青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< お願い。 | main | 「異界の風景」 >>

「古代カルタゴとローマ展」

大丸ミュージアム・東京で開催中の
「古代カルタゴとローマ展」に行って来ました。


古代カルタゴとローマ展 〜きらめく地中海文明の至宝〜
会期:2009年10月3日(土)〜25日(日)
会場:大丸ミュージアム・東京(大丸東京店10階)
会期中無休
入場時間:10:00〜19:30(20:00閉場)
会期中、木・金曜日は20:30まで(21:00閉場)
最終日は16:30まで(17:00閉場)

6月に行われた「古代カルタゴとローマ展」記者発表会でその内容を伺ってから開催を待ち望んでいた展覧会

日本各地を巡回摺る為、東京での公開期間も約20日間と極めて短い展覧会。短いと言えば同じ大丸で今年の初めに開催された「よみがえる黄金文明展」また同じ。デパート系の展覧会は思いもよらぬ質の高い展覧会開催してくれるも、期間が短いのが玉に瑕。

ただし今回はまだまだ残り2週間もあります。
同じ25日終了の展覧会他にはこんなものも。

「ベルギー幻想美術館」展も10月25日まで!

さてさて「古代カルタゴとローマ展」まずは基本的歴史項目の確認から。

カルタゴ Carthago
前9世紀にフェニキア人の都市国家ティルス市が,アフリカ北岸に建設した植民市。西地中海交易を独占し,前6世紀以降はギリシア植民市と対立した。前4世紀に本国が衰退したのちも,商業貴族寡頭書政の海洋国家として繁栄した。

(山川出版「世界史用語集」より)


紀元前3世紀頃の地中海世界

ポエニ戦争 Punic Wars 前264〜前146
3回にわたるローマとカルタゴとの西地中海の覇権覚けをめぐる戦争。ローマ人がフェニキア人をポエニ(Poeni)と呼んだことに由来する。
〔第1回〕前264〜前241ローマが勝ち,シチリア島を獲得した。
〔第2回〕前218〜前201ローマはカルタゴのハンニバルのイタリア侵入を受けたが,スキピオがザマの戦いでハンニバルの軍隊を破り,最終的には勝利した。
〔第3回〕前149〜前146ローマはカルタゴを滅ぼし,西地中海の覇権を握った。


現在のチュニジア共和国の首都チュニスに位置する古代カルタゴは、群を抜く航海術と交易により絶大な力を誇り、「地中海の女王」として栄華を極めたものの、当時の新興国ローマとの戦いに最後は力尽き敗れてしまいました。

カルタゴとローマの関連略年表こちらにアップしました。

「海の女王」として地中海に君臨し独自の文化を開花させた古代カルタゴと、ローマの支配下に置かれたのち「北アフリカのローマ」と称され不死鳥の如く復興を遂げた時代と大きく二つに分けた構成を今回の展覧会では採用。

とかくややこしくなり理解があやふやになりがちな古代史の展覧会に於いて、大胆に二つしかセクションを設けなかったのは大正解。世界史オンチの自分でも思う存分楽しむことできました。

第1章「地中海の女王カルタゴ」


注:会場内の様子は主催者の許可を得て撮影したものです。

31年ぶりに東京で開催される古代カルタゴ展。今回の展覧会はその9割以上が日本初公開となるそうです。近年の調査により新しく発見されたものも数多く展示。


手前は藝大の宮田学長も真っ青の「イルカを模った装飾彫刻」初っ端から「持ち帰りたい」衝動に駆られます。

中央の2枚は「奉納石碑」紀元前3-2世紀に死者の魂を鎮めるために作られたもの。形態はほぼ同じでも、書かれた文字や絵柄にそれぞれ違いがあり一枚一枚興味深く見入ってしまいます。他の展示場所でも「奉納石碑」が展示されています。

左端の細長いテラコッタは「アンフォラ」と呼ばれるもの。ワインやオリーブオイルを船で運搬する時に用いたものだそうです。先端部分が尖っているのは船内で固定するためでしょうか。それにしてもこんなに大きいと中身を注ぎ出すのにも一苦労しそうです。


副葬用果実」ポエニ時代 テラコッタ
他に象牙で作られたピンや糸巻き、針なども。


マスク形ペンダント」前3世紀 
驚くことにこれらはガラスで作られています。発掘調査で実際にガラス職人の窯も見つかっているそうです。この時代からすでにもうガラス職人の窯があったとは。。。しかも色つき!!

