青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 特集陳列 舞楽装束 | main | 「ボルゲーゼ美術館展」 >>

「エレメント」構造デザイナーセシル・バルモンドの世界

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の
「エレメント」構造デザイナーセシル・バルモンドの世界展に行って来ました。



セシル・バルモンド(Cecil Balmond、1943年〜)の名を知らずとも、また「構造デザイナー」とは何なのかを理解してなくても、、、とにかく何が何だか分からなくても「これは凄い!」と思わず唸ってしまう展覧会。何の予備知識物なく出かけましたが、予定していた時間をはるかにオーバーし会場に居続けてしまいました。

前回同じ場所で「ヴェルナー・パントン展」を開催していたとはとても思えないほどの変わりっぷり。因みに今回もまた靴を脱いで観賞するスペースがあります。ブーツを履いていき大変苦労しました。

一般の建築展やデザイン系の展覧会とは違い、模型や図面などが展示されているわけでもなく、会場全体が統一感のとれた「セシル・バルモンドの世界」と変貌を遂げています。

それでは、「セシル・バルモンドの世界」へご案内。会場写真観ると必ずやその場に居合わせたくなります。そして「構造デザイナーセシル・バルモンド」って一体何者?と興味が湧いてくるはずです。

注:写真は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。










H_edge(ヘッジ)

7000枚のアルミプレートが、2500mのステンレスのチェーンを直立させているという理解の範疇を遥かに超越した作品。ただ現実として眼の前に佇立されるとそれが可能であることを信じざるを得ない。

それでも、何らかのトリックがあるのではないかと背伸びしたりしゃがんだり首を伸ばしたりしても、何も見つからず。そしてそのままこの巨大なラビリンスの中を彷徨するのみ。

セシル・バルモンドはこの作品について次のように語っています。

H_edgeは次のような概念でつくられた作品である。

忠実な立方体のすべての面に規則的に穴を空けて、穴を散りばめた半中空の立体をつくる。この操作を自己相似的に繰返すとひとつの「スポンジ」が現れる。残ったソリッドな部分がさらに溶けてプレートとチェーンの柱になると、立体ふるいのようなイメージがわき上がる。新しい感覚の空間に包み込まれる。形を変えつつも確かに存在するヴォイドこそが、驚くべきことだが、この作品の本質なのである。


H_edgeは「二次元の形でも三次元の形でもない、中間的な存在」であるとも語るバルモンド氏。鋭利なアルミプレートの内側に入るとさぞかし恐ろしかろうと思うかも知れませんが、先端恐怖症であるかみさんも全く怖さ感じることなくH_edgeの中をふらふら。

おかしなほど居心地の良い空間なのです。これホント。

やっぱり何か仕掛けがあるのではと勘繰りたくなります。そんな方の為に作品周辺にクッションが用意され座って外からボーーと眺めることも可能。「ヴェルナー・パントン展」とは違う意味で長時間居てしまいそうでしょ。

こんだけの大がかりのH_edgeさぞかし作るのに日数かかったと思いきや、制作ボランティアによって約11日間で組み上げられたそうです。


Danzer(ダンザー)

白黒の一対の四面体は、フラクタルな川の流れに転がるフラクタルな巨石である。



黒い四面体の背面?が得も言われぬ美しさ。展示室の最後にこんな美しいものを見られたことを幸せに思いつつまた厄介なブーツと格闘。

警備員のおじさんがいなければあまりの美しさに「入り込んで」しまったはず。10秒だけでもいいから目をつぶってくれないかな〜警備員さん。何もしないから。。。

さて、こんなメタリックで幾何学的な空間ばかりでないのがこの展覧会の優れた点。これまで紹介してきたのは展示室2。その前の展示室1は言葉とイメージの織り成す空間。

そしてここもまたラビリンス。


Banners(バナー)
自然を見るとき、私たちは見たものをすぐに感情や抽象に変換する。美しいタ暮れ、雪が折り重なってつくる模様。写真は見たままを記録するけれど、私たちは読み取り理解する。奥を探り、層を重ね、人それぞれに自分の印をつけようとする。はじめはシンプルに木や石に点や線を描き、やがて身体に描く魔術のような模様を重ねる。最後には、幾何学の抽象性のコードを解き明かし、数字による分類の記号を理解する。よく見ることを通して、よりわかろうとするのである。


あちこちに散りばめられたバルモンドの言葉を宝物のように大事に大事に書き留めている学生さんがいた。その姿がとても羨ましく思えて仕方ありませんでした。

そうそう、建築好きな方には最後の「コリドール」と称されたパネル展示がたまらないかと。


伊東豊雄氏と手掛けた「サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン」など世界の名だたる建築家と共に手掛けてきたものが一堂に会しています。

世界中の有名建築家から引く手あまたの構造デザイナーセシル・バルモンド。その人気の理由を垣間見ることのできる展覧会です。自然に軸足置いてきたからこそ今こうして熱い視線集めているのでしょうね。

最後に「今日の一枚


頬をワインで染めたセシル・バルモンド氏

「エレメント」構造デザイナーセシル・バルモンドの世界展は3月22日までです。
公式サイト

【ウィークエンド・ギャラリートーク】

1.金田充弘[東京藝術大学准教授/アラップ アソシエイト・ディレクター]
日時:1月30日16:00〜
2.篠崎健一[建築家/本展制作協力]、野村しのぶ[東京オペラシティアートギャラリー キュレーター]
日時:2月13日、27日、3月13日いずれも16:00〜


