青い日記帳 

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「源氏物語の世界」

静嘉堂文庫美術館で10月12日まで開催されていた
静嘉堂の古典籍 第8回「源氏物語の世界」展に行って来ました。



「源氏物語」と聞くと「伊勢物語」ほどではないにせよ、無条件に反応してしまう悪い癖が。別段詳しいわけでも「語れる」わけでもないけど、悲しいかな文系の性。

普段は行くのが億劫に感じる静嘉堂へもほいほい出かけてしまう。ましてや同じエリアにある世田谷美術館や五島美術館で面白そうな展覧会を開催していれば尚更。

世田谷美術館→静嘉堂文庫美術館→五島美術館は車で掛けもちするにはもってこい。嘗て若い時分には歩いてみたりもしたが、そんな身体に優しくない無駄なことはもう出来ない。


「車寄せ」ががある美術館も珍しいかと。
流石岩崎家。三菱財閥。

そう言えば先日オープンした三菱一号館美術館のアーカイブルーム(ここはいつでも無料利用可)では、静嘉堂文庫のお宝作品も高彩度画像で楽しめます。

さて、さて「源氏物語の世界展」。

『源氏物語』本文は勿論ですが、源氏が成立する以前の物語(源氏物語の系譜)や和歌集(源氏物語は和歌が主役でもあります)から江戸時代に入ってからの賀茂馬淵や本居宣長による注釈書の類。そして錦絵から屏風まで多彩な展示がなされていました。

・経典
・『源氏物語』本文他
・物語
・和歌集他
・注釈書・故実書
・錦絵(三代歌川豊国筆)
・屏風


「仏説阿弥陀経」「妙法蓮華経」などは『源氏物語』の謂わばBGMのような存在。『源氏物語』を映画化やアニメ化した際に現代風の音楽を無理に合わせたりして大コケしているケース山ほど。基本お経と雅楽を流していれば、源氏の世界観作り出すこと可能。

チラシにある「金蒔絵源氏箪笥」は江戸時代の大名クラスのお姫様の婚礼調度品として欠くことの出来ないもの。「嫁入り本」として『源氏物語』を持たせるのは、内容的にどうかと思うのですが。。。


源氏物語」江戸時代写

ちょっと時代を遡り、南北朝時代。この頃には既に『源氏物語』の研究も行われていたようで、展示品の中にはこの時代に写された「源氏系図」が。

これが何とも言えずおかしい。光源氏を中心とする人物系図を絵巻サイズの巻物に記してあります。系図ですから「線」で結ばれているのですが、『源氏物語』のあの複雑な人物関係を超横長の巻物に書き込んであるのです。

想像してもお分かりの通り、とても見にくく、実用的ではありません。「頑張って作ってみた」といった類のものかな〜と。でも現代のものもあまり褒められたものではないですけどね。


クリックで拡大

『源氏物語』の人物系図をそもそも54帖まとめて作ろうとすること自体無謀。ただそんな無謀とも呼べる行為をはるか南北朝時代以前からやっていたのです。『源氏物語』には魔物が棲んでいること間違いなさそう。

また『源氏物語』がその後の文学に与えた影響は尋常ではないことは、源氏に続き『浜松中納言物語』『狭衣物語』『夜半の寝覚』『堤中納言物語』『とりかへばや物語』と立て続けに源氏の影響を受けた、またはリスペクトした作品が平安時代に次々と書かれたことからも明明白白。

展示されたものの中に、現存する唯一の伝本などもあり、びっくり。

三代歌川豊国の描いた「見立 若紫」が最高。伏籠の代わりに塗桶が。そして逃げて行ってしまった雀の代わりに竹トンボが描かれていました。



「源氏物語の世界」展は12日で終了。

次の展覧会は「源氏ファン」以外の方も大注目のこちら。


筆墨の美―水墨画展 第2部 山水・人物・花鳥
10月24日(土)〜12月20日(日)
前期:10月24日(土)〜11月23日(月・祝)
後期:11月26日(木)〜12月20日(日)
 墨のぼかしやにじみ、筆線の抑揚などを生かして描く水墨画。「墨色を用いて五彩を兼ぬるがごとし」といわれるように、墨の微妙な濃淡のなかにさまざまな色の世界が想起されます。一方、著色画と違って色彩がない、あるいは少ない分、明暗や奥行き、大気や水の表現にすぐれ、とりわけ早朝や夕暮れ、月下や雨中・雪中などの景色を実感ゆたかにあらわします。生動感あふれる筆線の絵、丹念な運筆の跡に画家の思いがこめられた絵など、一枚一枚の水墨画が多様な筆墨によって作られています。
 本展では、このような筆墨の表現効果に着目しながら水墨画の魅力を探っていきます。会期を二つに分け、前期には中国・南宋以来の山水画の系譜と室町時代の水墨画、後期には明時代の山水画や花鳥画、江戸時代の文人画家の作品を中心に展示します。本展を通じ、水墨画を楽しむ新たな視点を見つけていただければ幸いです。
でもって、その次が「曜変天目と付藻茄子―茶道具名品展―」2010年2月6日(土)〜3月22日(月)

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1909

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↓私の友人が上梓した本です。古文苦手な方に是非お勧め。
『源氏物語』は、11世紀初頭に宮廷女房紫式部により創作されたといわれています。全54帖。四代の帝の御代70余年にわたり、登場人物は400人以上という一大長編物語の全体は、普通三部に分けられ、栄華の中に苦悩する人間の姿が浮き彫りにされています。『源氏物語』は時代を越え、後の日本文学に多大な影響を与えました。本展では、鎌倉時代に書写された『源氏物語』本文をはじめ、先行する『伊勢物語』、また『源氏物語湖月抄』『源氏男女装束抄』『車図』など、鎌倉時代から江戸時代までに著された注釈書・有職故実書を含め、多彩な『源氏物語』の世界をご紹介します。
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