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ホキ美術館:内観

先日のエントリで11月3日に開館するホキ美術館の外観を大雑把にお伝えしました。今日は引き続き(お待ちかねの)展示室内をご紹介したいと思います。



美術館エントランス正面の壁に、こんな可愛らしい傘立てが。傘を美術館の壁に突き刺すようにしまい込み、鍵=球体の部分を抜き取る仕組みに。

実はこの傘置き場がホキ美術館内部を象徴しています。要は壁からの出っ張り部分を無くし、出来るだけフラットな平面に仕上げています。これ重要。


エントランスホール

入口左手が受付となっています。まだ商品陳列されていませんが、手前部分がミュージアムショップとなります。(椅子は内覧会用に置いてあったものです)

ショップの陳列棚やカウンターを見てみると「出っ張り」を極力少なくする為に全てアールがかけられています。手作業でこしらえた美しい曲線を有するポストカード台。細やかな部分へのこだわりの現われかと。



受付を通過し奥へ進むと、先日の記事で紹介したA地点の内側に到達します。外部からの眺めと内部からの眺め双方比較してみて下さい。

突き当りを右方向にUターンするとギャラリー1の入口が見えて来ます。ギャラリー1は外から見た際に黒い筒状で宙に浮いていた部分です。


ギャラリー1

外から見えた形状そのままに緩やかなカーブを描いた回廊のようなギャラリーです。画面右側の壁は腰の下辺りが全てガラス張りになっており軟らかな外光が入ってくるようになっています。

ガラス面がかなり広いので結露の心配はないのかと、設計を担当された日建設計の山梨知彦氏に伺ったところ、二重構造になっていることに加え、このギャラリー自体がダクトの役割も担っているためその心配はないとのことでした。



そのこと以上にホキ美術館は「展示室そのものが建物の構造体である」ということに強い刺激を受けました。これは画期的なことではないでしょうか?

「箱モノ建設」「箱物美術館」と揶揄されがちな美術館の建物。当り前過ぎて考えもしませんでしたが、立派な美術館という建物(箱)がまず厳と存在し、その中をパーテーションで仕切るかのように展示室が存在する。そうした既存の美術館の形態と大きく違っているのです。

晴天の霹靂。コロンブスの卵。



ギャラリー1からは隣接する昭和の森公園や同じレベルにあるイタリアンレストラン「はなう」が借景として目に入って来ます。

最も長い距離を誇るギャラリー1。両サイドに展示されている作品すう一体どれくらいあるのでしょう。拝見する時間たっぷりあったにも関わらずただただ建物の作りに目を奪われがちに。



そうこうしているうちに長い長い回廊の突端まで辿り着きました。一体どれだけの距離を歩いたのでしょう。因みに全てのギャラリーの長さを合計すると、およそ500mもあるというのですから驚きです。しかも両サイドに作品展示してあるわけで…

余裕で1kmは歩くことになりそうです。単眼鏡の代わりに万歩計が必要かも。



こちらが最先端。外観を紹介したこちらの記事C地点を美術館内部から見た地点となります。

かなり宙に浮いていること中に居ても分かります。



「突き当ったら折り返す」これがこの美術館の基本的な動線。

ギャラリー1を観終えたら階下にあるギャラリー2へ移動。解放感のあったギャラリー1と比べると急に狭くなった印象を受ける階段を下って。この空間のメリハリもこの美術館の特徴です。


ギャラリー2

陳腐な比喩で情けないのですが、ここに立った瞬間照明と空気抗が織り成す天井のパターンがまるで天の川のように見えてしまいました。

地下1階部分にはギャラリー2〜5までとカフェスペースがあります。こちらの記事B地点から下に見える部分がギャラリー2にあたります。

こちらはカフェスペースのみしか外光入りませんので天井に埋め込まれた照明の配置も1階とは違っているのが確認できます。尚、照明はLEDとハロゲンどちらも使えるように出来ているそうです。



ギャラリー1と比べると長さは四分の三ほどですが、それでも両脇に展示された作品全て拝見しようとするとかなりの時間と体力が要ります。

そうそう、既にお気付きでしょうが、ホキ美術館にはピクチャーレールが存在しません。それに壁のクロスの継ぎ目も見当たりません。そして天井からの照明も全て埋め込み式。最初に申し上げましたが、突起物を極力ゼロにするというのが建築のひとつの大きな目標でもあったそうです。

それも全て絵を主役とせんが為に。


ギャラリー3

ギャラリー2の突き当りから右手にトイレ&エレベーター。左手にUターンすると最も横幅の広いギャラリー3に出ます。地下1階にはこの他に小品や陶芸展示用のギャラリー4,5があります。

人物と比較してお分かりの通り、大型の作品を中心に展示してあるスペースとなっています。同じレベルにありながら天井高も変っています。これは棟自体が別のものだからこそ出来る技。



