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「共楽美術館」

国立西洋美術館で開催中の「フランク・ブラングィン展」(伝説の英国人画家 松方コレクション誕生の物語)会場内に「もうひとつの美術館」が現出!

その美術館の名前は「共楽美術館

現在の西洋美術館の基礎となっている松方コレクション。1910年代後半から20年代にかけ実業家・松方幸次郎(1865-1950)がヨーロッパで蒐集した美術品が元となっているのは周知の事実。

しかし、それら蒐集した作品は、東京、麻布仙台坂に松方自らが作ろうとしていた美術館に収めるつもりであったことはあまり知られていません。

その美術館こそ「共楽美術館」(実際にこの名称に決まっていたそうです)。そしてその共楽美術館設立にあたり、松方の頼れるパートナーだったのが、何を隠そう今回の展覧会の主役、フランク・ブラングィン。


背後に別館を配した美術館の俯瞰図」1918-20年 素描に基づく写真
ミッチェル・ウルフソン・ジュニア、マイアミ、フロリダ
Photo: The Mitchell Wolfson, Jr. Study Centre, Miami, Florida

こちらの記事によると、共楽美術館は「本館の正面幅が75メートル、奥行きは80メートル。建築はルネサンス様式で、展示室の天井高は8メートルもあり、当時の作品ならどんな大作でも余裕で架けられる。」まさに夢のような美術館です。因みにこの時代の日本には西洋美術を観られる美術館は存在しませんでした。

現在開催中の「フランク・ブラングィン展」第2章「フランク・ブラングィンと松方幸次郎」に於いて、この夢の共楽美術館実現に向け描かれた俯瞰図やデッサンが公開されています。

設計・内装デザインをブラングィンは手がけます。美術館用地も東京・麻布(現在の韓国大使館付近)に確保され、ブラングィンは東京湾や富士山を臨む高台を想定して、壮大なファサードをそなえた回廊型の大空間と噴水を配した中庭をデザインしました。
歴史に「もしも」はありませんが、それでも、もしこの共楽美術館が完成していたら……想像しただけでも身震いしそうです。

関東大震災に端を発する金融危機により、儚く消えてしまいました共楽美術館創建の夢。約100年後の今、松方とブラングィンが夢見た共楽美術館が、何と国立西洋美術館内に再現されています!

注:写真は内覧時に主催者の許可を得て撮影したものです。


フランク・ブラングィンがデザインしたテーブル、椅子に加え展示台が中央に。周りをブラングィンの絵画や陶芸作品が取り囲んでいます。

画家としてだけでなく、室内装飾、カーペットや家具そして公共建築の壁画など幅広く手掛けてきたブラングィンの多彩な才能の一端を垣間見ること出来ます。


正面の壁に掛けられている作品はこちら。

フランク・ブラングィン「白鳥」1920-21年  油彩、カンヴァス
ウィリアム・モリス・ギャラリー、ロンドン

それより何より、この展示空間、西洋美術館の見慣れた展示室とは様相を一変。この部屋のディスプレイは共楽美術館のデザインをもとに構成されているのです。

この「異空間」の導入部分にCGで再現された映像が。「共楽美術館ー西洋と日本をつなぐ夢のプロジェクトー」こちらもよく出来ています。気分が高まったところでいざ共楽美術館展示室へ!


素人写真の限界で上手く会場の雰囲気伝えられないのが残念。実際にこの空間に足を踏み入れた瞬間、松方とブラングィンと夢を共有出来たような錯覚に陥ります。

美術館創設という大きな大きな夢を一緒に味わえるなんて、、、たとえバーチャルであったとしても嬉しくワクワクするものです。

東京都美術館の「ボルゲーゼ美術館展」や東京国立博物館の「長谷川等伯展」という大変派手な展覧会の影に隠れてしまい、注目度高くないようですが、実は行ってみるとスゴイ!展覧会なのです。「フランク・ブラングィン展

西洋美術館にハズレなし!


