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「江〜姫たちの戦国〜」

江戸東京博物館開催中の
2011年NHK大河ドラマ特別展「江〜姫たちの戦国〜」に行って来ました。



浅井長政の娘たち淀殿(茶々)、常高院(初)、崇源院(江)。「浅井三姉妹」の末っ子がお江。抜群の知名度を誇る長女茶々に比べるとその生涯はあまりにも知られていません。

江戸幕府二代将軍徳川秀忠の正室でありながらも、これまで研究されてこなかった人物のひとりだそうです。その大きな要因として現存する資料が非常に少ないことがあげられます。(確実に江のものとされるのはこれまで書状2点しか確認されていなかったそうです)


江消息 常高院宛」岐阜・栄昌院所蔵

特別出品としてそのお江の直筆の手紙(消息)がまず最初に展示されています。正面に用意されたお江の生涯を紹介した短冊板に注意を払われ、肝心のこちら見落とさぬようご注意を。

男性の書いた無骨な書状類とは違い、流麗な仮名文字で綴られた手紙です。

さて、幾らなんでも書状2通しか残っていないとなると江戸博の特別展示室を埋めるなんて到底無理な話。それでは「江展」一体何が展示されているのでしょう?

まさか大河ドラマで「浅井三姉妹」を演じる宮沢りえ、水川あさみ、上野樹里や三人の母親である浅井長政の正室、市の役を演じる鈴木保奈美の等身大パネルが…そんなことはありません

NHK大河ドラマ特別展だからと言ってスルーしようもんなら正月早々泣きをみます。素人目からも相当歴史展示展として充実したものとなっています。

しかも一般的に歴史展示展だと武将の書状等、文書関係の展示が多くなりがちですが、今回はなるべくその類のものは削りビジュアル性に富んだ作品をメインに展開しています。


第4章:江が嫁いだ徳川家」展示風景

注:会場内の画像はプレス内覧時に主催者の許可を得て撮影したものです。

徹頭徹尾飽きさせることなく戦国の世を生き抜いた一人の女性「江」を彼女の周辺資料から追い進めていきます。そう、本人の資料が無いなら周りの人物からその像を照らし出していけばよいのです。

また、女性の視線から見た戦国の世といったテーマ性も垣間見られます。


徳川秀忠室[浅井氏]画像(伝)」「浅井家女性像(伝崇源院像)」「めのう観音像

現代とは違い信仰心も大変篤かった時代です。お江が祈りをささげた可能性の高い「めのう観音像」やお江の姿を描いたものとされる女性像などからもそのこと伺い知ること出来ます。

また28歳の若さで切腹を命じられ自害した豊臣秀次と彼の死後、秀吉の粛清に遭い皆殺しにされた一族郎党の無念さが痛烈に伝わってくる「豊臣秀次・一族像」など、この時代の惨さを象徴するような展示物もあります。


豊臣秀次・一族像」京都・瑞泉寺

秀吉に実子・秀頼誕生後、謀反を理由に高野山で切腹させられただけでなく、一族皆殺しに遭い京都の三条河原に曝された秀次の妻妾子女らの姿と年齢、辞世の和歌が記されている、ある意味壮絶な三幅対。

のし上がる者あれば、その踏み台となり儚く命を落とす者あり。

こうして見ていくと、再々婚の末、徳川二代将軍の正室となり天寿を全うできたお江は、この時代にあって最上級の幸せ者だったこと間違いありません。

紹介遅くなりましたが会場の展示構成は以下の通りです。

第1章:江の父母と伯父
第2章:江の姉・茶々が嫁いだ豊臣家
第3章:江の姉・初と京極家
第4章:江が嫁いだ徳川家


自分は歴史はちょっと苦手で…と思われる方、ご心配無用。今回の展示構成はとても分かり易いものとなっています。例えばこうした要領を得たパネル解説が展示物の前に必ず用意されています。


クリックで拡大。

お江の父親と母親にあたる、浅井長政とお市。お江との関連図も必ず記されています。今自分が何を観ているのか各展示品の直前にこうした案内パネルがあると大変助かります。

大勢の方がご覧になる展覧会では、滞留時間が長くなり混雑の要因となるマイナス面はありますが、出来ればこうした案内は音声ガイドと共に鑑賞の手助けになります。西洋美術の展示でも。

とにかくお江という女性がどんな人物だったのか、また彼女が生きた時代はどんな時代であったのか非常に分かりやすく丁寧にしかも重要文化財を含む充実した展示品で構成された展覧会です。

確実に昨年の「龍馬展」よりも質量的に上であること間違いなしです。それどころか江戸博開催の展覧会の中でも一位二位を争うほど満足度の高い展覧会かもしれません。そこまで言う理由があります。

最後の部屋に度肝を抜く素晴らしいものが待っているのです。それこそ今回の展覧会開催に際し調査した結果発見された「宮殿(くうでん)」勿論初公開であり、これが最後の一般公開となるそうです。画像では全然その良さ&迫力伝えきれませんが…とにかく圧巻の一言に尽きます。