今回の照明はそれぞれ作家さん自身にまずLED照明かハロゲン照明か選んでもらい、更に絵のどの部分に照明を当てたいかなど全てお聞きしセッティングしたそうです。

例えば人物画などだと、お顔が最も映えるような照明の設定がなされています。



ギャラリー3の途中から階段が出現して来ます。そこを下った場所がギャラリー6となっています。この幅広の階段とギャラリー5を利用しコンサート等も開催できる作りになっています。

モダンな教会を想起させるギャラリー6には現在、中山忠彦氏の作品を中心に展示されています。しかし展示室内に段差(階段)を設け、そこをホールとする発想は極めて斬新。階段には観客用に簡易専用ソファが用意されています。


ギャラリー7

地下2階にはギャラリー6、7、8、9と4つのそれぞれ趣きの全く違う展示空間が存在共存しています。

その最たる存在の空間がギャラリー8に他なりません。


壁面を黒で塗られ、これまでとはまるでうって変った強烈な印象を与える展示室。当初はここも白い壁の予定だったそうですが、建築途中にプラン変更し黒い壁としたそうです。

「ここが最後の展示室」であること強くアピールしているかのようです(実際には小スペースが最後にもう一ヶ所あるのですが…)


ホキ美術館館長・保木将夫氏と日建設計の山梨知彦氏

株式会社ホギメディカル社長兼CEOであり、アートコレクターでもある保木将夫氏の「自分のコレクションを公開する美術館を持ちたい」という長年の夢を、日建設計の山梨知彦氏を中心とする建築スタッフによりこれまでにない素晴らしい展示環境を有するまさに夢の美術館として具現化した繊細且つダイナミックな建物。

雄渾な筆致のような外見。
そして中身は熟慮された精妙な仕組みにより鑑賞者をこれまで体験しなかった世界へ導いてくれること必至。

所蔵作品を最大限に生かす夢の美術館の誕生です。

ホキ美術館概要
所在地:千葉県千葉市緑区あすみが丘東
敷地面積:約3,860
延床面積:約3,720
展示室面積:約1,800
階数:地上1階、地下2階
構造:RC造、一部鉄骨造
工期:着工2008年 10月〜竣工2010年秋
設計:日建設計
施工:大林組


本建築は2009年にスペイン・バルセロナで開催されたWAF(World Architecture Festival)のfuture project部門にて最終審査まで残りました。完成後は実作部門としての受賞を目指しております。

ホキ美術館

所在地:〒267-0067 千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
開館時間:月・水・木・土 /10:00〜18:00 金/10:00〜19:00 日・祝/10:00〜17:00
(入館は閉館の30分前まで)
※レストランは11:00〜15:00/17:00〜21:00 ラストオーダーは20:30まで
休館日:火曜日(ただし火曜日が祝日の場合、開館。翌日休館。2011年5月3日(火・祝)は開館。5月2日(月)は休館。)
※年末年始、夏季休館日 展示替えのため5月末と11月末に休館いたします
入場料:大人/1500円 高・大学生・65歳以上 /1000円 中学生以下/無料
※一般 5枚つづり券  6000円
駐車場 普通乗用車 40台


アクセス

•東京駅から電車で50-60分 JR横須賀線・総武線 千葉駅乗換、あるいはJR京葉線 蘇我駅乗換、JR外房線土気(とけ)駅下車
•東京駅から特急電車で48分 JR外房線 大網駅下車、タクシーで10分
•羽田からバスで70分 土気(とけ)駅前下車車
•成田から電車で66分 JR成田線 千葉駅乗換、JR外房線 土気(とけ)駅下車

土気(とけ)駅からのアクセス
•土気(とけ)駅からバスで5分(徒歩20分)→地図
千葉中央バス南口3番乗り場から「あすみが丘ブランニューモール行き」で「あすみが丘東4丁目」下車→千葉中央バスのHPへ


ホキ美術館 開館記念特別展
2010年11月3日〜2011年5月22日

Twitterやってます。
 @taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2286

JUGEMテーマ:アート・デザイン


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この記事に対するコメント

日帰りで行けない距離ではないので一度行ってみようと思います
建物だけで充分楽しめそうです
106 | 2010/10/21 9:47 PM
こんにちは
オープンしたら行こうと考えているのですが、想像以上に広い美術館のようですね。自然光が多いのも驚きです。
行くのが楽しみになりました!
21世紀のxxx者 | 2010/10/22 1:31 AM
はじめまして、小川と申します。
最近ホ木美術館ができたとの情報に、主人がぜひ行ってみようと申しております。因みに主人は車椅子での生活をしております。できれば明日(2月11日金曜)に出かけたいとおもっております。
そこで、貴館内がギャラリー及びレストラン等車椅子が可能かどうか伺いたく、お返事いただければ幸いです。
ogawa sayoko | 2011/02/10 11:29 AM
@ogawa sayokoさん

ホキ美術館へ直接お問い合わせ願います。

043-205-1500
Tak管理人 | 2011/02/10 12:53 PM
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