青い日記帳 

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「MOTアニュアル2010:装飾」

東京都現代美術館で開催中の
「MOTアニュアル2010:装飾」展に行って来ました。



1999年より開催されている「MOTアニュアル」展。今回のテーマは「装飾」
(今回で10回目を迎えるそうです!素晴らしい〜)

「装飾」をテーマに集った10名のアーティストの作品はいずれも皆、超個性的。一般的な「キャンバスに油彩」は水田寛、松本尚の2人のみ(それだってフツーの絵画とは随分かけ離れた印象の作品です)。

木、陶磁、塩、石鹸、シルクサテンetc…およそ想像もつかないようなものが「作品」となり会場内に点在しそれぞれ強烈な個性を発しています。

現代アートよう分からん。自分が行っても十分楽しめた展覧会でした。アニュアル展に基本ハズレありませんけどね。今回は新鮮な驚きの連続です。


森淳一「minawa」2008年

この「カルメ焼」もしくは「もんじゃ焼の『センベイ』」のような作品は森淳一が木で造り上げた立派な作品。ちょっと触れただけでも壊れてしまいそうなほど繊細。



それでいて内になにか想像もつなかいようなパワーを秘めているように感じます。「birds」と名付けられた立体作品は今にも会場内から飛び出して行きそうなあんばい。

野老朝雄の作品は、一見寄せ木細工のように見えますが、全て紙で組み上げられたもの。箱根のお土産を一瞬想起させます。

山本基の「迷宮」は、10×17mもある大きな作品。床を塩で飾り立てています。と言っても伝わらないので「MOT STAFF ブログ」のこちらのページをご覧ください。

ドミノ倒しギネス挑戦!!のワンシーンがなぜか頭に浮かんできます。鑑賞者用の通路がこの塩の作品を二分。モーゼに導かれる気分?で。

追記:4月2日にあらためて伺うと山本基の「迷宮」を俯瞰出来るように「見晴らし台」が設置されていました。


早速のぼって上からの視点で「迷宮」を拝見。

お〜〜絶景かな絶景かな〜〜

塩で形作られた、儚い作品であること束の間忘れさえてくれます。でも夢は一瞬。フロアに降り足元を見れば、やっぱり塩なんです。信じられないかもしれませんが。


圧巻だったのはチラシ、ポスターを飾る青木克世の作品群。6点の作品がバランスよく計画的に配置された空間は、それ自体が「装飾」となり鑑賞者を迎い入れます。



堅い陶器で作られていると頭では分かっていても、今にも溶解しそうな作品を目の前にすると、現実世界の儚さまで思い起こしてしまうそんな青木の作品群。ここでは通常の感覚が完全に麻痺します。


青木克世「予知夢」2009年

「エントロピー増大の部屋」とでも命名しましょうか。

入口すぐの展示室壁面を飾る黒田潔の動植物たちとは対照的。

黒田潔「森へ」出版記念展も2月22日まで渋谷パルコパート1地下1階 ロゴスギャラリーにて開催中です!

この他にもどう見てもゼラチン、もしくは切断前の心太にしか見えない小川敦生の「cutter knife skating」石鹸にエングレーヴィングという発想自体何処から出てきたのか知りたい。


小川敦生「cutter knife skating」2010年

こう観て来ると「触ってみたい」系?の作品が多いこと多いこと。展覧会会場で作品に触れてみたいなんて思うことまずありませんが、「MOTアニュアル2010:装飾」ではそれがごく当たり前のように思えてきます。危険だ〜

なんてバカなこと考えつつ「今日の一点


塩保朋子「Cutting Insights」2008年

縦650cm、横356cmもある巨大な紙の作品。ぺらぺらな紙に我が目を疑うような細かな装飾が施されています。この作品の前に立つと触れたいなんてこと間違っても思わなくなります。後世に伝えるべき「宝」です。

高橋コレクション恐るべし。

追加画像

「MOTアニュアル2010:装飾」展での展示。
人と比べその大きさも容易に理解できるかと。

そして更にパワーアップしているのが影の部分。


裏側に回り込めばほら、型抜きされた部分がこんなにも美しい影を会場内の壁から天井に作り出しています。

注:会場内の写真は主催者の許可を得て撮影したものです。

【展覧会の見どころ】東京都現代美術館のサイトより
「装飾」をテーマとした今年のMOTアニュアルでは、ひと味違った現代美術の新しい魅力を紹介。膨大な時間をかけた、緻密かつ壮大な作品が並びます。500kgの塩によるインスタレーション(山本基)、約130屬離Εールペインティング(黒田潔)、高さ6mを超える切り絵作品(塩保朋子)、総重量約300kgの陶製レリーフ(青木克世)、幅6mの油彩(水田寛)など、いずれも東京都現代美術館が持つ国内屈指の空間によって実現されるものです。

「MOTアニュアル2010:装飾」は4月11日までです。

MOTアニュアル2010:装飾 関連イベント

アーティスト・トーク:  
2010年 2月6日(土) 塩保朋子、松本尚、水田寛、山本基、横内賢太郎
      2月21日(日) 青木克世、森淳一
      3月7日(日) 小川敦生 ゲスト:山口絵美(連写作家)
      3月21日(日) 黒田潔 ゲスト:工藤キキ(アート・ライター)
      4月4日(日) 野老朝雄 ゲスト:鳴川肇(構造家・建築家) 
いずれも15時〜。2月6日(土)のみホワイエ(参加無料)、他は展覧会会場(要展覧会チケット)

関連展示:
「Taisuke Koyama: Artworks from AN10」
写真家 小山泰介が本展のカタログのために撮影した展示作品の写真を展示します。
期間:2月26日(金)〜4月11日(日)
会場:ホワイエ(ミュージアムショップ奥)
作品点数:10点
観覧無料

