青い日記帳 

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「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎」

川村記念美術館で開催中の
「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」展に行って来ました。



待ちにまった「コーネル展」

小箱ならぬ小部屋に川村記念美術館が所蔵する16点のコーネル作品が配置されています。規則正しい配置ながらひとつひとつの作品が星座を形作る星たちのように輝きを放っています。

実際その星座の中に身体を置くと、コーネル・ボックスの住民になったかのような印象を受けます。そう特別展会場自体が「箱の中」なのです。


注:画像は美術館の許可を得て撮影したものです。

ネタバレなんてつまらない心配は無用です。いくら会場写真を目にしようが、「箱の中」に自ら入り込んでみない限りこの展覧会の本質は、僅かなかけらすら手にすること出来ません。



会場はさながらプラネタリウムのよう。暗闇に浮かびあがる16個のコーネル作品。小宇宙を浮遊しながらの作品鑑賞。この特別な空間だけでも気持ち高鳴るの抑えること困難です。

「コーネル廟」の如く一点一点が皆主役。各作品はガラスの仕切り板で区切られそれぞれが独立した空間の中に展示されています。


ジョゼフ・コーネル「無題(星ホテル)」1956年頃
手製の木箱、ブリキ製の太陽(缶の切り抜き)、金属棒、輪、鎖、釘、小球など

「君は君の不眠症に対して何の秘密も持たない」と、入口の看板に書いてある。あなたの部屋の壁は白く、シーツと枕も同様。蝶番で開け閉めする窓がある。ずっと上、天井のすぐそばの格子窓。あたかもこのホテルがかつて監獄であったかのように。
白い真理、ダンの言う「囲い込まれた大いなるもの」。
無限−語るべき物語を持たない時間。
あなたは自分のささやかな糸ですべてを測っている気がしている。それとも靴紐の切れ端で?
だからこそ、コーネルの晩年の箱は、どれもほとんど空っぽなのだ。

           チャールズ・シミック『コーネルの箱』より



コーネルの箱宇宙やコラージュ作品は鑑賞者を饒舌の国から遠ざけ、自閉症の島へ連れ去ります。これまでも常設展示室でコーネル・ボックス拝見して来ましたが、それはいつも繰り返しある種厳格な儀式の如く毎回執り行われます。

そんな伝達手段を失った鑑賞者の唯一の光が、今回は高橋睦郎氏の創作詩。コーネルの一点一点に捧げられたシンプルでありながら暗闇を照らしてくれる手放すことの出来ない貴重な「道しるべ」です。


ジョゼフ・コーネル「無題(ラ・ベラ[パルミジャニーノ]」 1950-56年頃
手製の木箱、複製画、釘、木片など

肖像画の女性は 見つめる
誰を? とりあえず私を
いいえ 私をつきぬけて 向こうを
そのまっすぐな矢によって
私は消去される
女性は消え失せている
            高橋睦郎

この肖像画の女性は一体誰…それはコーネルが密かに想いを寄せていたこの絵の中の女性。



イタリア、ナポリにある「カポディモンテ美術館」所蔵の美女。パルミジャニーノ作「貴婦人の肖像(アンテア)」

丁度タイミングよく、2010年6月26日より、上野、国立西洋美術館にて「ナポリ・宮廷と美 カポディモンテ美術館展〜ルネサンスからバロックまで」が開催されます。(詳しくはこちら

でも、よーく見るとコーネル・ボックスの中に封じ込められた貴婦人とパルミジャニーノの作品には違いがあること分かります。煌びやかなイヤリングは塗りつぶされ、髪飾りやドレスも派手なフリルが付いた部分を上手いこと隠してしまっています。

