青い日記帳 

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「‘文化’資源としての<炭鉱>展」

目黒区美術館にて開催中の
「‘文化’資源としての<炭鉱>展」に行って来ました。



Part.1 - <ヤマ>の美術・写真・グラフィック
Part.2 - 川俣正コールマイン・プロジェクト〜筑豊、空知、ルールでの展開
Part.3 - 映像の中の炭鉱  ※会場:ポレポレ東中野


川俣忠の作品を観て、今回初めて「こりゃいいわ」と思いましたが、それよりも何よりもPart.1(特に第1章)に展示されている明治期の炭坑の様子を描いた作品の前では、声失います。

山本作兵衛の一見「紙芝居」のような作品もよくよく見れば、そこはまるで自分の知らない世界。目を反らしていけない世界。この展覧会に展示されている煤けた重苦しい作品と対峙するには、かなりの体力と精神力が必要。

山本作兵衛の作品はこちらで観られます。

「ちょっと前の日本って、こんなんだったのですね。」等と軽々に感想を一人として語れない雰囲気。現実の持つ恐ろしさをまざまざと見せつけられます。

それと、ここ最近そこかしこで取り上げられている「廃墟ブーム」(廃墟萌え)。そう軍艦島も含めて。ブームや萌えや一種ノスタルジア的な捉え方では全く全然理解することの出来ない「つい最近の世界」が圧倒的な作品量で迫ります。

これでもか、これでもかと。

もし企画力だけでベスト5あげるとするなら、必ずこの展覧会ランクインすること間違いありません。よくぞまぁ開催にこぎつけてくれたものかと。

「part.1 - <ヤマ>の美術・写真・グラフィック」(目黒区美術館1階・2階)は、油彩、日本画、水彩、版画、彫刻、素描、写真、ポスターなどグラフィックで構成されます。山本作兵衛「筑豊炭鉱絵巻」、千田梅二「炭坑仕事唄板画巻」、三菱美唄美術サークル「人民裁判」、野見山暁治「廃鉱(A)」、池田龍雄「腕」、横山操「夕張炭鉱」、風間完「青春の門」、吉増剛造「石狩シーツ」、岡部昌生「ユウバリマトリックス」、土門拳「筑豊のこどもたち」、奈良原一高「人間の土地」、上野英信ほか編「写真万葉録・筑豊」(全10冊から)、本橋成一「炭鉱(ヤマ)」、1950年代の炭鉱のポスターなど、約60 作家による400 余点の出品により炭鉱と戦後視覚芸術の展開をたどります。


Part.2 - 川俣正コールマイン・プロジェクト〜筑豊、空知、ルールでの展開

「Part.2 - 川俣正コールマイン・プロジェクト〜筑豊、空知、ルールでの展開」(目黒区美術館区民ギャラリー地下1階)は、川俣正が1996〜2006年の10年間取組続けた「Coalmine田川」のプロジェクトを総括し、空知とドイツのルール地方での新プロジェクトを展望する、新作インスタレーション。目黒区美術館区民ギャラリー全面を使用しての個展です。

「‘文化’資源としての<炭鉱>展」は12月27日です。

会場内の様子は展覧会のサイトにあります。

    


目黒区立美術館
〒153-0063 目黒区目黒2-4-36
tel.03-3714-1201


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1973

JUGEMテーマ:アート・デザイン


1950年代のエネルギー革命によって、エネルギー資源は、石炭から石油へと急速にとってかわられました。今や、石炭を目にしたことのない子供たちが多数を占め、取って代わった石油にも枯渇の危機が懸念されるにいたっています。石炭産業が国家的事業として、戦後の日本の復興に大きく寄与していた時代はもう遠い過去のことのように思えてきます。しかし、そのような時代になればなるほど、炭鉱への関心が様々な形で喚起されているようにもみえるのは一体なぜなのでしょう。

例えば、最近では軍艦島上陸ツアーが人気を呼んでいますが、これは石炭掘削のための立坑などの巨大設備を 「近代化遺産」と呼び、産炭地を見て回るという、新たなツーリズムの一典型とみることができるでしょう。また、かつての炭鉱従業員のための住宅(炭住)を舞台に、「フ ラガール」や「東京タワー」のような、人情味ある人間 関係を描いた映画が、多くの人々の共感を得たのもつい最近のことです。そこには、失われたものへのノスタルジー(郷愁)の喚起という側面もある一方、今は失われてしまった、人間味のある大きな力への渇望や人情味ある人間関係などへの希求があるに違いありません。

戦後社会の高度経済成長を支えた炭鉱を、「視覚芸術」はいかにとらえ、どのように表現し、「現在」にどのような炭鉱イメージをもたらしたのでしょうか。本展は、炭鉱と視覚表現の歴史的な関わりを検証いたし ます。同時に、かつて‘地下’資源で繁栄した産炭地が、エネルギー政策転換などで経済的苦境にある現在、 炭鉱などを主題にした美術をはじめとする視覚芸術の‘文化’資源化を提起します。‘文化’資源化による産炭地域の社会再生について、息の長い思考と取り組みを期待してのものです。さらに、石炭とその問題の表現を通じて、私たちを取り巻くエネルギーに対する考え方、姿勢などについて再考する機会ともなることを期待します。
展覧会 | permalink | comments(2) | trackbacks(8)

この記事に対するコメント

こんにちは。
私には思い入れが大きすぎて客観的になれないこの展覧会。
皆さんがどう受け止められたのかとても気になります。

たしかに「廃墟ブーム」「工場萌え」なんて気分で行ったら痛い目にあいます。
実際のところ、そういう客層は少ないそうですし
夜の講座もその手の人はほとんど受講していませんでした。

学芸員の力でこれだけの「企画」を実現した功績はお見事。
テツ | 2009/12/22 12:15 PM
@テツさん
こんばんは。

炭坑といえばテツさんですからね!
会期あと2か月くらい伸ばしたいお気持ちでは。
実際もっともっと多くの方に足運んで
もらいたいですよね。

すっかり遠い過去のように考えられていますが、
ほんと「つい最近」のことなのですから。
足場を見ずしてこの先の発展あり得ません。

>学芸員の力でこれだけの「企画」を実現した功績はお見事。
同意!!
Tak管理人 | 2009/12/24 4:53 PM
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