国立西洋美術館開館50周年記念事業 
フランク・ブラングィン Exhibition of Frank Brangwyn
国立西洋美術館
2010年2月23日〜5月30日
(同時開催:「所蔵水彩素描展」)

NHK日曜美術館で、2010年2月28日放送されます。

欧州を丸ごと持って来い!国立西洋美術館誕生秘話
大正から昭和初期にかけての激動の時代を背景に、松方の美術館計画を追跡するとともに、幻に終わった「共楽美術館」のコレクションの片りんを紹介。松方が夢見た美の世界とその思想を探ります。


そうそう、「フランク・ブラングィン展」内に再現された「共楽美術館」。実際に座れる椅子がひとつだけあります。こちらです。

これに腰掛け、「白鳥」をゆったり観賞。贅沢だ〜

共楽美術館、英語でSheer Pleasure Arts Pavi1ionと命名された美術館は、松方が蒐集した1万点を超えるといわれる美術品を収蔵、展示するものとして、東京に建設することが計画されていた。1927(昭和2)年、関東大震災(1923[大正12]年)が引き金となって起きた金融危機により、蒐集した美術品が散逸するとともにこの建設計両は絶ち消え、その後実現することはなかった。ブラングィンは画家として作品をこの美術館に展示することが予定されていただけではなく、美術館建築の設計も手がけていた。絵画や彫刻に加え、家具や陶器、タイル、カーペットなどの」工芸品も盛りこまれたこの計画は、実現していればブラングィンにとって最大のプロジェクトとなったことは間違いない。松方にとっては日本で最初の近代的な機能をもった美術館の実現であり、将来のこの国の文化、芸術活動の拠点となるべきものであった。(国立西洋美術館・大屋美那)

因みに今回の「フランク・ブラングィン展」のポスター等は全て祖父江慎氏によるデザイン。その辺も要チェックです。

同時開催:「所蔵水彩素描展ー松方コレクションとその後

「フランク・ブラングィン展」観覧券でこちらも観られます。

モローの「聖チェチリア」、セザンヌの水彩画「舟にて」は必見!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2049

JUGEMテーマ:アート・デザイン


 国立西洋美術館(東京・上野)は、戦後フランスから返還される松方コレクションを収蔵するため1959年に設立されました。そのコレクションの形成に重要な役割を果たしたのが、当時のイギリスを代表する画家、フランク・ブラングィン(Frank Brangwyn, 1867−1956)です。

 ブラングィンは、アーツ・アンド・クラフツ運動からアール・ヌーヴォー、さらにはアール・デコという同時代の装飾芸術運動を背景に、絵画だけでなく壁画や家具、陶磁器などの工芸品、版画や挿画本など、活躍の場を広げていきました。ヨーロッパの美術品を蒐集していた実業家・松方幸次郎と出会ったブラングィンは、美術品購入のアドヴァイザーという役割を果たしながら、自分の作品も数多く松方に提供しました。松方はそのコレクションを収める「共楽美術館」の建設を発案し、その建築と装飾デザインを信頼するブラングィンに任せたのですが、関東大震災に続く経済恐慌の影響を受け、実現の日を迎えることはありませんでした。

 漱石の「それから」にも取り上げられたブラングィンでしたが、時代の変遷とともに美術史の流れから忘れ去られていきました。没後50年を経た近年、流派や分野、国境を越えて活躍したブラングィンの芸術に再び光があてられています。本展は、ブラングィンと松方幸次郎との関係を軸としながら、多彩なブラングィン芸術を日本で初めて紹介するものです。豊かな色彩感覚と確かなデッサン力に支えられた作品群、そして松方幸次郎とのストーリーは、多くの人々の関心を呼ぶことでしょう。
展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(6)

この記事に対するコメント

こんばんは。
ブラングィン展、初日に行ってきました。
のっけから係りの人が今日はみんなあっちに持っていかれてしまってと
嘆いてましたけど、おかげでゆっくり見られました。
松方コレクションに興味を持っていたので、その松方さんに
協力した人ということでまず見たかったのです。
共楽美術館があんなに構想がすすんでいたなんて、
びっくりしました。
すぴか | 2010/02/26 11:57 PM
こんばんは。内覧会の日に行きました。ブラングィンの作品は国立西洋美術館所蔵の物以外見たことがなかったのでいろんな仕事をしたのがよくわかりとても勉強になりました。

共楽美術館の展示室のイメージの空間はとてもよかったですね。わくわくしました。CGもよかった。映像のスピードが速すぎてもっとじっくりゆっくり見たいくらいでした。天井高が足りず共楽美術館の空間というより邸宅を利用した美術館の空間のような再現て感じでそこが惜しかったです。

さらに深い地下2階の天井の高いあの空間に常設に展示されていないような松方コレクションのシャルル・コッテ、アマン・ジャン、アンリ・マルタンなどをブラングィンの諸作品の上に数段掛けでずらりと展示してくれたらどんなに素敵な展示だったでしょうと思いました。所蔵館でないと数段掛けは許されないでしょうし、今回の展覧会にとっていろんな側面から見ても必要だしやろうと思えばそこまで難しいことでもないしもったいないと思いません?そんな空間を見てみたかったです。地下1階の展示室の柱などを考慮しても大画面絵画の展示を地下2階から地下1階へ移しても十分な空間がありました。第1章が地下1階、2階で分断されてるのが地下1階部分でまとまりますしね。共楽美術館再現を含む第2章が地下2階、地下1階に分断される可能性はありますが(汗)

