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「浮世絵の死角」

板橋区立美術館で開催中の
「開館30周年記念特別展 イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展 浮世絵の死角」に行って来ました。



新鮮な面白さ満載の展覧会。言葉で説明すると逆に野暮ったくなってしまいます。百聞は一見に如かず。浮世絵苦手な方でもこれなら楽しめます。


第1展示室

注:展示室の様子は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。


奥村政信「瓢箪から遊女」1711-16年頃

右から、鈴木春信「見立東下り」、一筆斎文調「東八景 品川の秋月」、左2枚縦長の作品は磯田湖龍斎「富士見西行」「文を持って階段を降りる女


第2展示室


柴田是真「文机に春花」1861-68年


全て国芳の手によるもの。

珍しい「上方絵」も、ひとつセクション分けされています。結構な数の「上方絵」が今回来日しています。初めて名前を聞く役者さんや画面全体に占める顔の部分の大きさ(上方絵の方が総じて大きい)等など、江戸浮世絵との違いの比較もこれで容易に?!

三代目歌川豊国の「背景」付き浮世絵。

見立六花撰 三代目沢村田之助」「見立六花撰 二代目沢村訥升

これ以外にも背景にチェック模様が施されている浮世絵数点。普段背景の無い役者に慣れ親しんでいる者からすると、大変奇異に見えます。

そうそう、この展示室には明治から昭和にかけて制作された浮世絵(新版画)も数多く展示公開されています。


笠松紫浪「霞む夕べ−不忍の池」1932年(昭和7年)

さぁ、最後の展示室では今回の「浮世絵の死角」の主人公たちの登場です!

第3展示室


歌川国芳「道化狸の逢都絵」1843-46年

狸の睾丸自慢大会?の様相。「戯絵(ざれえ)」と呼ばれるジャンルの作品がここにはずらりと並びます。これこそ「浮世絵の死角」の真骨頂。

息を殺しながらお上品に観るのではなく、ゲラゲラ笑い声上げながら観るのがもってこいの作品ばかり。しかしただ笑ってすまされるだけのものではありません。奥が実に深い。


歌川国芳「諸道具寄合噂はなし」1847-50年

狸の擬人化ならまだ納得いきますが、国芳は身近にある道具類まで人に見立ててしまいます。しかもなぞかけ付き。よくみると相当シュールです。「シュールレアリズム」何て概念持たずとも、ごく身近な発想としてこうしたもの描けたのでしょう。これはスゴイ!


歌川広重「浄る理町繁花の図」1852年

浄瑠璃の名場面を身近なシーンに置き換えた戯絵。「広重がこんな絵描いていたんだ〜」と隣りでご覧になられていた方が思わず口にだしていたのも納得。都合5種類これ出ています。


歌川貞房「新板くし簪尽」1848-54年

タイトル通り。くしやかんざし、こうがいが画面にびっしり描かれています。デザイン的に大きな違いはありません。所謂「おもちゃ絵」これを切り抜いて人形の髪を飾ったりして遊ばれた浮世絵。だからこそこうして無傷で残っていることは稀有なことです。


五勇亭英橋「新版かみざいく両面あねさま人形いしょうつくし
1830-48年

江戸時代の着せ替え人形。画面下に描かれた人形(遊女がいる!)に上部の三種類の着物を着せて遊ぶこれまた完全な形で残っていたのが奇跡的な作品。実際に切り取って着物あねさまに着せたくなります。カラーコピーしてくれないかな〜それにしても三種類よういされた着物の意匠もいずれも斬新!

特に左の模様、現在でも十分いけます!!

ゾウさん模様!!!


この他に、絵師未詳の「衣裳尽くし」12点ほど展示されています。他にももっとあるはず。これだけで図案集として出しても売れるはず。毎度毎度のことながら、江戸時代の「豊かさ」には驚かされると共に強い憧憬の念を抱いてしまいます。

最後に「今日の一枚


絵師未詳「新板子供手遊鳥づくし

鳥好きにはたまらない一枚!これ欲しい!!

「浮世絵の死角」展は3月28日までです。
板橋区立美術館にしては珍しくリストがありませんでした。
これから作るのかな?


