青い日記帳 

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「岸浪百草居展」

群馬県立館林美術館で開催中の
「生誕120年 館林に生まれた日本画家・岸浪百草居展」に行って来ました。



地元出身の画家を紹介する美術館主催の企画展示。メジャーな作品を集めた巡回展には無い良さがあります。
明治22年に館林に生まれた日本画家・岸浪百草居(1889-1952)は、南画家であった父・岸浪柳渓(1855−1935)や、同じく館林出身で近代南画のリーダーであった小室翠雲(1874-1945)に学び、大正から昭和の文展、帝展、日本南画院展などで活躍しました。本名は定治(さだじ)と言い、比較的長く使用した号に「静山(せいざん)」「百艸居(ひゃくそうきょ)」「百草居」があります。
南画→写実(写生画)→魚類画とカメレオンのように変化を見せた、岸浪百草居(きしなみ・ひゃくそうきょ)が手がけた作品の変遷を見て取ることが出来ました。


芭蕉」1928年

南画の良さというか、魅力をまだまだ全く理解できない自分。点々で描かれているけど、点描画とは違うことや、必ずと言っていいほど小さく人物が描き込まれているのを発見するくらいしか楽しみ方を知りません。未熟者です。


写生(トウガラシとナス)」1939年

とてもやさしく調和のとれた色遣いが特徴的。数多く展示された写生画を拝見しているると、とても柔和な人柄であったのでは?と思えてきます。

館林近辺では「ナマズ」を天ぷらにして現在でも食しますが、そのナマズも実に生き生きと「美味しそう」に!描いてあったのが印象的。


桜鯛」1947年

魚の絵の画像がこれしかないのですが、展示されていた多くはまさに魚類図鑑にそのまま掲載できそうな(実際されている絵も多数)レベルのものばかり。

さかなクンなら、余裕で一日ここで過ごせてしまうでしょう。

しかし、生き生きと清流を泳ぐ鮎を描いた作品のすぐ隣に、串刺しにした鮎を塩焼きにしている作品を展示するのはどうかと思いましたが。。。

それと、最後の方に「ブラックバス」の絵も。昭和28年にこの世を去った岸浪百草居。そんな前から日本にブラックバスっていたのですね。福田平八郎ちっくな鮎の絵も良かったな〜

最後に「今日の一枚


蛙遊戯画帖」出光美術館蔵

「鳥獣戯画」のテイストはそのままに、モチィーフを現代風にした大変ユーモラスな作品。登場するのは擬人化されたカエルたち。野球が大好きなようです。

所蔵先が出光美術館だと知りビックリ!出光興産創業者の出光佐三氏や小杉放菴など岸浪百草居の幅広い交流を伺わせる作品でもあります。

「岸浪百草居展」は11月23日までです。


群馬県立館林美術館
〒374-0076 群馬県館林市日向町2003
tel:0276-72-8188(代表) fax:0276-72-8338


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苦言
今日、館林美術館へ伺ったのは、佐藤康宏氏(東京大学大学院教授)による講演会「日本の南画−江戸時代の新興美術運動−」を拝聴する為。

もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品の著者である佐藤氏の講演は一度是非伺ってみたいと思っていました。これまでチャンスはあれども仕事との折合い付かず泣く泣く断念。


やっと念願叶い今日拝聴出来ることに!

ところが、美術館内にある講堂へ一歩足を踏み入れるとまるで冷蔵庫の中に入ったかのように寒い。ガラス一枚隔てた外は今にも泣き出しそうな曇り空。多々良沼近くの何もない吹きっさらしの館林美術館周辺は気温どれくらいだったのでしょう。想像に難くありません。

ダウンジャケットを羽織ったまま。それでも耐え切れず美術館職員に室温をあげて下さいとお願いすると驚きの答えが。「空調が故障しているので、このままです。」このショッキングなセリフを耳にしたのが講演会開始の5分前。それならちゃんとアナウンスしてよ!!

開始の挨拶時に司会者がその旨さらりと説明したけど遅いって。これから90分間このまま冷蔵庫の中かい。酷い話だ。

館林美術館さんに問う。空調が壊れていたことが判明したのはいつなのか?別の部屋に会場を移すことは考えなかったのか?何故寒さ対策を講じなかったのか?何故会場入口でその旨を聴講者に伝えなかったのか?

駐車場に停めた車の中に上着を置いて来られた方もいましたよ(確認済み)目と鼻の先にホームセンターありますよね、せめてホッカイロの一つでも配ろうという機転を利かせられるスタッフはいないのかい?(いないからこうなるのだけど…)

自分は市川市から車で、memeさんはレンタカーまで借りてわざわざ館林美術館までこの講演会を聴くために今日出向いたのに、それはあんまりでは。酷い仕打ちだ。

そして何より、あれだけのスライドを準備し、お話下さった佐藤先生にあまりにも失礼では。

パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。

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佐藤 康宏
放送大学教育振興会
(2008-09)

