青い日記帳 

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インタビュー:音声ガイド(前篇)

美術館・博物館に欠かすことの出来ない、ミュージアムショップ、カフェのそれぞれ担当者にインタビュー記事させて頂き、これまで数回アップしてきました。(美術史家インタビューと共に)

インタビュー記事まとめ

展覧会の裏側を探るなんて大それたことではなく、普段目にしている割には知っていそうで意外と知らない点を中心に毎回お話伺っています。おかげさまで大好評!

調子に乗って、今回はやはり展覧会ではお馴染みの「音声ガイド」についてあれこれと質問をして来ました。応対して頂いたのは音声ガイドの最大手でありパイオニア的な存在である、「A&Dオーディオガイド


A&Dオーディオガイド

2010年12月現在「ドガ展」「カンディンスキーと青騎士展」「特別展 ダ・ヴィンチ〜モナ・リザ25の秘密〜」等でこちらの会社の音声ガイドが導入されています。

また2011年1月2日より江戸東京博物館にて開催される「江(ごう)〜姫たちの戦国〜」展や世田谷美術館他で開催される「生誕100年特別展 白洲正子『神と仏、自然への祈り』

前置き少々長くなりましたが、以下A&Dオーディオガイドさんへのインタビューテキスト化したものです。伺っていると驚きの新事実(というか知らないことだらけ)の連続でした。

ついつい、お話お聞きする時間当初より長くなってしまいましたので、記事も前篇・後篇に分けたいと思います。きっとこれまで「音声ガイド」に漠然と抱かれていた印象ガラリと変化するはずです。



Tak「いつ頃から日本では展覧会に音声ガイド導入されたのでしょう?」

A&Dオーディオガイド「1999年の『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』(京都市美術館、東京都美術館)や『パリ・国立ピカソ美術館所蔵ピカソ展』(上野の森美術館)からです。海外では美術館、博物館の常設展示を中心にこれより以前より音声ガイドが普及しています。

Tak「展覧会を訪れる方、どれくらいの率で音声ガイド借りられるのでしょうか」

A&Dオーディオガイド「開始当初は全体の7〜8%でしたが、現在では約20%の方が利用して下ることもあります。

Tak「20%というとかなりの人数ですね。仮に5万人の来場者があった展覧会だと約1万人も使用することになりますよね。」

A&Dオーディオガイド「そうですね。ですから内容には責任感を常に感じています。いい加減なものは提供出来ませんので。展覧会図録に載っている『この作品は何々である。』を『何々です。』に変換しただけのものと思われがちですが、担当学芸員さんと連携を取りながら、一からほぼ全て弊社で製作しているものです。

Tak「どのようにしてここまで成長させたのでしょう?」

A&Dオーディオガイド「PRはあまり行っていません。利用して下さった方の口コミがほぼ全てだと思います。

Tak「全く未知の業種なので基本的な質問で恐縮ですが、音声ガイドが出来るまでのプロセスを教えて下さい。」

A&Dオーディオガイド「担当展覧会が決まり、出展作品、展示デザインプランを元にどの作品に音声ガイドを付けるか協議します。毎回約20作品の原稿を用意し展覧会担当者にチェックしてもらいます。次にナレーター、BGMの選出。BGMは会場全体に流すことは出来ませんので音声ガイドの特権でもあります。作品と関連性の深い音を会場で楽しんで頂くために、選曲から弊社で行う事がほとんどです。

Tak「音声ガイドの原稿はどなたがお書きになるのでしょうか?また字数にするとどれくらいになるのでしょうか。」

A&Dオーディオガイド「主に弊社の社員です。全社員が学芸員資格を持っています。原稿は最高でも1ガイドにつきおよそ400字です。300字で約1分の計算です。それ以上長くなると作品前の滞留時間が増え会場全体の流れに影響を及ぼしてしまいます。

Tak「学芸員資格を持っていらっしゃるのですか!そうすると西洋美術から仏像まで幅広い人材がいらっしゃるのですね。」

A&Dオーディオガイド「先程もお話しましたが、聞かれる方に満足度の高いものでなくてはなりません。キャプションと同じ内容では意味がありません。弊社のスタッフが書いた原稿を担当学芸員さんに目を通してもらい、やっと完成します。

Tak「BGMやナレーターも魅力のひとつですよね。」

A&Dオーディオガイド「展覧会と関連性のある俳優さんやアナウンサーを起用したりしますが、弊社のナレーターもいます。展覧会の特性により誰が最も良いか協議を重ねます。BGMも単に音を流しているだけでなく聞きやすいよう、鑑賞の妨げにならぬよう編集もしています。こちらも専門のミキサーがおり、音楽をどれくらいミックスするか(ミックスの音量レベルや挿入箇所なども)長年の経験から決めています。

A&Dオーディオガイド「また、音楽ミックスの音量をどれくらいにするかは、会場特性も考慮に入れています。例えば、靴音や話し声が響きがちな木のフロアの館や、大混雑が予想される展覧会では、音量大き目にミックスします。

Tak「具体的な展覧会では?」

A&Dオーディオガイド「昨年の『ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画』@西美→京市美へ巡回では、京市美はまさに靴音&話し声が響く会場で、大混雑でしたので、西美では出なかった「音楽が聞こえない」という意見もあり、途中で音楽音量を大きくしたミックスに差し替えたりしました。関西の方はお喋りが盛んなのも一因だったか!?と。

Tak「全く知らないことばかりでただ驚くばかりです。。。」

A&Dオーディオガイド「ナレーションも録音した後に『リップノイズ』(人が話す際に舌や唇等から自然に発生する音)をカットするなどの細かな音の地道な編集作業も行っています。これもひとえに聞き心地向上の為です。

Tak「はぁ、、、そこまでなさているのですね。全く知りませんでした。」

前篇はここまで。(後篇へ続きます


後篇では機種のことも伺ってきました。因みに右側は今後投入される新機種です。画面が大きくなっていますね。

さて、「音声ガイド」インタビュー記事如何でしたでしょうか?

図録や会場のキャプションとは基本的に違うスタンスで制作されていること分かります。それと個別の音声ガイドだからこそ可能な音楽の提供等。そして「音」に対する徹底的なこだわり。

ここまで伺っただけでも「次展覧会行ったら借りてみよう」と思ってしまいますよね。個人的に借りてみてお勧めだったのは三菱一号館美術館の「カンディンスキーと青騎士展」の音声ガイドでした。

A&Dオーディオガイド

それでは、ひとまず、この辺で。
後篇へ続きます!!

インタビュー記事まとめ

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