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「会田誠+天明屋尚+山口晃」

高橋コレクション日比谷で開催中の
「会田誠+天明屋尚+山口晃 誠がいく、尚がいく、晃がいく―ミヅマ三人衆ジャパンを斬る―」展に行って来ました。



昭和40年会のリーダー松蔭浩之さんが撮影したミズマの三羽ガラスの顔写真がフライヤーにどーんと。まぁこれは許せるにしても「誠がいく、尚がいく、晃がいく―ミヅマ三人衆ジャパンを斬る―」このサブタイトルは如何なものかと。

この3人の展覧会ならそんな脚色せずとも、十分作家の知名度&作品力で推せるはずなのにな〜。意外と最近展覧会のタイトルについて考えること多かったりするものでついつい。

サブタイトルはいただけなくても「会田誠+天明屋尚+山口晃」会場内は超充実。これでたったの300円は立地も考慮すると安過ぎます。既に2回ほど伺いましたが、いや〜楽しい愉しい。

自分のような現代アートに疎い者にとってはこうした評価の定まった作家さんの作品をまとめて拝見出来るのが何よりも嬉しいこと。ましてや今回の顔ぶれといったらもう。。。

まずは会田誠さんの作品から

注:会場内の写真は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。


会田誠「支那料理(戦争画RETURNS)」1999年、「ジューサーミキサー」2001年、「犬(雪月花のうち“月”

日本人が中国人に対して抱いている劣等感と優越感を現したという「支那料理」。粗野なビールケースの上に飾られているのも意味深です。

上野の森美術館での山口晃さんとの二人展では展示位置がかなり高い場所だったのでその圧倒的で病的な描写力を目の当たりに出来なかった「ジューサーミキサー」。今回の展覧会ではご覧の通りのポジショニング。

会田誠さんが中学1年の頃から抱いていたというこのイメージ(どんな中学生だ!でもそれが普通か。みなそんなことばかり考えていたりするもの)

だからフェミニストから苦情が来ても返す答えが見つからないとか。「ルーベンス的な西洋絵画への憧憬も込めて描いた。」やっぱ天才だね。


会田誠「ジューサーミキサー」2001年、「犬(雪月花のうち“月”

犬(雪月花)」についてはフェミニストのみならず、ぱっと一目見ただけで嫌悪感抱かれる方も多いかと思います。作家の意図したものはなんであるのか?いくつかのテキストの中からこちらをご紹介。
よく誤解されるのですが、僕が美術大学で専攻したのは日本画ではなくて洋画です。だから僕にとって日本画とは、もともと僕自身のべースにあったテーマではありません。それは僕が、言外に〈国際統一規格〉を標榜するかのような〈現代美術〉というジャンルで制作を始めるようになった時期に、意図的に設定したテーマのひとつでした。単なる攻撃目標という訳ではなくて、この国際化の時代にもドメスティックな美意識と循値体系を一部に温存し続ける日本人の国民性が、僕にはいろいろな意映で興味深いのです。僕がこの「犬」シリーズで狙ったのは、大正期あたりの日本画の「美人画」が秘めていたような、繊細で柔弱でどこか楽天的な変態趣味を、濃縮して抽出することでした。
(作品集『孤独な惑星―会田誠作品集』より)
会田誠さんの作品はこれらを含め全部で9点(うち1点や山口晃との合作)出展されています。これだけ見るだけでも十分行く価値あります。

そうそうこちらのブログも一読してから是非「会田誠はいつ有名になるのか?

【会田誠:関連エントリー】
- ギャラリートーク「森山大道×会田誠」 | 弐代目・青い日記帳
- 「アートで候。会田誠 山口晃展」 | 弐代目・青い日記帳
- 会田誠 展「ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!!」 | 弐代目・青い日記帳
- 「会田誠 山口晃 トークショー」 | 弐代目・青い日記帳
- 「アートで候。」会田誠ギャラリートーク | 弐代目・青い日記帳
- 鷹野隆大×会田誠トークイベント「総理に聞く・・・(仮)」 | 弐代目・青い日記帳
- 冬子と誠 | 弐代目・青い日記帳

さてお次は天明屋尚さん。


天明屋尚「新形百物語 空手家大百足退治ノ図」2004年、「新形百物語 女郎蜘蛛ノ図」2004年、「九尾の狐」2004年、「漢字紅葉図具羅富異帝杉戸絵 大和魂一匹狼」2000年、「漢字燕子花図具羅富異帝杉戸絵 一撃必殺特攻隊」2000年

一転してグラフィカルな世界へ。個人的にお気に入りなのは「九尾の狐」尾っぽが9に分かれている不気味な獏のような風体の狐。悪そうな顔していますが、場所によっては吉祥を示す獣、「瑞兆」とされてもいるそうです。

天明屋さんの作品は日本の文学や歴史に依拠しているものが多く、「女郎蜘蛛ノ図」も谷崎潤一郎の『刺青』がモチーフだとか。

また、画像右の2作品は琳派風。旧家から譲り受けた杉戸に「大和魂一匹狼」「一撃必殺特攻隊」の文字が派手に舞っています。これぞバサラ!

