青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 指名手配されちゃった! | main | 「フセイン・チャラヤン」 >>

「巧術」

スパイラルガーデン [スパイラル1F]で開催中の
「巧術」KOH-JUTSUのオープニングパーティーに参加して来ました。



ちらし(フライヤー)に縦書きでこんな文字が躍ってます。
ねえ、池内さん、人間の手技には限界が無いんですよ。

ギャラリー小暮所属の作家、諏訪敦さんが、数年前本展覧会のキュレーターである池内さんに語りかけた言葉だそうです。この言葉にただならぬ衝撃を受けたのが契機となり、晴れて「巧術」が実現したそうです。


奥:諏訪敦「Untitled(きりん)
手前:中村哲也「紫電プロトタイプ

諏訪敦さんや中村哲也さんについては今更説明する必要もありません。平面と立体それぞれ表現方法は違えどもれっきとした「巧術」な作家。「工芸的」で「技巧」を凝らした作品の前では思わず息をのみ立ちすくしてしまいます。

「巧術」展にはこんな超絶技法を変幻自在に操りそれぞれ違ったアプローチから「作品」としてしまう12組のアーティストのギャラリーの枠を超えた夢の競演の舞台です。絶対に画像では伝わらないこと承知の上でご紹介。


あるがせいじ「1147
112×112×6cmの作品。奥行きの6センチが曲者。

近寄って観ると。。。

平面作品ではないこと分かります。

ではどうやってこしらえているのでしょう?その答えを解く鍵をex-chamber museumの幕内さんが、あるがせいじさんへのインタビュー記事がブログで公開されています。あるがさんを知るにはまずこのインタビューが一番の近道です。

もう、信じられないでしょ。人間業とは思えません。
しかしまだまだ他にもツワモノは控えております。

謎のCMでお馴染みの中国人双子なんて目じゃない双子がアート界にもいるのです。その双子さんの作品がこちら。


手前:高田安規子・政子「Mt.Fuji

手前の床に置かれた白い大きな作品がスゴイ。とにかく。
真っ白のように見えて近付いて見ると……


富士山の等高線通りに一枚の紙をカッターで切り抜き完成させた作品。ちょっと想像しただけでも頭くらくらしちゃいます。目も回ってきます。。。

「巧術」ここに極まれり。

いくら、双子で作ると言ってもどれだけの時間と労力そして精神集中力を要するのでしょう。(もし手元が狂い誤って破いてしまったら…喧嘩とかしないのかな〜)なんて余計な心配まで。うちの双子の妹もこれくらい力合わせひとつのこと打ち込めたらよかったのに。


手前:佐藤好彦Present Arms」右:佐藤好彦Model 432001
奥:内海聖史色彩に入る

「Model 432001」は裏表に128個もの実際に音の出るスピーカーが取り付けられています。設置するだけでも相当な労力だとか。表面と裏面では照明をがらりと変えてあるのでそれも見所のひとつ。

そして何といっても圧倒的な美しさを放っていたのが、内海聖史「色彩に入る」ものこの作品の前では言葉は必要ありません。ただただ包み込まれるように作品の前に立つだけで幸せな気分に浸れます。



人の手により、ここまで美しい「作品」を作り出せるのものなのですね。尚、昼間は自然光で夜はスペシャルなライティングで出迎えてくれます。昼と夜とでは受ける印象が違いますが、幸せ感は不動のもの。

尚、内海さんは、今月10日からこちらの展覧会にも出品されます。
カイガのカイキ
http://www.watv.ne.jp/~ashi-bi/
場所:足利市立美術館
会期:2010/04/10-06/13


・アーティストトーク
4/10(土)13:30〜14:30
上野慶一/黒須信雄/本田和博/内海聖史

・シンポジウム「絵画の原点をめぐって」
上野慶一/岡田真宏/黒須信雄/平原辰夫/本田和博/安井敏也/内海聖史
司会/篠原誠司(足利市立美術館学芸員)
5/2(日)14:00〜16:00
足利市立美術館多目的ホール
定員80名
※参加希望の方は(0284-43-3131)にてお申し込み下さい。
定員になり次第締め切り


大きな作品に混じって気が付かないような所にも「巧術」作品が紛れています。


満田晴穂自在女郎蜘蛛

受付嬢の後方には…




須田悦弘「椿

女郎蜘蛛も椿もそれぞれ何で出来ているか知ると、我が目を疑いたくなることでしょう。世の中には知らないで過ごした方が幸せなこともあるものです。はい。


カンノサカン「HUNCH-6003001」他

カンノサカンさんの進化も留まることを知りません。
これまた美しいですよ〜空間にぴったりはまってます。

いくらでも拝見していられる展覧会。まだまだ紹介したい作家さんはいますが、この辺でそろそろ。そうそう、これだけクオリティーの高い展覧会でありながら無料で観られてしまいます。期間中何が何でも行くべきでしょう〜これは。

それでは最後に「今日の一枚


桑島秀樹Horizontal 001

この展覧会で唯一の写真作品。
横幅3メートル以上もある巨大な作品。被写体はガラス類。ワイングラスからはたまたガチャポンのカプセルまで。

それらを積み上げ撮影しパソコンで画像処理しつつ「作品」に仕上げていくそうです。横長の画面を拝見していると伽藍で仏像を目の前にしているような錯覚に捉われます。実際中央のグラスは後光のような光が。蛍光灯の光を円形に配置しているとのこと。