約100年ほど続いたカルタゴとローマの戦い(ポエニ戦争)は、結局最後はローマに敗れペンペン草も生えないほどローマ軍により徹底的に破壊されたと教科書にもありました。

そのカルタゴですが、近年の調査によりローマに支配される以前のカルタゴ時代のものが新たに発見されているそうです。↑の「副葬用果実」や「マスク形ペンダント」の他にも眼が極端に大きく描かれた「女性頭部形マスク」など観るべきものは十分。

更にまた「アンフィラ容器」「オイノコエ形容器」などのガラス製品など、とても紀元前3世紀頃のもとは思えない完成度の高さ。これじゃ〜ローマも恐れをなすわけです。

現代の我々の目から見ても完成度の高いものゴロゴロ。


とりわけこの軍港と商港を兼ねた円形の港は秘密基地のようでもあり、効率良く多くの船が往来できるよう考え抜かれた形に。模型をこんな真剣に見たの初めてかもしれません。

大丸の狭くて天井高の低い展示会場を逆手に取るように、展示にメリハリをつけ随所に工夫の跡が見受けられます。

カルタゴの英雄ハンニバルにまつわる展示品を紹介するコーナーはぐっと照明を落とし暗闇に浮かびあがる英雄の姿を見事に演出しています。



ハンニバル Hannibal 前246頃〜前183
第2回ポエニ戦争を指揮したカルタゴの名将。スペインに渡り軍事力を増強し,前218年,冬のアルプスをこえて北イタリアに侵入し,前216年,カンネーの戦いでローマ軍に大打撃を与えた。追い込まれたローマが逆にカルタゴ本土を攻撃したため召還されたが,前202年,ザマの戦いでローマ軍に大敗した。その後,政敵に追われ,小アジアに亡命,のちに自殺した。第2回ポエニ戦争をハンニバル戦争ともいう。

(山川出版「世界史用語集」より)


特別出展「」前3−前2世紀 青銅

ミネルバ(アテナ)の意匠が施されている胸当て。カルタゴの名将・ハンニバル軍との関連性が濃厚な作品。チュニジア、バルドー博物館でも普段は展示していないそうです。

ハンニバルの展示が終わるとがらりと会場の雰囲気が変わりそこは、新たにローマ人たちが作り上げた新しいカルタゴの街の様子が登場します。

第2章「ローマに生きるカルタゴ」


左:「プリアポス像」3世紀 大理石 中央:「ヴィーナス像」3世紀 大理石
右:「ライオン像」1-2世紀 石灰岩

同じ「カルタゴ」と言う街が、数百年間にこれだけがらりと文化ほぼ全体が様変わりしてしまう姿。日本人の我々には感覚として中々理解できません。

見るからにギリシャ、ローマ的な彫刻作品が並ぶ中ちょっと変わったこんなものも。こうしたユーモラスなもの西洋美術館じゃー見られません。


演劇用マスク形頭部像」2世紀 大理石

そして何と言ってもローマ時代の最大の見ものと言えばモザイク画!
日本には馴染みの薄いモザイク画ですが、ヨーロッパではあちこちで出会えます。



嬉しいことにガラスやアクリル板一切無し!
じかに目と鼻の先でモザイク画を堪能満喫できます。



きっとここのモザイク画の一角だけでも観に来る価値ありまし、お金払っても損はなし。そしてこの親玉とも呼べる5mを超える遥かに大きなカルタゴのモザイク画が、現在「カルタゴ展」に合わせ、六本木テレビ朝日にて無料公開中です。