天明屋尚さんの作品は全部で6点出てます。
イチオシは…「刺青マン」かな。

【天明屋尚:関連エントリー】
- 天明屋尚展「闘魂」 | 弐代目・青い日記帳
- 天明屋尚展「風流(ふりゅう)」 | 弐代目・青い日記帳
- アーティスト・トーク「天明屋尚×松井冬子」 | 弐代目・青い日記帳
- 「ORDER RECEIVED」 | 弐代目・青い日記帳
- 「MOTアニュアル2006」 | 弐代目・青い日記帳
- "私ならこれを選びます" | 弐代目・青い日記帳

最後は山口晃さん。


山口晃「何かを造るの圖」2001年、「九相圖」2003年、「花圖」2003年、「東京圖 奨堕不楽乃段」2001年

全て『山口晃作品集』に掲載されているお宝作品。悲しいかな、山口さんの作品はいくらルーペで拡大しても印刷物で伝えられる情報は極端なまでに限られてしまいます。

「ここの部分どうなっているのだろう?」なんて普段から作品集見て疑問に思っている箇所も高橋コレクション日比谷に来れば一気に解決。

どれも皆それぞれ違った風情ありでたまらないのですが、この中だと必見は「九相圖」かな。朽ちていく馬バイクのなれの果てや如何に。

出展作品数は5点(うち1点は会田誠との合作)と3人の中で最も少ないのですが、まぁ、描き込まれている情報量は相当なものが。

山口晃さんの場合、集中して楽しめる限界が4,5点でしょう。ましてや今回の作品はそれぞれ違った趣がありますので。「メカ雀」も見つけて下さいね。

【山口晃:関連エントリー】
- 「さて、大山崎〜山口晃展」 | 弐代目・青い日記帳
- 「山口晃展」 | 弐代目・青い日記帳
- 山口晃「すゞしろ日記」 | 弐代目・青い日記帳
- 山口晃「ラグランジュポイント」 | 弐代目・青い日記帳
- 山口晃トークショーin練馬区立美術館 | 弐代目・青い日記帳
- 「prints (プリンツ) 21」山口晃特集 | 弐代目・青い日記帳
- 「さて、大山崎〜山口晃展」関連企画「山口晃 ソロトーク」 | 弐代目・青い日記帳
- 「アートで候。会田誠 山口晃展」 | 弐代目・青い日記帳
- さて、山口晃 | 弐代目・青い日記帳
- 「続・無残ノ介」完成!山口晃展in練馬区立美術館 | 弐代目・青い日記帳

「会田誠+天明屋尚+山口晃」展は8月8日までです。お見逃しなく!

会期中トークイベントも予定されています!
5月29日(土)会田誠
6月12日(土)山口晃
7月10日(土)天明屋尚



高橋コレクション日比谷
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井ビルディング1階
TEL:03-6206-1890
開館時間:午前11時−午後7時 月曜日休み
交通案内:・JR「有楽町」駅徒歩5分
     ・東京メトロ千代田線・日比谷線「日比谷」駅(A5、A11出口)徒歩1分
入 場 料:一般 300円/大高生 150円 ※中学生以下無料


【関連エントリー】
- 速報「ネオテニー・ジャパン 高橋コレクション」 | 弐代目・青い日記帳
- 「ネオテニー・ジャパン」 | 弐代目・青い日記帳
- 「ネオテニー・ジャパン」山口晃アーティスト・トーク | 弐代目・青い日記帳

ミヅマアートギャラリーでは現在、会田誠展「絵バカ」を開催中です。

2010年5月6日(木)- 6月5日(土)

展覧会名『絵バカ』はお察しの通り、平井堅のアルバム「歌バカ」のパクリであり、本人曰く<ここからしてバカ>だそうです。会田はこのタイトルに<日本の美術大学、しかも油絵科出身という“負の出自”を自ら背負い込む覚悟>を込めており、それを具体的に示した新作油彩画と新作ビデオ作品も出品します。

