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「阿蘭陀とNIPPON」

たばこと塩の博物館で開催中の
日蘭通商400周年記念展「阿蘭陀とNIPPON」展に行って来ました。



「日蘭通商400周年記念展」=徳川幕府がオランダに貿易許可書としての「朱印状」をはじめて発行してから401年目にあたるのが今年2010年なのだそうです。

今から10年前の2000年に大阪市立美術館で開催された「フェルメールとその時代展」は日蘭交流400周年記念特別展覧会との冠が。こちらはオランダの商船「デ・リーフデ号」が大分に漂着し、日本とオランダの交流が始まって400周年にあたる年にかこつけ開催。


フェルメールとその時代展
2000年4月4日〜7月2日 大阪市立美術館


まだ他にも関連付け毎年のように開催できそうなオランダ関連展。長い鎖国時代にもヨーロッパで唯一交流があった特異な国であるオランダ。お付き合いはとても古くそして長いが故、日本とヨーロッパの文化交流を知る上で見過ごすことの出来ない大事な国でもあります。

展覧会の構成は以下の通り。

プロローグ:南蛮の時代
第1章:VOCによる通商
第2章:交流と影響
第3章:シーボルトと川原慶賀
エピローグ:出島の終焉〜商館長から領事へ〜



VOC紋芙蓉手染付皿」出島オランダ商館跡出土
日本・肥前 17世紀末〜18世紀初頃 長崎市教育委員会蔵

当時世界をまたにかけ大活躍していた「総合商社」VOC(オランダ東インド会社:Vereenigde Oost-indische Compagnie)中央にはしっかりVOC紋が。

バタヴィア(現在のインドネシア・ジャカルタ)やゼーランディア城(現在の台湾・台南市)に本部、拠点を置きアジアから大量の物資をヨーロッパへ送り込んだVOC。展覧会にはこうしたアジア拠点の様子を描いた作品や出土品など絵画好きより歴史好きの方の心をくすぐる展示物がずらり。

中には全世界で現存たった5枚しかないとされる「VOC慶長小判」のような超レアものも展示。オランダ王立貨幣博物館所蔵の1枚です。

他より照度を落としてある一角がありそこを覗いてみるとなんとレンブラントの版画が展示されているではないですか!「レンブラントと和紙」と銘打たれたコーナー


レンブラント「足を洗う女」(和紙刷り)1658年
ボイマンス・ファン・ベウニンゲン博物館蔵

一般的な「洋紙刷り」のレンブラントの版画に混じり、和紙刷りの作品も2点ほど。(レンブラントは合計7点展示されています)この当時既にオランダに和紙が伝わっていたことを示すもの。

何でも、「レンブラントは和紙を1645年頃から使い始め、和紙に刷った作品の点数は80にのぼると推定されている。和紙は1643年か1644年には出島から輸出されていたため、レンブラントはそれらの舶載和紙をアムステルダムで入手し使用したのであろう。」とのこと。

徳川家康がVOCに朱印状を発給したのが慶長14年(1609)。それから50年後には和紙が海を渡り遥かオランダの地まで運ばれ、レンブラントの手に渡っていたことに。しかも洋紙には無い和紙独特のきめ細やかさが版画に向いていると積極的に受け入れられたことの証でもあります。

ロマン感じずにはいられませんよね〜

この他にも浮世絵に色彩革命をもたらしたプルシアンブルー(ベルリンブルー)などの輸入顔料の展示も。(「洋風画と輸入顔料」)

そして今回最も注目したのがこちら。


作者不明「『ヤポンス・ロック』を着たF.ライデッカー肖像画」1690年頃
アムステルダム国立博物館蔵

注目して欲しいのはこの肖像画に描かれた人物自身ではなく、彼が羽織っている着物風の衣裳。VOCがオランダに紹介し当時の富裕層のステータスシンボルにまでなった日本の着物を「ヤポンス・ロック」と呼ぶそうです。

今日の記事の前振りでフェルメールを登場させたということは…

そうです!フェルメールの描いた作品の中にもこの「ヤポンス・ロック」と思える衣裳身にまとっている人物画ありますよね!!


ヨハネス・フェルメール「地理学者」1669年
シュテーデル美術研究所蔵

ドイツ・フランクフルトにあるシュテーデル美術研究所にあるこの優品が来年2011年3月3日(木)〜2011年5月22日(日)Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」にやって来るのは単なる偶然とは思えません。

「阿蘭陀とNIPPON」展拝見しながら、「地理学者」の予習が出来てしまうとは!そして何とヤポンス・ロックだけでなく、「地理学者」に描かれている地球儀(天球儀?)とほぼ同じものがこの展覧会に出ているのです。


地球儀・天球儀」ファルク工房 1745年および1750年
武雄鍋島家資料 武雄市

「地理学者」が地図に定規をあてつつ、手にしているのはコンパス。展覧会会場には「フリーメイソンシンボル入り文箱」「フリーメイソンシンボル入り小箱」も。

そう、フリーメイソンのシンボルであるコンパスや定規が描かれている小箱たち。。。そして「万物を見通す眼」も。そんな見方していると、「地理学者」の目線がとてもとても気になりだし今までと違った観方が。。。

来年2011年3月3日(木)〜2011年5月22日(日)Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」で「地理学者」に再開する楽しみ増えました!

っていうか、これ観に行かないと駄目でしょう〜取り敢えず。
入館料たったの300円ですから!