崇源院宮殿」祐天寺所蔵 寛永5年(1628)9月15日建立
高さ238.0cm 幅210.0cm 奥行135.0cm

宮殿(くうでん)とは
仏教の礼拝対象である仏像、祖師像などを収める厨子の一種。
仏堂等の内部最奥にあって、須弥壇の上に位置し、内部には仏像などを安置する。
「厨子」との区別は明確でないが、建物の屋根に類した構造を持つなど形式や技法等において社寺建築に準じて制作されたものを「宮殿形厨子」ないし「宮殿」と称することが多い。



崇源院宮殿の特徴:宮殿の内外全面にわたって手間をかけた装飾が施されており、制作にあたって数多くの職人が携わったことがわかる。
内装画には飛天と蓮が描かれ、外装の金具には蓮華の文様、床部外面には逆蓮の彫刻が施されている。全体に蓮華の意匠が目立ち、母崇源院の極楽往生を願う忠長の気持ちが偲ばれ、親子の愛情を感じさせる作品となっている。



崇源院宮殿」祐天寺所蔵

この宮殿は、徳川忠長が駿府(現在の静岡県)に建立した崇源院霊廟屋内に安置され、享保年間以降に祐天寺(東京都内)に移されたもので、長い間徳川家康の宮殿として伝えられていたが、今回の修復にともない、その屋根組から墨書が発見され、寛永五年(一六二八)に建立された崇源院の宮殿であることが新たに確認された。当初は崇源院の位牌を収めていたと考えられるが、位牌は増上寺に収められ、現在祐天寺では徳川家康坐像を安置している。崇源院とは江の死後、江におくられた誼号。

崇源院宮殿と徳川忠長
施主の徳川忠長は、幼名を国松といい、三代将軍家光の弟にあたる。両親は二代将軍秀忠と江(崇源院)。家光こと竹千代は生まれると同時に後の春日局に預けられ、育てられたのに対して国松は、母である崇源院が手元で育てた。このため、秀忠夫妻の愛情は国松に注がれたという。この竹千代一春日局・国松一崇源院という対立軸は将軍継承にまで影響し、家康の裁定で竹千代が三代将軍となった。将軍継承を期待した崇源院への追慕が、徳川忠長をして、増上寺とは別個の霊廟を自らの領国に建立させたのではないかと思われる。


知人と「ここだけ東博のような展示だね」とひたすら感心。江戸幕府が困窮する以前に建てられた宮殿です。日光東照宮を思わせる絢爛豪華なものとなってます。これは必見です。

単眼鏡で見ると冴え渡る職人たちの技も堪能できます。建築関係の方もこれは観ておいて損はないはずです。

「江展」は2月20日までです。

最後に今日の「一点


大阪城出土 犬型土製品」桃山時代

今年の干支、ウサギ同様多産の象徴でもある犬。子供用の玩具だったのかもしれません。

戦いに明け暮れた世を紹介する展覧会でありながらも、女性目線を離れることなく選び抜かれた展示品たち。お江の生き抜いた戦国時代をこれまでになかった角度から紐解く興味深い展覧会でもあります。

音声ガイドもナレーションにお市の方を演じる鈴木保奈美さんが担当。母親がわが子の生涯を語るというストーリー展開となっています。


特別展「江〜姫たちの戦国〜」
開催期間:2011年1月2日(日)〜2月20日(日)
開催場所:江戸東京博物館 1階 展示室
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
JR総武線両国駅西口より徒歩3分、都営大江戸線両国駅A4出口より徒歩1分
都バス: 錦27・両28・門33・墨38系統、
夢の下町観光路線バス「都営両国駅前」より徒歩3分
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし、1月3日、1月10日、1月17日は開館)
お問合せ:TEL:03−3626−9974(代表)
午前9時〜午後5時30分 受付(休館日を除く)
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、NHK、NHKプロモーション
協賛:ハウス食品、三井住友海上

【巡回先】
福井県立美術館 2011年4月22日(金)〜5月29日(日)
長浜市長浜城歴史博物館 2011年7月23日(土)〜8月31日(日)

山口晃:特別展「江〜姫たちの戦国〜」ミュージアムグッズ


A4クリアファイル(1枚380円)

【会場案内】

江戸東京博物館
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
電話:03-3626-9974(代表)
交通アクセス
・JR総武線「両国駅」西口徒歩3分
・都営大江戸線「両国駅」A4出口徒歩1分
・都バス錦27・両28・門33・墨38系統、夢の下町観光路線バス「都営両国駅前」下車徒歩3分

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伯父に信長、義兄に秀吉、そして義父は家康・・・戦国のスーパーセレブ・江。
  元亀4年(1573)、近江国小谷城主・浅井長政と、織田信長の妹・市との間に生まれた江。その姉には、豊臣秀吉の側室となった茶々(淀)、京極家当主・高次の正室となった初がいました。戦乱で両親を亡くした江は、わずか12歳で尾張国・佐治一成に嫁ぎます。しかし、秀吉の命で離縁、その甥・秀勝と再婚するも、すぐに死別。そして文禄4年(1595)、徳川家康の三男・秀忠の妻となるのです。
本展では、2011年NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の放送と連動して、戦国の動乱期に天下統一を成し遂げた信長、秀吉、家康の姿を、背後で支えた女性の視点でとらえます。そして、浅井三姉妹を取り巻く人々の遺品や歴史資料などから、江の波乱に満ちた生涯をたどります。



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