常設展内で開催中の水彩・素描展も素晴らしすぎますね。企画展示室で堂々と展覧会やってほしいな。モロー最高。
ピッポロ | 2010/02/27 12:38 AM
どもども。
いらしてたんですね〜

一昨日朝イチに行ったら、ガラガラかと思いきや、
結構入ってました。

なかなか興味深い展覧会ですよね〜
彼は、器用なデザイナー:設計士でもあった事を実感しました。

そうそう、キュレーターの大屋さん、とても良い方でした。

クロエ | 2010/02/27 2:07 AM
@すぴかさん
こんにちは。

等伯展が終わるまで西美は閑散と
していそうですね、、、
仰るとおりその間が実はチャンスかもしれません。
共楽美術館、もし実現していたら
現在の美術館の勢力図全く違ったものに
なっていたでしょうね。

@ピッポロさん
こんにちは。

ブラングウィンって誰??
ほとんど予習せずにでかけました。
ウィリアムモリスらと関わりのある
英国の総合芸術化と知り俄然楽しくなってきました。

共楽美術館を「再現」した部屋は感動的でした。
夢がいっぱい詰まった美術館構想
たとえ展示室の限られた空間であっても
彼らの夢の一端を垣間見た気分に。

地下2階の展示、確かに数段掛けの展示
もし可能であれば拝見したかったです。

パリのモロー美術館のような。

@クロエさん
こんにちは。

どもども2
絵画だけでなく随分と幅広く
手がけていらした方なのですねー
そして当時は英国で1,2を争うほど
メジャーな作家さんだったとは。

大屋さんのお話お伺いしてみたいです。
Tak管理人 | 2010/03/03 4:38 PM
こんばんは。
男のロマンですよね、共楽美術館!

よもやこのような形で館内の再現(再現てのは正確ではないかな。。。)を見られるとは思いもよりませんでした。

しかし、麻布に出来ていたら今頃はどんな風になってたんでしょうかね〜。
あおひー | 2010/03/04 1:05 AM
@あおひーさん
こんばんは。

その通り!!
でも男のロマンて大概実現しないもの。
共楽美術館もまた然り。

麻布にあったら全然あの辺の雰囲気
違ってたでしょうね。
想像も出来ません、今では。
Tak管理人 | 2010/03/10 11:47 PM
こんにちは。4月14日(水)に3度目のブラングィン展を見てきました。桜も散りお花見をしている人はいなかったのですが、公園に人が溢れていました。等伯も終わり東京都美術館も閉館中なのに賑わっていました。13時30分に企画展示室に入ったのですが涙が出るくらい空いていました(泣)各展示室に10人ちょっとずつくらいしかいませんでした。最初の部屋も10人、大型作品の部屋も10数人、共楽美術館再現展示室は20人くらい。全展示室合わせても100人には程遠い空き具合でした。=快適でありました。ルーヴル美術館展や印象派展だけがどんな状況下でも混むというのは悲しいですね。仕方ないことですが。

水彩・素描展もじっくり楽しみました。この日一番びっくりしたのは常設展に新収蔵品のジョルジュ・ブラックの1910-11制作のキュビスムの油彩がかかっていたことです。嬉しい限りです。アルベール・グレーズの大作《収穫物の脱穀》と合わせキュビスムを国立西洋美術館で楽しめるようになるとは。国内で見られるブラックのキュビスム作品は川村記念美術館くらいしか思い浮かばないので非常に貴重です。国内にピカソのキュビスムが数点あるので小企画で展示していただきたいです。小企画で思い出したのですが、企業のコレクションを展示するというものでアサヒビール所蔵のピカソ、モディリアーニ、ルオーの人物画3点を特別展示した時がありました。素晴らしい展示でした。その後一切ありませんが是非、吉野石膏やワコール、丸紅、日本テレビなどからお願いしたいところです。
フィンフィン | 2010/04/15 4:05 PM
@フィンフィンさん
こんばんは。

足を運ばれたかたは一様に満足し
高評価得ている展覧会でありながら
中々お客さんは入らないでしょうね。
美術館もそれを承知の上で開催しているはずです。

今なら水彩・素描展も拝見できるのに。。。
もったいないことです。

ブラックの作品やハンマースホイなど
常設展のレベルの高さも侮れないものあります。

次の企画展も大変楽しみにしています。
Tak管理人 | 2010/04/18 6:52 PM
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