明治22年に館林に生まれた日本画家・岸浪百草居(1889-1952)は、南画家であった父・岸浪柳渓(1855−1935)や、同じく館林出身で近代南画のリーダーであった小室翠雲(1874-1945)に学び、大正から昭和の文展、帝展、日本南画院展などで活躍しました。本名は定治(さだじ)と言い、比較的長く使用した号に「静山(せいざん)」「百艸居(ひゃくそうきょ)」「百草居」があります。
はじめは中国の文人画に由来する概念である「南画」の画家、南画家として出発しましたが、中国や欧米を訪れたこともきっかけとなり、自宅の庭の植物などの写生を通じて画風を転換し、徐々に魚類を描く画家として認められるようになりました。蛙などをモティーフとした愛らしい戯画的な作品にも大変魅力があります。戦中・戦後には、三越百貨店美術部で何回か個展を開いており、第二次世界大戦末期から戦後にかけて、群馬県西部の南蛇井に1年ほど疎開したこともありました。
晩年にはNHKラジオの看板クイズ番組「二十の扉」やテレビにもたびたび出演するなど知名度も増し、東京大学教授で魚類の研究者であった檜山義夫との共著で挿絵を提供するなど、さらに活躍が期待されていました。ところが、残念なことに病に倒れ、《魚類図鑑 海魚の部》に引き続いて昭和天皇に献上する予定であった《淡水魚の部》については完成させることができず、東京都世田谷区に住んでいた昭和28年、聖路加病院でその生涯を閉じています。

百草居に関しては、小杉放菴(1881−1964)との親しい交流が知られていますが、ほかにも様々な文化人との交流があり、特に小杉放菴宅で在野の漢学者・公田連太郎を招いて1927(昭和2)年に始まった漢籍の勉強会「老荘会」では幹事的な役割を果たしました。財界人や文士などを集めたこの集まりには出光興産創業者の出光佐三なども出席しており、洋画家・中川一政(1893−1991)との交流も深まっています。また、「如水画談会」で東京商科大学(現在の一橋大学)関係者に絵を教えており、1934(昭和9)年には第1回展も開かれました。

生誕120年にあたって群馬県立館林美術館で行う今回の展覧会は、館林市第一資料館で1998年に開かれた「岸浪柳渓・岸浪百草居−その芸術と足跡−」展以来、11年ぶりの大きな回顧展となり、前回出品されなかった作品も多数出品されます。現代にも通じる百草居作品の知られざる魅力をぜひ展覧会会場で発見していただければと思います。
展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

おはようございます。
「モーリス・ルイス」展で引っ掛かって、ブックマークしておきそのままだったのですが、たけさんのHPへ改めてお邪魔しました。
御社HP内容一杯あり過ぎていっぺんに見切れません。が、
時間かけて楽しませて頂きます。
◎印象
・随分優雅に楽しんでいらっしゃいますね。
・とっくに玄人!これから美術関係立寄る羅針盤にさせて頂きます。
・館林美術館苦言は、館林美術館奮起せよ!と云うたけさんの愛情表現と承知。でなければ館林美術館を掲載しないでしょう。commentsが0なのは、美術館関係者がこれを知らないから?
・「安井曽太郎の肖像画」これから見に行く予定。
で、またこちらのコメント拝見します。

東京散歩 | 2009/11/23 11:28 AM
@東京散歩さん
こんばんは。
コメントありがとうございました。

楽しめるうちに楽しんでおかないと
後悔しますからね、出世とか考えずに
展覧会の花道を。

館林美術館さんは好きな美術館なだけに
とても残念でした。来館者に対する
「気持ち」が圧倒的に足りません。

ホッカイロひとつくらいで寒さはしのげないとか
言われそうですが、それこそ「気持ち」なんですよねー
せめてもの。
Tak管理人 | 2009/11/23 5:11 PM
講演会に遅刻〜と急ぐあまり、邪魔なダウンを
車に置き去りにしたのは痛恨でした。
ユニクロヒートテックでも防げぬ寒さ。
寒さのおかげか、講演会は眠気ゼロ寒気100%。

百草居を南画の範疇に入れるのはどうかと。
講演と展覧会の内容が合ってなかったように
思いました。
meme | 2009/11/23 6:52 PM
@memeさん
こんばんは。

先日は「寒い中」頑張りましたよね!
お互いに。
かみさんは我慢できず途中退席してしまいましたが。。

百草居と若冲との関連性とか
お話いただけると嬉しかったですね。
あとで質問はしましたが。
Tak管理人 | 2009/11/26 8:26 PM
はじめまして、かにたんと申します。
放送大学で佐藤先生の美術史を取っていたことから検索で
辿りつきました。

興味深々な記事ばかりで度々お邪魔してしまうと思うので
ご挨拶を…と思いコメントさせて頂きました。

素晴らしく好物ばかりが並んでおり、どこから拝見したら
よいか!!

ブログも持っているのですが、良く使いこなせてないので(笑)
まずはお気に入りに登録させて頂きますね。
かにたん | 2009/11/27 4:09 PM
@かにたんさん
こんにちは。はじめまして。
コメントありがとうございます!

佐藤康宏先生のお話を直接
伺える機会ことごとく逃して
いたのでやっと拝聴でき
それだけひとまず大満足でした。

内容に関しては追々こちらの
ブログでもアップする予定です。
ちょっと今、公私ともに立て込んで
いるので遅れますが。。。

(佐藤先生、申し訳御座いません)

今後とも拙ブログ宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2009/11/28 10:48 AM
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