こちらにレポあります。大迫力のモザイク画。近寄って見ると小さなサイコロ多きさの石を一個一個手で砕き、形を整えていったものです。

最後に「今日の一点


ネックレス」ポエニ時代 紅玉髄、ファイアンス、ガラス

古代エジプトの様々な神のミニチュアで作られたネックレス。イシス女神の姿も!「チュニジア」と聞くと何処となく知らない国のように感じる方も多いかもしれませんが、「エジプト」のすぐ近く。

フットボール・ラヴァーならチュニジア戦は今でもしかと覚えているはずです。森島のゴールは痺れたな〜

「古代カルタゴとローマ展」は10月25日までです!急いで〜

東京展の後は以下に巡回するそうです。

2009年10月31日(土)〜12月20日(日) 岡山市デジタルミュージアム
2010年2月11日(木・祝)〜4月4日(日) 京都文化博物館
2010年4月17日(土)〜5月30日(日) 浜松市美術館
2010年7月16日(金)〜9月12日(日) 宮崎県総合博物館
2010年10月23日(土)〜11月21日(日) 松坂屋美術館


「古代カルタゴとローマ展」公式サイト

それでは最後に「今日の美味


古代ローマ風キャンディー」蜂蜜とアーモンドは良いとして、アニスというセリの一種が独特の風味付けをしています。→アニス

おまけ


↑展示会場入って正面に展示してあったこちらの「マスク」
マスク」前3世紀末-前2世紀初頭

昨日、東博の常設展で観て来た「土面」とそっくり。

土面」縄文時代 前2世紀-前1世紀

尤も顔の形はカルタゴと日本では、随分と違いますけどね。自分はやっぱり日本人なんだな〜とこれ観てしみじみ。どうせ丸顔ですよ!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1906

JUGEMテーマ:アート・デザイン


地中海沿岸の白い街並みからサハラ砂漠まで多彩な顔を持つチュニジアは、古くから積み重なる歴史と民族、そして文化が溶け合い独自の文化を育んできました。
 今から約2800年前、フェニキア人によってこの地に建国された都市国家カルタゴは、東西地中海の貿易中継地として栄華を極めました。地中海を巡っての宿敵ローマとのポエニ戦争、名将・ハンニバルの活躍、そしてその悲劇的な結末は今日まで伝説として語り継がれています。
 本展では、カルタゴ遺跡群からの出土品と世界一のモザイクコレクションを誇るチュニジア国立博物館群の名品160点余を通して、ギリシア、ローマ、カルタゴによって繰り広げられた古代地中海世界の壮大なドラマとカルタゴで花開いた優美な芸術・モザイクを紹介します。
展覧会 | permalink | comments(9) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

白くてキレイで洗練されたものが多くて驚きました。
物販でモザイクキットがあって、ちょっと心惹かれてしまいました。
チュニスはパリから2時間程です。
パリに来たら寄って〜!と在チュニスの友人にいわれ続け早1●年。
でもこの展覧会を見たら、再来年あたり真剣に考えたくなりました。
スターウォーズファンとしては聖地でもありますしね。
さちえ | 2009/10/10 12:50 AM
こんにちは、今回は彫刻やモザイクがじかに間近で見られて私もどきどきしました。今まであまり具体的なイメージのなかったカルタゴが、これで少し身近になった気がします。
飛嶋千尋 | 2009/10/10 7:39 AM
@さちえさん
こんにちは。

モザイクキット惹かれましたか〜
あれちょっとやってみたいですよね。
手に取ってみたら重かったです!!