会田曰く<展覧会名通り本当に僕が絵を描く行為にぞっこんなのか、それとも僕が描いたものがバカ絵なのか、それとも単に僕が絵をバカにしているのか・・・その辺も含めて楽しんでいただける絵画展になるでしょう>。


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2125

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会田誠「カリコリせんとや生まれけむ
「もっとも危険な現代美術家による初エッセイ集」

本書を目にした者はもれなく思うはずだ。「カリコリ」ってなんだ? と。著者によるとそれは、ほどよく洗髪していない時に、痒(かゆ)い頭を他人に掻(か)いてもらう少し変わった方法のことらしい。ただし、シャンプーで洗ってしまえば前提となる「良い痒さ」は消えてしまう。また単に掻けばよいのではなく、その手法はシンプルだが厳密に定められてもいる。「カリコリ」には、著者が十年以上にわたり頭をほどよい痒さに保ち、カリコリしてきたノウハウが詰められているのだ。ただし、著者はそれを単なる生活の工夫に留めようとは思っていない。カリコリの恍惚(こうこつ)には、人類の宿痾(しゅくあ)である戦争をはじめとする憎しみを武装解除するほどのパワーがあり、ひとりの美術家として、そこに無限の可能性を感じているという。(椹木野衣)
読売新聞2010年3月23日:書評



 日本の現代を描く、傑出した3人のアーティストの作品を展示いたします。
 日本人が培ってきた美意識と、研ぎ澄ましてきた技。その歴史の流れの上に立ちながら、新たな美術を切り開く彼らの活躍はめざましく、国内外で注目を集めています。
 三人三様、時に挑発的、挑戦的な作品は、我々の社会や時代、歴史認識、あるいは美術の制度、美術業界といったものに対して、鋭い刃を突きつけます。圧倒的な表現で、ただ美しいだけではない美術の側面を、人間の姿を見せつけるのです。
 「COOL JAPAN」などと海外からもてはやされるトレンドにも、バブルで浮き沈みするアートマーケットにも、冷ややかな視線を投げかけます。
 我が国はいまだに、「YOKOSO JAPAN」などといったステレオタイプで時代錯誤的、自虐的な自国のキャンペーンを恥ずかしげもなく打ち出しています(平成21年度冬)。そんなJAPANを斬る、3人衆の作品です。

展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

先日親子で堪能してきました。
なかなか刺激的な作品が多くて母として大丈夫か
とてもドキドキだったのですが
息子はとても楽しかったそうです。
今度山口晃さんの作品をみる時は
虫眼鏡と椅子を持ってきたいそうです。
虫眼鏡はいいのですが椅子は私が持たされるのでしょうか。
それは困ります。。。
せいな | 2010/05/13 7:34 PM
展覧会タイトルはともかく(笑)内容は充実しててかなり楽しめました。
フライヤーの写真は古すぎですよねぇ。
山口さんの「花圖」は初見だったのですが、雀にヤラれました!
わたしが行った日はちょうど山口さんがいらしたので
「これ、初めて見ます」と言ったら「昔の個展ではよく出してたんですよ」とのことでした。
そうでしたか。
「絵バカ」も今日見て来ましたよ。
「うわーー」な展示でしたね(笑)
さちえ | 2010/05/14 12:08 AM
@せいなさん
こんにちは。

三人の作品をこうして
同時に展示すると
それぞれ個性強いので
拒絶反応示すかな〜と
思っていましたが、何々
上手いことまとまっていました。
まだまだ開催しているので
また近いうちに。

@さちえさん
こんにちは。

えーーと、、、一時間オープニングの時間
勘違いして出かけてしまいました。
それでも無理して入れてもらい
たっぷりと堪能してきました。
「花圖」のメカスズメほか良い感じでした。
あそこだけ額装してもいいかも。

「絵バカ」はタイトルとおりでしたね。
ほんとバカですww
裏の小部屋の作品も御覧になられました?
Tak管理人 | 2010/05/21 5:02 PM
初めまして、Tak様
ブログはずっと拝見しておりましたが、見逃していました。
慌てていきました。
上野の森の二の舞になるところでした。
さいこーっです。この展覧会の図録があればいいのに‥。
shiz
shiz | 2010/08/03 9:04 PM
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 ブログ「ARTTOUCH」の記事で、安積桂氏が、市ヶ谷のミヅマ・アート・ギャラリーで開催されている会田誠展「絵バカ」を取り上げているので、見に行ってきました。  会田誠氏の絵画について直接目にしたのは、山口晃氏とのふたり展『アートで候。』(上野の森美術館、
「会田誠」展 | 映画的・絵画的・音楽的 | 2010/05/31 9:49 PM