弐代目・青い日記帳 

  
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フェルメールのステンドグラス
ヨハネス・フェルメールの描く作品の大きな魅力のひとつは繊細でやわらかな「光の表現」にあります。そのほとんどの作品が向かって左側に窓があり、そこから差し込む光のかけれも漏らすことなくキャンバスに留めています。


フェルメール「牛乳を注ぐ女」The Kitchen Maid

「牛乳を注ぐ女」あれこれ:青い日記帳

そんな光の魔術師と言えるフェルメールの作品には多くのステンドグラス窓が登場します。色付きのガラスを通して部屋に差し込む光。より一層多様性を増し彼の想像力&創造力をかき立てたことでしょう。

作品中に描かれたステンドグラスはフェルメールが自宅をアトリエとして使用していたことから、数種類が限られています。以下にあげる作品にはほぼ、同じ模様のステンドグラスが描かれています。



紳士とワインを飲む女」 The Glass of Wine
(ベルリン国立絵画館)
二人と紳士と女」 The girl with Two Men
(ヘルツォーグ・アルトン・ウルリッヒ美術館)
稽古の中断」 Girl Interrupted at Her Music
(フリックコレクション)
音楽のレッスン」 The music lesson
(英国王室コレクション)
水差しを持つ女」 Young Woman with a Water Pitcher
(メトロポリタン美術館)
手紙を書く女と召使」 Lady Writing a Letter with Her Maid
(アイルランド国立美術館)


フェルメール「水差しを持つ女」Young Woman with a Water Pitcher

フェルメール作品中最も多く登場するこのステンドグラスを再現し自宅の窓に取り付けられたら…なんて妄想・野望を抱いたのが丁度2004年の今頃。

不動産屋さんや知り合いに相談したところ、だいたい相場は50万円とのこと。もう少し安くならないと、かみさんを説得することまず不可能。

諦めきれずネットであれこれ調べると、ステンドグラス工房 | 夢グラス白山という三重県にあるお店に辿りつきました。

そのサイトにこんな文言が。

これまでのステンドグラスは「高い」「どこに売っているのか、どのように注文していいのか解らない」という概念があり、欲しくてもなかなか手に入らないという場合が多く、一般の方達とは無縁のものといった意識も強く、日本では一部の恵まれたご家庭でごくわずかですが取り付けられる場合を除き、一般的に家を新築される時でもその建築メーカーの仕様に無かったらわざわざ注文される物でもなかったようです。
インターネットの普及により、手軽に探し出せることは消費者にとっても、我々製造している者にとっても有り難いことだと思います。

夢グラス白山ではお見積もりに入る前に必ずお客様の好みの色や、その家の雰囲気、壁紙、外装などの調和を考慮してデザインを作成します。お客様が望むものを望む価格で応じるという姿勢、これが夢グラス白山の理念です。


その後の詳しいやり取りについては、こちらのページにまとめてあります。「ここならお任せ出来る!」と決め実際のステンドグラスのデザインを決めて行くことになりました。

デザインのやり取りは全てメールで行いました。以下その過程を。

2004/5/14 最初に提示された図案。

2004/5/24 第2図案 
真ん中上部の不揃いな曲線を無くし周囲に黄色を配置。

2004/6/27 第3図案
中心のガラスにこちらのサイトにあるようなガラス自体に大きな模様の入ったガラスを使った場合のデザイン

2004/6/27 第4図案
第3図案に「青」色を加えて欲しいとの私のリクエストに応え提示されたデザイン。ほとんど無色にアンバー色を加えさらに今回青色を入れたことによって全体の印象が引き締まった感じになりました。

2004/6/28 第5図案。
枠の部分の青色を濃くしたパターン。この第5図案の色味に変化を付けた第6図案第7図案も提案されました。

2004/7/12 第8図案。
第3,4図案の中心の黄色のガラスの実際の色がイメージより緑色が強く今回ボーダー部に使用するブルーと凄く相性の悪い配色になってしまうとの事で、急遽提示されたのがこの図案。発想を変えて中心に青、周囲に黄色を配置したデザイン。個人的にはかなり気に入った配色に。

2004/7/13 第9図案(最終図案)
中心部下の○の部分の色をフェルメールの作品にあるステンドグラスに近い色にしてもらったパターン。中心部と同じヨーロッパの高級ガラス・ランバーツのFlashed Glassという種類のガラスを使った図案。

これでデザインは決定。
いよいよこれを元に本物のステンドグラスの製作に入ります。


こちらは製作段階で送られてきた画像。想像以上に手間のかかる作業です。また置かれた道具類から実際のサイズも推察できるはずです。

完成したガラスは丁寧に梱包され宅配業者の手により我が家へ。大工さん2人がかりで足場の悪い階段途中の窓にステンドグラス嵌め込んでもらいました。


現在の取り付けた時と変わらぬ美しさを誇っています。

30万円以下でオリジナルで作ってもらったとは思えないほどよく出来ています。また一切の手抜きなし!細部まで複数のガラスを見事繋ぎ合わせた丁寧な仕上がりになっています。



太陽が西に傾きかけると丁度90度横の壁にステンドグラスを通った光が映し出されます。


フェルメールにも見せてあげたい。

こんな素敵なステンドグラス独り占めしちゃいけないので、外からも見えるようになっています。


先日のスーパームーンの日に撮影した一枚です。

お花見ついでに是非いらして下さい。

尚、フェルメールのステンドグラスは神戸にお住まいの直美さんもご自宅に設置されています。悪い影響与えてしまったようで恐縮です…

フェルメールのステンドグラス窓
直美あれこれ日記 フェルメールのステンドグラス計画(ブログ)

さて、さて現在Bunkamura ザ・ミュージアムでは「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展」が公開されています。

来日している「地理学者」の作中にもシンプルな模様のステンドグラスが描かれています。


ヨハネス・フェルメール《地理学者
1669年 油彩・キャンヴァス
シュテーデル美術館所蔵

展示室の中にこの「地理学者」の居る部屋の一部がステンドグラスと共に再現されています。床のデルフト焼きのタイルにも注目です。


展示室風景
(注:内覧会時に主催者に許可を得て撮影したものです。)

下手な自分の写真ではイマイチ良さが分かりませんが、こちらもとても上々の仕上がりとなっています。こうした細やかな展示室へのこだわりが毎回Bunkamuraには見られます。

まだまだ展覧会会期あります!本物の「地理学者」とそれに描かれた地球儀や地図、ゴブラン織りそしてステンドグラス。たっぷり愉しむことできます。


公式サイト:http://www.vermeer2011.com/
会期:2011年3月3日(木)-5月22日(日) 開催期間中無休
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横) 
http://www.bunkamura.co.jp/museum/
主催:Bunkamura、読売新聞社、TBS
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

開館時間をお出かけ前に確認して下さい!

こちらの番組も併せて!

3月26日(土)午後6:30〜
BS−TBS『光を操る天才画家フェルメール〜東京初上陸!傑作「地理学者」の謎』


ツイッターやってます。
@taktwi
 
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