>チュニスはパリから2時間程です。
そうなんですよねーー
悪いことにこの展覧会観てかみさんが
チュニジア行きたいと言い出す始末。
困った困った。

@飛嶋千尋さん
こんにちは。

>今まであまり具体的なイメージのなかったカルタゴ
ですね。
歴史の中では有名ですが、如何せん残っているものが少ないので。
近年の発掘による調査で想像していたよりも
遥かに進んだ文化を有していたのだと
その片鱗を伺い知ること出来ました。
Tak管理人 | 2009/10/10 10:04 AM
エジプトもそうですが、古代文化の展覧会は時空を越える感じが好きです。二章の間の断絶、もしくは密かな継続もあったのか?などなど空想が膨らみました。
本当にモザイクだけでも見に行った甲斐がありましたが、他も見応えありましたね〜 
noel | 2009/10/10 11:19 AM
大丸ミュージアムはいつも、いい企画をやってくれていますので、パスポートを買っています。

値段も安くお買い得ですが、お中元やお歳暮の時期に美術館が消滅してしまうのが寂しいです(笑)

Takさんの記事を拝読したので、近日中に見に行ってきます。

予習はばっちりです \(^o^)/
わん大夫 | 2009/10/11 11:15 AM
初めまして。
いつも楽しく拝見させていただいております。
カルタゴ展、実は私も9日金曜日に行って来ました。
最近は物忘れが‥すぐ忘れちゃうんですが、展覧会で写真は禁止。ポストカードの枚数は限られているし、こちらのブログを見ながら思い出しております。
これからもいろいろと参考にさせていただきます。
mie | 2009/10/11 10:35 PM
@noelさん
こんにちは。

世界史を専攻していなかった不届きものの
自分が拝見しても、どっぷりとその世界観に
浸かれる好展覧会でした。
大丸の狭さが功を奏していたのかも。

@わん太夫さん
こんにちは。

大丸自体がフルオープンした暁には
美術館もしっかりとしたものに
なってほしいと願っています。

デパート系の美術館少なくなる今
大丸さんはほんと昔から立派です。

@mieさん
こんにちは。はじめまして。
コメントありがとうございます。

少しでも参考になれば幸いですが
如何せん素人ブログ、ほころびは
随所にありますので、その辺はご勘弁下さい。

開催前からずーと楽しみにしていた展覧会。
大丸の地の利もあって2回ほど伺いました。
今後とも宜しくお願いいたします。
Tak管理人 | 2009/10/12 10:56 AM
やっと伺えました。

西美の古代ローマと同時期にカルタゴを主役の展覧会、すばらしかったです。おでかけの方には、ぜひ合わせての御来場をお薦めしたいですね。

テレビ朝日の展示にもまいりましたが、カフェで展覧会記念ケーキセットがあり、はがきがいただけました(会場で販売していますが〜)。
花散里 | 2009/10/17 12:41 AM
@花散里さん
こんばんは。

流石、花散里さん良く分かっていらっしゃる!!
上野と東京合わせて拝見すると楽しさ数倍に
膨れ上がりますよね!

テレ朝のケーキセット食べましたよ〜
モザイクケーキ。
あれを今日の美味にすれば良かった。。。
Tak管理人 | 2009/10/17 9:00 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1906
この記事に対するトラックバック
    前回もちらっと触れましたが、3日(土)に東京大丸ミュージアムで始まったばかりの「古代カルタゴとローマ展」(10/3-10/25)へ行ってきまし...
地中海の女王と呼ばれた国 | 千尋の美術散歩 | 2009/10/10 7:32 AM
古代カルタゴとローマ展〜きらめく地中海文明の至宝@大丸ミュージアム・東京 http://www.karutago-roma.jp/top.html 海&トリノのエジプト2展が終わったら今度はローマとカルタゴ! と言わんばかりに、古代ロマンを掻き立てられる展覧会も続きます
古代カルタゴとローマ展 | Art and The City | 2009/10/10 11:13 AM
大丸ミュージアム東京で10/25まで開催中の 「チュニジア世界遺産 古代カルタゴ
古代カルタゴとローマ展 | よめことここの日記 | 2009/10/16 2:39 PM
今日は会期末迫る大丸ミュージアムに行ってきた。カルタゴとローマという関係が全く分からない私ではあったか、地中海をめぐる所の北アフリカ地方のこと、なのだそうだ。案外楽しめて、知らないことを見る楽しみにわくわくしてきた。
古代カルタゴとローマ展 ・大丸ミュージアム | あべまつ行脚 | 2009/10/22 9:21 PM