高貴で華やかな貴婦人から、市井の女性に変貌を遂げているのです。

あっ!いけません。コーネルの作品について語るなんて不遜極まりない。「宝箱」を自分の乏しく汚れた言葉で表現などしたら罰があたります。



「どうして、こんなガラクタ取っておくの!いつまでも!!」おふくろによく叱られたものです。そんな時は決まって「宝物入れ」にそっとしまうのが得策。

間違ってもおしゃべりなお友達や説明したがりの人と行ってはいけません。大事なものは全て「箱の中」にしまってありますから。


高橋睦郎 詩の朗読会「コーネルの箱宇宙を讃える」
日時:4/17(土)14:00-15:00
内容:高橋睦郎がコーネルに捧げる新作詩を朗読し、コーネル作品の魅力について語ります。終了後、書籍サイン会も行います。
場所:集合はエントランスホール。予約不要、入館料のみ。


尚、今回の「コーネル展」の音声ガイドも高橋睦郎氏が担当されています。

4/10(土)の様子
学芸員によるギャラリートーク
6/27(日)14:00−15:00
展覧会の担当学芸員が会場をご案内して作品を丁寧に解説してくれます。
場所:集合はエントランスホール。予約不要、入館料のみ。



ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」Kawamura Memorial Museum of Art "Joseph Cornell + Mutuo Takahashi : Intimate Worlds Enclosed"
会期:2010年4月10日(土)−7月19日(月・祝)
開館時間:午前9時30分−午後5時
(入館は午後4時30分まで)休館日月曜日(ただし、5/3と7/19は開館)、5/6(木)

詳しくは川村記念美術館のサイトで。

尚、今回の展覧会の図録はコーネル作品16点の図版と共に、高橋睦郎氏の詩「この世あるいは箱の人」と新作詩16篇、コーネル小論を収録。

そして何と言っても「フランス綴じ、テキスト活版印刷」(日英バイリンガル、128ページ)フランス綴じの袋状ページを自分の手でペーパーナイフで一頁ずつ開いていくタイプの非常に珍しい展覧会カタログとなっています。


綴じ紐の色も微妙に違い3種類あります。

また黒檀、水牛角、シェルと3種類のペーパーナイフも別売りで販売。家に愛用のペーパーナイフあるにも関わらず買ってしまった。。。でも図録を開く勇気無し。

このまま「宝箱」行きかも。

「コーネル展」は7月19日までです。是非!



花の絵と和歌のコラボレーション!東京国立博物館所蔵の「色紙貼付桜山吹図屏風」 (屏風=伝・俵屋宗達/色紙=本阿弥光悦)を期間限定で特別展示!3月30日(火)〜5月23日(日)


屏風:伝・俵屋宗達/色紙:本阿弥光悦「色紙貼付桜山吹図屏風
江戸時代 17世紀 東京国立博物館所蔵

DIC総合研究所のツツジ山一般公開
【期間限定】
川村記念美術館の隣には、当館の運営母体であるDIC株式会杜の総合研究所があります。
通常、研究所の敷地内には関係者以外の方は入れませんが、毎年ツツジが咲くこの時期に一般公開しています。全長約300m続く斜面に植え込まれた3万本のツツジは、樹齢50年以上の大株も含まれピンク、紅色など色鮮やかです。一番の見ごろは20日前後と予想しています。
館内で開催中の「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎箱宇宙を讃えて」展とあわせてお楽しみください。

一般公開日:4/17(土)、18(日)、24(土)、25(日)、29(祝・木)5/1(土)〜5(水)
開門時間;9:30〜16:30(美術館側の庭園は17:00まで)
入園:無料


昨年2009年度のツツジ山の様子はこちら。
「ツツジ山」@川村記念美術館

それでは最後に「今日の美味


川村記念美術館館内にはお茶席が用意されており、一服600円で美しい景色を拝見しながらお茶楽しむこと出来ます。今回頂戴したのは「野辺の春」窓の外の景色をぎゅっと和菓子に凝縮。

おまけ

桜も満開!4月10日(土曜日)に伺い撮影したものです。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2095