因みに展示替えはありません。

【板橋区立美術館2010年展覧会開催スケジュール】

館蔵品展「お江戸の絵画は大賑わい」
4月3日〜5月9日

館蔵品展「日本の美術運動」
5月15日〜6月27日

「2010イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」
7月10日〜8月15日

江戸文化シリーズNo.26「諸国畸人伝」
9月4日〜10月11日

20世紀検証シリーズNo.2
「福沢一郎絵画研究所」
11月20日〜1月10日

「発信//板橋//2011」
2011年2月26日〜3月27日


この中で最も注目すべきは「諸国畸人伝


絵金「浮世柄比翼稲妻 鈴ヶ森
江戸時代には文化が全国に広まり、各地の絵画界にも個性的な画家たちが出てきました。茨城の林十江、大坂の中村芳中、土佐の絵金、京都の曾我蕭白など、多才な画家たちが独自の画風を示しました。彼らの絵は畸人(きじん)と呼ぶにふさわしい奇抜な表現と斬新な視覚によって描かれています。各地を代表する畸人を1O人程選んで代表作を一堂に並べ、江戸時代絵画の面白さを味わっていただきます。(陳列替えあり)
それでは最後に「今日の美味


ともりんさんから頂戴した「スイカのペンギンバームクーヘン」この缶は捨てられないでしょう〜

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JUGEMテーマ:アート・デザイン


世界の人々に愛されている日本の浮世絵。世界各地の様々なコレクションが日本で続々と紹介されており、浮世絵が世界規模で広まっていったことを実感させられます。本展は、イタリア・ボローニャの浮世絵コレクター、ジュリアーノ・ベルナーティ氏とカルロ・コンティーニ氏が秘蔵する浮世絵の中から、ボローニャ東洋美術研究所の協力により、200点あまりの作品を選りすぐり、日本で初めて公開するものです。

浮世絵初期の奥村政信の墨摺りから、鈴木春信の錦絵とその後の発展を経て、歌川国芳、歌川国貞の幕末期、さらには川瀬巴水や吉田博といった近代の作家まで、浮世絵の通史が存分に楽しめます。また、広重の戯絵や国芳のおもちゃ絵といった一風変わったジャンルや、近年注目を集めている上方浮世絵も見ることができます。これまで日本人には「死角」に入って見えなかった、イタリア人が選んだ浮世絵ならではの意外な視点や珍しい作品をお楽しみください。

古都ボローニャに静かに眠っていたコレクションが時を経て日本へ里帰りする本展は、イタリア人の感性を知るうえでも非常に重要なものであると同時に、我々日本人が浮世絵の魅力を改めて見直す絶好の機会となることでしょう。
展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

なかなか愉しそうな企画ですね。

ありがとうございます、是非足を伸ばしてみたいと思います (^O^)
わん太夫 | 2010/03/03 1:57 PM
@わん太夫さん
こんにちは。

戯絵を中心に紹介しましたが
春信や歌麿などのユニークな作品もあり
見応え十分です。行って損無し!!
Tak管理人 | 2010/03/03 5:46 PM
ものすごく興味を弾かれるレポートでした。
残念ながらTakさんの記事を楽しませて頂いておしまい。
実に有り難いことです。

着せ替え人形の着物のデザイン。
おっしゃるとおり今みても違和感なし。
アーティストってすごいですね、改めて(笑)

それとこれはワタクシの無知ゆえの発言かもしれませんが、
「文机に春花」の図。
江戸時代にこんな絵を制作してた人もいたのかと新鮮でした。
OZ | 2010/03/03 7:09 PM
浮世絵って、300年も前から描かれているのですね!
凄い歴史があるのですね。
板橋。職場のある池袋から近いです。
コンドル | 2010/03/03 8:03 PM
こんばんは。外国美術館の保存状態の良いビッグネームの浮世絵とは違い、個人の好みによるマニアックなコレクションでした。
戯絵・玩具絵の第3会場から逆行すべきでした。
とら | 2010/03/04 7:25 PM
@OZさん
こんばんは。

名の知れた浮世絵師から
全く無名の絵師に至るまで
ユーモアのセンスにあふれていたこと
分かる展覧会でした。

「文机に春花」は江戸から明治に
かけて生きた柴田是真という職人絵師の作品です。
すーーとスマートな画面ですよね。
でも漆職人なんです、彼。
その辺もまたユニークなところです。

@コンドルさん
こんばんは。

そうなんですよーー
これだけ長い歴史を有するジャンル
そうそうあるものではありません。
板橋美術館ちょいと不便ですが行く価値ありです。

@とらさん
こんばんは。

>戯絵・玩具絵の第3会場から逆行すべきでした。
たまたま何の疑いもなくここから拝見しました。
こちらが一番の見せどころですね。
逆行する見方確かに正しいかもしれません。
Tak管理人 | 2010/03/10 11:46 PM
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 開館30周年記念特別展で、イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展である。展覧会の名前に惹かれて観にいってきた。これはベルナーティ、コンティーニ両氏の個人コレクションである。 チラシも凝っている。表面の黒い部分には展示昨品の袈裟の表面刷りの模様(名取春仙
浮世絵の死角 @板橋区立博物館 | Art & Bell by Tora | 2010/03/04 7:26 PM
          鈴木春信の‘見立東下り’              三代目歌
板橋区美の‘浮世絵の死角’はミニ国貞展! | いづつやの文化記号 | 2010/03/31 10:13 PM