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新創開館記念シンポジウム「美術館をつくる−根津美術館の実践と提言−」

根津美術館で開催された
新創開館記念シンポジウム「美術館をつくる−根津美術館の実践と提言−」に行って来ました。



「根津美術館の新創事業を支えた各分野の専門家を迎え、プロジェクトの取り組みを紹介することで、美術館の現在と未来を考えます。一般から美術愛好者、美術研究者を対象とした学術プログラム。」

とweb上にはありましたが、お越しになっている方の多くが美術館関係者だったのでは?と。質問もかなり突っ込んだ内容のものが。ただ残念なことに、今日仕事が入ってしまい、午後の部、佐野千絵氏の発表からの参加。弥田俊男氏のお話は是非とも拝聴したかったのですが…まぁそん年中上手い具合にこと進みませんよね。

雨がぽつぽつ降って来た頃、表参道駅から根津美術館までダッシュ。

基調報告の司会者の方のその人、その場に応じた機転の利くテンポ良い進行ぶりにまずとにかく感心。思わず、心の中で快哉を叫んでしまいました。これぞ望んでいた求めていた理想の司会進行役だと。

これまで美術館関係のシンポジウムやトークショーで毎回がっかりさせられたのが、司会者。登壇者に話をさせず自分でベラベラ。あんたの話を聞きにわざわざ言ったのではない!と何度思ったことやら。

シンポジウム終了後のレセプションの場でその司会者(根津美術館学芸部課長 白原由起子氏)の姿を目にするやいなやお礼の言葉を勝手に述べていました。


注:写真は許可を得て撮影したものです。

<シンポジウムプログラム>

10:30
開会の挨拶 根津美術館館長 根津公一

10:35−11:05
基調講演1 隈 研吾
演題:都市と美術館(ビデオによる)
要旨:現代の美術館は、都市の居間空間である。20世紀は、それぞれの住居が居間を持とうとした。21世紀には、都市がひとつの住居となり、美術館はその居間として、都市のコミュニケーションの中心的な空間となるであろう。そのような新しい時代の美術館のモデルとして、根津美術館をデザインした。

11:10−11:40
基調講演2 西田宏子
演題:夢と理想の美術館を作った軌跡
要旨:美術館の建物は美しくなければならないが、その建物をどうしたら良い美術館に作り上げてゆくのかという課題に、夢と理想の姿を追求した。事業主が考えることを設計者と施工者が理解してくれることが、もっとも重要な点であることを痛感した三年半であった。また、収蔵庫を免震も、環境も完璧に近い状態に作り上げたいという希望は、老朽化した蔵と過ごした年月からきたものである。無理難題が実現して形になってゆくのは素晴らしいことだった。

11:45−13:00 [昼食・休憩]

開催中の新創記念特別展 第2部「根津青山の茶の湯」展も拝見して来ました!

新創記念特別展 第2部
根津青山の茶の湯 初代根津嘉一郎の人と茶と道具
2009年11月18日(水)〜12月23日(水・祝)


13:00−15:45 報告
報告1(施工) 菅野元衛
テーマ:収蔵環境改善の解き方から美術館全体計画推進へ
要旨:根津美術館が直面していた収蔵環境の課題に対して、美術館全体の改善を視野に入れた既存棟の改修・活用による解決策に至った経緯とその根拠、さらに、優れた美術館の性能を実現するための建築技術的な取組みについて概説する。

報告2(施工) 太田昭彦
テーマ:収蔵庫空調設計とシュミレーション
要旨:(未)収蔵庫の収蔵環境を作るうえで空調設計に求められたポイントとその検討について、作成した気流シュミレーションを交えて報告する。

報告3(建築設計) 弥田俊男
テーマ:「美術館づくり」に大切なこと
要旨:長年にわたりとことんまで議論や検証を重ねて、新しい根津美術館を作り上げたプロセスとその成果について報告する。

報告4(環境) 佐野千絵
テーマ:文化財の展示と保存環境
要旨:−文化財を未来に受け渡すための保存活動と、現代で価値を共有するための展示活動−その両立を目指して、学芸員たちとディスカッションしながら作り上げていった展示と保存環境について、その基本と解決の取り組みを紹介する。



報告5(展示ケース) 山内佳弘
テーマ:展示ケースに求められるもの
要旨:陳列作品の魅力を最大限に引き出すための器としてどのような寸法や色などが最適か、また一方で保存性・安全性・取扱い性など多くの要求事項をどのように盛り込むかを関係者で協議しながら、どのような手順で展示ケースが作り上げられたのかを報告する。

