青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 2011「第1クォーター展覧会ベスト3」 | main | 「夢に挑む コレクションの軌跡」 >>

「古鏡とひなかざり」(其の二)

根津美術館で開催中の
受贈記念特別展「古鏡とひなかざり」展の内覧会にお邪魔して来ました。


村上英二氏寄贈銅鏡・竹田恆正氏寄贈雛道具

1階展示室1では、昨年根津美術館に新たに寄贈された「古鏡」の初お披露目がなされています。これについては、以前こちらの記事(画像あり)でご紹介した通り。

古鏡なんて興味ないから…と思っていた自分がいつの間にか展示ケースに張り付いて食い入るように見入ってしまった何とも不思議な魅力にあふれる展示室でした。

さて、隣りの展示室2ではこれまた寄贈を受けた「ひなかざり」が初公開されています。来歴(明治天皇・昭憲皇太后より第六皇女昌子内親王が拝領した雛道具約七十件が、このたび旧竹田宮家より寄贈されました。)を聞けばそんじょそこいらの「ひなかざり」とはグレードが違うこと明明白白。


草花折枝鶴蒔絵貝桶」明治時代

女性の貞節の象徴とされ婚礼調度品には欠かすことの出来なかった蛤を用いた合貝を収める為の貝桶。

根津美術館所蔵の「源氏物語図屏風」に御輿入れしたかのように上手いこと展示されています。コレクションが増えることによりこうした見せ方のバリエーションも更に豊かに。


展示室風景

注:画像は内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。

「おひなさま」の主役たる内裏雛が見当たりません。チラシでは堂々主役をはっていましたが、展示室では「御台人形」(宮中で皇室の子女のみが手にすることを許された特別な人形)や「菊唐草文蒔絵御菓子箪笥」等の雛道具を前面に押し出しています。

内裏雛もちゃんと展示してありますが、あくまでも控えめに。そうは言っても有職故実に基づき正式な宮中の装束を身に纏い、檜扇を手にしたお雛様はやはり際立った美しさを放っています。

さて、今回の展示で注目したいのがこちら。


御台人形 小鍛冶」明治時代

周りの雛人形と比べ随分と素朴な感じのする御台人形です。決して豪華絢爛な人形ではありませんが、どことなく温かさ、人の温もりのようなものが伝わってきます。

キャプションを読んでなるほど〜と深く納得。こちらの人形は、明治天皇の皇女昌子内親王の祖母にあたる英照皇太后の形見の品として贈られたものだそうです。

烏帽子は手編み、衣裳も西洋製の布を簡単な裁縫でまとめています。このことから皇太后が身近な素材を使いお手ずからお作りになったのではないかと。

孫を想う気持ちは誰しも同じ。

贅の限りを尽くした豪華な雛人形にはない温かさそんなところに由来するのですね。こういった人の心が込められたものこそ大切にしなくてはなりません。

村上英二氏同様、竹田恆正氏も根津美術館ならきっと大事にしてくれるとの思いからお宝を寄贈するお気持ちになられたのでしょう。集まるところには自然と佳きものやって来るものです。

さて、今回の展覧会では2階の「テーマ展」も超見応えあります。

展示室5では「酒呑童子物語絵巻」がずらりと開帳されています。


酒呑童子絵巻」江戸時代17世紀
根津美術館蔵



「酒呑童子絵巻」は大別し大江山系と伊吹山系とに分類されるそうです。伊吹山系の絵巻の最古のものはサントリー美術館所蔵の狩野元信の手によるもの。

今回、一挙公開されている根津美術館所蔵の3巻本も同系統に属するものだそうです。作者ははっきりしませんが、狩野派によるものという点は間違いありません。

江戸時代前期に描かれたものにしては大変状態がよく、極彩色際立つ美しい画面で『御伽草紙』を世界を見事表現しています。また岩佐又兵衛も真っ青な血みどろシーンの展開にも要注目です。

お雛様見た後に血みどろ絵巻という何ともおつな…

全巻にわたりこれだけ多くの場面を一挙公開することは、まず無いとのこと。はっきり言ってこれだけ観に行くだけでも十分価値あります。

ついでと言っては失礼ですがお隣り展示室6「雛まつりの茶」ではこんなレアものも。


柴田是真「雛図」江戸〜明治時代
根津美術館蔵

軸物の中央にかわいらしくちょこんと内裏雛を描きあとは余白。周囲を墨一色で雛道具を描き、どこにもない描き表装に仕立てています。是真オソルベシ。

しかし、根津美術館さん、どれだけ蔵が深いのか計り知れませんね。


展示室6「雛まつりの茶」展示風景

「古鏡」と「ひなかざり」 は4月6日(水)です。
今回パスしてもいいかな〜なんて思ってた方、極彩色の酒呑童子絵巻とモノクロームの柴田是真が手まねきしてます!!

「古鏡とひなかざり」(其の一)


「古鏡」と「ひなかざり」
村上英二氏寄贈銅鏡・竹田恆正氏寄贈雛道具


会場:根津美術館
開館期間:2011年2月26日(土)〜4月6日(水)
開館時間:午前10時〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日


根津美術館
〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1
電話:03-3400-2536
http://www.nezu-muse.or.jp/

アクセス
地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線〈表参道〉駅下車
A5出口(階段)より徒歩8分、B4出口(階段とエスカレータ)より徒歩10分、
B3出口(エレベータまたはエスカレータ)より徒歩10分

Twitterやってます。
@taktwi

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2455

JUGEMテーマ:アート・デザイン


待望の根津美術館を紹介する本が刊行されました〜

知られざる庭園の素顔。都会のオアシスに点在する石塔・石仏めぐり。庭園マップ収録。根津美術館の主要美術作品187件(国宝7件、重要文化財87件、重要美術品93件)すべてを、写真つきで一覧に。また、絵画、陶磁器、茶道具、工芸、青銅器、仏教美術、書など、掲載作品とその周辺を館内外の美術史家がわかりやすく解説。初代・根津嘉一郎の美術品蒐集に始まる根津美術館70年の歩みや、美術館の過去と現在を、根津公一館長へのインタビューも交えて掲載する。

展示室1と2で、ふたつの寄贈コレクションをご紹介する展覧会を開催します。

【展示室1】質の高いことで知られる村上英二氏の中国古鏡のコレクションが、根津美術館に寄贈されました。これを記念した本展覧会は、海獣葡萄鏡やパルメット文鏡など華やかな唐時代の優品や、鏡の背にガラスを嵌め込んだ玻璃象嵌四神十二支文鏡(隋〜唐時代)といった希少な作品を含む全八十点を一堂に公開いたします。古代より約千五百年にわたるはるかな歴史をもつ鏡の世界をご堪能ください。

【展示室2】明治天皇・昭憲皇太后より第六皇女昌子内親王が拝領した雛道具約七十件が、このたび旧竹田宮家より寄贈されました。気品を漂わせる内裏雛、驚くほど精緻な雛道具、そして皇室ゆかりの子女が手にしたといわれる御台人形―これらが散逸されることなく今日まで伝えられたことは、奇跡的といわれています。初公開となる本展は、宮廷人がこよなく愛した雛遊びの様子を、百年後のわたくしたちに蘇らせてくれます。

展覧会 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/2455
この記事に対するトラックバック