青い日記帳 

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「語りかける風景」

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景ーコロー、モネ、シスレーからピカソまで」展の内覧会にお邪魔して来ました。



『世界の車窓から』のワンシーンみたいなチラシ。駅に展開している広告で目にすると尚更。窓は風景を切り取ってくれるフレームとして重要な役割を担っているかのようです。

さて、印象派の展覧会がひしめき合う2010年。この展覧会にも印象派に属するメジャーな画家による風景画が多数出展されています。「印象派」の文字をタイトルに敢えて用いないところが控えめなBunkamuraさんらしいところ。


展示室内にも「窓」が設置されています!
注:画像は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです

15世紀イタリアで初めて風景画が描かれるようになったものの独立したジャンルとして世に認められるには19世紀まで待たねばなりませんでした。

『西洋美術史入門』を開いてみると、かつて絵画のジャンルには厳然としたヒエラルキーが存在していたことが記されています。

例えば、フランス王立アカデミーでは、1位:歴史画(宗教画)。2位:肖像画。3位:静物画。「風景画」はどこに?アカデミーで風景画部門(歴史風景画)が出来たのは1817年になってやっと。そりゃ〜印象派と深い繋がり出来るはずです。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:窓からの風景
2:人物のいる風景
3:都市の風景
4:水辺の風景
5:田園の風景
6:木のある風景


1:窓からの風景


左から、ロタール・フォン・ゼーバッハ「屋外、バルコニーの女性」1905年、リュック・ヒューベル「後ろを向いてたたずむ女性、窓の前」1926年、モーリス・マリノ「室内、縫い物をするエレーヌ」1904年

フェルメールを代表とするオランダ・フランドル絵画の現代版のようなマリノの作品や、ハンマースホイを彷彿とさせるヒューベルの描く憂いある背中の女性。いずれも共通項は「窓」こうした括りで見ると一見関連の無さそうな作品も一本の線で結ばれるもの。

2:人物のいる風景


ギュスターヴ・ブリオン「女性とバラの木」1875年 油彩・キャンバス

少女が主役の作品ですが、それに負けじとバラも存在感露わに描かれています。脇役から主役の座を狙う。風景画下剋上。でもそんな生臭いイメージは全く受けません。

人間と自然を切り離して考えること自体ナンセンス。一体となって平和で穏やかな景色を作り出している作品です。因みにブリオンはガーデニングが趣味だったそうです。

3:都市の風景



今回の展覧会会場は全体が淡い色で統一されています。また随所にスリットが入れられ向こう側の景色が垣間見られるような工夫が。この演出がニクイ。一見単調になりがちな風景画展の良いスパイスとして効果発揮しています。

のぞき見える風景って何だかわくわくしますよね。

4:水辺の風景


ポール・シニャック「アンティーブ、夕暮れ」1914年 油彩・キャンバス

南仏をあいしたシニャックの点描画による風景画。描かれた時間は何と午後8時過ぎだとか!「紫立ちたる雲のたなびきたる」ではないですが、まさに日が沈む前の夕刻の紫色にそまる港を描いた一枚。


ジャン=バティスト=カミーユ・コロー「ヴィル・ダヴレーの池
1860-63年頃 油彩・キャンバス

5:田園の風景


クロード・モネ「ひなげしの咲く麦畑」1890年頃 油彩・キャンバス




アルフレッド・シスレー「家のある風景」1873年 油彩・キャンバス

水辺の絵だけがシスレーじゃない!どこかで「シスレー展」開催してくれないかな〜随分昔に今は無き新宿伊勢丹美術館で「シスレー展」観たのが確か最後かと。

6:木のある風景



何故に「木のある風景」?と思いましたが、よくよく考えてみれば木の描かれてない風景画探す方が困難。風景画に木はなくてはならぬもの。その中でもとりわけ大きな存在感を示している作品を紹介。

今日の一枚」はカンディンスキーのこの一枚。
http://twitter.com/taktwi/status/14559764537

ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景
会期: 2010年5月18(火)−7月11日(日) 開催期間中無休
開館時間: 10:00−19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会場: Bunkamuraザ・ミュージアム



Bunkamuraは7月11日まで会期中無休です!
その後、以下の美術館へ巡回します。

熊本県立美術館 2010年4月3日(土)−5月9日(日)
石川県立美術館 2010年7月22日(木)−8月23日(月)
岐阜県美術館 2010年9月3日(金)−10月17日(日)
秋田市立千秋美術館 2010年10月23日(土)−11月28日(日)


ツイッターやってます。
Twitter @taktwi

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それでは最後に「今日の美味


Dr.スチュアート」の「ハーブキャンディー カモミール&マヌカハニー」

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2136

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フランス北東部アルザス地方の中心都市ストラスブールは、ライン河沿いの交通の要所として古くから栄え、フランスとドイツの文化が融合した観光の名所でもある。美術館・博物館も多く、ストラスブール美術館と総称する中には10の施設がある。本展はそのうちの古典美術館と近現代美術館が収蔵する風景画の秀作約80点で構成される。展覧会は6つの章に分かれ、「窓からの風景」、「人物のいる風景」、「都市の風景」、「水辺の風景」、「田園の風景」、「木のある風景」として、ヨーロッパ近代美術における風景画を体系的にたどりながら、その特徴を分かりやすく説明する。本展ではコロー、クールベ、モネ、シスレー、シニャック、デュフィといったフランス近代絵画を代表する画家の作品に加え、ストラスブールを拠点に活動した日本であまり知られることがなかった才能豊かな画家たちが描いた風景画も堪能することができる。また、ピカソ、カンディンスキー、エルンストらの描く意外な風景画も、展覧会に華を添えている。
Exposition réalisée par les Musées de la Ville de Strasbourg
展覧会 | permalink | comments(2) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

今回のベスト・オブ・ベストはカンディンスキーの《サン=クール公園》。後は・・・でした。
とら | 2010/05/24 8:29 PM
@とらさん
こんにちは。

カンディンスキーの《サン=クール公園》
ナンバー1に異論無しです!!
ポストカードも売ってましたしね。
Tak管理人 | 2010/05/31 5:09 PM
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 ストラスブールはアルザス地方の中心都市。現在はフランスに属しているが、いわば歴史に翻弄された街で、しばしばドイツ領となっている。  その中に10もの美術館・博物館があるが、今回はそのうち古典美術館と近現代美術館に収蔵されている風景画が展示されている
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