチ。

表参道から原宿駅を背にし、みゆき通りを歩くこと約8分。美術館通りと交わる通り沿いに根津美術館はあります。この写真奥が道路からの入口。改築以前と入口の位置が変わりました。

竹の間をすり抜けるように直進し90度左に折れると、美術館受付が唐突に現われます。雰囲気も竹ロードから一転。
玄関
高いコンクリートの屋根左の壁に沿って傘立てが設置されています。

展示室は1階に、展示室1〜3(展示室1では特別展を開催)。2階に展示室4〜6が。改築前の根津美術館本館にあった仏教美術や茶道具中国青銅器などが第3〜6室にそれぞれ独自の部屋が用意され公開されています。

簡単に第1展示室から第6展示室までご紹介。

フロアマップ
↑クリックで拡大。

注:画像は全て内覧会時に美術館の許可を得て撮影したものです。

展示室1

国宝那智瀧図と自然の造形

特別展についてはまた後日別記事で書きます。
「那智瀧図」がどうして国宝なのか、その素晴らしさが理解できませんでした。丁度時期を同じくして発売となる講談社「週刊 世界の美術館」の今週号が「根津美術館(&五島美術館)」

それによると、実際の那智の瀧と同じように描いていながらも長さなど違いもまたはっきりとしているそうです。ご神体ですからね。何がどう凄いのかなんて分かろうとすること自体愚行なのかも。

展示室2

手を競う - 王朝びとの筆のあと
美しい紙とみごとな筆跡。王朝美をたたえた古筆切の名品を一堂に。


相変わらず書は苦手。。。それでもこの空間に鎌倉時代に写本された伝 藤原為氏の筆による「古今和歌集」には行く分萌え。「○○切」となって額装された伝誰誰の筆は、観る人が見ればきっとすごいものなのでしょうね。。。

展示室3

仏教彫刻の魅力

仏像が横に4体ほど展示可能な、極小展示室。室内には日本の木彫の名品が、そして各展示室をつなぐ「ホール」にはガンダーラや中国の石彫が、露出展示で置かれています。



そうそう、展示室内のガラスがあまりにも綺麗で存在感がないので、思わずおでこをコツンとぶつけてしまいかねません。ご一緒した皆さん一様に「あのガラスは何だ!!」と驚嘆の声を。

1階フロアには展示室1〜3の他にロッカールーム(このロッカーもサントリー美術館と同じ!)やミュージアムショップがあります。


最近の美術館のショップはとにかくお洒落。
あれもこれも欲しくなってしまうから困ります。

さて、お土産は帰りに買うとして2階の展示室へ。
てくてくと階段を。このガラス張りの階段もどこかで。。。



階段途中から1階ホールを振り返るとこんな景色。

いいですね〜隈研吾氏がこだわった「大屋根」が生かされています。

しかし都会のど真ん中でこの贅沢なスペースの使い方は天晴れです。
このホールがもし半分ほど展示室となっていたとしたら、建物全体の良さが全く生かされなくなってしまうのでしょうね。美しい〜

展示室4

古代中国の青銅器

世界屈指の青銅器コレクションが専用展示ケースに収められ空間全体で、一気に場の展開を図ることに成功しています。

ここまで階段を昇ってくるまでのアプローチが明るかった為、展示室4のライティングには、思わずハッとさせられるものがあります。


今回の根津美術館の特徴のひとつに、展示ケース内の照明を全てLED(発光ダイオード)にしたことがあげられます。前述のガラスの美しさはこの照明も一役買っています。

ガラスを通してとは思えないほど、間近に作品をご鑑賞いただけます」←誇大広告ではありませんでした。驚きますきっと。

展示室5

吉祥−明清の漆工と陶磁

オープニングに相応しい、華やかな吉祥文様をまとう工芸品が。
中でもこちらは白眉!(赤眉!?)


堆朱牡丹文盆「大明永楽年製」銘 
中国・明時代 永楽年間(1403-24)

こちらは前期(10月18日まで)の展示。
こうしたモノにとりわけ興味を持たない自分がぱっと目にしただけでも、「これは!」と思える優品。どんなものなのかこうなると知りたくなります。まずいな〜これ以上手を伸ばすと収まり付かなくなるんだけど。。。(今もあっぷあっぷなのに…)

展示室6

初陣茶会

今回は、大正7年(1918)初代根津嘉一郎が催した「初陣茶会」を再現しているそうです。三井記念美術館の如く展示室内に茶室があつらえてあります。

以上2階の3つの展示室はどれも違った顔を持つ箱。照明から天井の高さまでそれぞれの展示品に合うように考えられているとのこと。

再建前の本館が、東博の東洋館のような殺風景なものだったので、そのあまりの変容ぶりに驚くとともに、いつものことながら、展示室が変わっただけでこれ程まで作品の見え方が変化するものかと、またまた実感。

