青い日記帳 

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クリュニー中世美術館

集英社新書『聖なる幻獣』第6章に一角獣が取り上げられています。インダス文明の時代からインドでは一角獣(独角獣)が登場、仏教伝来と共に日本に伝播し『今昔物語集』にも「一角仙人」の話として語り継がれている想像上の動物一角獣。

当然同じようにインドの叙事詩『マハーバーラタ』はヨーロッパにも伝わり一角獣のイメージは広く知られることに。『聖なる幻獣』の著者、立川武蔵氏はまたヨーロッパにおける一角獣の信仰が広がった背景には『旧約聖書』に「一角獣」という語が用いられたことが大きかったと述べられています。

そこまで話が進むといやがうえにもパリ5区モンジュ通りにあるクリュニー中世美術館所蔵の優品「貴婦人と一角獣」の話題に移ります。

クリュニー中世美術館(Musée de Cluny)

クリュニー中世美術館

http://www.musee-moyenage.fr/

以前小池寿子先生や池上英洋先生にインタビューした際、お勧めの美術館をお聞きしたところ、お二人ともこのクリュニー中世美術館をあげていらっしゃいました。美の専門家が絶賛するだけのことあり訪れて損はありません。

『美術史家に聞く』第一回:小池寿子先生
『美術史家に聞く』第二回:池上英洋先生

自分が昨年に訪れた時は、日本人観光客の姿ゼロ。オルセー美術館やルーヴル美術館に大行列をなしている時間帯であってもすんなりと入館出来ました。


中世美術館エントランス

15世紀末にフランス東部のブルゴーニュのクリュニー修道院が建てた邸宅とローマ時代の遺跡(1〜3世紀にかけ使用されたローマ時代の共同浴場の遺跡)この2つの貴重な文化遺産がベースとなっている美術館。要するに建物自体も立派な「作品」なわけです。


これも中世美術館の一部。ローマバス遺跡。

展示室内は7世紀から12世紀にかけてのキリスト教美術をメインにお宝ざくざく。キリスト教美術お好きな方眩暈にご注意。知識の無い自分でも立眩みしたほどです。


彫刻やタピストリーが展示された2階展示室。下の写真左に見えるのはカルカール「受難の祭壇」1483年頃

カルカール「受難の祭壇


他にもこれでもか〜とキリスト教美術が最も隆盛を極めたころの作品が所狭しと展示されています。


元々クリュニー修道院が建てた邸宅ということもあり、環境的にこれ以上の場所望めません。きっと作品だけ何処か別の美術館で展示しても同じような感動得ること不可能でしょう。

さて、2階の展示室の付きあたりにお目当ての「貴婦人と一角獣」展示の為だけに特別に作られた円形の展示室があります。


一歩足を踏み入れるとそこにはまた別の世界が待っています。中世の舘から最新の照明を備えたタペストリー「貴婦人と一角獣」だけの為に用意された空間。

タペストリー「貴婦人と一角獣」
タペストリー「貴婦人と一角獣」美し過ぎて言葉なし。

「貴婦人と一角獣」の画像はそれぞれクリックで拡大します


地元の小学生たちが「貴婦人と一角獣」の前で先生と楽しそうに会話繰り広げている姿の何とも羨ましいこと。


タピスリーは全部で5帳。それぞれに「味覚」「聴覚」「視覚」「嗅覚」「触角」の解放が主題として織り込まれています。

ただこの場に居合わすと、難しい主題のことなど二の次三の次になってしまいます。作品の持つ圧倒的な美しさとそれを最大限に引き出す特別な空間と照明。

ルーヴル美術館やオルセー美術館には無い静寂で神秘的な空間がクリュニー中世美術館にはあります。パリに行かれる機会があればここの美術館是非足を運んでみて下さい。


半円形に展示されたタペストリー(tapestry)を均等に暗闇に浮かびあがらせているのは天井に秘密が。この照明もLEDなのかな?専門家さんヘルプ!