ただし、何かを意図して作っているわけでは決してないそうです。それがまた観る者に幅を与え、想像力を喚起させます。

画像と言葉で伝えるのは自分にはこれが精一杯。東京アートフェアの帰り道に気軽に立ち寄ろうなんて勿体ない勿体ない。覚悟してスパイラルへ是非是非!色んな角度から強烈なパンチをお見舞いされること必至です。

ねえ、池内さん、人間の手技には限界が無いんですよ。

展覧会名:「巧術」KOH-JUTSU
会期:2010年4月2日(金) - 7(水)
営業時間:11:00-20:00(会期中無休)
オープニングパーティー : 4月1日(木) 21:00 - 22:30
出展作家:(五十音順・敬称略)
青木克世 / あるがせいじ / 内海聖史 / カンノサカン / 桑島秀樹 / 佐藤好彦
須田悦弘(**) / 諏訪敦(*) / 高田安規子・政子 / 中村哲也(**) / 満田晴穂 / 山本タカト(*)
キュレーター:池内務(株式会社レントゲンヴェルケ 代表取締役)
主催・企画制作:株式会社レントゲンヴェルケ
企画協力:スパイラル/株式会社ワコールアートセンター
出展作家協力(五十音順・敬称略)
ギャラリー小暮(*)
ギャラリー小柳(**)
会場:スパイラルガーデン [スパイラル1F] 
港区南青山5-6-23
tel:03-3498-1171
website : http://www.spiral.co.jp/

問い合わせ:株式会社レントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
website:http://www.roentgenwerke.com
tel/fax : 03-3662-2666
mail : info@roentgenwerke.com


注:写真は主催者の許可を得て撮影したものです。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2084

JUGEMテーマ:アート・デザイン


「巧術」のためのベーシックステートメント

日本の美術史はそれ以前からの工芸史、あるいは明治維新以降人工的に形成された美術史、また強引に導入された現代美術の系譜といった、複数の歴史の平行によって、それら自身お互いに引き裂かれているという奇形化された状態にある。

昨今のアジア経済圏の急激な成長をバックボーンに、日本美術、殊に現代美術は単なる投機と消費の対象となり、その結果の安易なコンセプト構築と粗製濫造が、その本来あるべき誇りと気高さを失ってしまった。

西欧的な美術観に於いては、常日頃から言われる、日本人ならではの物理的な細やかさや器用さは、その思想、あるいは感覚に対する言説に比べ、軽んじられてはいまいか?「器用」「工芸的」といった言葉が、いつの間にか侮蔑の言葉になってはいまいか?

こうした危機感、閉塞感、疑念への率直な返信として「巧術」は企画される。

「巧術」は日本人ならではの「技巧」を通して、これまでの美術と一線を画し、新しい価値観創造の可能性を提示する。
エキゾティシズムに基づかない、より日本の美術ならではの在り方をその鍛錬、修練によって、より高いところへ持っていこうとする作家達のプレゼンテーションによって、その未来を具体的に示唆しようとするものである。

キュレーター
株式会社レントゲンヴェルケ 代表取締役
池内務
展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

内海さんの作品を観るとテンションが上がります。
行った気分になれて良かったです。
ありがとうございました!
mizdesign | 2010/04/02 5:54 AM
@mizdesignさん
こんにちは。

内海さんの作品、義理の母が
3点ほど購入しましたので
次回いらした時に是非観てやって下さい。
Tak管理人 | 2010/04/04 11:06 AM
こんばんは。先日はお世話になりました。
池内ワールド(?)全開の楽しい展覧会でしたね。作家さんとご挨拶出来たのもまた収穫でした。桑島さん、作品の雰囲気とご本人が見事に一致します。

また色々仕掛けて欲しいものです。
はろるど | 2010/04/08 12:06 AM
@はろるどさん
こんばんは。

手抜き一切無しの技巧派の集まり。
はろるどさんお好みの展覧会でしたね。
それにしてもまとまりありましたね〜

拍手拍手。あのスタジャンにも。
Tak管理人 | 2010/04/10 11:55 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック
Spiral Gardenで4月7日まで開催中の「巧術」(KOH-JUTSU)に行って来ました。 この展示チラシに記載されている謳い文句が凄い。「ねえ、池内さ...
「巧術」 Spiral Garden | あるYoginiの日常 | 2010/04/04 12:41 AM
3月後半、更新がすっかり途絶えてしまった当ブログ。主理由としては、風邪その他個人的な体調不良であった訳ですが、漸く快方に向かいつつあるし、新年度の幕開けを過ぎ、今までぐだぐだだったtwitter共々、このブログも少しずつ回復させて行きたいと思ってます。ではま
「巧術」KOH-JUTSU @ スパイラルガーデン(〜4/7) レントゲンヴェルケの池内務氏がキュレーションを務めるグループ展。レントゲンのみでなくギャラリー小柳所属のアーティストなど、出品作家は以下の通り。 青木克世、あるがせいじ、内海聖史、カン
巧術 KOH-JUTSU  | Art and The City | 2010/04/05 1:25 AM
スパイラルガーデン(港区南青山5-6-23) 「巧術 KOH-JUTSU展」 4/2-4/7 スパイラルガーデンで開催中の「巧術 KOH-JUTSU展」へ行ってきました。 出品作家は以下の通りです。レントゲンや小柳の個展などでも印象に深い12名の作家が登場しました。 青木克世、あるが
「巧術 KOH-JUTSU展」 スパイラルガーデン | はろるど・わーど | 2010/04/08 12:03 AM