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「グランヴィル展」

練馬区立美術館で開催される
「鹿島茂コレクション1 グランヴィル 19世紀フランス幻想版画」展の内覧会にお邪魔してきました。



『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルや、エミール・ガレ、はたまたシュルレアリスムの作家たちにも多大な影響を与えたフランスの挿絵画家、J.J.グランヴィル(GRANDVILLE,J.J. 1803年9月13日〜1847年3月17日)の日本で初めての展覧会。

専門家も少なく、一般の美術史からは無視された存在の挿絵画家グランヴィル。19世紀フランス文学を専門とする鹿島茂氏の膨大なコレクションの一部から、グランヴィルに光をあてんとする展覧会。

鹿島氏曰く「グランヴィルを見たら人生変わる。グランヴィルを見てから死ね。」流石グランヴィル狂を自認するだけある力強い発言。


グランヴィル「カードの戦争

展覧会の構成は以下の通り。

1:1825-1835 ナンシーからパリへ〜カリカチュアの王
2:1836-1847 挿絵の世界へ〜幻想世界の確立
3:グランヴィルの死後



グランヴィル「人間嫌い−誰かのためにいるわけじゃない

40歳前半でこの世を去ってしまったグランヴィルですが、遺した作品は実に多彩です。現代の我々をも魅了するバラエティーに富んだ作品たち。

鹿島氏がパリの古書店で一目惚れしたわけもすっと理解できちゃいます。逆に何故これまで顧みられなかったのか首をかしげたくなるほど。

図録(一般書籍としても販売)には、本展覧会を担当された練馬区立美術館の小野寛子学芸員による「グランヴィルとマネー絵画との関係」という大変興味深い文章が掲載されています。


グランヴィル「チューリップ

グランヴィルが生を受けたフランス、ナンシーはアール・ヌーヴォーの旗手エミール・ガレを中心とする「ナンシー派」の美術館があります。ガレもまたグランヴィルの描きだす世界に大きな影響を受けたひとり。

そのガレの作品も参考展示としてサントリー美術館よりこの展覧会に貸し出されています。日本美術(浮世絵)との関連はよく知られていますが、会場で比べて観ると確かにグランヴィルからの影響も大きかったこと伺えます。


特別出品 エミール・ガレ「蓋付杯『アモルは黒い蝶を追う』」
サントリー美術館蔵

ヒエロニムス・ボスやブリューゲルが好んで描いたどこかしら憎めない怪物たちからインスパイアされたような作品から、後のシュルレアリストたちの先駆者的な存在を示すような作品まで。

わずか40数歳でこの世を去ってしまったひとりの画家が手がけたとは思えないほど、実にバラエティー豊かな世界が会場内に展開されています。


グランヴィル「週刊絵入新聞『イリュストラシオン』」1843-44

↑これなどキャプションに「マグリット」と記されていても誰も気が付きませんよね。

注:画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

練馬区立美術館で初めて開催されるフランスものの展覧会。満を持して世に公開するグランヴィルの世界。巡回はしません。西武線中村橋駅から歩いてすぐの好立地です。是非是非!!

グランヴィル
(本名:ジャン=イニャス=イジドール・ジェラール)

サロンの巫女」1827
 1803年、フランスのナンシーに生まれます。喜劇俳優の祖父の芸名からとった「グランヴィル」という名で世に出ることとなる彼は、1825年にパリへ出ます。当初、舞台衣装を手掛けるなどしていましたが、程無く版画へとその情熱を傾けるようになり、1829年には人獣戯画の『当世風変身譚』を制作、ゆくゆくグランヴィルの真の才能が開花する舞台を示唆しています。
 1830年代に入ると、諷刺新聞『ラ・カリカチュール』(1830−35年)などへ政治諷刺画を寄稿、政治諷刺の世界で活躍します。1835年、政治諷刺画に対する検閲法が施行されたことから、グランヴィルは活動の場を本格的に挿絵の世界へ移します。以降、『動物たちの公私にわたる生活の情景』(1842年)、『もうひとつの世界』(1844年)、『生命ある花々』(1847年)、そして1847年の彼の死から2年後に刊行された『星々』(1849年)と、後のあらゆるアーティストへ影響を及ぼす独自の世界をこの短い生涯の中で作り上げました。

鹿島茂氏 プロフィール

1949 年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。1991 年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、1996 年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、1999 年『愛書狂』でゲスナー賞、2000 年『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞、他著作多数。共立女子大学教授を経て、2008 年4 月より明治大学国際日本学部教授。専門は19世紀フランス文学。


鹿島茂コレクション 1 グランヴィル 19世紀フランス幻想版画

会場:練馬区立美術館(練馬区貫井1丁目36番16号)
会期:平成23年2月23日(水)〜4月3日(日)
休館日:月曜日、ただし3月21日(月曜祝日)は開館、22日(火曜)は休館
開館時間:10時から18時(入館は17時30分まで)
観覧料:一般500円 高・大学生、65歳から74歳300円 中学生以下および75歳以上無料(各種割引あり、詳しくはお問い合わせください)
主催:練馬区立美術館、読売新聞社
後援:フランス大使館



求龍堂より今回の展覧会の図録、一般書籍として店頭にも並んでいます。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2417

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タクシル ドロール,J.J. グランヴィル
八坂書房

 本邦初となるグランヴィルの個展、「鹿島茂コレクション1 グランヴィル−19世紀フランス幻想版画」展を開催します。
 ジャンルを問わない執筆活動により、多くのファンをもつフランス文学者の鹿島茂氏は、古書愛好家としても知られ、膨大なコレクションを所有されています。本年より練馬区立美術館では、その蒐集作品群を連続的に展覧することとなりました。
 第1回目となる本展では、『不思議の国のアリス』で知られるルイス・キャロルなど、あらゆるアーティストの創作活動に影響を与え、後にシュルレアリズムの先駆と評された奇才の版画家、J.J.グランヴィル(GRANDVILLE,J.J.)をご紹介します。
 あわせて、グランヴィルに影響を受けたとされるエミール・ガレの作品4点(会期中展示替え有、展示替え後は2点となります)を、サントリー美術館の協力のもと特別展示いたします。

展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

おもしろい 挿絵ですね。絵画同好会(名前検討中
村石太レディ&ハートのA | 2011/08/21 10:38 PM
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