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上出・九谷・惠悟展「九谷焼コネクション」

青山スパイラル1Fのスパイラルガーデンで開催中の
上出・九谷・惠悟展「九谷焼コネクション」に行って来ました。



九谷焼の産地石川県能美市にある窯元、上出長右衛門窯(かみでちょうえもんがま)。昨年創業130年を迎えた歴史あるこの窯元の跡取り息子でもある、上出惠悟氏の個展。

とにかく面白いからすぐ行って!

上出惠悟(かみで けいご)
1981年石川県生まれ、2006年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。実家である九谷焼窯元上出長右衛門窯でデザインや企画に従事する傍ら石川を拠点に作家としても活動し、「甘蕉」「蛍光管」などを発表した。


石川県の伝統工芸である「九谷焼の展覧会」を何故スパイラルで??とお思いになるかもしれませんが、上出惠悟:上出長右衛門窯が手掛ける九谷焼はそんじょそこいらの焼き物とはまるで違います。

焼物の展覧会というより現代アートの展覧会。そうかと言って難解なものはほとんどなく、観て目で素直に楽しめる焼物作品ばかり。こんな既成概念打ち破るような焼物の展覧会が観たかった!!


3枚の小皿が並んでいます。
右:小皿のウサギ何かに感ずた様子。中央:「あっ!矢が飛んできた。急いで逃げろ〜」(小皿の右上から矢が飛んで来ているの分かります?)。左:矢は見事命中、小皿は粉々に。でもウサギさんは無事脱出し事なきを得たよう。

注:会場内の写真は主催者と作家の許可を得て撮影したものです。

上出惠悟:上出長右衛門窯が作り出す九谷焼は現在でも一枚一枚絵付けを手描きで行っているそうです。次の画像の18枚の絵皿、一見すべて同じ絵柄に見えますが、実は手作業によるもの。それぞれ一点ものなのです。


転写技術が進んだ現在、手間と時間をかけ手作業で絵付けをしている所は一体どれくらいあるのでしょう?手描きの九谷焼も転写の九谷焼も同じ「九谷焼」として百貨店その他で陳列され我々素人にはその違い、分からないものです。せいぜい判断できても値段差くらい。

上出惠悟氏のおじい様の代には百枚単位で同じ絵皿の注文が来たりしたのだそうです。自由気ままに絵付け可能な「一点もの」ではなく「揃い」の品。それをこなしてこられた職人魂を上出惠悟氏もしかと継承されているのです。

そしてこの18枚の揃いの絵皿は、安価に流通する転写九谷焼に対する強烈なアンチテーゼでもあるのでしょう。しかしその辺をこれ見よがしに表現しないのが流石跡取息子。18枚の絵皿の中に敢えて「珍客」を描き込んでもいます。そうした遊び心も有しているアーティストさんなのです。


コーン盃

「コーン盃」や「走る急須」など、焼き物に対するお堅いイメージを粉砕する強烈で個性的な作品もあるかと思えば、全くひねりも何にもなくド・直球の伝統的な九谷焼の作品も中に混じって展示されています。

「これ何処が斬新なんだろう?」とフツーの九谷焼作品の前でしばし腕組みしてしまうことも。やられた〜完全に上出惠悟氏のペース。

現在、森美術館で開催中の「医学と芸術展」に3種類のドクロの「お菓子壺」が展示されていたの覚えていらっしゃいますか?あれも上出惠悟:上出長右衛門窯の作品のひとつです。今回スパイラルにも1点別の「髑髏お菓子壺」が出ています。

スパイラル展示会場内では作品も購入可能。

写真奥が販売ブース。
手前はそう、地球儀です。九谷焼の。。。

で、どうしても紹介したかったのは写真左真ん中辺にある四角い木箱のようなもの。これは全体何なのか…それを説明するには、まずこの方を紹介せねばなりません。

ちゅう右衛門
九谷焼中興の祖九谷庄三の出生地寺井村(現在の能美市)に明治十二年初代上出長右衛門が「長右衛門窯」を開窯した年、同地にてその生をうける。窯元に住むねずみとして、幼い日より職人の技や品物を目にしながら、独学で九谷焼の研究に没頭し百三十年。歴史ある長右衛門窯で唯一匹、その伝統をそのまま保持し、日々努力と情熱を九谷焼に燃やし続ける。

上出長右衛門窯に住むネズミの陶芸家ちゅう右衛門殿。

この方の「大陶芸展」が開催されている会場がまさしく写真中央付近にある四角い箱なのです。よく見ると梯子がついていますよね。

今回は特別に許可を頂戴しその会場内を激写!
箱の入口から覗いて見ると…


素晴らしい〜

流石、齢130年のちゅう右衛門翁の大陶芸展だけあります。一流百貨店の絵画・陶芸販売サロンの趣き。ちなみに反対側の入口から覗き見ると件の「地球儀」をも見渡せる仕掛けに。なんて壮大なんでしょう!

何でも聞くところによると、ちゅう右衛門殿は絵付けをその尻尾の先で行っているとのこと。上出惠悟さん頑張って!!

日本橋高島屋の「北大路魯山人展」もいいけど、ユニークでちょっぴり辛口な魅力あふれる、上出・九谷・惠悟展「九谷焼コネクション」超お勧め!

