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「隅田川展」

江戸東京博物館で開催中の
特別展「隅田川〜江戸が愛した風景〜」の内覧会にお邪魔して来ました。



昭和から平成にかけすっかり往年の輝きを失ったかのように見えた隅田川も、東京スカイツリーの建設により一躍脚光を浴びることに。捲土重来の勢い。

そんな周囲のお祭り騒ぎに呼応するかのように、江戸東京博物館の独自企画展「隅田川」がスタートしました。今よりも何十倍、何百倍も隅田川が存在感誇示し注目されていた古き良き時代の姿を絵画で辿る展覧会。

それにしても何とストレートな展覧会タイトルでしょう。それにポスター、チラシの特大サイズの「隅田川」の三文字。存在感ありありです。

因みに東京藝術大学デザイン科の学生さんが「特別展 隅田川 ポスター」を制作した4パターンんのデザインが会場出口付近に紹介されていました。


デザイン的には素敵ですが、隅田川の江戸に於ける圧倒的な存在意義に欠けます。

また夕涼みをする場所でもあり、花火を見る場所でもあり、そして吉原の遊郭に通うルートであった隅田川は実に多くの「顔」を持つ川でもあったのです。

現在と江戸の人々の隅田川に対する想いに開きがあるのか、ちょっと会場覗いただけで分かります。こんなにも多くの人から愛された川、古今東西世界広しといえどもそうはないのでは?

展覧会の構成は以下の通り。

プロローグ:古典から現世へ
第一章 舟遊びの隅田川
第二章 隅田川を眺める
(一)広やかな景色を楽しむ
(二)隅田川界隈の名所絵さまざま
(三)橋をめぐる光景
第三章 隅田川の風物詩
(一)春
(二)夏
(三)冬
エピローグ:近代への連続と非連続
(一)江戸から東京へ
(二)都市東京の隅田川


江戸時代の隅田川を描いた絵画作品と聞くと、浮世絵がまずまっ先に頭に浮かびますが、この展覧会はそれだけではありません。屏風絵や掛け軸などに描かれた隅田川も含め広範囲に紹介しています。


筆者不詳「上野浅草図屏風」六曲一双江戸前期・17世紀末頃
江戸東京博物館蔵

上野寛永寺と浅草の浅草寺+隅田川が描かれた屏風。二つの江戸を代表するお寺の仲を取り持つように隅田川が描かれています。


筆者不詳「浅草吉原図巻」一巻江戸前期・17世紀末〜18世紀初頭頃
奈良県立美術館蔵

奥の壁には鳥文斎栄之の「隅田川舟遊び」が。艶やかで華やかな着物を身に纏った14名の美女たちを乗せた舟。実際こんな光景も観られたのでしょうか。それとも「絵空事」。いずれにせよ今と違い人々の生活に余裕のようなものが感じられます。


凌雲斎豊麿「天明八戊申歳江戸大相撲生写之図屏風」六曲一双天明8年(1788)
財団法人日本相撲協会相撲博物館

場所柄こんなお相撲さんの行列を描いた作品も!現代であればさながらスクリーンやテレビで活躍する大スター級の人気を博していた力士たち。これもまた今とは随分「扱い」が違ってしまいました。

江戸庶民の夏の楽しみと言えば何といっても隅田川の花火大会。鍵屋と玉屋が繰り出す一大スペクタクル。今と比べ娯楽の少なかった江戸庶民にとって欠かすことの出来ない大事な大事な年中行事だったこと容易に想像出来ます。


歌川広重「名所江戸百景 両国花火」安政5年(1858) 
歌川豊国「両国花火之図」文化(1804〜17)前半頃 
共に江戸東京博物館所蔵

こんなに大混雑していて果たしてケガ人出なかったのかしら?と心配になってしまいます。川面には屋形船がびっしり。どんだけ人気イベントだったのか想像の域遥かに超えてます。

さて、さてこちらは今回の展示の目玉!
通常はこちら。


筆者不詳「伊達騒動 隅田川高尾吊し切りの図」一枚江戸後期〜末期・19世紀頃
筆者不詳「両国橋夕涼花火見物之図」一枚江戸後期〜末期・19世紀頃
共に江戸東京博物館所蔵

一見何の変哲もない作者の名前すら分からない隅田川の花火大会を描いた作品2点。しかしこれが照明を落とすと大変身を遂げます!!