クリュニー美術館
Musee national du Moyen Age - Thermes et hotel de Cluny

所在地:6, place Paul Painleve 75005 Paris
開館時間:9:15〜17:45
休館日:火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
アクセス:地下鉄クリュニー・ラ・ソルボンヌ(Cluny-La Sorbonne)駅、サン=ミシェル(Saint-Michel)駅、オデオン駅(Odéon)下車。


【参考文献】
・「聖なる幻獣 (集英社新書 ヴィジュアル版 16V)
・講談社「世界の美術館」



【関連エントリ】
パリで行った8つの美術館

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トレイシー シュヴァリエ
白水社

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この記事に対するコメント

私好みなのに、知りませんでした!
次回パリに行くときは、ぜひ立ち寄ってみたいですっ。
あきこ | 2010/04/07 2:32 AM
Takさんにご紹介していただいて、パリ初日に行きました。
私が行った時も、勿体ないほどすいてました。
「貴婦人と一角獣」はもちろん、緻密な彩飾写本の美しさにも感動いたしました。

蓮 | 2010/04/07 6:37 AM
最近ロマネスクの美術・建築に関心を持ってまして、

教会・修道院などの建物入り口のタンパーや内陣の柱頭などの浮彫には、素晴らしいものが多いですね。

クリューニュー美術館、パリに行くことがありましたら是非足を伸ばしたいですね。
わん太夫 | 2010/04/07 9:07 AM
ご無沙汰しています。
今度の旅で絶対行こうと思っているところでした。
もう何があっても行きます!
(V&Aのデヴォンシャーハンティングの部屋も素晴らしいですよね! あれでタペストリーの美しさにため息をついて以来、ちょっとタペストリーブームが来ています)
ak | 2010/04/07 9:29 AM
見たい! と思ったら、パリなんですねぇ(涙)
ともりん | 2010/04/07 4:19 PM
こんにちは。ここいいですよねー。
キリスト教美術の奥深さを知らされる感じで。

タペストリーのよさは以前はわからなかったんですが
最近、素朴でいいなと思うようになりました。
不思議な照明には気がつきませんでした。

Takさんがいらっしゃった8つの美術館は
私の好きな美術館とも完全一致です。
モロー美術館にも感激しました。
フランスはやはり美の国ですね。
とーる | 2010/04/09 8:11 AM
@あきこさん
こんばんは。

メトロの駅からも近いですし
ホント、おススメの美術館です。
ステンドグラスを展示した部屋もいいんだな〜

@蓮さん
こんばんは。

やはり空いていましたか!
勿体ないですよね〜
ここで紹介していない展示室もそれぞれ
趣きが違い見応えありますからね。

@わん太夫さん
こんばんは。

この建物自体が重要文化財のようなものです。
そして中にあるものもしかり。

中世美術館是非是非!!

@akさん
こんばんは。

タペストリーの展示を以前、西洋美術館で
拝見して感動した覚えがあります。
日本にない文化ですから見るものすべて
目新しく感じます。

何が何でも行っちゃって下さい!!

@ともりんさん
こんばんは。

たまにま気分転換に
海外の美術館紹介も。。。

@とーるさん
こんばんは。

いいですよねーー
とーるさんなら
きっと上手に写真撮られたのでは?

今度伺う時は一眼レフを買ってからに
しようかと真剣に考えてしまいます。

モロー美術館も最初行った時は
ほんとびっくりしました。
びっくり仰天という言葉がまさに
ぴったりくる美術館ですよね。
Tak管理人 | 2010/04/10 11:53 PM
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       今回のパリ滞在で絶対行きたかったのが「クリュニー中世美術館」地下鉄クリュニー・ラ・ソルボンヌ(Cluny-La Sorbonne)駅を下りてすぐの場所ですが、わたしはサン=ミシェル(Saint-Michel)駅を使いました。ここから徒歩数分ほどで到着。ミュージアム
クリュニー中世美術館 | What's up, Luke ? | 2010/05/22 9:09 AM