以前の本館はスルーしてしまうこと多かったからなーー(反省)


2階廊下。各展示室の入り口が。

またここには特別展示ケースがあり、今回はこんな変わったものを公開。

宝飾時計
中国の乾隆帝が愛した豪華な「清朝時計」


「青山の東博」と呼びたくなるほど、多彩なコレクションを有する根津美術館。6つの展示室を一気に拝見すると流石に足腰に疲れが。。。



展示室内にもそれぞれ違った形の椅子が用意されていますが、階段を半分降りた中2階の部分には休憩用ラウンジが用意されています。



出光美術館でもそうですが、こうした休憩スペースは大変有難いもの。疲れた足を伸ばしたり、今拝見してきた名品を光の中で反芻したりと。

またここならおしゃべりをしても誰からも咎められることありません。無料のお茶とか出ないのかな〜(と希望してみる)

さぁー展覧会も、新・根津美術館も十分満喫したからそろそろ。。。ちょっと待ったです。ここで帰っては根津美術館の魅力の半分しか堪能していないことに。根津美術館の最大の魅力はその広大な日本庭園にあるのです!


1階ホールから見た庭園。奥には六本木ヒルズが見えます。

左手の建物は、元新館があった場所に建つ事務所。そして右手の建物が「NEZU CAFE」(こちらも隈研吾氏の手によるもの)

「NEZU CAFE」は元々、初代根津喜一郎氏の私邸があった場所。カフェ内には当時を偲ばせる暖炉がそのまま残されています。但しカフェ自体は大変斬新なデザイン!


四方をガラスで囲まれた開放的なスペース。天井の明りは一ヶ所だけ、他はすべて自然光でまかなえるそうです。和紙の中に包まれているような感覚?!

庭園内は日本庭園では極めて珍しいスロープによるバリアフリー化を実現。ぐるりと一周し「根津美術館八景」や4つの茶室を拝見しながら散策すると、たっぷり1時間はかかるかも。


一周すると美術館の建物の地下1階部分に到着します。


地下1階には講堂があり、講演会などで使用されるとのこと。

10月17日に開催されるドナルド・キーン氏(日本文学研究者、コロンビア大学名誉教授)による特別講演会「日本美術と自然」もこちらで開催されるそうです。

初夏には弘仁亭に燕子花が見事な花を咲かせてくれます。「国宝 燕子花屏風」はその時季に合わせての公開です。

根津美術館新創記念特別展スケジュール
2009年10月7日(水)―2010年9月26日(日)

第1部 新・根津美術館展一国宝那智瀧図と自然の造形
2009年10月7日(水)一11月8日(日)

第2部 根津青山の茶の湯一初代根津嘉」郎の人と茶と道具
2009年11月18日(水)一12月23日(水)

第3部 陶磁器ふたつの愉楽−観るやきもの・使ううつわ
2010年1月9日(土)一2月28日(日)

第4部 胸中の山水・魂の書一山水面の名品と禅林の墨蹟
2010年3月13日(土)一4月18日(日)

第5部 国宝燕子花図屏風一琳派コレクション一挙公開
2010年4月24日(土)一5月23日(日)

第6部 能面の心・装束の華一物語をうつす姿
2010年6月5日(十)一7月4日(日)

第7部 いのりのかたち一八十一尊曼茶羅と仏教美術の名品
2010年7月10日(土)一8月8日(日)

第8部 コレクションを未来へ一根津嘉一郎収集品と寄贈作品
2010年8月21日(土)一9月26日(日)


根津美術館は東武鉄道創始者の根津嘉一郎が設立した美術館。(昭和16年開館)7000点もの東洋古美術品を展示している。庭園は千利休の茶庭の極意に倣って造ったものである。
根津美術館
住所:107-0062 東京都港区南青山6丁目5番1号
電話番号:03-3400-2536 FAX:03-3400-2436

アクセス:
地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線、表参道駅下車
A5出口より徒歩8分
B3出口(エレベーター)より徒歩10分

この記事のURL
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和風家屋を思わせる大屋根が印象的な本館は、現代日本を代表する建築家隈研吾氏の設計によるもので、地上2階・地下1階の構造になりました。館内は今までの約2倍、延べ床面積約4000屬箸覆蝓▲┘鵐肇薀鵐垢らホール、そしてそれに続くスペースには、特別展用のギャラリーのみならず、多岐にわたる当館の所蔵品をご覧いただくために、絵画・書蹟、青銅器、茶の湯の美術などそれぞれの特性に合わせた、趣の異なる6つのギャラリーが設けられています。当館の落ち着いたイメージを保ちながら、いままで以上に多彩な展示をお楽しみいただける空間となりました。