何と花火本体や火の粉、そして屋形船の提灯が暗闇で光り出すではありませんか!「影からくり絵」と言われる当時大変人気のあったものだそうです。そりゃそうですよねー今の我々が観ても新鮮な驚きがあるのですから。

3D映画が急にチンケなものに思えてきてしまいます。


部分「伊達騒動 隅田川高尾吊し切りの図

電気の明かりも全くなかった時代。まさに漆黒の闇夜、ぬばたまの夜に一閃の花火。数百倍否比べ物にならないほど美しく感動的なものだったでしょう。

文化的に豊かな時代こそが、粋で洒脱に富む作品自然発生的に生み出したのでしょう。

特別展「隅田川」は11月14日までです。


特別展 隅田川〜江戸が愛した風景〜

開催期間:2010年9月22日(水)〜2010年11月14日(日)
開催場所:江戸東京博物館 1階 展示室
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
※入館は閉館の30分前まで

※展示期間中に「前期」と「後期」で大きな展示替えがあります。さらに2週間で展示替えとなる作品もありますのでご注意下さい。
・前期:9月22日(水)〜10月17日(日)
・ 後期:10月19日(火)〜11月14日(日)
休館日:毎週月曜日休館(ただし10月11日(月)は開館、12日(火)は休館)


常設展示室5階では10月5日よりこちらの企画展もスタート!

「徳川御三家展」
江戸時代の「御三家」といえば「尾張、紀伊、水戸」ですが、「御三卿」って・・・?
 「御三卿」とは、田安徳川家、一橋徳川家、清水徳川家を総称した呼び名です。御三家と同様に、将軍の跡継ぎを輩出することを目的に創設されました。八代将軍吉宗の時代、その次男宗武を当主として田安徳川家が、その四男宗尹(むねただ)を当主として一橋徳川家がはじまり、その後九代将軍家重の次男重好を当主として清水徳川家が創設されました。各家は将軍と同じ江戸城内に屋敷を与えられ、将軍家の家族のような扱いを受けていました。あまり知られていない御三卿ですが、実は徳川将軍家と深いつながりがあります。
今回はこの御三卿の各家に残る名品を紹介するとともに、御三卿が果たした役割についてご紹介します。
10月5日(火)〜平成22年11月14日(日)
常設展観覧料で観られるそうです。

そうそう、今月から江戸東京博物館もいよいよツイッターに参入!
つぶやくのは江戸博のゆるキャラ、ギボちゃん。

@edohakugibochan
こんにちは。ぼく、ギボちゃんです。江戸東京博物館の10周年を記念して、平成15年3月5日生まれました。頭の形は、江戸時代の日本橋の欄干の擬宝珠(ぎぼし)に似てるんだ。だからギボちゃん。これから江戸博のことちょこちょこつぶやきます。

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最後に「今日の美味


「隅田川展」限定「能面チョコ」デスマスクに見える?いえいえ真面目に能面師:田島満春氏が監修。但し販売は10月1日より。一個5000円。さて最初に購入するのは…

http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2258

JUGEMテーマ:アート・デザイン


江戸の文化の拠点、「隅田川」の作品が集まる!
 隅田川は、江戸の人々にとって輸送の大動脈であると同時に、江戸の名所として、あるいは江戸の名所を数多く抱えた川として深く愛され、親しまれてきた川です。そのため隅田川や、隅田川周辺にある数々の名所は、江戸時代を通じて無数の絵に描かれてきました。当館でも、開館前より隅田川に関する絵については錦絵や屏風、絵巻などを収集してきており、ひとつのコレクションとなりました。

この展覧会は、当館が20年以上をかけて収集してきた隅田川の絵を初めてまとまったかたちで一挙に公開するとともに、他に所蔵されている名品とあわせて、描かれた隅田川の多彩な世界をご覧いただくものです。そして描かれた隅田川を通じて、江戸の文化や生活の中に根ざした隅田川というものを再確認していきたいと思います。

  隅田川の絵が、これほどの規模で集まるのは初めてのことになると思います。是非この機会に、都市江戸の
象徴のひとつである、隅田川の絵をご堪能下さい。


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