日蘭通商400周年記念展「阿蘭陀とNIPPON」
2010年4月24日(土)〜7月2日(金)
たばこと塩の博物館/長崎歴史文化博物館/
オランダ王国大使館/東京新聞
日本とオランダの出合いは、一隻のオランダ船が大分に漂着したのがきっかけだった。1600(慶長5)年のことだ◆9年後に、徳川家康はオランダに朱印状を与え、250年に及ぶ交易が始まる。鎖国政策の日本が外交関係を維持した唯一の西洋国家がオランダだった。東京の「たばこと塩の博物館」で開かれている記念展が、両国の多彩な交流の歴史を伝える◆オランダを代表する画家レンブラントは和紙に銅版画を刷った。葛飾北斎や安藤広重は、欧州製の青色の合成顔料を浮世絵に使った。交易がなければ、こうした作品は生まれなかったかもしれない◆さらにオランダでは、日本の着物が「ヤポンス・ロック」と呼ばれて大流行した。日本には地球儀や医学、軍事技術がもたらされ、蘭(らん)学(がく)が興った。オランダから入った欧州の技術や知識は、日本近代化の基礎になった◆忘れてはならないのが、オランダが伝えた西洋情勢などの情報で、風説書(ふうせつがき)と呼ばれる文書だ。米国からペリーが浦賀に来航した前年には、米国の艦隊派遣を予告している。オランダを通して、幕府は欧米諸国で進む近代化の動きをつかんでいた◆日本の開国とともに濃密な日蘭関係は幕を下ろした。しかし、労働者が仕事を分かち合うワークシェアリングや生産性の高い農業など、日本が学べる点は今も多い。サッカーW杯で対戦する難敵だが、連綿と続く交流の歴史にも目を向けたい。(神戸新聞)

フェルメール繋がりでこちらも。

映画「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ
8月21日:渋谷ユーロスペースにてロードショー
特別鑑賞券1,400円(税込) 絶賛発売中!劇場窓口でお買い求めの方に先着でアムステルダム国立美術館オリジナル名画ポストカードをプレゼント。


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壁紙もダウンロード出来ます!

ところで、チラシに用いられているこの可愛らしいお嬢さんは誰?
答えはこちらの記事にあります。


さて、土曜日はいよいよオランダ対日本代表の試合。強豪オランダに思い切って勝負に出て欲しいものです。フラッグはたばこと塩の博物館にあったものです。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2162

JUGEMテーマ:アート・デザイン


今年、2010年は、徳川幕府がオランダに貿易許可書としての「朱印状」をはじめて発行してから401年目にあたります。17世紀以降、唯一交易を許された西洋の国オランダを通じて、様々な文物が日本からヨーロッパへ、またヨーロッパから日本へもたらされました。この背景には、オランダ東インド会社(VOC)による活発な海上交易活動があり、日本とオランダを結ぶ窓口となったのが長崎でした。さらに徳川幕府は、長崎のオランダ東インド会社を通じて海外情報を入手するなど、オランダは日本にとって、世界情勢を知る上でも重要な役割を果たしていました。こうした二国間の交流を通じて、ヨーロッパでは芸術や生活文化において、日本や中国などの東洋の文化を志向する風潮が生まれます。一方、日本では長崎を通じて入ってきたヨーロッパの様々な文物が、日本人の生活や文化、学問に大きな影響を与えました。
本展覧会は、17世紀から19世紀にかけての日蘭交流の歴史で重要な役割を果たしたオランダ東インド会社の活動や、日本とオランダが相互に与えた影響を、美術・工芸資料、歴史・考古資料を通して再認識していただくものです。


展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

こんにちは。
「ヤポンス・ロック」確かに観ました。でもフェルメールの
あの作品に、なんて気もつきませんでした。
ありがとうございます。
もう来年が待ち遠しいです。!
すぴか | 2010/06/19 9:57 AM
ヤン=ファン=メーヘレンのフェルメール偽作が、オランダ ロッテルダムのボイマンスで展示されているようです。きれいなカラーイメージのあるサイト参照:Van Meegeren’s Fake Vermeers
偽作ってのは実は観る機会も良質な写真をみる機会も少ないんですよね。
山科 | 2010/06/19 11:05 AM
@すぴかさん
こんにちは。

オランダと聞くとすぐ
フェルメールと結び付けたくなる
悪い癖が今回は功を奏したかと。

シュテーデルの「地理学者」は
良い作品ですよ〜〜3月が待ち遠しいです!

@山科さん
こんにちは。

ここでは色々と書けないのですが。。。

Twitterで一時この展覧会のことばかり
つぶやいていました。

知人がロッテルダムまで観に行ってきました。
Tak管理人 | 2010/06/20 9:31 AM
長崎関係ですが、エルグレコの作品 聖母戴冠 1作だけですが、プラドから長崎県立美術館に借りてきてます(〜10/24)
なかなか良いもので、2回見に行きました。URLを美術館サイトにリンクさせてます。
山科 | 2010/06/20 11:43 AM
こんにちは。
知っているようで知らなかったVOCの詳細が良く分かりました。
こういう展覧会は貴重ですね。
図録もハンディで、論考が素晴らしいものでした。
とら | 2010/06/21 11:06 AM
@山科さん
こんにちは。

いつも貴重な情報ありがとうございます。
さすが「長崎」といった感ありますね。
ここは平成の世でも特区なのかも。。。

@とらさん
こんにちは。

前半はほとんどVOCにまつわる展示でしたからね!
こうした展覧会はほんと有難いです。
図録そんなに良かったですか。
急いでいたので全く見ずに出てしまいました。
次行く時にチェックしてみます。
Tak管理人 | 2010/06/27 2:42 PM
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