ギャラリーでは、絹や和紙、漆といったデリケートな素材からなる東洋の古美術品を中心に展示してまいります。このため、トップメーカーが開発した最新技術を導入することによって、作品にも鑑賞者にも快適な展示施設を調えることに専心いたしました。展示ケース内の照明はすべてLED(発光ダイオード)とファイバースポットとなり、8万個のLEDは、光の明暗だけでなく、太陽のような白い光から和ろうそくの暖かな光まで、作品の鑑賞に適した調光を可能にしました。ガラスを通してとは思えないほど、間近に作品をご鑑賞いただけます。

ミュージアムショップでは、当館コレクションのモチーフやデザインから生まれた新しいオリジナルグッズをとりそろえ、日常生活が楽しくなるアイテムの数々をご提案します。そのほか、地階の講堂では、講演会やワークショップなどさまざまな取り組みを行なってまいります。

本館から一歩外に出ると、そこには4棟の茶室を含む17,000屬砲よぶ庭園が広がっています。園内そして新たに建設されたNEZUCAFÉで憩いのひとときをお過ごしください。
お知らせ | permalink | comments(10) | trackbacks(8)

この記事に対するコメント

 ご紹介下さり有難うございました。美術館の収蔵品に相応しい展示ケースや照明など最高技術を駆使した東洋の美の殿堂。自然光や庭園の緑を引き立てつつシャープな隈研吾建築はサスガです。
 庭園もcafeも充実、のんびり楽しみたい場所ですね。
panda | 2009/10/08 12:29 AM
こんにちは。
先日はありがとうございました。
根津美術館の自信がうかがえる良い内覧会でしたね。
とても美しい空間体験でした。
mizdesign | 2009/10/08 5:08 AM
おはようございます。

隅氏のサントリーと根津が線で結ばれている〜

以前の根津に愛着があったので、
どんな感じかと思いますが、
美しいラインが現れて、納得です。

東武線には日々お世話になっているから、
青山の東博にお参りに早く行かねば==!

お宝がきれいに見えるのはすごい技術ですね〜

連日の力作記事アップに拍手!!
あべまつ | 2009/10/08 8:13 AM
@pandaさん
こんにちは。

お付き合いいただきありがとうございました。
愉しかったですね〜
初めて新根津美術館拝見しましたが
これほどまでとは!!
あまり混雑するような美術館ではないので
次回はのんびりと庭園散策でも。

@mizdesignさん
こんにちは。

強引にお連れしてしまってすみませんでした。
でも、根津美術館お気に召されたようでホッと。
直線とガラスの多用
それに展示室毎の工夫。やりますね〜

@あべまつさん
こんにちは。

密度の濃い展覧会や
新しい美術館が続々誕生するので
愉しくて愉しくて!!
追いかけまわしているだけでも愉快。

振りまわされているのもまたをかしです。

新・根津美術館は空間的な広さを
感じさせます。一階のホールが
その大きな役割を担っているようです。

それとガラスを多用しているので
視野が遠くまで行きわたります。

お庭のカフェがとても気に入りました。
Tak管理人 | 2009/10/08 9:49 AM
先日はありがとうございました。
紅葉の時期の庭園散策が楽しみです。
一村雨 | 2009/10/08 10:01 PM
@一村雨さん
こんにちは。

ですね〜
都内では有数の日本庭園。
四季の移ろいが感じられる美術館ですよね・
Tak管理人 | 2009/10/10 9:47 AM
はじめまして。来月根津美術館へ行こうと思っています。検索してこのブログにお邪魔しました。参考になりました。ありがとうございます。隈さんは屋根のデザインにこだわったようですね。見学が楽しみです。
U1 | 2009/10/10 3:18 PM
@U1さん
こんにちは。はじめまして。
コメントありがとうございます。

屋根がとにかく存在感あります。
道路側と庭園側での見栄えも
全く違えてあります。
建物だけでも感動できる美術館です。
Tak管理人 | 2009/10/12 10:59 AM
新・根津美術館、でかけてきました。
薄い大屋根が印象的な建物でしたね。
展示ケースのガラスは、確かに気になりませんでした。

カフェは満員で入れませんでしたが、
まあ、また行く機会もあるだろうと思って並ばず帰ってしまいました。
Takさんの写真見たら、やっぱり並んでくればよかったと後悔しています。
よめこ | 2009/10/15 12:16 AM
@よめこさん
こんばんは。

おーー行かれましたかーー
迫力ある建物に美しい作品が
見事に納まっていましたよね。

庭園もとても魅力的。
あれだけの広い庭園手入れだけでも
さぞかし大変かと思われます。

カフェは次回ですね。
Tak管理人 | 2009/10/17 8:29 PM
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開館時間 :午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで) 休館日 :毎週月曜日(祝日の場合は翌日) 入館料金 :特別展 一般1200円(1000円) 学生1000円(800円) アクセス :地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」下車 A5出口より徒歩8分/B3出口(エレベ
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