講演会: 
鶴岡真弓(多摩美術大学教授 / 装飾デザイン史・ケルト芸術研究)
「現代と装飾−祈りと思考のミクロコスモス」 
2010年 2月27日(土) 15時〜17時 地下2階講堂 参加無料(当日先着200名)

【関連エントリー】
- 「MOTアニュアル2006」 | 弐代目・青い日記帳
- 「松井冬子について」 | 弐代目・青い日記帳
- mot annual 2005「愛と孤独、そして笑い」 | 弐代目・青い日記帳
- アーティスト・トーク「天明屋尚×松井冬子」 | 弐代目・青い日記帳
- 三瀬夏之介展「冬の夏」 | 弐代目・青い日記帳
- 「MOTアニュアル2007 等身大の約束展」 | 弐代目・青い日記帳
- 東京都現代美術館(MOT)リニューアルオープン | 弐代目・青い日記帳
- MOT屋上庭園へ行こう! | 弐代目・青い日記帳
- 「MOTコレクション」 | 弐代目・青い日記帳
- 三瀬夏之介展「冬の夏」 | 弐代目・青い日記帳
- 「MOTコレクション-1960年以降の美術」 | 弐代目・青い日記帳

それでは最後に「今日の美味


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以下、東京都現代美術館今後の企画展予定。

4月〜6月
「フセイン・チャラヤン展」
現代の最究端ファッションの代表的デザイナー、フセイン・チャラヤン(1970−)。レーザー光線など新技術を取り入れた革新的プレゼンテーションは、アートの分野からも高く評価されています。本展はロンドンのデザインミュージアムで開かれた初の回顧展の国際巡回です。

7月〜10月
「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展〜宮崎駿のデザインを実際に作るとこうなる。」
「キル・ビルVol.1」「ザーマジックアワー」など多数の話題作を手がけ、今最も注目を浴びる映画美術監督種田陽平とスタジオジブリの共同展覧会。ジブリの新作映画「借りぐらしのアリエッティ」に登揚する小人たちが住む床下の世界を案写映画のセットさながらに作りあげ、私たちを映画の世界へと誘います。

7月〜10月
「こどものにわ」
小さな子供の認識世界や心象風景に着目して構成する乳幼児から大人まで楽しめる展覧会。参加体感型の空間全体を使うような作品や、様々な人が集うことのできるスペースを通して、年齢層の異なる他者とのコミュニケーションや、人と美術の関係を再考・再発見するような機会を創出します。

10月〜平成23年1月
「オランダのアート&デザイン展」
アートとデザインの分野で新しい潮流の発信源として世界から注目されるオランダ。本展では、オランダのアーティストのなかでも特にアートとデザインに対する既成概念を解体し、ユニークで新しい表現言語を打ち立てようと試みているアーティストを紹介します。

平成23年2月〜5月
「田窪恭治展」
「林檎の礼拝堂」の再生プロジェクトで知られ、現在は四国金比羅さん全体の再生計画に取り組んでいる田窪恭治(1949年―)の、東京で初の包括的な個展。既存の景観や文化の構造を活かす田窪の創造活動への展闘を通して、現代美術の多様なあり方を提示します。

平成23年2月〜5月
「MOTアニュアル2011」
平成10年度より継続している、若手作家の活動を通して今日の美術を紹介・考察するグループ展。22年度は、私たちの記憶や知覚、言語といった、日常に見過ごされがちだけれども本質的な要素を、独自の方法論によって追求している作家たちを取り上げます。


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2041

JUGEMテーマ:アート・デザイン


「装飾」は色彩や形態と同様に、重要な造形要素であるばかりでなく、しばしば物質性を超えたひとつの精神性を象徴、表現するものです。縄文土器や装飾古墳の幾何学文様、バロックやロココの建築にみられる装飾は、単に時代の美意識が表現されているだけではなく、そのなかには空間や時間、自己の存在を問うひとつの世界観を見いだすことができます。同じように、現代のタトゥーや「ゴス」と呼ばれるファッション、あるいはより身近なデコ電などの装飾、装身行為には一種の同時代的な精神性が表現されていると言えるかもしれません。
東京都現代美術館では、時代と結びついたテーマによる同時代の若手アーティストを紹介する展覧会「MOTアニュアル」を1999年より開催しています。10回目を迎えた今年は「装飾」をテーマとしました。装飾という造形形式が本来持っているエモーショナルな訴求力を探求する10名の精鋭たちが、繊細、あるいはダイナミックに1200屬龍間を満たします。
展覧会 | permalink | comments(2) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

こんにちは。

>こう観て来ると「触ってみたい」系?の作品が多いこと多いこと。
ああ、ほんとだ!マテリアルが面白いのが多かったですね。

塩保さんの作品を桜に見立て、一杯うやったら気持ちさよさそうだなあと思いました。
あおひー | 2010/02/20 10:23 AM
@あおひーさん
こんにちは。

>塩保さんの作品を桜に見立て、一杯うやったら気持ちさよさそうだなあと思いました。

花見したい!!それは旨い酒が飲めるでしょうね〜
桜の儚さに通ずるものあります。確かに。
Tak管理人 | 2010/02/26 11:43 AM
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東京都現代美術館に行くのは久しぶり。 風が吹きすさぶ中、清澄白河の駅から歩いてくのはしんどかった〜。 ちょうど今のタイミングだと4つの展示が同時に見られます。 ・サイバーアーツジャパン―アルスエレクトロニカの30年(3/22まで) ・レベッカ・ホルン展(2/1