報告6(照明) 豊久将三
テーマ:展示作品と光の波長
要旨:根津美術館の収蔵展示作品を美しくみせるために、今回は光源の波長からオリジナルの設計をしている。簡単な例をもって、その説明を行う。

15:45−16:00 [休憩] 

16:00−17:00
ディスカッション
菅野元衛・太田昭彦・弥田俊男・佐野千絵・山内佳弘・豊久将三  司会:西田宏子

17:00−18:00
レセプション:講堂前スペース


コクヨファニチャー株式会社 設計推進部の想像力と技術を結集させ完成に至った青銅器展示室の特殊ケースの模型。

こちらが完成し展示室に設置された状態。

3点の重要文化財「饕餮文方盉」が最も美しく観られるよう打ち合わせを何度も何度も重ねこの特殊な形のケースに。

また、ニュースなどでも大きく報じられた根津美術館の照明。

美術館としては初めて全ての照明にLEDを採用。展示される作品に合わせ最適な照度になることは当然。LEDの光の点々が器などに映り込まないような工夫も施されているそうです。

<発表者プロフィール>(発表順)

隈 研吾(くま けんご) 
建築家・東京大学教授
根津美術館ほか、美術館を多数手がける。

西田宏子(にしだひろこ) 
当館副館長・学芸部長
平成2年の元・新館整備を経て、今回の新創事業に当初より参画する。

菅野元衛(かんのもとえ) 
清水建設株式会社 プロポーザル本部プロポーザル推進部 課長
新・根津美術館の企画・構想から約10年にわたり担当者として関わる。

太田昭彦(おおたあきひこ) 
清水建設株式会社 関西事業本部 設備設計部 設計長
収蔵庫を含む美術館全体の空調設計を担当する。

弥田俊男(やだ としお) 
隈研吾建築都市設計事務所 設計室長
計画の当初より設計・現場監理を通じて新本館建築計画全体に関わる。

佐野千絵(さの ちえ) 
東京文化財研究所 保存修復科学センター 保存科学研究室長 
当館の建築計画について保存環境および展示環境の面から指導・助言を行う。

山内佳弘(やまうちよしひろ) 
コクヨファニチャー株式会社 設計推進部 西日本公共設計グループ MUSEUM TEAM チーフエンジニア 
当館展示ケース・内装の設計を担当する。美術館・博物館のケース設計を多く手がける。

豊久将三(とよひさしょうぞう) 
株式会社キルトプランニングオフィス 代表取締役 
照明家。展示ケースおよび館内の照明システム全体の設計・製作を行う。


根津美術館


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この記事に対するコメント

早速、詳細な情報が掲載されていることに驚きました。ありがとうございます!

弥田さんのご報告をお聞きになれなかったのは残念と思いますが、その内容はおもに仕事に対する姿勢といった抽象論でしたので、むしろ最後のディスカッションで具体的なお話をお聞きになれてよかったと思います。

なお、私の苗字は白原でございます…。

これからも、当館ならではのプログラムをしてゆきたいと考えておりますので、その節はお越しくださいますよう。

白原由起子 拝

白原由起子 | 2009/12/06 12:44 PM
白原由起子さま
こんにちは。
このような場所にコメント頂戴し恐縮です。

お名前早速訂正させて頂きました。
いつものことながら、やっつけ仕事でミス満載です。
大変申し訳御座いませんでした。

拝聴させて頂いた方々のレポートも
それぞれ順次こちらにこっそりアップしていくつもりです。
展示ケースと照明のお話だけでもそれこそ
ひとつのプログラム成立するかと。

ディスカッションの最後に話されていた
庭師の風間氏とのトークセッション是非実現させて下さい。

今後とも宜しくお願い申し上げます。
Tak管理人 | 2009/12/06 12:51 PM
Takさんの東西奔走のご活躍ぶりに感謝します。
根津美術館の照明と展示ケースにベタ惚れしたので、山内氏と豊久氏の報告は聞きたかったです。
POLA MUSEUM ANNEXで面白い試みしてますよね。豊久氏は
panda | 2009/12/07 4:46 PM
@pandaさん
こんばんは。

展示ケースはコクヨさんだったのでした!
内側に開くそうですが、どこがどう開くか
さっぱり分かりませんよね。

照明の豊久氏、ポーラ行かねば!
サントリーも法隆寺館も!!

無理して出向くだけの価値ありました。
Tak管理人 | 2009/12/07 8:23 PM
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