東京オペラシティアートギャラリー
〒163-1403 東京都新宿区西新宿 3-20-2
Tel.03-5353-0756 



【関連エントリー】
- 「藤森建築と路上観察展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「インゴ・マウラー展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「伊東豊雄 建築|新しいリアル展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「土から生まれるもの展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「蜷川実花展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「谷口吉生のミュージアム」 | 弐代目・青い日記帳
- 鈴木慶江&鈴木重子 クリスマス・コンサート | 弐代目・青い日記帳
- 鴻池朋子展「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」 | 弐代目・青い日記帳

@taktwi

それでは最後に「今日の美味


カザーレ・パラディッソ」の「ナチュラルメンテ・パスタミックス(ベジタブル)」最近ハマっている簡単パスタミックス。パスタを茹でている間にフライパンで乾燥野菜を茹で汁で戻し、パスタと和えるだけ。シイタケやオリーブそれにチーズを加えればなお良し。勿論オリーブオイルはマスト。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2008

JUGEMテーマ:アート・デザイン


セシル バルモンド,金田 充弘
TOTO出版

セシル・バルモンドは、エンジニアリングの枠を越えて建築家と創造的な協働を行う構造デザイナーです。構造エンジニアと聞くと、建築家によってデザインされた建築を、力学や施工などの制約をふまえて物理的に成り立たせ、建物にじょうぶな骨組みを与えるための技術的なサポートをする縁の下の力持ちとしての役割がイメージされるでしょう。しかしバルモンドの仕事はそこにとどまりません。「丘の上に空飛ぶ絨毯のように家を飛ばしたい」「運動がみなぎる四角の箱をつくりたい」建築家から寄せられるこのようなリクエストに独特のアプローチで挑み、彼らの実験的な思考を実現に導くバルモンドには、世界中の建築家から期待と信頼が寄せられています。

スリランカに生まれ育ち、アフリカ、ヨーロッパで科学、数学、建築を学んだバルモンドは、イギリスの総合エンジニアリング会社アラップに加わり、以来レム・コールハース、伊東豊雄、アルヴァロ・シザを始めとする世界の名だたる建築家とともにさまざまなプロジェクトを手掛けてきました。バルモンドが生み出す新しい幾何学は、建築を従来の四角、三角、円を基本とした静的で閉じたものから解き放ち、複雑さをはらんだ動的で有機的なものへと飛躍させて現代建築の可能性を大きくひらきました。最新のコンピュータ技術と施工技術を駆使しながらも、バルモンドの思考の原点は私たちにとって身近なものにあります。太陽を求めて回転しながら成長する植物、枝分かれする葉脈、燃えさかる炎のゆらめき、刻々と変化する陽の光。自然のしくみに注目し、その豊かで美しい秩序を構造に採りいれるバルモンドは、建築に脈動、鼓動を与えて命を吹き込みます。

テクノロジーの粋を集めた現代的な建築でありながら、バルモンドがデザインする構造はその建築を訪れる人びとの奥底に眠る本能を呼び覚まし、感覚と知性を刺激します。自然の形を単に模倣するのではなく、その根源にある美しさを抽出して広がりを持った幾何学へと展開するバルモンドは、建築を既存の枠組みから解放する人としていま最も注目を集める存在です。
展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

このブログを見るようになってから展覧会は欠かせなくなりました
休日の楽しみが増え感謝しています
鴻池、ヴェルナーに続いて3期連続で行く事になりそうです
今日、日本橋三越行ってきました
予想以上の人気ぶりでした
106 | 2010/01/17 11:35 PM
先日はお世話になりました。しかしこうして改めて写真を見てもなかなか壮大なスケールの展覧会でしたね。ダンザー、間違えて反対側から入ってしまいましたが、その景色に驚かされました。

ヘッジは自立していますが、
少し揺らしてもそう簡単に崩れるほどやわなものではないそうです。
SF映画の中にいるようで楽しめました。
はろるど | 2010/01/19 10:01 PM
@106さん
こんばんは。

個人的で恣意的な単なる感想ブログですが
もしお役に少しでも立てたのであれば
大変嬉しく思います!!

オペラシティは空間ごとがらりと
変換してしまうのでいつも驚かされます。

@はろるどさん
こんばんは。

いやー飛び込みで行ったわりには
見応えというか迫力のある展覧会でしたね。
やはり展覧会は行ってみないと面白さ
分からないものです。

ヘッジ確かに中を人が通っていましたからね。
強度もそれなりに確保されているのですね。
流石構造デザイナー。オソルベシです。
Tak管理人 | 2010/01/20 4:25 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/2008
この記事に対するトラックバック
東京オペラシティアートギャラリー(新宿区西新宿3-20-2) 「エレメント - 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界 - 」 1/16-3/22 東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「エレメント - 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界 - 」のプレビューに参加し
みんみんです。今回沢山の展覧会を観てきた中でも一際楽しめた展覧会オススメです。この展覧会の良さはチラシの写真だけでは絶対に伝わらないと思う。是非現地での不思議空間を体験してみてほしい。構造デザイナーセシル・バルモンドの生み出すデザインには、ある共通点
エレメント 展に行ってきました。1(東京オペラシティアートギャラリー) | ペインターみんみんの油絵制作日記&絵画の画像 | 2010/02/13 4:41 AM