青い日記帳 

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『氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト』

小学館集英社プロダクションから刊行された『氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト―』を読んでみました。


氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト―』 (ShoPro Books)
ニコラ・ド・クレシー (著), 小池寿子 (監修), 大西愛子 (翻訳)
Copyright © Futuropolis / Musée du Louvre éditions, 2005.

「BD(バンド・デシネ)(ベー・デー)」という言葉をご存じでしょうか?恥ずかしながら自分はこの本を手にするまで存じ上げておりませんでした。BD(ベー・デー)とは主にフランス語圏のコミックを示す言葉だそうです。

そう、今回ご紹介する『氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト』はコミックです。「なんだ漫画か…」と思われた方、ちょっとお待ちあれ。確かに「絵」で綴られたストーリーですが、日本の漫画・アニメそれに正義のヒーローが登場するアメリカン・コミックスとはまるで別のものです。

ほとんど目にしたことの無い絵柄のコミック。

そう初めてフランス映画をご覧になった時に感じた違和感と同じ。
はじめのうちは中々独特の絵柄やコマ、展開に付いていくこと出来ません。


Copyright © Futuropolis / Musée du Louvre éditions, 2005.

しかし、画風よりも先に、そのストーリーの面白さ、そして随所に散りばめられたルーヴル美術館所蔵の作品たちに目を奪われ次第にBDコミックの世界に没入。

何よりもフランスではBD(バンド・デシネ)は「第九の芸術」と呼ばれ、日本のマンガとはまた異なった文化形成発展している為、子供が読むものではなく大人が楽しむものとして捉えられている側面が大きいとのこと。

そして今回、その現代の「芸術」BDコミックに、“美の殿堂”として世界に冠たるルーヴル美術館が注目し、BD界を代表する作家に、何とルーヴル美術館をテーマにした作品の制作を依頼。そして見事単行本の出版を実現と相成った次第。(フランスでは既に5巻が発売中)

今回その第一弾として『氷河期』が翻訳され日本でも楽しめることになったのです。かなり大型の本です。うちのパソコンのモニターほどの大きさがあります。

さてその内容はと言うと…

内容(「BOOK」データベースより)
氷河に覆われた未来のパリ、時を超えて眠る美術品たちの館がそこにあった…。地表が氷河に覆われた未来のパリで、豪雪地帯を進む考古学調査隊は、雪に埋もれた巨大な建造物を発見する。膨大な美術品が納められたその建物を探索しながら、調査隊は「失われた文明」を読み解こうと、奇妙な解釈を展開するが、一方、調査隊とはぐれた探査犬ハルクに、美術品たちは口ぐちに自らの過去を語りはじめ…?ルーヴル美術館が、より幅広く世間にルーヴルの魅力を伝えるために企画した、驚きのコラボコミックプロジェクト!美術史家・小池寿子氏による詳しい美術解説も収録。想像力を刺激する、かつてないルーヴル美術館への案内書。


Copyright © Futuropolis / Musée du Louvre éditions, 2005.

滅茶苦茶面白そうでしょ!!と言うか面白いんです!!
お正月、自宅にいる間、ずーーとこれ小脇に抱え読み耽っていました。

最初覚えた違和感もいつしか消え失せ、それと入れ替わるように興味の虫がうずき出します。何てったて天下のルーヴル美術館から「描いてくれ」との依頼があったわけです。つまらないわけありませんし、ネタには事欠きません。

しかもどのように「煮ても焼いても」いいそうだったので、いきなり1巻から過去の遺構としての朽ち果て変わり果てたルーヴルが舞台となっています。

作中には91点ものルーヴル美術館所蔵の様々な作品が登場します。ちょっと絵を観ただけではこれはどこの場所にあるどんな作品なのか(特に立体や古代遺産系)は分かりかねます。

そこで日本語版を出すにあたり、小池寿子先生にご協力を仰ぎ、一点一点作品名、作家名、サイズ、時代。そしてルーヴル美術館のどこに展示されているのか(例:シェリー翼3階66展示室)カラーで紹介されています。しかも書き下ろしの解説付きです!

シリーズ『美術史家に聞く』第一回:小池寿子先生


主人公?探査犬ハルク

この第1巻が日本でもヒットすれば第2巻以降の刊行が決まるそうです。

フランス・ベルギーBD界で著名な4人の作家に加え、「ジョジョの奇妙な冒険」などで異彩を放つ大人気マンガ家・荒木飛呂彦氏がこのプロジェクトに参加しています!是非とも5巻まで出して頂きたい!ジョジョ@ルーブルが観たい!!


クリックで拡大。
Copyright © Futuropolis / Musée du Louvre éditions, 2005.

読み返していくうちに、じわじわと面白さが湧いてくる、非常に知的な一冊です。ルーヴル通を気取っていてもこの本に出てくるもの全ては流石にご存じないはず。

そしてルーヴル初心者には最良の「ガイドブック」にもなります。

そうそう、内容はとっても深いものありますよ。
そして現代人に対するそれは警鐘でも。。。

「ワンピース」もいいけどたまにはこうした知的コミックスも是非。


氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト―』 (ShoPro Books)
ニコラ・ド・クレシー (著), 小池寿子 (監修), 大西愛子 (翻訳)
Copyright © Futuropolis / Musée du Louvre éditions, 2005.

小学館集英社プロダクション
http://books.shopro.co.jp/

@taktwi ジョジョの荒木飛呂彦氏の原画も!「マンガ・ミーツ・ルーヴル」12月6日〜17日@横浜BankART http://bit.ly/6pOpfx

Twitterでブログに書けない細かな情報もつぶやいています。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2368

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この記事に対するコメント

明けましておめでとうございます。
今年も楽しくてためになる美術記事を楽しみにしております。

「岸部露伴 ルーブルへ行く」は、ウルトラジャンプにモノクロ版が3回分載で
掲載済みですし、時期は未定ですがフルカラー版も出るはず。
でも他の作品は・・・微妙ですね(^^;。
「氷河期」が売れて、シリーズ全部が出てくれるといいのですが。

ニコラ・ド・クレシーは、代表作「天空のビバンドム」も訳出されました。
ルーブルは出てきませんが、クレシーらしい色彩と奇想が満載なので
できればこちらもご一読ください。
青の零号 | 2011/01/06 7:24 PM
毎日面白い記事をありがとうございます。
楽しみにしています。
ただ今、パリにいるので日本の展覧会には行けず、もんもんとしておりました。

今日のバンドシネはフランス語の勉強がてら買って、読んでみようと思いました!(美術用語が分からず、苦労する可能性も大ですが。。。)
素敵な本のご紹介ありがとうございます。
minemonmio | 2011/01/06 10:49 PM
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