青い日記帳 

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「中島潔展」

松屋銀座で開催中の
「京都清水寺成就院襖絵奉納記念 風の画家40年の軌跡 中島 潔 展」に行って来ました。



都内のデパートで開催される展覧会を紹介するようなサイトがあればさぞかし便利だろうな〜と常々思います。会期が美術館での展覧会に比べ短く気が付けば会期末…何てことが多いので。

3月16日からスタートした「中島潔展」も残すところあと数日。28日(月)まで。童話画家のほんわりとした作品だけだと思いきや実に中身の濃い展覧会となっています。

展覧会の構成と展示風景をご紹介します。
注:会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

1.夢童



中島潔さんが一貫して描き続けてきた子ども達の姿には、愛らしく切ない独特の表情が描きだされています。画家として一本立ちをする前後の作品や、注目を浴びるきっかけとなった、NHKの番組「みんなのうた」のイメージ画(「かんかんからす」他)などが展示されてます。

「せつないほどいとおしい故郷の原風景」が描かれた我々が良く知るところの中島潔ワールドにまずはどっぷりと浸れます。

2.金子みすゞの世界


明るい方へ」2000年 「蜂と神さま」2001年
蜂と神さま

蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。

さうして、さうして、神さまは。
小ちやな蜂のなかに。
今最も日本中に名の知れた存在となっている金子みすゞの詩と中島潔作品とのコラボレーション。自然界の小さないのちや日常の出来事を独自の視点でつづった、童謡詩人・金子みすゞの詩をテーマに描いた作品が詩と共に展示されています。

足を止め絵と詩をそれぞれ噛みしめるようにしてご覧になっていらっしゃる方大勢いらっしゃいました。時が時だけに。。。

3.京都清水寺成就院奉納襖絵

2010年春。5年の歳月をかけて完成した京都・清水寺成就院奉納襖絵。「生命の無常と輝き」を描いた3テーマ46面の大作のすべてが一堂に展観!これはスゴイ!!



テーマ1「かぐや姫」:かぐや姫の悲しい別れ、それは同時に月に帰る希望。別れと希望という壮大なテーマを12枚の襖絵に壮大に展開されています。

お得意の童画ではなく第4章にも登場する妖艶な女性画で画面全体を埋め尽くしています。帯紐の流れひとつだけ観ても画面に惹き込まれてしまいそう。近寄ると細かく色を置き表現された着物の紋様がイスラムのモザイク画のようにすら観えてきます。



テーマ2「風の故郷」:「子どもの感性を常に持ち続けること、それが私の絵描きとしての原点です」と語る中島さん。子ども達への優しさと、生きることの厳しさを同時に描きこんでいます。

画像は「紅葉」と「雪の音」この他にも春を描いた「花別れ」、夏を描いた「向日葵」も展示されています。



テーマ3、「大漁(金子みすゞ)」:「弱いからこそ生きることの大切さを秘めている、一番壊れやすいからこそ生命の息吹を宿している。」みすゞと駆け抜ける数百の鰯の群れの一瞬を描き、命のしぶき、凄み、美しさを表現。

テレビや画像を通してしか観たことのなかった鰯の襖絵。実際絵の前に立つと言葉を失います。まさに圧巻です。これを銀座のデパートの催事場で観られるのですから、行かない手はありません。

4.風の女(ひと)


山茶花」1988年 「白梅」1988年

童画家として名の知れた中島さんですが、一方でこんな魅力的な女性像を描いていたとは!今回の一番の発見と驚きでした。しかも、どことなく憂いを帯びた面持ちの女性像はドキリとさせるものがあります。

生きていくうえでの喜び、苦しみといった内面が見事に描き出された、優美でさびしげな表情の女性たち。童画とは違った魅力があります。

子どもたちの服や「かぐや姫」の着物とはまた全く違った洋服の模様や背景に描かれた胡粉を盛って描かれた白梅など食い入るように舐めまわすように拝見してしまいました。

展覧会って行けば必ず「収穫」あるものです。

5.童謡・ふるさとの詩(うた)


絵日傘」1996年

「ふるさとの自然と子どもを描くことによって、生きるもののすべての原点を描けるのではないか、そう思えるのです。」と語る中島さん。絵を描く原点が「故郷」にあることは会場内で流されていたビデオからも伝わってきます。

多くの人が知る童謡をテーマに描かれた作品は、見る人に幼いころの思い出や故郷を思い出させます。懐かしく、ほろ苦い情景が描かれています。18歳の頃、母親が亡くなったことが「故郷」を後にする大きな契機になったそうです。

どこか物悲しい雰囲気が漂っているのはそんな「故郷」への想いの現われかもしれません。そうそう作中にしばしば登場するバス停も。

6.日本の四季



自然の風景の中にまるで溶け込むように描かれいる子どもたち。豊かな四季の中で自然との出会いに感動したり、不思議を感じる子どもたちへの優しいまなざしが描かれています。

会場入口に設置された「童の四季」2005年は、日本の伝統絵画のどの系譜にも属さぬ中島潔オリジナルの屏風絵。驚くほど緻密に描き込まれた花も風も動物そして人間たちの姿。童画の域軽々と越え別次元の作品に仕上がっています。

7.新たなるあゆみ

最後の章は「空」と題された一枚の作品と映像のみ。

これまでの集大成ともいえる大作、清水寺の奉納襖絵を描きあげた後、肺がんに突如冒された中島さん。昨年無事手術を終え見事復活を遂げ初めて絵筆をとり描いた作品が「空」です。

新たなる画境へと進み始めた中島さんの第一歩となる作品はまさに必見です。

「中島潔展」は3月28日までです。


展覧会出口付近には東北地方太平洋沖地震義援特設コーナーが設けられています。

中島潔画伯と共に、展覧会に訪れた清水寺貫主・森清範師と、NHKの連続テレビ小説「てっぱん」のヒロイン瀧本美織さんからの被災地への応援メッセージと共に、森貫主が揮毫した「絆」の一文字が掛けられています。

京都清水寺成就院襖絵奉納記念 風の画家40年の軌跡
「中島 潔展」

会期:2011年3月16日(水)〜28日(月)
会場:松屋銀座8階大催場(中央区銀座3-6-1) 
http://www.matsuya.com/ginza/storeguide/index.html
主催:NHKサービスセンター

写真の無断転載を禁じます

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2450

JUGEMテーマ:アート・デザイン


“風の画家”と呼ばれる中島潔さん。その作品はNHKの番組「みんなのうた」に取り上げられたのをきっかけに、 多くの人々に親しまれてきました。「子どもの感性を常に持ち続けること、それが私の絵描きとしての原点です」と語 る中島さんの絵の中には、小さい命の輝きがいつも風のように流れています。

母の死をきっかけに、18歳でふるさと佐賀を飛び出し、温泉堀りや印刷所、広告会社などで働きながら絵を描き 続けてきた中島さん。28歳(1971年)で単身パリに渡り、画家になる決心をしてから、今年で40年になります。

2010年には、5年の歳月をかけて描きあげた、集大成ともいえる清水寺成就院の襖絵を完成させました。46面 に及ぶ作品からは、これまでの歩みをさらに進め、新たなる画境へと向かう強い思いを感じ取ることができます。 本展では、清水寺成就院の襖絵全作(46面)と、40年にわたる代表作合わせ約 100点を展示し、中島潔さんの優 しく切ない独自の世界をご紹介します。
展覧会 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

次に京都清水寺成就院襖絵などの作品を都内近郊で開催の予定があれば知りたいと思います。
古賀 公子 | 2019/06/25 1:54 PM
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