JUGEMテーマ:アート・デザイン


貝殻や星図、リキュール・グラスや古い絵画の複製など、小さな品々が詰まった手作りの木の箱。コーネルが地下室のアトリエでこつこつと作り続けたそれらは、美術作品でありながら、彼自身の幸せな子供時代を封じ込めた宝物箱、叶わぬ夢や憧れのための飾り棚といえるものでした。そしてまた、両手で抱えられるほどの大きさの箱は、のぞき見る人の空想しだいで、どこまでも拡がっていく無限の宇宙にも姿を変えます。誰もが心の奥に大切にしまいこんでいる世界。その豊潤さや甘美さを、コーネルの箱は思い出させてくれるのです。

そんなコーネル芸術を深く敬愛する高橋睦郎(むつお)は、1993年に「この世あるいは箱の人」と題した詩をつくり、この稀代のアーティストを讃えました。そして本展では、当館が所蔵する7つの箱作品と9つの平面コラージュひとつひとつに捧げた詩16篇を新たに発表します。コーネルの創作と同じくひそやかに綴られた言葉は、その「小さく広大な世界」を清新な光で照らし出すにちがいありません。

美術家と詩人、20世紀のアメリカと現代の日本――異なる時空に生きながら、それぞれ独自の小宇宙を創造したふたりのコラボレーションを通じ、これまでにないコーネル・ワールドを体験していただけることでしょう。

展覧会 | permalink | comments(5) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

こんばんは
いつ行くことができるかはわかりませんが、必ず行くつもりの展覧会です。
コーネルの箱を見ていると、自分もその中に入り込みたくなったりします。
そして高橋睦郎。学生時代から偏愛しています。
音声ガイドはニガテなのですが、あのヴォイスが耳朶をくすぐるのを感じたい、と思いました。
壁に映る影、そのお写真とてもすてきです。
遊行七恵 | 2010/04/14 12:56 AM
今晩は、
コーネル好きすぎて、初日の10日に行ってきました!!
いつも川村に行くとコーネルの前から動けなくなってたから
彼の箱の世界にどっぷりつかれてもう幸せでした。
ギャラリートークも学芸員さんの熱意があってよかったですよ。
みちよ | 2010/04/18 12:41 AM
@遊行七恵さん
こんばんは。

高橋さんについて検索していると
遊行さんのブログがヒットしてびっくり。
しかも読んでまたびっくり。
筋金入りのファンではないですか〜

内覧会にお邪魔したかみさんは
間近で高橋氏を目にし朗読拝聴してきたそうです。
羨ましい話です。。。

@みちよさん
こんばんは。

おーーその日、その時間に
私も居ましたよ!
お声かけして下されば…
(って分からないですよね)

林学芸員さんの熱のこもった
解説良かったですよね。
かなり長い時間美術館に居ました。
Tak管理人 | 2010/04/18 6:46 PM
こんばんは。

コーネル、作品はもちろん、展示形態に大感動でした。
繰り返されるオルゴールのメロディーとお星さまに包まれたあの非日常空間にいると、体が完全に「作品との対話」モードにチェンジされますね!


図録、自分の鋏で切ったら大失敗でした・・・
ペーパーナイフをお買いになったのは正解だったと思います
NAGA_y_ | 2010/06/16 1:46 AM
@NAGA_y_さん
こんにちは。

愛用しているペーパーナイフが
あるのですが、ショップで一目惚れしてしまい
水牛のペーパーナイフこれ用に購入しました。
Tak管理人 | 2010/06/20 9:09 AM
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&nbsp;現在、国立西洋美術館で行われているナポリ・宮廷と美 カポティモンテ美術館展に行ってきました。おすすめ度としては星5つです。冠画家さんのタイトルがついていないので、あまり混雑はしていませんが、とてもいい作品が揃っています。ルネッサンスからバロ
カポディモンテ美術館展@西洋美術館 | 渋谷で本とウェブデザイン作ってます。 ウインバレーブログ | 2010/06/28 6:58 AM