無料だし、期間中無休、しかも夜8時まで。これは行くしかないでしょう〜「これまでに見たことのない、九谷焼の可能性と広がり」を是非是非。

最後に「今日の一点


手前の作品ではなく展覧会の「看板」が今日の一点。これ印刷ではなく上出惠悟氏自ら手書きでこしらえたもの。そう「手描き」です。「転写」ではなく。

KAMIDE
KUTANI
KEIGO exhibition
KUTANI CONNEXION


↑この文字から下の小さな文字もすべて手書き。
立派な作品なのです。

上出・九谷・惠悟展 「九谷焼コネクション」は1月20日までです。

会場:スパイラルガーデン/1F
時間:11:00〜20:00 無料 会期中無休
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル

【関連イベント】

「アーティストトーク」 上出惠悟×南條史生(森美術館館長)
1月20日(水)19:00〜 ※着席定員50名

「『KUTANI SEAL』ワークショップ」
1月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)
15:00〜、18:00〜
各回定員15名、参加費 3,500円(税込)※完成品は後送します

普段は手仕事による絵付けを行っている上出長右衛門窯。今回は、伝統的な文様や長右衛門窯ならではの楽しげな絵柄を特別にシール状にし、それを器に張り付けることで九谷焼の絵付けを気軽に楽しめるワークショップを行います。
虎や菊、瓢箪、布袋様・・・など数多あるシールからお好きな柄を選んで、あなただけの九谷焼を作ってみませんか??

KUTANI SEALとは?
「KUTANI SEAL」とは、転写技術を使い、楽しく九谷焼と親しんでもらう事を目的としたプロジェクトです。
転写とはあらかじめ印刷された文様を、シールのように器に貼付け製品を量産する技術として確立されています。

関連イベント参加ご希望の方は、お名前、ご所属、お電話番号(※ワークショップご希望の方は、日程と時間)と、件名に「アーティストトーク希望」または「ワークショップ希望」をご明記の上、press@spiral.co.jp宛てにメールにてお申し込みください。定員になり次第、受付終了とさせていただきます。


それでは最後に「今日の美味


今はなき「Wendy's(ウエンディーズ)」の「チリビーンズ
ゼンショーこれだけでも残せ!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1998

JUGEMテーマ:アート・デザイン




スパイラルの2010年、最初の展覧会は上出・九谷・惠悟展「九谷焼コネクション」を開催します。本展では、明治以来の歴史を持つ石川県能美市の窯元・上出長右衛門窯と、その窯元を継ぐ立場である若手アーティスト・上出惠悟から広がる斬新な九谷焼の世界をご紹介します。

会場のスパイラルガーデンには、「九谷焼」という言葉が想起させる"石川の伝統工芸"、"華やかな器"といった既成概念を飛び越えた、ユニークな作品が約30 点以上登場します。

伝統と確かな技術力を持つ上出長右衛門窯。その技術を受け継ぎながら、作品は身の周りにある素材をモチーフとし、上出の自由な発想と創造力によって多様に展開していきます。急須にタイヤをつけた"走る急須"、アイスクリームのコーンを模した"コーン盃"など、日々使用される器にほんの少し遊び心が加えられ、実にユーモア溢れる世界を私たちに提示してくれます。今回は、伝統的な文様である「花詰」に彩られた髑髏(どくろ)型のお菓子壺の作品や、地球儀の新作も展示します。
 
これら多様な作品を括るのは"九谷焼"というひとつのメディアですが、その楽しみ方は、使う・飾る・祝う・愛でる・遊ぶ・学ぶ、など実に様々です。従来の九谷焼の域を超え、多様でユーモアのある世界は、私たち観るものの視点を少し変え、日常に潜む変化に富んだものへの気づきを与えてくれます。
"生活とアートの融合"を目指すスパイラルで展開する同時代の豊かな九谷焼の世界を、この機会に是非ご覧下さい。

展覧会 | permalink | comments(5) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

九谷大好きなので行けないのはそれこそ痛恨です。
おまけにこんな楽しそうなアート系展覧会。
工芸品は実際に見てこその質感とかありますものね。
(絵画も勿論そうなんですが)
ダブリンでみたタラのブローチや金の船も写真で納まる
魅力ではありませんでした。
OZ | 2010/01/07 6:28 AM
またまた連投すみません。

お父上の退院おめでとうございます。
春から縁起が良い!
いくつになっても両親には元気で居てもらいたいと
つくづくおもいます。(あまり元気でもないんですけどね)
OZ | 2010/01/07 11:56 PM
@OZさん
こんにちは。

五代目が若い割には
考え方とかしっかり持っているので
これは安泰だなと。
そして新たな飛躍につながるなと。

ただの変化球だけでないところ、
実際に窯元で焼いている所などなど
伝統美に基づいたうえでの挑戦。

この方、要チェックですこれからも。
Tak管理人 | 2010/01/10 11:34 AM
まずは、10日以上も前の話になってしまいますが、
お父様のご退院おめでとうございます。

こちらの記事を読んだ後、
これまた先週末の話ですが、スパイラルまで観てきました。
ギャグ作品満載!と思いきや、普通の九谷も見られたりして面白かった。
最終日のトークにも参加したいところですが
恐らく時間的に無理かな…。
ちゅう右衛門翁の人となり、ならぬ
ねずとなり、についてももう少し知りたいです(笑)
minamimusashi | 2010/01/16 11:49 PM
@minamimusashiさん
こんにちは。

九谷焼きでの単なるパフォーマンスに
終始していないのが見所ですよね。
時たまごくまじめな作品もあったりと。

私も南條館長とのトークに参加したいのですが
どうも無理そうです。
行かれたかたの「つぶやき」でも待ちます。
Tak管理人 | 2010/01/20 4:00 PM
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